日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。

スライム小説家

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28話 警告射撃!(をしたい)

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 尖閣沖 上空 (side???)

 スゴい!スゴい!スゴい!

 ワタシよりも速い何かが空を飛んでいる!
 生まれて500年、ワタシよりも速い奴は初めて見た。こいつ、ちょこちょこと近寄ってきては離れていくのが見ていて可愛いぞ。

 にしても、ここ最近のニンゲンの奴らはズルい。この速いのとか、ドンドンのおっきな船とか、面白そうなものばかり作っている。

 ………別に、ワタシも混ぜてほしいわけではない。ないったらない。

 ともかくだ。こんなに面白いものをニンゲンがいっぱい持っているとは知らなかった。ちょっと見ただけでこれなのだ。

 きっと、ニンゲンたちが住んでいる場所は面白いもので溢れているに違いない!

「よーし、行くぞー!待っていろニンゲン達よ!この魔王、シエラ・シルフィールを楽しませて見せよ!」

 ウキウキな表情で少女は、飛行を続ける。



 -------------------------------------
 F15J (side篠田)

「だ、ダメです!期待を奴の進路上に近づけても止まる気配が全くありません!りょ、領空にたった今侵入しました!」

『今、応援にF15Jを四機向かわせてる!いざとなったらやるしかない!………警告射撃を許可する!一旦少し距離を離してから撃てよ!』

「は、はいっ!」

 ヤバい!ヤバい!ヤバい!

 音より速い人が空を飛んでて、俺はそいつに今から警告射撃をしなきゃならない!
 こんなんパイロット二十年間やってる中で初めてだぞ!?

 と、とりあえず一旦機体をこいつから離して………


 …


 …


 …ついてくるんじゃねえよ!!!


 -------------------------------------
(sideシエラ)

 あ。

 なんだか可愛くて素早い奴が、だんだんと離れていく。

 ………なんだか少し寂し………くはないぞ!
 だが、こいつについていくのも楽しそうだから、そう、楽しそうだからついていくのだ!







 ワタシと同じ速さで飛べる奴なんて、アイツしかいなかったもんなあ………

 -------------------------------------
 F15J (side篠田)

「ヤバいです!なんかこいつついてきます!距離がとれません!」

『速度を上げろ!』

「上げてますよもう!既に2000は出してます!なのにこいつぴったり後ろに張り付いてきます!」

 さっきからずっと後ろを取られてる。ヤバい。もし相手が撃とうとすれば、俺は一瞬でお陀仏だ。

『………後ろについてるのに撃たないのか?』

「そうですよ!でももし撃たれたらヤバいです!くそっ、なんで振り切れないんだ!?」

『撃てばやれるのにやらないということは、敵意はないかもしれんな。おい、お前のに張り付いてるなら、お前のを一旦領空の外の方へ方向転換してみてくれないか?』

「いやいやいや、何言ってるんですか!?」

 は?ジジイ正気か!?領空侵犯してるんだから敵意はバリバリあるだろ!
 くっそ、でも振り切れないし方向転換した方が距離は取りやすいのは合ってる。

 だが、守るべきものを背に向けるなんて俺には………

『言うこと聞いてくれたら、責任は全部俺にしていいし、焼き肉おごってやるよ』

「やります!」

 よーし、急激に向きを変えればとりあえず距離は取れるはず!

「ここだっ!」

 これなら、あいつを振り切れ………振り切れ………てない………

 運動能力どうなってんだアレ。

 -------------------------------------
(sideシエラ)

 楽しい!めっちゃ楽しいぞこれは!
 追いかけっこなんて数百年ぶりだが、その時よりもはるかに楽しいぞ!

 ………もう少しだけ、もう少しだけ追いかけっこしよっと。
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