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ラドの反応

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 ドラゴンだから、ラド。
 安直だって? ……知ってるよ!
 でも、安直でも何でも、卵が気に入ってくれれば、良いんだよ。

「……リッカ。さすがにその名は……」

 ……だから、ルートさん、そんな引いた目で私を見ないで! ルートさんの名前センスも大概だから!

「……あ。でも、卵は喜んでくれてるっぽい」

「な……」

 触っていた表面の温度は、ちょうどいい感じに温かくなってるし、先ほどまでの脅えた雰囲気も消えている。
 
「卵ー。ラドって名前が気に入ってくれたなら、内側から殻を二回コツコツつついてしてくれる?」

 問いかけるなり、すぐに二回コツコツ音がした。

 ふっ……どうやら、厨二vs安直の勝負には、再び安置側が勝利したようだな。

「……そんな! 新しく生まれてくる子ドラゴンに相応しい名前候補を色々考えていたのに……!」

 一人、頭を抱えるルートさんに、思わず勝ち誇った笑みが浮かぶ。

 ……それにしても、果たしてルートさん。どんな名前候補を考えていたんだろうか。地味に気になるな。



「リッカ。町にお昼を一緒に食べに行きませんか?」

 項垂れたままのルートさんを仕事に送り出し、マンドラゴラの水やりと雑草とりを済ませた頃に、突如セルドアが転移して牧場にやって来た。

「城下町にね、評判のお店があるんですよ。転移魔法で行けばすぐですから、今から行きましょう?」

「……セルドア様。こんな平日の真っ昼間に私なんかの所に来て大丈夫なんですか?」

 ……確か、この人、えらい魔術師長だかなんかの役職についているんだよな。
 こんな一般ピーポーのもとに、ホイホイ足を運んで大丈夫なんだろうか。……牧場経営の様子を見るとないうならともかく、わざわざ遠い城下町まで行ってお昼ご飯を食べに行くとか、完全に業務外な気がするし。

「正規の休憩時間内ですから。何に使おうと咎められる筋合いはありませんよ。そもそも、リッカの精神管理も私の仕事の内です。ほら、出かけましょう?」
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