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22話 クラーケンロード洋海戦➁

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 港で二人の海兵が作業をしながら雑談をしていた。

「まったく、なんで俺たちが準備しなきゃいけねえんだ?艦隊を出撃させてどうするのやら」

 男は文句を言いながら荷物を船に運び込んでいるものの、動作は緩慢でやる気が感じられない。

「確かにな。まあでも一応理由はあるみたいだぜ」

 もう片方も大きな矢を船へ運びこもうと担いではいるが、こちらの作業も全く進んでいない。

「理由だって?」

「ああ。なんでも、上空の飛行騎士が全滅したらしい。それで敵襲に備えろとのことだとさ」

「なんだそりゃあ。敵なんて全然見えねえじゃ………おい、ひょっとしてアレが敵か?」

「ん?」

 二人が見ている方向には海が広がっていて、さらにその先に………灰色の巨大な何かがいくつも見えている。

「ありゃ、きっと敵の船だ!うちの海軍はあんな船ねえぞ!」

「お、落ち着け!まだ距離が大分ある。どんなに大きいバリスタでもこちらには届かないはずだ。奴らがこっちに来るまでに出航の準備は出来る!」


 ドオオオオン!


 爆発音が響く。

「な、何!?」


 ドオオオオン!


 爆発音が何度も、何度も、起きる。そしてそのたびに、港の船が爆裂四散する。だんだんと、港の船の数は減っていく一方で周りが炎に包まれていく。

「なんてことだ………」

「おい、逃げるぞ!」

 ―――――――
 ソラーロ付近の基地(sideとある飛行騎士)

 先ほどから海岸の方で、大きな音が連続している。何なのかは全く分からない。
 だが、何かが私を駆り立てている。早くしろ、早くしろ、と。

「GYAAAAAAAAAAAA!」

 相棒もなんだか不安そうだ。


「おい、準備が出来た!すぐに離陸しろ!リマの奴らはもう攻撃してきてるんだ!」

「ああ、分かっているさ」

 関係ないな。何があろうと、私は我が国のために闘う。それだけだ。

「いくぞ!」

 相棒が、走り始める。ぐんぐん加速していき、私が感じる風も強くなっていく。
 まさに、大空へ飛び立とうというその瞬間。


 ドオオオオン!


 あの音がすると共に、目の前が真っ白に………
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