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セルドアとの道中
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……うう。セルドアを引き留める為とはいえ、この呼称は私にダメージが大きい。
案の定、ぴたりと足を止めたセルドアは、いやーな笑みを浮かべて振り返った。
「……何ですか。リッカ。先程までは、あんなにお兄様と呼ぶことを嫌がっていたのに」
……これ、さっき呼んだの本当は聞こえてたでしょ。
聞こえてて無視したでしょ。
そうに決まってる。
「……セルドア様が、私を置いて勝手に一人で進んでしまうから、やむを得なくです」
セルドアが、さっきのような不自然な歩き方に戻る前に、慌てて距離を詰める。
掛け足の私を、セルドアは生温い目で見つめていた。……やめて。その幼い子を見守る大人みたいな目。
「……そうですか。置いていかれて、さみしかったと。リッカは、お兄ちゃんっ子ですね~」
「……淋しい云々じゃなく、置いてかれたら単純に町につけなくなるから、嫌なんです!」
「おや、そうですか。でも、ここから町まではほぼ一本道ですから、パックの家畜場の方に曲がらない限りは迷うことはありませんよ」
……それを先に言ってくれ!
ああでも、迷わないにしても、やっぱり知らない場所であんな不自然な状態のセルドアから置いていかれるのは嫌だな。
道中どんなハプニングが起こるか分からないし。
「……せっかく30分も歩くことになるわけですし、どうせなら一緒に話していきましょうよ。その方が退屈しないで済みます」
私の言葉に、セルドアは何故か少し驚いたように目を丸くしてから、思いの外柔らかい笑みで微笑んだ。
「リッカがそうしたいというのなら、構いませんよ。……さて、何の話をしましょうか」
→牧場の話
ドラゴンの話
家族の話
………なんか、また選択肢出て来たぞ。
話なんて、何でも良いだろうに、これ三つの中から選ばなきゃ駄目なんか?
案の定、ぴたりと足を止めたセルドアは、いやーな笑みを浮かべて振り返った。
「……何ですか。リッカ。先程までは、あんなにお兄様と呼ぶことを嫌がっていたのに」
……これ、さっき呼んだの本当は聞こえてたでしょ。
聞こえてて無視したでしょ。
そうに決まってる。
「……セルドア様が、私を置いて勝手に一人で進んでしまうから、やむを得なくです」
セルドアが、さっきのような不自然な歩き方に戻る前に、慌てて距離を詰める。
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……それを先に言ってくれ!
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