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六章 プレドーラ攻城戦
三十三話
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行軍っていうのは、案外静かなものだ。特に僕たちの馬車の中といったら。
「いやあ、書類整理しなくて済むなんて、楽チンでいいですね! 」
兵士くんはさっきからずっとゴロゴロしている。
実際、この移動中はすることがない。時折の休憩時間に、連れてきた動物たちにエサをやるくらいだ。
いつ配合をすることになってもいいように、生物開発課所有の動物たちも連れてきている。
「おい! さっきからこの馬車、ガシャガシャうるさいぞ。」
騒がしいな。ああ。あれはシャコが乗ってる馬車だな。あそこの担当になった兵士諸君はちょっと気の毒だな。
夜通し行軍は続いたが、僕たちは日が昇るまでしばらく眠った。
起きると、窓の風景は一変していた。すでにホルンメランの湿地帯は抜けていた。かなりの速度で進軍しているみたいだ。どこまで見通しても、枯れ草の草原。
窓の外の兵士の一人は器用に馬に乗りながら寝ていた。この世界に来てからというもの、つくづく軍人の凄さには感心してしまう。
「あれ、タイセイさん。おはようございます。」
ライアンくんは目を擦りながら上体を起こした。
兵士くんはまだ大いびきをかいて寝ていた。仕事があるわけでもないからいいか。
「ライアンくん、今どこらへんか分かる? 」
「ええと、ホルンメラン管轄はとっくに抜けてますね。今は隣の都市のプレドーラという都市の管轄です。」
「聞いたことない都市だけど。」
「小さい都市ですからね。特に何があるわけでもありませんし。多分通り過ぎるだけですよ。」
ところがその日の昼ごろだった。突然進んでいた道を外れて横に軍が逸れ始めた。馬車の隣をゆく騎兵に
「ねえ君、これは一体どういうことだい? 」
と尋ねた。彼はこちらを向き
「私も詳細は知らないんですけどね。どうやら予定を変更してプレドーラに向かうようですよ。」
予定を変更した? 何か不測の事態でもあったのか?
三人で首をかしげているところに、僕への伝令が飛んできた。
「伝令! ハセガワ・タイセイ殿は至急本隊のパゴスキー司令官のもとへと来られたしとのことです。」
ちょうどいいところに来たな。何か知れるかもしれない。
僕は馬車の隣をずっと付き添って歩いていたヒカルゲンジに跨って、軍前方の本隊へと走った。
乗馬も慣れたものだ。あの謎の電気マシーンの付け焼き刃だけど、よく効いた。自分で言うのもなんだが、そこら辺の兵士と遜色ないくらいには乗れていると思う。
行軍はゆったりと進んでいるので、本隊に追いつくのには時間はかからなかった。
ピオーネのいるあたりはホルンメランの大将旗があったのですぐにわかった。
旗のすぐ下にピオーネがいた。
「ピオーネ。来たけど、どうなってるの? 今。」
「おや、早かったですね。」
僕とピオーネは馬を並べた。
「事情を簡潔に説明するとですね。」
ピオーネは地図を取り出した。
「今私たちはプレドーラ管轄内にいます。当初はこのまま西に進んでニフラインに入る予定だったのですが、どうやらすでにプレドーラがニフライン分団によって陥落してしまったらしいのです。」
あちゃー、向こうの軍の方が少し早かったみたいだ。もしかしてクソでかい馬車作ってたからじゃないのか?
「それでもしここを素通りしてしまうと、後背を突かれてしまうので、先に解放してからいきます。簡単に落ちた都市だから簡単に奪い返せるでしょう。住民はすでに脱出しているらしいので容赦なく叩けますし。」
「それなら僕はどうして呼ばれたの? 」
「あなたの力をさっそくお借りするかもしれないということですよ。そのときは、よろしく頼みます。」
期待が重いな……。
自分の馬車に戻ると、すぐに休憩になった。
「ああ、タイセイさん、お昼ご飯にしましょう。」
ライアンくんが食事の用意をしていた。
「ライアンさん、飲んでいいですかね? 」
「いや、逆になんでいいと思ったのさ? 」
兵士くんはすでに酒瓶を持っていた。
「ええ~、少しでも軽くした方がいいでしょ。このワインセラー。」
「は!? クロード君そんなもの持ち込んでたの? 」
あの見たことない箱、ワインセラーだったのか。てかそんなもん持ち込むんじゃないよ全く。完全にピクニック気分か。
「そもそも持ち込まなきゃ軽いだろうよ、そんなもの。」
兵士くんは僕たち二人が飲まないのを知ると、グラスを一つだけ出した。
休憩はすぐに終わってしまい、馬車は動き出した。ぼくたちの食事は全然終わっていない。もちろん、兵士くんのワインも。
「そういえば、さっき呼ばれてたのってなんだったんです? 」
「ああ、あれ。さきに落とされたプレドーラを奪還するって話だよ。」
「へえ、そんなことしちゃって間に合うんですかね? 」
「それは分からないな。」
夕方のこと、軍全体が緊張感を増してきた。プレドーラが見えてきたのだ。遠目だからそう見えるだけなのかも知れないが、小さな都市だ。
プレドーラを視認できる平原で、軍は横に広がった。僕はまたピオーネに呼び出されたので、彼女のもとに向かった。
本隊のところには陣が敷かれていた。ピオーネはその中の一番奥のテントにいた。
彼女は鎧に着替えていた。薄手のもので、どちらかというと機動性重視のようだ。
「タイセイさん、今から始まりますよ。」
「ああ、分かってるよ。」
プレドーラの防壁の上にはニフラインの旗が立っていた。
「あの防壁、低いでしょう? 」
言われてみれば確かに低い。ここからでも中の建物がまあまあ見える。
「本来ならばプレドーラの兵が特殊な守り方をするもんだからクセのある防壁なのだけれど、今守ってるのはニフラインの兵たちだから、ただの防壁ですよ。」
「特殊な守り方? 」
「城壁の上部分が回転するの。だからハシゴをかけても振り払われてしまうんですよ。」
へえ、考えるもんだな。しかしニフラインの兵にはそれができないのか。壁は目測で6メートルほど。回転さえしなければ、お世辞にも防御力が高いとはいえない。
ピオーネは前の軍に号令をかけた。攻城戦用の装備をした部隊にだ。攻城部隊は前進し、たちまちプレドーラを囲み始めた。
銅鑼が鳴らされると、けたたましいかけ声とともに攻撃が始まった。
すでに準備していたニフライン兵たちは弓矢で応戦した。上から撃ち下ろすので、なかなか壁を登れずにいる。
だが、やはり壁が低いのは弱点だった。たちまち壁のところどころに梯子がかけられ始めた。
それぞれの梯子から一斉にホルンメランの兵たちが登り始めた。もちろん上から矢が降ってくるのだが、上手く盾で防いでいる。
しかし、兵たちが壁の上まで登ろうというところだった。
「ガラガラガラ!! 」
「のあ! 」
壁が回転し始めたのだ! おいおい、話と違うじゃないか。
「うわあ! 」
兵士たちは梯子ごと振り落とされてしまった。
当然その様子はピオーネも見ていた。
「おかしいじゃないか! 使えないって話だろ? 」
「予想と違ったようですね。プレドーラの兵が捕虜にでもなってたんでしょうかね。」
「いやいや、まずいじゃんそれじゃ。」
「ええ、一旦退がらせましょう。」
ものすごい喧騒だったが、ピオーネが号令だすと波が引いていくように兵たちは撤退してきた。
テントの中に、将校一同が集まった。
「どうやら、一筋縄ではいかない様子。」
「しかしどうしたものか。」
「無理矢理落としてしまえばよかろう。」
議論は紛糾していた。この中にどうして僕が混じっているのだろうか。
ピオーネはただその様子を眺めながら黙って考えていた。
「梯子以外になにかないものかね。」
防壁を眺めながらメイデン少将がボヤいた。
梯子以外何も方法がないから、あの回転壁が猛威を奮っているのだ。
「壁に触れずにいけたらなあ。」
「それは現実逃避というものですぞ、少将。」
「そうだな、いけないいけない。」
テントの外がにわかに騒がしくなった。
「ガシャンガシャン! 」
「ヒヒーン! 」
「コラ! 静かにしろ! 」
騒ぎはテントの中まで聞こえてきた。
「なにごとですか! 」
ピオーネが言うと、兵士がテントの入り口を開けた。
「申し訳ありません。突然馬が暴れ出しまして。」
「そんなことで騒いでいたのか? 」
「それが、普通の馬でなく……。」
「どういうことだ? 」
「飛び跳ねるんですよ! 」
あ……それってもしかして……。
「いやあ、書類整理しなくて済むなんて、楽チンでいいですね! 」
兵士くんはさっきからずっとゴロゴロしている。
実際、この移動中はすることがない。時折の休憩時間に、連れてきた動物たちにエサをやるくらいだ。
いつ配合をすることになってもいいように、生物開発課所有の動物たちも連れてきている。
「おい! さっきからこの馬車、ガシャガシャうるさいぞ。」
騒がしいな。ああ。あれはシャコが乗ってる馬車だな。あそこの担当になった兵士諸君はちょっと気の毒だな。
夜通し行軍は続いたが、僕たちは日が昇るまでしばらく眠った。
起きると、窓の風景は一変していた。すでにホルンメランの湿地帯は抜けていた。かなりの速度で進軍しているみたいだ。どこまで見通しても、枯れ草の草原。
窓の外の兵士の一人は器用に馬に乗りながら寝ていた。この世界に来てからというもの、つくづく軍人の凄さには感心してしまう。
「あれ、タイセイさん。おはようございます。」
ライアンくんは目を擦りながら上体を起こした。
兵士くんはまだ大いびきをかいて寝ていた。仕事があるわけでもないからいいか。
「ライアンくん、今どこらへんか分かる? 」
「ええと、ホルンメラン管轄はとっくに抜けてますね。今は隣の都市のプレドーラという都市の管轄です。」
「聞いたことない都市だけど。」
「小さい都市ですからね。特に何があるわけでもありませんし。多分通り過ぎるだけですよ。」
ところがその日の昼ごろだった。突然進んでいた道を外れて横に軍が逸れ始めた。馬車の隣をゆく騎兵に
「ねえ君、これは一体どういうことだい? 」
と尋ねた。彼はこちらを向き
「私も詳細は知らないんですけどね。どうやら予定を変更してプレドーラに向かうようですよ。」
予定を変更した? 何か不測の事態でもあったのか?
三人で首をかしげているところに、僕への伝令が飛んできた。
「伝令! ハセガワ・タイセイ殿は至急本隊のパゴスキー司令官のもとへと来られたしとのことです。」
ちょうどいいところに来たな。何か知れるかもしれない。
僕は馬車の隣をずっと付き添って歩いていたヒカルゲンジに跨って、軍前方の本隊へと走った。
乗馬も慣れたものだ。あの謎の電気マシーンの付け焼き刃だけど、よく効いた。自分で言うのもなんだが、そこら辺の兵士と遜色ないくらいには乗れていると思う。
行軍はゆったりと進んでいるので、本隊に追いつくのには時間はかからなかった。
ピオーネのいるあたりはホルンメランの大将旗があったのですぐにわかった。
旗のすぐ下にピオーネがいた。
「ピオーネ。来たけど、どうなってるの? 今。」
「おや、早かったですね。」
僕とピオーネは馬を並べた。
「事情を簡潔に説明するとですね。」
ピオーネは地図を取り出した。
「今私たちはプレドーラ管轄内にいます。当初はこのまま西に進んでニフラインに入る予定だったのですが、どうやらすでにプレドーラがニフライン分団によって陥落してしまったらしいのです。」
あちゃー、向こうの軍の方が少し早かったみたいだ。もしかしてクソでかい馬車作ってたからじゃないのか?
「それでもしここを素通りしてしまうと、後背を突かれてしまうので、先に解放してからいきます。簡単に落ちた都市だから簡単に奪い返せるでしょう。住民はすでに脱出しているらしいので容赦なく叩けますし。」
「それなら僕はどうして呼ばれたの? 」
「あなたの力をさっそくお借りするかもしれないということですよ。そのときは、よろしく頼みます。」
期待が重いな……。
自分の馬車に戻ると、すぐに休憩になった。
「ああ、タイセイさん、お昼ご飯にしましょう。」
ライアンくんが食事の用意をしていた。
「ライアンさん、飲んでいいですかね? 」
「いや、逆になんでいいと思ったのさ? 」
兵士くんはすでに酒瓶を持っていた。
「ええ~、少しでも軽くした方がいいでしょ。このワインセラー。」
「は!? クロード君そんなもの持ち込んでたの? 」
あの見たことない箱、ワインセラーだったのか。てかそんなもん持ち込むんじゃないよ全く。完全にピクニック気分か。
「そもそも持ち込まなきゃ軽いだろうよ、そんなもの。」
兵士くんは僕たち二人が飲まないのを知ると、グラスを一つだけ出した。
休憩はすぐに終わってしまい、馬車は動き出した。ぼくたちの食事は全然終わっていない。もちろん、兵士くんのワインも。
「そういえば、さっき呼ばれてたのってなんだったんです? 」
「ああ、あれ。さきに落とされたプレドーラを奪還するって話だよ。」
「へえ、そんなことしちゃって間に合うんですかね? 」
「それは分からないな。」
夕方のこと、軍全体が緊張感を増してきた。プレドーラが見えてきたのだ。遠目だからそう見えるだけなのかも知れないが、小さな都市だ。
プレドーラを視認できる平原で、軍は横に広がった。僕はまたピオーネに呼び出されたので、彼女のもとに向かった。
本隊のところには陣が敷かれていた。ピオーネはその中の一番奥のテントにいた。
彼女は鎧に着替えていた。薄手のもので、どちらかというと機動性重視のようだ。
「タイセイさん、今から始まりますよ。」
「ああ、分かってるよ。」
プレドーラの防壁の上にはニフラインの旗が立っていた。
「あの防壁、低いでしょう? 」
言われてみれば確かに低い。ここからでも中の建物がまあまあ見える。
「本来ならばプレドーラの兵が特殊な守り方をするもんだからクセのある防壁なのだけれど、今守ってるのはニフラインの兵たちだから、ただの防壁ですよ。」
「特殊な守り方? 」
「城壁の上部分が回転するの。だからハシゴをかけても振り払われてしまうんですよ。」
へえ、考えるもんだな。しかしニフラインの兵にはそれができないのか。壁は目測で6メートルほど。回転さえしなければ、お世辞にも防御力が高いとはいえない。
ピオーネは前の軍に号令をかけた。攻城戦用の装備をした部隊にだ。攻城部隊は前進し、たちまちプレドーラを囲み始めた。
銅鑼が鳴らされると、けたたましいかけ声とともに攻撃が始まった。
すでに準備していたニフライン兵たちは弓矢で応戦した。上から撃ち下ろすので、なかなか壁を登れずにいる。
だが、やはり壁が低いのは弱点だった。たちまち壁のところどころに梯子がかけられ始めた。
それぞれの梯子から一斉にホルンメランの兵たちが登り始めた。もちろん上から矢が降ってくるのだが、上手く盾で防いでいる。
しかし、兵たちが壁の上まで登ろうというところだった。
「ガラガラガラ!! 」
「のあ! 」
壁が回転し始めたのだ! おいおい、話と違うじゃないか。
「うわあ! 」
兵士たちは梯子ごと振り落とされてしまった。
当然その様子はピオーネも見ていた。
「おかしいじゃないか! 使えないって話だろ? 」
「予想と違ったようですね。プレドーラの兵が捕虜にでもなってたんでしょうかね。」
「いやいや、まずいじゃんそれじゃ。」
「ええ、一旦退がらせましょう。」
ものすごい喧騒だったが、ピオーネが号令だすと波が引いていくように兵たちは撤退してきた。
テントの中に、将校一同が集まった。
「どうやら、一筋縄ではいかない様子。」
「しかしどうしたものか。」
「無理矢理落としてしまえばよかろう。」
議論は紛糾していた。この中にどうして僕が混じっているのだろうか。
ピオーネはただその様子を眺めながら黙って考えていた。
「梯子以外になにかないものかね。」
防壁を眺めながらメイデン少将がボヤいた。
梯子以外何も方法がないから、あの回転壁が猛威を奮っているのだ。
「壁に触れずにいけたらなあ。」
「それは現実逃避というものですぞ、少将。」
「そうだな、いけないいけない。」
テントの外がにわかに騒がしくなった。
「ガシャンガシャン! 」
「ヒヒーン! 」
「コラ! 静かにしろ! 」
騒ぎはテントの中まで聞こえてきた。
「なにごとですか! 」
ピオーネが言うと、兵士がテントの入り口を開けた。
「申し訳ありません。突然馬が暴れ出しまして。」
「そんなことで騒いでいたのか? 」
「それが、普通の馬でなく……。」
「どういうことだ? 」
「飛び跳ねるんですよ! 」
あ……それってもしかして……。
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