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ストーリー…っていうか各キャラの細かい設定も思い出せないけれど…


とにかく、姉と交流を持ってみよう。


食事の時とかに会話はするけどあんまり仲良くはない。…だって両親が取られちゃうみたいな気がして嫌だったのだもの。
今は前世の常識とかがあるのでそういう気にはなりません!お子様でしたね!いやまだお子様なんですけど!


今世で覚えている姉は…
アイリーン=クレセファー、1個年上の13歳。お母様にすっごく可愛がられてる(このためミランは嫉妬していた)。
お父様から継いだ銀髪、お母様から継いだ碧眼。顔立ちは母のお兄様に似てるって聞いた。

創作の世界ではこの姉妹は必要最低限にしか交流しない。…まあ生意気な妹とプライドの高いお姉ちゃんなら仕方ない。最後の方は仲良くなったような…。


たぶん交流持てば何か思い出せるかもしれない!なんてたって学園に通うことぐらいしか思い出せてないし、私とくっつく予定の方は属性闇しか思い出せてない!





よし!
とりあえず創作世界のこと思い出したら順次紙に書いてこーっと。必ずしもその通りにはならないだろうけど、生きてるし。なんかの指針みたいになったり悪いことがあったら回避出来たりしたらいいな。

字は前世の記憶にある日本語で書いた。両親に見られたら色々と大変そうなので…いや日本語も見付かったら危なそうだけど。

…………机の中の奥の方に入れとけばバレなくない?
うんバレないバレない。意外ときっとバレない。紙切れだし。なんか言われたら絵って事にしよ。








**********






 
その次の日。欠伸を噛み締めながら起きると湯船が用意されていた。ありがたい。
メイドさんに身体を洗ってもらうのはちょっとこそばゆかったが、そこまで気になんなかった。

そういえばメイドさんは脅えてる。
わがままの1つでクビに出来るからな…。当たり前のように怖いだろう。私付きは何人かいるが名前を聞いたこともない。入れ替わりも激しそうだ…。
とりあえず朝ご飯だ。着替えを済まして下に降りる。



「ミラン!!!おはよう、もう体調は大丈夫かい?」
「おはよう、ミラン。よかったわ、元気になって」

「おはようございます、お父様、お母様。体調は大丈夫ですわ!」

……あれ?なんだろう…
お母様って意外と私のこと興味なさそうだったんだな。これは発見だ。

「おはよう、ミラン。体調が戻ってよかったわ。」

姉だ。アイリーン。
こちらをちらっと見た。美少女だ。

「アイリーンお姉様、おはようございます。お気遣いありがとうございます。」

というと少し間を置いて、ええ、と返事をされた。
……あ、そういえばいつもはよく無視っていうか素っ気なかったかも。



「「ミラン……!!」」



同時に声が上がる。視線を向けると、お母様は嬉しそうに顔を輝かせ、反対にお父様はこの世の絶望とばかりに顔を曇らせていた。



え?なんですかその反応???



その後は微妙な空気の中、食事が始まり、そして終わった。食事中はあまりに絶望的なお父様が心配で仕方なかったが、目が合うと愛しそうに笑ってくれた。

食後、お姉様が話しかけてきてくれた。


「ミラン…今日の午後は一緒にお茶をしないかしら?」
「いいですよ、楽しみです!」


そう言った後のちらっと見えたお父様の顔……!無表情になってて怖かった。大丈夫かな……。






**********




で、時間は進んで何事もなくお茶会になる。
お屋敷のサンルームに呼ばれて席についた。



「ちょっと、2人にさせてちょうだい」

「はっ」


おお………人を下がらせたお姉様…。
静寂に包まれながら紅茶をコクリと飲む。



「……ミラン…あなたは………」

「は、、はひっ」



……噛んでしまった。








「………前世って信じる?」



ガチャン!!!




な、、な、、、、何を言っているんだお姉様はーーーーーーーーッ!!!!!!!!!



「え、えーと…まあ信じるか信じないかって言われたら信じるような…信じなくもないというような」



動揺しすぎてめちゃくちゃ早口に意味の分からないことを喋っている。


「そう………。実は私、前世の記憶があるの。」



や、やっぱりぃぃ????


えっでもその創作は自分だけの楽しみにしていたから知らないよね??ね???
ってどうなの??なんで私に打ち明けてるの?????



「覚えていないだろうけど、私8歳ぐらいの時に思い出して…熱を出したの。」


は、はぁ……


「それから成長するにつれて……私はきっと悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いたわ!」


…………えぇーーー??????



「この髪!銀髪に気の強そうな青い目!!!きっと魔法の属性は闇に違いないわ。」


あ、合ってますけど………


「それからやたらめったら甘やかしてくれるお母様!!これは確実だと思ったのよ。」


ふう、と息を吐いて紅茶を一飲みしたお姉様。
ま、まじかー……。


「よくある乙女ゲームなのだと思って該当しそうな物語を思い出してるのだけど……それが思い出せないのよねぇ……」


もう理解してるとかしてないのか関係ないようだ。たぶん話してスッキリしたいのだろう。


「とにかく!私がシナリオの強制力で悪役令嬢になってしまっても家の没落だけはなんとかするから!」



安心してね、と言ってそのまま呆然としてるうちにお茶会は終わってしまった。










えぇ………まぁそうだよね……………
今さら悪役令嬢じゃなくてここ、私が考えた創作の世界であなたは創作キャラなんです…って言ってもね…………






うわぁ…

どうしよう………………
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