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第一章
ティファはオーブンを使いたい
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「え?」
「この前ティファが捕まえた強盗の報酬金が出たんだけど。そのままお金を全部渡すことは出来ないから、オーブンを直すのに使おうかと思ってるんだけど、いいかな?」
それは数日前、何故かここの宿舎に強盗さんが入りまして。成り行き上、私がサクッと捕まえたのですが、え?報奨金とか私貰えるんですか?私捕虜なのに?
「あ!別にティファの身の回りの物も勿論買っていいよ?ティファ、いつも同じ服ばかり着てるよね?それぐらい買えるお金は渡してると思うんだけど・・・」
「ハイトさん。贅沢は・・・・・・・敵です」
あら?何故後ろへ下がるのですか?・・・・は!!同じ服?も、もしやハイトさんまで・・・・!
「あの。毎日ちゃんと洗ってますから大丈夫ですよ?不潔じゃ無いです!」
「いや。そんな心配してないけど?」
あ。そうでしたか?良かったです。ギャドさんの時のような失敗は回避したいですからね?臭い女が作る料理なんて誰も食べたがりませんからね!?
「それで、せっかくだから厨房の古い設備を丸ごと修理しようかと思って。だから、その間・・・・料理はここでは作れないんだ」
「あ。そうなんですね?分かりました。でもじゃあ、ご飯どうしましょ?」
「・・・しばらく外食かな?ハァーーー」
あら?どうしました?ハイトさん顔色悪いですよ?
何かありましたか?男の人って意外と繊細なんですよね?ちょっと罵っただけですぐ、へこたれちゃいますものね?
え?誰かを罵った事があるのかって?どうでしょう?遠い昔の話過ぎて覚えてませんね?私、必要ない事はすぐに忘れてしまうんですよね?
「でも、困りました。私、毎日外食する程お金に余裕がないのですけど・・・」
「あーーーそれなら・・・」
バァン!!
おぅ!扉を破壊せんばかりにハイテンションで食堂に入って来られたのはツンデレガールでお馴染みのアイラさんではないですか?貴方貴族のご令嬢ですよね?大丈夫なんですか?嫁入り前なのに、毎日男だらけのこの宿舎に出入りなんてしていて。
あ、でもこの間ファン一号がいるとか言ってましたね?何かあってもその方が居れば安心ですね?
「話は聞きましたわよ!!ティファ!料理が出来ない数日間。私が貴方にこちらの国の料理を教えて差し上げますわ!!」
「え?いや、でも。アイラさんが行くようなお店、私ではとても・・・・」
「勿論!お代は私が全て出して差し上げてよ?貴方は黙って私について来れば良いのです!」
「はい!黙ってついて行きます!!絶対口を開きません!」
「いや、喋ろうよ。怖いよ」
タダ飯!タダ飯ですよ!!なんて素敵なひ・び・き!!
アイラさんのそんな豪快さが私、結構好きです!!お兄さんに似なくて良かったですね!?
「アイラ。また来てたの?駄目だよ我儘言ってティファを困らせちゃ」
え?全く困ってないですけど?寧ろ飛び上がらんばかりに喜んでいましたけど?余計な口出しやめて貰えますかね?アイラさんのお兄さん。
「あら?たまには良いではないですか?ティファ、ここに来てから、ここから殆ど出てらっしゃらないとお伺いしております。たまには女性同士気兼ねなく過ごす事も必要ですわよ?」
女同士でお出掛け?
そういえば私、今まで同性の友達と遊びに行ったことなどありません。ん?まてよ?そもそも私生まれてこのかた友達がいた事ないような?え?いやいや、そんな事ない筈ですよ?もっとしっかり思い出してみましょう!!
・・・・・・・・・・・・うへぇ!いなかったぁ!!!
「ん?ティファ?どうしたの?」
「私。暮らしていた国では友達と遊んだりした事、なかったので・・・とても楽しみです」
あ!でも遊びも兼ねて族長と巨大猪を追いかけ回してましたかね?危うく何度か死にかけましたが!良い思い出です!
族長、お元気でしょうか?ホロリ。
「・・・・・ティファ、悪い。余計な事思い出させて」
ん?余計な事とは?あれ?皆さん何故か少し元気が無くなってません?どうしたんですか?お腹すいちゃいました?
「ティファ。友人はここでも沢山出来る。遊びに行きたいなら、いつだって連れて行ってやるぞ?」
ギャドさん?何故そんな顔で微笑んでいるんですか?らしくないですよ?貴方はそのムキムキの筋肉の如く能天気なのがお似合いなのに。
「そうだよティファ。遠慮しなくていいよ?確かに立場的には捕虜扱いになってるけど、普通の女の子として過ごして行くのなら問題ないんだし」
ここで素朴な疑問が発生しました。聞いてもいいかな?皆さんどう思います?
「あのぉ~普通の女の子とは?どの様な方の事を指すのでしょう?」
「「「・・・・・・・・・・・」」」
あら?皆さんこちらを見ようとしませんね?何でしょう?只ならぬ雰囲気を感じます。
そんなこんなで私。その数日間、色々な方々にご飯を食べに連れて行ってもらいました!
ハイトさんは食べるのが好きなだけあって美味しいお店、知ってらっしゃいましたよ?
ギャドさんはやはりお酒のおつまみ系が多かったですね!
シンプルな味付けで素材の味が良く分かって勉強になりました!
アイラさんは、もう、アヘ~でした。普段は絶対お目にかかれない料理を堪能させて頂きました!!
とにかく幸せなひと時でした・・・・・。
え?他のお二人ですか?
アハハハ!丁重にお断りしました!(真顔)
そんなこんなで長いと思った数日間もあっという間に過ぎました!
そしてめでたく厨房の改装が終了したのです!
この国の料理はとても興味深くて勉強になりましたし皆さんとの食事はとても有意義な時間でしたがやはり私は。
「あーーー早くオーブンで料理が作りたいです!」
「解せない。何でギャドとハイトは良くて俺は駄目なんだよ」
ん?何か言いましたか?ハイトさんのご友人の方?
「この前ティファが捕まえた強盗の報酬金が出たんだけど。そのままお金を全部渡すことは出来ないから、オーブンを直すのに使おうかと思ってるんだけど、いいかな?」
それは数日前、何故かここの宿舎に強盗さんが入りまして。成り行き上、私がサクッと捕まえたのですが、え?報奨金とか私貰えるんですか?私捕虜なのに?
「あ!別にティファの身の回りの物も勿論買っていいよ?ティファ、いつも同じ服ばかり着てるよね?それぐらい買えるお金は渡してると思うんだけど・・・」
「ハイトさん。贅沢は・・・・・・・敵です」
あら?何故後ろへ下がるのですか?・・・・は!!同じ服?も、もしやハイトさんまで・・・・!
「あの。毎日ちゃんと洗ってますから大丈夫ですよ?不潔じゃ無いです!」
「いや。そんな心配してないけど?」
あ。そうでしたか?良かったです。ギャドさんの時のような失敗は回避したいですからね?臭い女が作る料理なんて誰も食べたがりませんからね!?
「それで、せっかくだから厨房の古い設備を丸ごと修理しようかと思って。だから、その間・・・・料理はここでは作れないんだ」
「あ。そうなんですね?分かりました。でもじゃあ、ご飯どうしましょ?」
「・・・しばらく外食かな?ハァーーー」
あら?どうしました?ハイトさん顔色悪いですよ?
何かありましたか?男の人って意外と繊細なんですよね?ちょっと罵っただけですぐ、へこたれちゃいますものね?
え?誰かを罵った事があるのかって?どうでしょう?遠い昔の話過ぎて覚えてませんね?私、必要ない事はすぐに忘れてしまうんですよね?
「でも、困りました。私、毎日外食する程お金に余裕がないのですけど・・・」
「あーーーそれなら・・・」
バァン!!
おぅ!扉を破壊せんばかりにハイテンションで食堂に入って来られたのはツンデレガールでお馴染みのアイラさんではないですか?貴方貴族のご令嬢ですよね?大丈夫なんですか?嫁入り前なのに、毎日男だらけのこの宿舎に出入りなんてしていて。
あ、でもこの間ファン一号がいるとか言ってましたね?何かあってもその方が居れば安心ですね?
「話は聞きましたわよ!!ティファ!料理が出来ない数日間。私が貴方にこちらの国の料理を教えて差し上げますわ!!」
「え?いや、でも。アイラさんが行くようなお店、私ではとても・・・・」
「勿論!お代は私が全て出して差し上げてよ?貴方は黙って私について来れば良いのです!」
「はい!黙ってついて行きます!!絶対口を開きません!」
「いや、喋ろうよ。怖いよ」
タダ飯!タダ飯ですよ!!なんて素敵なひ・び・き!!
アイラさんのそんな豪快さが私、結構好きです!!お兄さんに似なくて良かったですね!?
「アイラ。また来てたの?駄目だよ我儘言ってティファを困らせちゃ」
え?全く困ってないですけど?寧ろ飛び上がらんばかりに喜んでいましたけど?余計な口出しやめて貰えますかね?アイラさんのお兄さん。
「あら?たまには良いではないですか?ティファ、ここに来てから、ここから殆ど出てらっしゃらないとお伺いしております。たまには女性同士気兼ねなく過ごす事も必要ですわよ?」
女同士でお出掛け?
そういえば私、今まで同性の友達と遊びに行ったことなどありません。ん?まてよ?そもそも私生まれてこのかた友達がいた事ないような?え?いやいや、そんな事ない筈ですよ?もっとしっかり思い出してみましょう!!
・・・・・・・・・・・・うへぇ!いなかったぁ!!!
「ん?ティファ?どうしたの?」
「私。暮らしていた国では友達と遊んだりした事、なかったので・・・とても楽しみです」
あ!でも遊びも兼ねて族長と巨大猪を追いかけ回してましたかね?危うく何度か死にかけましたが!良い思い出です!
族長、お元気でしょうか?ホロリ。
「・・・・・ティファ、悪い。余計な事思い出させて」
ん?余計な事とは?あれ?皆さん何故か少し元気が無くなってません?どうしたんですか?お腹すいちゃいました?
「ティファ。友人はここでも沢山出来る。遊びに行きたいなら、いつだって連れて行ってやるぞ?」
ギャドさん?何故そんな顔で微笑んでいるんですか?らしくないですよ?貴方はそのムキムキの筋肉の如く能天気なのがお似合いなのに。
「そうだよティファ。遠慮しなくていいよ?確かに立場的には捕虜扱いになってるけど、普通の女の子として過ごして行くのなら問題ないんだし」
ここで素朴な疑問が発生しました。聞いてもいいかな?皆さんどう思います?
「あのぉ~普通の女の子とは?どの様な方の事を指すのでしょう?」
「「「・・・・・・・・・・・」」」
あら?皆さんこちらを見ようとしませんね?何でしょう?只ならぬ雰囲気を感じます。
そんなこんなで私。その数日間、色々な方々にご飯を食べに連れて行ってもらいました!
ハイトさんは食べるのが好きなだけあって美味しいお店、知ってらっしゃいましたよ?
ギャドさんはやはりお酒のおつまみ系が多かったですね!
シンプルな味付けで素材の味が良く分かって勉強になりました!
アイラさんは、もう、アヘ~でした。普段は絶対お目にかかれない料理を堪能させて頂きました!!
とにかく幸せなひと時でした・・・・・。
え?他のお二人ですか?
アハハハ!丁重にお断りしました!(真顔)
そんなこんなで長いと思った数日間もあっという間に過ぎました!
そしてめでたく厨房の改装が終了したのです!
この国の料理はとても興味深くて勉強になりましたし皆さんとの食事はとても有意義な時間でしたがやはり私は。
「あーーー早くオーブンで料理が作りたいです!」
「解せない。何でギャドとハイトは良くて俺は駄目なんだよ」
ん?何か言いましたか?ハイトさんのご友人の方?
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