【完結】妹にハメられて、わたくしは幸せになりました〜婚約破棄断罪劇の裏の裏〜
「血を分けた実の妹に陰でこのような仕打ちをするような者など、私の皇妃として、将来の皇后として相応しいとは言えぬ!よって、今この場においてそなたとの婚約を破棄する!」
先ほどまで楽しげに談笑していたはずの婚約者は、わたくしを睨みつけてそう宣言なさいました。
わたくしは妹を虐めてなどいません。けれど彼女の腕には確かに鞭の跡が。
わたくしではないとするならば、信じたくはありませんがお兄様しかおりません。
であれば、わたくしが罪を被らねば。将来公爵家を継ぐお兄様に瑕疵をつけるわけには参りませんもの。
ええ、そう。わたくしが耐えれば済む話なのです。
ですが悔しさのあまり、涙がこぼれます。
なぜわたくしが、このような目に遭わなければならないのか。
婚約者であるルートヴィヒ皇子はわたくしとの婚約を破棄し、代わって妹と婚約すると宣言なさいました。それを陛下もお認めになって。
ああ、わたくしの人生もここまでですわね。
ですがわたくしへの罰として殿下が宣言なさったのは、辺境伯領へ流罪とし、国の守りたる辺境伯アードルフ様に嫁ぐこと。
えっ、待って?
本当によろしいのですか?
それってわたくし的には、むしろご褒美なんですが!?
この時、冤罪により断罪されたシャルロッテは知らなかった。
この婚約破棄の裏側で多くの“陰謀”が蠢いていたことを。
それは彼女には予想もつかない、壮大なまでのスケールに発展していて⸺!?
◆拙作『物語は始まらずに終わる』に登場したハインリヒ皇子の弟のルートヴィヒ皇子とその婚約者の物語。『物語は〜』から約3年後の話になります。
ちなみにこのふたりの弟が『わたくしの望みはただひとつ!』の皇弟マインラートです。
◆テンプレに則った「妹に冤罪をかけられて婚約破棄される物語」ですが、ざまあなしのみんなが幸せになるハッピーエンドの物語です。
◆書けない病で『熊男爵の押しかけ幼妻』の執筆が滞っているので、リハビリがてらプロットだけ作って放置していた話を仕上げてみました。
どんどん話が長くなりまして、全34話の中編になりました(爆)。8/16完結。
◆この物語は小説家になろうでも公開します。なろう版は全32話で8/15に完結しました。
カクヨムでも公開しました。
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それってわたくし的には、むしろご褒美なんですが!?
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感想ありがとうございます。
婚約破棄ものを徹頭徹尾ドッキリの茶番として書いたものって見ないよな、って思ったのがこの物語のきっかけでした。なので寄せられるだけコメディに寄せた内容になっています(笑)。
ただ、他の話はここまでコメディなのはあんまり無いです。特に『公女が死んだ、その後のこと』なんか、前半はそれはもう悲惨で「可哀想で見てられない」「完結まで読むの止める」と散々な言われようで……(爆)。
コメディ作品としては『婚約破棄をなかったことにする、たったひとつの冴えたやり方』とか『だってそういうことでしょう?』あたりですかね。
基本的にどれもハッピーエンドを目指して書いていますが、たまにバッドエンドとかメリバなんかもあるのでご注意下さい(^_^;
感想ありがとうございます。
まあ……そこは、フィクションのお話なので……( ̄∀ ̄;
一応、作中のシャルロッテは第二皇子の婚約者であり、帝国政府の多くの省庁での公務を肩代わりしてくれていて、多方面に多大な恩を売っている、という設定になってますので。皇帝家や実家の公爵家からは溺愛されていて、多くの大臣や官僚たちからも感謝され慕われていたからこそ、全員が彼女の幸せを願って「しゃーねーなあ」とか言いつつも進んで加担した、という“設定”になっています。
まあ基本はギャグ仕立てですので、荒唐無稽なのは百も承知なのです。そこに違和感を強く覚えたということは、橘さんにはこの作品が合わなかったという事になるのではないかと思います(^_^;
長文の感想ありがとうございます。
そうなんですよね、この物語は前提が色々と雑すぎるので、モヤっとする気持ちを持たれるのも当然かと思います(^_^;
もしリアルに書けばこんな雑なやり方はあり得ないし、こんなユルユルの皇帝家が国を治められるはずがないんですよね。なので、あくまでも「物語」だということでご納得頂くしかないんです。
断罪は、とにかく時間がなかったので手続きを全部ぶっ飛ばしただけですね。シャルロッテとルートヴィヒの卒業まで約1ヶ月、正規の手続きを踏んでたら絶対に間に合いません。卒業しちゃうと婚姻に向けての準備が一斉に始まるので、そうなるとそれを止める事からスタートになって手続きがより長期化します。なので強引な手段に出たんです。
その責任を取って皇帝は罷免されたし皇子たちも全員が降格です。連帯責任で、でも政府や役人に瑕疵はないのでそこはそのままです。
ローゼマリーに表向き罰がないのは、彼女に悪意が全くないからです。もちろん本人は姉を騙して陥れたつもりなんですが、計画が雑すぎてルートヴィヒたちの協力がなければ絶対に成功しなかった。だから「自分のせいで皇帝一家が揃って責任を取った」というのが彼女への罰。その責任を感じながら一生生きて行かねばなりません。
辺境伯に根回しをしなかったのが一番ヤバかったですね。彼がシャルロッテを好きだというのは状況証拠だけで、その前提が違ってれば計画が根幹から崩れてました。
そういうところのハラハラも、話の見どころとして書いたつもりです。
シャルロッテが本来の公務以上の事をしてたのは押し付けられたのではなくて、彼女が率先して周りを助けていただけです。彼女はそれほど優秀で優しく、だからこそ皆が彼女の幸せを望んで無理を通した、というのがこの物語の大筋です。その割に辺境伯に根回ししてない辺りが間抜けなんですが(^_^;
そして、だからこそ辺境伯が怒って賠償とか要求したんです。お前ら一歩間違ってたらえらいことになってたぞ、本当に分かってるのか、と。
ちなみにブロイス帝国は西方世界でも有数の軍事大国で、国内が多少ガタガタしても体外的にはビクともしません。だからこそ「他国から迎えた婿に皇帝をやらせる」なんて事も可能なわけです。
モヤモヤすると言いながら、思うところを正直に書いて下さってありがとうございます。本当にありがたいです。
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感想ありがとうございます♪
ざまあ………してる事になるんだろうか…( ̄∀ ̄;
まあ一応「責任は取った(取らされた)」から、多分………?(笑)
どうもテンプレをそのまま書けなくてですね、なんかこう、オリジナリティに拘っちゃうというか(笑)。
冤罪かけての婚約破棄で、断罪される令嬢以外の全員が承知済みの茶番だったら?というのが物語のコンセプトなので、楽しんで頂けたなら良かったです。読後感の似ていると言えば、拙作の中では『王子妃教育1日無料体験実施中!』とか『わたくしの望みはただひとつ!』あたりでしょうか。お気に召すといいのですが。
今後もまた色々書いていきますので、お目に止まりましたらよろしくお願い致します♪
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