黒き死神が笑う日

神通百力

文字の大きさ
上 下
138 / 211

皮膚パック

しおりを挟む
 私の肌は荒れていた。鏡を見るのも嫌になるほどに汚かった。
 肌荒れを解消しようと泥パックやはちみつパックを試してみたが、やり方が悪かったのか、何の効果も得られなかった。
 頭を抱え込んでいると、姉の姿が目に入った。姉はベッドに座って漫画を読んでいた。姉は私と違い、キレイな肌をしている。清潔感に溢れ、学校一の美人だ。
 美人な姉とブスな妹と周りからは言われている。全然似ていないとからかわれているが、それも当然だ。血縁関係はないのだから。親が再婚し、私たちは姉妹となった。父の連れ子が私で、母の連れ子が姉だ。
 姉のような美しい肌になりたい。そう思っていると、ある考えが浮かんだ。そうだ、をすればいいんだ。
 私は急いで台所に降りると、包丁を手に取り、すぐに部屋に戻った。両親は共働きで、遅くにならないと帰ってこない。もしいたら包丁を持っていこうとするのを咎められるかもしれない。
 漫画に夢中になっている姉のお腹を包丁で刺した。姉は驚愕の表情で私を見た。その表情がおかしくて、私は笑いながら姉を何度も刺す。
 死んだことを確認すると、包丁で顔の皮膚を剥いだ。破れないようにゆっくりと剥がしていく。皮膚の裏面にはべったりと血液が付着していた。
 私は皮膚を自分の顔に貼った。皮膚パックの完成だ。
 血液が顔に染み込んで肌荒れが治ることを願いながら、私はベッドで眠りについた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

400文字*365チャレンジ

入相海
大衆娯楽
毎日1本、400文字の創作小説を書くというチャレンジ。 基本的には400文字で完結する予定ですが、偶に次の日に続きます。 ジャンルは各話バラバラなので章ごとに管理しています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

兄の悪戯

廣瀬純一
大衆娯楽
悪戯好きな兄が弟と妹に催眠術をかける話

兄になった姉

廣瀬純一
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

声劇・シチュボ台本たち

ぐーすか
大衆娯楽
フリー台本たちです。 声劇、ボイスドラマ、シチュエーションボイス、朗読などにご使用ください。 使用許可不要です。(配信、商用、収益化などの際は 作者表記:ぐーすか を添えてください。できれば一報いただけると助かります) 自作発言・過度な改変は許可していません。

処理中です...