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104. チェリー と 相談

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 家族のテントは、広くて豪華だと知っているんだけど……
 これも、外からよくみたら 中 よりだいぶ 小さい?

 そうだよ、一人用のテントも 見た目は大人が 二人寝れるかな?っていう広さしかないように見える、小さなテントだし……
 この家族用だって、一人用の 三倍ぐらいの大きさしかないのでは?

 まず、入ってすぐのスペースが 一人用と同じように、ダミー になっているのかな?
 ゆったりした椅子が、三つ置いてあり小さなテーブルもある。

 前は、すぐに奥の部屋に入ったけど、まずはこの椅子に座ってみることにした。

 あーっ、この椅子は……

「チェリー。 この椅子、背もたれが動くし寝れるよ。 わたしの寝ているベッドと、同じ感じがする……  もしかして テーブルもなにか? どうにかなっているのかな?」

 うわー !
 
 端のほうにあったテーブルが、やってきた。
 呼べば、くるのか?
 違う椅子に座ってテーブルを呼ぶと、またやってきた……

「はい。 ここに椅子とテーブルは、いりません。 片付けましょう!」

 ここの場所は、いまはなにもない フリースペースにする。

 あっ! でも木の椅子なら、親方のところにあったかも?
 あとで、聞いてみよう。

 やっと、奥の部屋へいける。

 リビングのソファからすごい 豪華……
 クションは片付けたけど、ソファまでなくすと ガランとしてしまう……

「なにか別の物を買い直すまでは、これでしょうがないですねっ」

 チェリー がそう、いってくれた。

 食器は、白金と金の混ざっている モノ や宝石付きの モノ ばかり、すべてスペシャルな腕輪に入れておく。
 
「その腕輪、指輪にしては どうですか?」

 チェリー に勧められて 、一番目立たない小指にはめることにした。

 モノ に触れるだけで収納できるようになり、便利になったかな。

 主寝室は、大きなベッドに豪華なソファ。
 ここは、わたし専用にするので、そのままにしておいた。
 最後のチェックで、いいだろう。
 
 子供部屋が、二つ。
 白を基調にした部屋で、チェリー が助言してくれる。

「ここのソファセットは、片付けてもいいのでは?」
 
「そうだよね。 わたしのいた宿屋のグレードの高い部屋でもソファセットはなかったし、少し部屋が広くなったって、そんなに違和感はないよね」

 テントなんだし、ベッドと机で 十分かな。

 子ども部屋だという 二部屋ともソファセットを片付けてしまう。

 その上にあった、水瓶セットはウルグベお母さんにもらった モノ と似ている……  魔道具だ。
 こっちのほうが子ども部屋にあったからなのか、ちょっとかわいいかな?

 水を飲んでみると、ウルグベお母さんのくれた水瓶の水ほどではないけど、わたしの魔法水ぐらい おいしい。
 これなら、マークたちも飲めるかな?
 これをひとつ、リビングに置いておくことにした。

 ベッドのマット部分は、どうしよう……
 宿屋のベッドには、マットまでなかったけど、辺境伯家の客室にはあったと思う……

「チェリー。 どう、思う?」

「はい。 ベッドのマットぐらいよさそうですが、パールを基準に考えると、マットと枕もはずして別の モノ に入れ替えておいたほうが無難でしょう」

 わたしを基準ってところが、引っかかるけど……
 そうしようかな?
 必要になったら、このマットと枕をだすよ。
 それにかえって、このマットを持っていたら、どこでも快適に寝れていいよね!
 
 調べてみると上に乗っているだけだったので、マットをなくすと豪華ないつものベッドになった。
 子ども用といっても、ぜんぜん小さくない。
 なんなら、わたしが宿屋で寝ていた普通のベッドよりも大きい……

 素材はなんだろ? 木では ないみたい……
 そんなに光ってもいないし、これならいいだろ。
 下のマットは、別の モノ を買おうかな?
 軽く採寸しておく。

 鏡は、どうしよう……
 あると、便利だけど……

 そうだ!
 子ども部屋は、泊めてマークとシーナにトムさんぐらいにすれば大丈夫かな?
 欲しいとは、いわないでしょう。
 客室の 二部屋にもあるだろうから、それは片付けようかな。

 あと、浴室のからだを拭く布……  
 子ども部屋の洗濯袋は、グレードアップになるのか壁に備え付けの洗濯箱だった。
 横に備えてある。
 からだを拭く布を 一枚 試しに入れてみると、数十秒で元の位置にたたまれて戻ってきた。
 すごい……
 ここまでしてくれるなら、このタオル専用の魔法の箱だといって置いておこう。

 矛盾してるけど、マークたちには少しでも、楽をしてほしいしね……

 テントの中なのに、ちゃんとドアもカギもあるし、浴室には教えてもらったシャワー? もついている。
 それだけでも、だいぶ便利だよ。

 ベッドの横の机の中には、ペンと紙があったけど……

 この紙は、なんだろう? 
 材質が、わからない……
 キレイすぎる……   しまっておこう。

 えっ もしかしてこのペンは、インクいらずのペン? これも、片付けておく。

 子ども部屋は、こんなもんかな?

 
 あーっ 今日は、時間切れ…… 

 ひとつの鐘が鳴っている時間 、十二時だ……
 もう、このまま主寝室で寝てしまう。


「チェリー、おやすみ~! 四時ごろ 起こしてね~」
 
「はい、お疲れさまでした。 また続きをしましょう。 おやすみなさい」


 うっ そうか。
 まだ、続きがあるのか……

 もう、アラクネのシーツが気持ちよくて、すぐに夢の中へ いきそうだよ……


 こんなにいい モノ をもらって……

 あーーっ スベ スベ 幸せだ…………ぁ。

 

 
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