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相談する? しない?
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「あ、そうだ。パックさん、聞いてくださいよ。今日、セルドア様に遊牧の件相談してみたんですよ」
「お、さすがリッカちゃん。行動が早いね。……それてで、どうだった? 引き受けてくれた?」
「はい! 早速今日から魔法を考えてくれるようです」
私の言葉に、何故かパックさんは意外そうに目を見開いた。
「……引き受けて、くれたんだ」
「? はい。特に渋ることなく、あっさりと」
「ふうん……」
かちりと音を立てて、パックさんは白玉をすくっていたスプーンを器の上に置いた。
そしてテーブルの上に肩肘を追いてほおづえをつくと、本心を見透かすようにじっと私を見つめた。
「…………それなのにリッカちゃんは、どうしていつもより元気がないの?」
「え……?」
「てっきり、断られて落ち込んでいるのかな、って思ってたんだけどな」
ーーえ、ちょっと待って。ちょっと待って。
私、今、超普通にしてたよね。別に落ち込んでいるとかなかったよね。
もうさ、すでにハルクにかっこ悪い所晒しちゃったからね。慰められちゃったからね。てか、その前にすでにハミルさんの前でも、私泣いてるし。多分セルドアの前でも結構メンタル弱々な感じだったし。
それなのに、未だ落ち込んでいるとか、ないない、あり得ないって。
「……私、自分ではめちゃくちゃ普通なつもりなんですけど」
「ほら、僕って動物にすごく懐かれやすい体質でしょう? それって単純に特殊なフェロモンみたいなの出てる可能性も高いけどさ、動物の感情がよく分かるっていうのも一因だと思うんだよね」
「……はあ」
「だからさ。……動物より分かりやすい、人間の感情なんて簡単に分かるんだよね。まあ、時々敢えて無視するようにはしてるけど」
→パックさんに家族のことを相談する
パックさんに家族のことを相談しない
……なんか、選択肢出て来たぞ。おい。
「お、さすがリッカちゃん。行動が早いね。……それてで、どうだった? 引き受けてくれた?」
「はい! 早速今日から魔法を考えてくれるようです」
私の言葉に、何故かパックさんは意外そうに目を見開いた。
「……引き受けて、くれたんだ」
「? はい。特に渋ることなく、あっさりと」
「ふうん……」
かちりと音を立てて、パックさんは白玉をすくっていたスプーンを器の上に置いた。
そしてテーブルの上に肩肘を追いてほおづえをつくと、本心を見透かすようにじっと私を見つめた。
「…………それなのにリッカちゃんは、どうしていつもより元気がないの?」
「え……?」
「てっきり、断られて落ち込んでいるのかな、って思ってたんだけどな」
ーーえ、ちょっと待って。ちょっと待って。
私、今、超普通にしてたよね。別に落ち込んでいるとかなかったよね。
もうさ、すでにハルクにかっこ悪い所晒しちゃったからね。慰められちゃったからね。てか、その前にすでにハミルさんの前でも、私泣いてるし。多分セルドアの前でも結構メンタル弱々な感じだったし。
それなのに、未だ落ち込んでいるとか、ないない、あり得ないって。
「……私、自分ではめちゃくちゃ普通なつもりなんですけど」
「ほら、僕って動物にすごく懐かれやすい体質でしょう? それって単純に特殊なフェロモンみたいなの出てる可能性も高いけどさ、動物の感情がよく分かるっていうのも一因だと思うんだよね」
「……はあ」
「だからさ。……動物より分かりやすい、人間の感情なんて簡単に分かるんだよね。まあ、時々敢えて無視するようにはしてるけど」
→パックさんに家族のことを相談する
パックさんに家族のことを相談しない
……なんか、選択肢出て来たぞ。おい。
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