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47. マークの足
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レベル40 からのスキル。
マッピングを使って森にある薬草を探し出せるのか試してみたい。
でも 一人で森に入ったら、マークだけじゃなくカイルさんにも怒られそうだ。
それにやっぱり、マークと森に詳しいカイルさんにも同行してもらいたいし…… 足を少し引きずっているマークに、森の中を 歩き回ることになると わかっていて頼むこともできない。
なので、チェリー に相談することにした。
レベルは、43 まで上がっている。
この調子だと、あと半年もしたら レベル49 になって 六歳のうちで 一番 よい状態のヒールを マークに かけることができる。
だけど そのときまで待っていたら、ヘデラの森を 探検する時間が少なくなって、いろいろ 試すことも 見てまわることもできなくなる。
マークに中途半端なヒールをかけて、期待だけさせ がっかりさせるのも嫌だし……
やっと レベルが40 を過ぎてマークにヒールをかけれる ギリギリのところまできた。
「チェリー 、わたしのレベルは 43 なんだよね? いまのわたしじゃ、マークの足の怪我をヒールで治すのは無理かなぁ? 」
「はい 、マークの怪我がどこまでひどく 最後に レベルが どのくらいあった人にヒールをかけてもらったのか わからないので はっきりとは いえませんが、レベル50 になれば たいがいの怪我は治せます。それに比べるといまはレベル43 少し低めです。レベル46 になれば いまのマークの状態よりは、完治しなくとも 必ず よくなっているでしょう」
「んー っ 、じゃあ レベル43 で 一度試して そのあとレベルが上がるたびにヒールを試すことはできないの? 」
「はい、できます」
よかった、できるんだ。
「レベルが上がるたびに マークにヒールをかけても なにも 問題はないのね? 」
「はい、身体的に問題はありませんが、精神的に落ち込む人がいます」
「うーん…… たしかに。毎回 治らないと 落ち込む人はいそうね…… 」
これは 一度、マークに相談しよう。
朝食をすませて小屋に戻り、マークが馬小屋で仕事をする前に少し時間をもらった。
「マーク、ちょっと相談があるの。 できれば落ち着いて話がしたいんだけど、いつがいい? 」
「んっ そんなの決まっているさ、いまだよ」
「えっ、いまでいいの? 夜でもいいんだよ? 」
「それは無理だね。 パールの話が気になって 仕事にならない、だから すぐに聞きたい」
そうだった。
マークは案外 せっかちなんだ。
小屋のテーブルに 向かい合って椅子に座り、朝は 時間が もったいないので、わたしが 魔法でだした水を 一口 飲む。
マークにも同じものを進めて、心を少し落ち着かせ 話しだす。
「 ……わかった。あのね、わたしのレベルが43 になったの」
「 43!? すごいぞ! ホントか! 」
目を見開いて 椅子から少し腰を浮かして驚いていた。
いやいや、そこじゃないのよ。
「えっと~ それでね、ホントはレベル50 を過ぎてから 確実にマークの足の怪我を治したかったんだけど時間が足りないの。 どう頑張っても六歳では レベル49 にしかなれないと思う」
「 …… おまえ、レベル43 でも すごいことだぞ! おれは 自称レベル39 のヤツにしか いままで 会ったことがないぞ」
「ホント!? じゃぁ 最後にヒールをかけてもらった人は、レベル39 なの? 」
「あー そうだ。 自称レベル39 だ」
「それなら いま、ヒールをかけても 完治は無理でも いまよりは少し ましになるかも! 完治はできないけど、マークにヒールをかけてもいい? 」
「かっ、かけてくれるのか!? た、たのむ!! 」
ヒールをかけてもらえるとわかって急に マークが ソワソワしだした。
「マーク落ち着いて。 わたしのレベルは まだ 50 になってないから、怪我が完治するとは いえないの。 だからね いまよりも少し、 ホントにちょっと よくなる 程度だと 思っておいてね」
「わかってる。 それでも いまよりは 断然ましだ」
ホントにわかっているのか、マークの興奮がおさまらない。
こんなに期待されると 不安になるけど、これから わたしが 王都にいくまでのあいだ レベルが上がるたびに マークにヒールをかけて 怪我を治していくからと約束する。
まだ ヒールをかけてもいないのに、もうマークは 目にうっすら涙が溜まっていた。
まずはマークに横になってもらうため ベッドがあるマークの部屋にいく。
そこで少し冷静になったマークに ヒールをかけることにする。
他の人に ヒールをかけるのは今回が 初めてだ。
まずは、一度 じっくりマークのからだの状態をみることにした。
「マーク、恥ずかしくなかったら 一度、パンツ以外 全部脱いで わたしにマークのからだの状態を 見せてくれる? 」
マークとは、お風呂も順番で入ったりして 上半身が裸とか 普通にみているので 恥ずかしくはない。
でも、一応 マークが恥ずかしいなら そのままでもいいよと 伝えているそばから 脱ぎだした。
「恥ずかしい訳ないだろ、いつも 一緒に風呂に入ってるのに! 」
「ちょっとー マーク! 人聞きの悪いこと いわないでよ! 一緒じゃないでしょう! 順番に でしょう! もー 」
は、は、は、はっ
イタズラが成功した子どものようにマークが笑う。
わたしの緊張も少し取れた。
マークをベッドの端に 座わらせ 目線を合わせて、からだをみていく。
思っていたよりも よくみると 傷跡が多い。
「マーク、思っていたより傷跡が多いね。どこかまだ痛いところが 足以外にも あるんじゃない? 」
「あぁ、傷跡は 冒険者をしていたら これくらい あたりまえさ。 痛むのも 足に比べたら大したことない」
足、だいぶ痛みがあるんだ……
それに、肩の傷跡が すごい、肩から背中にかけて ズバッと いったかんじだな……
これも 一緒に ヒールでレベル39 の人に治してもらったらよかったのに……
マークのからだの状態も 一通り みれたので、まずはベッドへ ゆっくり横になってもらう。
足を引きずっている原因が どこにあるのか わからない、頭から足のつま先まで すべてにヒールをかけることにした。
無言でもいいんだけど、マークにも わかりやすいように 両手をマークのからだにかざして マークのからだが よくなるように 心から願う。
マークと目が合う……
微笑んで軽くうなずく……
大丈夫だと 笑顔で伝えて……
「マークのからだが、正常に 機能しますように…… なおれっ! ヒール!! 」
マッピングを使って森にある薬草を探し出せるのか試してみたい。
でも 一人で森に入ったら、マークだけじゃなくカイルさんにも怒られそうだ。
それにやっぱり、マークと森に詳しいカイルさんにも同行してもらいたいし…… 足を少し引きずっているマークに、森の中を 歩き回ることになると わかっていて頼むこともできない。
なので、チェリー に相談することにした。
レベルは、43 まで上がっている。
この調子だと、あと半年もしたら レベル49 になって 六歳のうちで 一番 よい状態のヒールを マークに かけることができる。
だけど そのときまで待っていたら、ヘデラの森を 探検する時間が少なくなって、いろいろ 試すことも 見てまわることもできなくなる。
マークに中途半端なヒールをかけて、期待だけさせ がっかりさせるのも嫌だし……
やっと レベルが40 を過ぎてマークにヒールをかけれる ギリギリのところまできた。
「チェリー 、わたしのレベルは 43 なんだよね? いまのわたしじゃ、マークの足の怪我をヒールで治すのは無理かなぁ? 」
「はい 、マークの怪我がどこまでひどく 最後に レベルが どのくらいあった人にヒールをかけてもらったのか わからないので はっきりとは いえませんが、レベル50 になれば たいがいの怪我は治せます。それに比べるといまはレベル43 少し低めです。レベル46 になれば いまのマークの状態よりは、完治しなくとも 必ず よくなっているでしょう」
「んー っ 、じゃあ レベル43 で 一度試して そのあとレベルが上がるたびにヒールを試すことはできないの? 」
「はい、できます」
よかった、できるんだ。
「レベルが上がるたびに マークにヒールをかけても なにも 問題はないのね? 」
「はい、身体的に問題はありませんが、精神的に落ち込む人がいます」
「うーん…… たしかに。毎回 治らないと 落ち込む人はいそうね…… 」
これは 一度、マークに相談しよう。
朝食をすませて小屋に戻り、マークが馬小屋で仕事をする前に少し時間をもらった。
「マーク、ちょっと相談があるの。 できれば落ち着いて話がしたいんだけど、いつがいい? 」
「んっ そんなの決まっているさ、いまだよ」
「えっ、いまでいいの? 夜でもいいんだよ? 」
「それは無理だね。 パールの話が気になって 仕事にならない、だから すぐに聞きたい」
そうだった。
マークは案外 せっかちなんだ。
小屋のテーブルに 向かい合って椅子に座り、朝は 時間が もったいないので、わたしが 魔法でだした水を 一口 飲む。
マークにも同じものを進めて、心を少し落ち着かせ 話しだす。
「 ……わかった。あのね、わたしのレベルが43 になったの」
「 43!? すごいぞ! ホントか! 」
目を見開いて 椅子から少し腰を浮かして驚いていた。
いやいや、そこじゃないのよ。
「えっと~ それでね、ホントはレベル50 を過ぎてから 確実にマークの足の怪我を治したかったんだけど時間が足りないの。 どう頑張っても六歳では レベル49 にしかなれないと思う」
「 …… おまえ、レベル43 でも すごいことだぞ! おれは 自称レベル39 のヤツにしか いままで 会ったことがないぞ」
「ホント!? じゃぁ 最後にヒールをかけてもらった人は、レベル39 なの? 」
「あー そうだ。 自称レベル39 だ」
「それなら いま、ヒールをかけても 完治は無理でも いまよりは少し ましになるかも! 完治はできないけど、マークにヒールをかけてもいい? 」
「かっ、かけてくれるのか!? た、たのむ!! 」
ヒールをかけてもらえるとわかって急に マークが ソワソワしだした。
「マーク落ち着いて。 わたしのレベルは まだ 50 になってないから、怪我が完治するとは いえないの。 だからね いまよりも少し、 ホントにちょっと よくなる 程度だと 思っておいてね」
「わかってる。 それでも いまよりは 断然ましだ」
ホントにわかっているのか、マークの興奮がおさまらない。
こんなに期待されると 不安になるけど、これから わたしが 王都にいくまでのあいだ レベルが上がるたびに マークにヒールをかけて 怪我を治していくからと約束する。
まだ ヒールをかけてもいないのに、もうマークは 目にうっすら涙が溜まっていた。
まずはマークに横になってもらうため ベッドがあるマークの部屋にいく。
そこで少し冷静になったマークに ヒールをかけることにする。
他の人に ヒールをかけるのは今回が 初めてだ。
まずは、一度 じっくりマークのからだの状態をみることにした。
「マーク、恥ずかしくなかったら 一度、パンツ以外 全部脱いで わたしにマークのからだの状態を 見せてくれる? 」
マークとは、お風呂も順番で入ったりして 上半身が裸とか 普通にみているので 恥ずかしくはない。
でも、一応 マークが恥ずかしいなら そのままでもいいよと 伝えているそばから 脱ぎだした。
「恥ずかしい訳ないだろ、いつも 一緒に風呂に入ってるのに! 」
「ちょっとー マーク! 人聞きの悪いこと いわないでよ! 一緒じゃないでしょう! 順番に でしょう! もー 」
は、は、は、はっ
イタズラが成功した子どものようにマークが笑う。
わたしの緊張も少し取れた。
マークをベッドの端に 座わらせ 目線を合わせて、からだをみていく。
思っていたよりも よくみると 傷跡が多い。
「マーク、思っていたより傷跡が多いね。どこかまだ痛いところが 足以外にも あるんじゃない? 」
「あぁ、傷跡は 冒険者をしていたら これくらい あたりまえさ。 痛むのも 足に比べたら大したことない」
足、だいぶ痛みがあるんだ……
それに、肩の傷跡が すごい、肩から背中にかけて ズバッと いったかんじだな……
これも 一緒に ヒールでレベル39 の人に治してもらったらよかったのに……
マークのからだの状態も 一通り みれたので、まずはベッドへ ゆっくり横になってもらう。
足を引きずっている原因が どこにあるのか わからない、頭から足のつま先まで すべてにヒールをかけることにした。
無言でもいいんだけど、マークにも わかりやすいように 両手をマークのからだにかざして マークのからだが よくなるように 心から願う。
マークと目が合う……
微笑んで軽くうなずく……
大丈夫だと 笑顔で伝えて……
「マークのからだが、正常に 機能しますように…… なおれっ! ヒール!! 」
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