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103. 備品の確認

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 親方とは鐘が、二つと 三つのあいだにお店によることになっている。

 それまではだれもいないお店の横にこそっと、一人用のテントを張り認識されない強力なバリアの魔道具を 四隅に置いて、少し休むことにする。

 このテントは、ホントに便利!
 ここに住んでもいいかもっと、思ってしまう。

 テントに入って、奥の部屋へ。
 やっぱり、まずはお風呂だね。

 もう、めんどくさかった洗濯からも解放されたし……
 この洗濯袋は、地味だけど 偉い!

 それにブロンさんがいっていたことが、よくわかってきた。

 アラクネの生地は、最高だ。
 下着と寝間着あとシーツは、ぜったい アラクネが いい!
 
「チェリー。 四時前には、起こしてくれる?」

「はい、いまは 八時です。 ではいまから 二時間、ケップラー 王国でもらった、テントの備品の確認をしましょう」

「えっ、備品の確認?」

「はい、そうです。 服やドレス……  応接セットの クッションや食器なども、確認したほうが いいでしょう」

 そう。 このテントについていた備品が、すごかった。
 ソファについていたクッションの上に座ってみると、座ってないみたいに圧が、お尻にかからない。

 はじめは、気がつかなかったけど、ソファで横になったときに違和感が……
 なんだかクッションのあたる部分だけ、からだが浮いているような? でも、浮いてないし……

 いつもと違う感じがして、それから調べてみて チェリー とおどろいていた。

 ここのまくらやクッション、それからベッドもからだに圧を与えない すごい モノ だった。

 自然にからだを フワッと空気が支えてくれている感じ? なのにシーツの感触はちゃんとあるから不思議。

 服もいろいろあって、みんなからだを守る作りだし、その姿を全身映す部屋の鏡が、またすごい! 
 こんなにキレイに曇らずに映す モノ は、辺境伯家にもなかったよ……

 えーっ なんで、うそ! 後ろ姿も、わかるのっ!

 ドレスを着てみて、後ろはどんな風になっているのかなぁっと、チェリー に話しかけたら、鏡に後ろ姿が映っていた……

 おどろいて、まさかと上からも見てみたいなぁっと いうと、頭からの姿が映っている……

「チェリー  この鏡もすごいね……  どうしよう……」

「はい。 このテントはパール用なので、そのままでよいでしょう。 家族用のテントも、確認が必要ですね」

 たしかに、お風呂についていたからだの水分を吸収する布も普通と違う。
 ひとなでで、水分をキレイに取る。
 
 使えばわかる モノ ばかり……
 きっと、全部グレードの高い モノ をくれたんだと思う……

 チェリー が家族のテントも使う前に、点検しておいた方がいいだろうという。

 このテントより特注品なら、もっとグレードが上だろうから、もしマークたちに部屋を貸すとき、いまの生活と違いすぎて便利すぎると、わたしのようにもとの生活に戻れないかもしれないし、普通の生活がイヤになるかもっと教えられる。

 複数人が使用するテントをたてていると、自分が想定していない人を中に入れるということもでてくるから、そのときに大丈夫なようにしておくべきだと忠告してくれた。

 たしかに……
 そんなことをアクロさんもいっていたと思うと、チェリー に話をすると、 良すぎる モノ はわたしのマジックバックにしまっておいた方がみんなのためになるかもしれないという。

 きっと、こんな風にみんなで楽しく過ごすのは、マークたちとその子どもぐらいまで……

 そのころには、わたしにも家族ができているのかわからないけど、それまでは自分が使う モノ 以外は封印かな。
 
 必要な モノ はオトイレのように、わたしのマジックバックに入れておいて、そこからだして貸せばひとつに思われていいだろうと、チェリー が勧めてくれた。

 ちょっと、めんどくさいけど、しょうがないね。

 ホントに、少しずつ便利な モノ ばかり……

 食器も、使った モノ をケースに入れると、すべてキレイになっていた。

 それに、これは 全部 白金?
 なんて 高価な食器だよ!

 このテントは、一人用だからあんがい出しっぱなしでも大丈夫だけど、ホント家族用のチェックは必要だな……

 えーぃ、めんどうだ! もう、してしまおうか?

 チェリー にもそう勧められて、もう一度着替えて外に出る。

 あれっ、魔道具の中ですむならわざわざ 着替えなくても よかった?

 一人用のテントをしまって、家族用をだす。

 おーーっ!

 勝手に 四隅の魔道具が広がった!

 そうか、先に適当に 四隅に置いてから、その中で安全にテントを張れるんだ!

 知らなかった……  これからは そうしよう!

 少しずつ、使い方も わかってきたぞ。

 親方のお店からは、まだ灯りが漏れている……

 作業してくれているんだな……

 ホントに、ありがたい。

 もう、休もうとしていた自分を しかりたい!
 優しい人たちに囲まれてるなぁ……

 頑張ってくれている 二人のことを考えると、やっぱりこのみんなの大切な生活をむやみに崩してしまわないように、きちんと確認して決めていこうと思う……


 チェリー と相談しながら、だけどねっ。


 




 

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