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ラドイベント20

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「でもリッカと目線、大して変わらないよ?」

 ……悪かったな。小学校高学年とさして変わらないレベルのチビで。

「……それでも、まだ子どもなの。以前大人型になった時の身長、覚えてるでしょ? あれくらいまで大きくならないと、大人とは認めません」

「……そっか、まだまだ子どもか」

 私の言葉にラドは眉毛を八の字にして俯いた後、小さくため息を吐いて微笑んだ。

「……でも、確かに大きくなった。大きく、なれた」

 ラドは私の手をぎゅっと両手で包み込むと、まっすぐ私の目を見つめた。

「待ってて。リッカ。時間はかかるかもしれないけど、ぼくはちゃんと大人になるから。リッカの番に相応しい、立派な大人に」

「……ああ、うん。楽しみにしてるよ」

「約束するよ。大人になったら、絶対にもうリッカを傷つけないし……リッカを傷つけるものから、ぼくがリッカを守るよ。たとえ、それが、どんな相手でも」

 そう言ってラドは私の手をそっと持ち上げて、手の甲に優しく口づけた。
 まるで忠誠を誓う騎士のようなその仕草と、向けられた熱を帯びた眼差しに、ちょっとだけドキリとする。

 ……というか、気のせいかもしれないけど。今の一瞬で、またちょっとだけ大きくなってない? なんか、分単位で成長してない?

「それじゃあ、帰ろうか。リッカ。--ぼくらの家に」

「……少し大きくなったけど、それでもやっぱりベッドは一緒なんだよね。きっと」

「え?」

「いや……何でも」

 想像した以上に、ラドが大人になる日は早いかもしれない。



 こうして、ラドの起こした事件は無事収束したように思われたのだけど……。

「--大変です! リッカ!」

 本当の大事件は、翌日にこそやって来た。

「この新聞を見てください! 一面に大きく、貴女とラドの姿が掲載されてます!」



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