24 / 104
24話 ソラーロ上陸作戦➁
しおりを挟む
海の上を、四隻の小型船が進んでいた。
海上自衛隊で【エアクッション艇一号型】と称されるそれらはあまりに異質で、小型なのにもかかわらず、不思議な迫力と不気味さがあった。
船内で、自衛官たちが話し合っている。
「おい、本当にこれから戦争、するんだよな?」
「あ、ああ………」
「俺、手が震えてるよ。マジでヤバいってこれ」
彼らは、上陸してインベルド王国軍と戦うことになるであろう、陸上自衛隊の隊員たちである。
選び抜かれた精鋭であるはずの彼らも、初めての命のやり取りを前にして緊張しているのだ。大半の顔色が悪く、その中の一部には、過呼吸になってしまっている者もいる。
そんな中で、彼らのうちで最年長の隊員が口を開く。
「お前ら、何を固くなってるんだ?訓練通りやればいい。それだけの話さ」
「で、でもミスをしたら死んじゃうんですよ!?」
「そうですよ!」
「戦わなきゃいけないのは分かってますけど………」
「お前ら、普段の訓練でミスはしないだろ?ミスをしなけりゃ良い。大丈夫さ。訓練と違って敵は剣や弓しか使わない。近寄られなきゃ一方的にやれる」
彼の話は当たり前のことなのだが、それでも彼らを落ち着かせるには充分であった。
「そっか。そうですよね。相手は銃を持ってないんだ」
「おいおい、こっちに来る前にお偉いさんがわざわざ説明してくれたろ?お前寝てたのかよ?」
「いや、そういうわけじゃなくて………」
「ははは!おいおいー」
そんな風に皆の緊張がとけ、気楽に話しているとき。船に乗っている海上自衛隊の隊員が近寄ってきて話し出した。
「そろそろ上陸だそうです。いつでもすぐ動けるように、用意をしておいてください」
「ええ、分かりました。聞いたかお前ら、そろそろいくぞ!」
「「「「おお!」」」」
勇ましいその姿は、まさに【精鋭】であった。
海上自衛隊で【エアクッション艇一号型】と称されるそれらはあまりに異質で、小型なのにもかかわらず、不思議な迫力と不気味さがあった。
船内で、自衛官たちが話し合っている。
「おい、本当にこれから戦争、するんだよな?」
「あ、ああ………」
「俺、手が震えてるよ。マジでヤバいってこれ」
彼らは、上陸してインベルド王国軍と戦うことになるであろう、陸上自衛隊の隊員たちである。
選び抜かれた精鋭であるはずの彼らも、初めての命のやり取りを前にして緊張しているのだ。大半の顔色が悪く、その中の一部には、過呼吸になってしまっている者もいる。
そんな中で、彼らのうちで最年長の隊員が口を開く。
「お前ら、何を固くなってるんだ?訓練通りやればいい。それだけの話さ」
「で、でもミスをしたら死んじゃうんですよ!?」
「そうですよ!」
「戦わなきゃいけないのは分かってますけど………」
「お前ら、普段の訓練でミスはしないだろ?ミスをしなけりゃ良い。大丈夫さ。訓練と違って敵は剣や弓しか使わない。近寄られなきゃ一方的にやれる」
彼の話は当たり前のことなのだが、それでも彼らを落ち着かせるには充分であった。
「そっか。そうですよね。相手は銃を持ってないんだ」
「おいおい、こっちに来る前にお偉いさんがわざわざ説明してくれたろ?お前寝てたのかよ?」
「いや、そういうわけじゃなくて………」
「ははは!おいおいー」
そんな風に皆の緊張がとけ、気楽に話しているとき。船に乗っている海上自衛隊の隊員が近寄ってきて話し出した。
「そろそろ上陸だそうです。いつでもすぐ動けるように、用意をしておいてください」
「ええ、分かりました。聞いたかお前ら、そろそろいくぞ!」
「「「「おお!」」」」
勇ましいその姿は、まさに【精鋭】であった。
14
お気に入りに追加
140
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
月と地球が僕らを置いてどこかへ逃げた
とさか
SF
あれ?さっきまであった地球がここにない?!
ついでに月もない(おまけ)
2300年
政府からの指令により、土星第6衛星「タイタン」の再調査を任された元気な少女と、ある研究者。
特に制限もないからと油断し、ゆっくりまったり宇宙船で旅行を楽しんでいたらまさかまさかそのまたまさか、政府との連絡経路が遮断され、広大な宇宙にポツンと取り残されてしまった。帰ることがほぼ不可能になった彼らは地球に帰ることを最終目標に、ある決心をする。「そうだ彼方、行こう」と。
――――――――――――――――
シリーズ化しますが一話一話はとっても短い作品です。
一話完結してたりしてなかったりするので、最初から読むことをお勧めします。
フィクションとノンフィクションを混ぜています。史実とは異なる記載がありますがご了承ください。
※小説家になろう、カクヨムに同時投稿しています。
☆イラスト☆
緒方TANK様→ https://mobile.twitter.com/9918otf22r1
ニコニコ静画より「孤独な旅」
異世界でお取り寄せ生活
マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。
突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。
貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。
意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。
貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!?
そんな感じの話です。
のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。
※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。
あなたに嘘を一つ、つきました
小蝶
恋愛
ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…
最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ
ドラゴンスレイヤーズ Zero Fighter
PZJ
SF
20XX年、世界の覇権国にのし上がってきた「龍国」は遂に日本国に対して侵攻を開始した。数千の武装漁船と空母機動艦隊が沖縄沖の自衛隊護衛艦隊に襲いかかってきたその時、上空になんと数十機もの「ゼロ戦」が現れた…。
現代の地球と極めて似ている「一つの可能性のある世界」で繰り広げられる、超巨大侵略国家に対抗する、一企業とそれに属する者たちの戦いを綴る物語。
戦前、戦闘機や戦艦などを開発していた川北重工業は日本の南海に新たなメガフロートによる大規模コンビナートと都市を造り、龍国からの脅威に備えて独立した軍隊を作り始めた。
やがてそれは「日本海賊軍(通称 日海軍)」を名乗り、独自の技術開発を進めるなか、外見は100年前のゼロ戦そのものなのだが中身は現在の最新戦闘機をも凌駕する能力を秘めた戦闘機や、戦艦扶桑、戦艦大和などを模した戦艦などが次々と登場してくる。
江戸時代改装計画
城闕崇華研究所(呼称は「えねこ」でヨロ
歴史・時代
皇紀2603年7月4日、大和甲板にて。皮肉にもアメリカが独立したとされる日にアメリカ史上最も屈辱的である条約は結ばれることになった。
「では大統領、この降伏文書にサインして貰いたい。まさかペリーを派遣した君等が嫌とは言うまいね?」
頭髪を全て刈り取った男が日本代表として流暢なキングズ・イングリッシュで話していた。後に「白人から世界を解放した男」として讃えられる有名人、石原莞爾だ。
ここはトラック、言うまでも無く日本の内南洋であり、停泊しているのは軍艦大和。その後部甲板でルーズベルトは憤死せんがばかりに震えていた。
(何故だ、どうしてこうなった……!!)
自問自答するも答えは出ず、一年以内には火刑に処される彼はその人生最期の一年を巧妙に憤死しないように体調を管理されながら過ごすことになる。
トラック講和条約と称される講和条約の内容は以下の通り。
・アメリカ合衆国は満州国を承認
・アメリカ合衆国は、ウェーキ島、グアム島、アリューシャン島、ハワイ諸島、ライン諸島を大日本帝国へ割譲
・アメリカ合衆国はフィリピンの国際連盟委任独立準備政府設立の承認
・アメリカ合衆国は大日本帝国に戦費賠償金300億ドルの支払い
・アメリカ合衆国の軍備縮小
・アメリカ合衆国の関税自主権の撤廃
・アメリカ合衆国の移民法の撤廃
・アメリカ合衆国首脳部及び戦争煽動者は国際裁判の判決に従うこと
確かに、多少は苛酷な内容であったが、「最も屈辱」とは少々大げさであろう。何せ、彼らの我々の世界に於ける悪行三昧に比べたら、この程度で済んだことに感謝するべきなのだから……。
強奪系触手おじさん
兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる