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第一章【出立まで】
1-16.男の子はメカが好き(3)
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「それから車体の強度に関してなんですが、防御魔術の応用ってできませんか?」
アルベルトが不思議なことを言い出した。普通は脚竜車本体の強度などというのは脚竜が牽いても壊れない、多少の悪路でもガタが来ないといった程度の話で終わるのだが。
「…と仰いますと?」
「いえ、勇者様の使命として東方世界まで行きますし、魔獣や魔物の巣窟にも乗り込む事があると思うんです。なのでそういったものに攻撃されても壊されない強度、もっと言えば多少の魔術攻撃にも耐えられるくらいの防御能力があった方がいいんじゃないかと思いまして」
アルベルトの念頭にあったのは先ほどの瘴脈の話だった。そして同時に、蛇封山には危険だからと脚竜車で登ることができずに徒歩で山登りをしたのを思い出したのだ。
つまり彼はこの脚竜車で蛇封山まで乗り込むことを想定したわけだ。
「なんなおいちゃん、蛇封山ってそげん魔獣やらウヨウヨおるとこなん?」
「少なくとも、前に行った時はそうだったね」
「ほんなら、そげな対策も必要かも知らんね」
「ふうむ。今まで脚竜車にそのような防護を取り付けた例というのは聞きませんが、そういう事でしたら魔道具職人と検討してみると致しましょう」
職長はそう言うと、早速配下の職人に連絡するよう指示を出し始めた。
「そうですか、ありがとうございます。
で、車台の方なんですが」
「ああそれは、そちらの職長にご説明申し上げさせましょう」
そして入れ替わりにやってきた別の職長にもアルベルトはいくつか質問していくが、レギーナにもミカエラにももうサッパリ解らない。これはアルベルトを連れてきて正解だったとミカエラは胸を撫で下ろした。
とりあえずアルベルトが気にしていたのは悪路走破性とクッション性、それに力の強い肉食種を使うということで全体の強度に関してだった。
それに対して職長は、強度を増すためと重心安定性の面から車台部分のみ金属製で設計している旨を答えてアルベルトやミカエラを安心させた。
それから艤装の職長も呼んでもらい、一行は内外装に関する説明も受ける。細かい内装に関してはエトルリアのメディオラやタウリノルムから専門の職人と材料を呼び寄せているとのことで、大まかな部分の構造や強度に関して職長があれこれと説明していたが、レギーナはもう聞いていなかった。
「姫ちゃんはメディオラから職人ば呼んどるっちゅうだけでもう満足やろ」
「メディオラだったら一番はアルバーニかブッチかプレダでしょ」
「さすがお目が高い。アルバーニ工房から選りすぐりの職人を派遣してもらう手はずとなっております」
エトルリアのメディオラ市は服飾の工芸が盛んでファッション都市とも称される街だ。そしてレギーナの故郷でもある。そのことは有名なので、それで商工ギルドでもメディオラから職人を呼ぶことにしたのだろう。
その後、室内装飾も兼ねる魔術灯や砂振り子などの備え付けの小物魔道具や魔力発生器を仕込んだ空調などの快適設備や内装の仕様に関して話を聞き、最後に冷蔵器の話になった。
冷蔵器とは、扉を付けた木製や陶器製の箱の内装に薄いガラス材を塗り固めて[冷却]の術式を付与した魔道具のことである。魔力発生器を動力に仕込むことで箱内が常に一定の冷温に保たれ、中に食材や飲み物を入れて保存するのに用いられる。家庭用冷蔵器は中型から大型のものが多く、たいていは二室から三室備えていて、うち一室には[冷却]ではなく[凍結]が付与されているのが一般的だ。
アルベルトが提案したのはこの[凍結]を付与した箱室を複数備えている特別製だった。大きく四室に分け、うち二室に[凍結]を仕込み、片方はレギーナたち人間の食材を入れてもう片方には肉食種の餌を保存する。二つの[凍結]室は最下部に横に二室並べて、餌用の一室は車内からではなく車外から開けられるようにする。
その餌用[凍結]室にはギミックを仕込んで、御者台からも直接餌を取り出せるようにしたい、というのがアルベルトの要望だった。そうすることで脚竜車を止めずとも肉食種に餌を与えることができるためだ。
そういう形にしたため、餌用[凍結]室はアルベルトの寝室の下を御者台まで延びる形になっていて、横から見るとL字型に見える。そして[凍結]用の魔力発生器は二つの[凍結]室の間に設置することで凍結効率を上げられるように考えられていた。
ただし、これは大型の魔道具になるため専門の魔道具職人が製作にかかっていて、今この場にはないという。
「しっかしまあ、ようこげんと考え付くばいね。ばってんこれ、おいちゃん寝とったら寒うないね?」
「これから暑くなるし大丈夫でしょ。それにこの作りだから俺の寝室には空調入れなかったし」
それにアルベルトは冷却が必要な道具も持ち込みたいという。何を持ち込むつもりなのかミカエラが聞いても、曖昧に笑うだけで彼は答えなかった。
魔道具というのは魔力で動く道具の総称である。小さいものは砂振り子や魔術灯など、大きいものになると魔力発生器を備えた冷蔵器や空調まで様々なものが実用化されていて、人々の生活利便性の向上に大きく寄与している。
魔力発生器というのは、地中から採掘される魔力を含んだ鉱石“魔鉱石”を用いて魔力を自動的に発生させる装置のことで、これを使うことで使用者がいちいち魔力を流さなくても魔術が使えるようになるというものだ。魔鉱石自体は蓄えた魔力を使い切ると使えなくなってしまうが、陽光に当てたり人間が霊力を流すなどして、何らかの形で魔力を浴びせることで再び魔力を蓄えられる。
魔力発生器は魔鉱石の含有魔力を使って魔力を発生させつつ、発生させた魔力を増幅させ、その一部を魔鉱石に還流させることで半永久的に魔力を生成することを可能にした一大発明品である。具体的にどういう仕組みになっているのかというのは高度な魔術力学の理解が必要で、学者でもなければ詳しくは説明できないが、とにかく魔力発生器は魔鉱石に蓄えられた魔力を数倍から十数倍にまで増幅させることができ、魔鉱石に蓄えられた魔力を枯渇させることなく魔力を発生させ続けることができるのだという。
この魔力発生器の発明によって、魔道具の製作と使用が本格化したと言っても過言ではない。
通常、魔力発生器に用いられるのは“無色”の魔鉱石だ。無色とは複数の色(魔力元素)が混ざった状態を言い、採掘される魔鉱石の大半は無色である。だが稀に五大元素それぞれの単色の魔鉱石が採掘されることがあり、そういうものは魔術師たちの研究材料になったり、属性魔術を付与した魔道具、主に攻撃用となる指輪や腕輪、頭冠などに用いられる。貴重な魔鉱石の中でも特に稀少性が高く、なかなかお目にかかれない。
魔力によってスイッチひとつで灯りをつけたり消したりできる“魔術灯”や、色砂が落ちきったら自動でひっくり返る“砂振り子”なども魔道具である。ただこれらの簡易な魔道具は魔力発生器を使わずに魔鉱石を直接仕込むので、使用者が定期的に魔力を流すなどして魔鉱石に魔力を補充してやらなければならない。
それにしても、改めて思えば今回の特注脚竜車は相当な高級車である。
最初の発注交渉の際にレギーナが「金に糸目は付けない」と言い切り、具体的にいくら使えるのか分からないアルベルトがミカエラをチラリと見やると、彼女は財布から“白金”カードを出してニカッと笑ってみせたので、それでアルベルトも安心して思う存分要望したのだが。勇者パーティとはいえ彼女たちは随分貯め込んでいるようだ。
アルベルトが不思議なことを言い出した。普通は脚竜車本体の強度などというのは脚竜が牽いても壊れない、多少の悪路でもガタが来ないといった程度の話で終わるのだが。
「…と仰いますと?」
「いえ、勇者様の使命として東方世界まで行きますし、魔獣や魔物の巣窟にも乗り込む事があると思うんです。なのでそういったものに攻撃されても壊されない強度、もっと言えば多少の魔術攻撃にも耐えられるくらいの防御能力があった方がいいんじゃないかと思いまして」
アルベルトの念頭にあったのは先ほどの瘴脈の話だった。そして同時に、蛇封山には危険だからと脚竜車で登ることができずに徒歩で山登りをしたのを思い出したのだ。
つまり彼はこの脚竜車で蛇封山まで乗り込むことを想定したわけだ。
「なんなおいちゃん、蛇封山ってそげん魔獣やらウヨウヨおるとこなん?」
「少なくとも、前に行った時はそうだったね」
「ほんなら、そげな対策も必要かも知らんね」
「ふうむ。今まで脚竜車にそのような防護を取り付けた例というのは聞きませんが、そういう事でしたら魔道具職人と検討してみると致しましょう」
職長はそう言うと、早速配下の職人に連絡するよう指示を出し始めた。
「そうですか、ありがとうございます。
で、車台の方なんですが」
「ああそれは、そちらの職長にご説明申し上げさせましょう」
そして入れ替わりにやってきた別の職長にもアルベルトはいくつか質問していくが、レギーナにもミカエラにももうサッパリ解らない。これはアルベルトを連れてきて正解だったとミカエラは胸を撫で下ろした。
とりあえずアルベルトが気にしていたのは悪路走破性とクッション性、それに力の強い肉食種を使うということで全体の強度に関してだった。
それに対して職長は、強度を増すためと重心安定性の面から車台部分のみ金属製で設計している旨を答えてアルベルトやミカエラを安心させた。
それから艤装の職長も呼んでもらい、一行は内外装に関する説明も受ける。細かい内装に関してはエトルリアのメディオラやタウリノルムから専門の職人と材料を呼び寄せているとのことで、大まかな部分の構造や強度に関して職長があれこれと説明していたが、レギーナはもう聞いていなかった。
「姫ちゃんはメディオラから職人ば呼んどるっちゅうだけでもう満足やろ」
「メディオラだったら一番はアルバーニかブッチかプレダでしょ」
「さすがお目が高い。アルバーニ工房から選りすぐりの職人を派遣してもらう手はずとなっております」
エトルリアのメディオラ市は服飾の工芸が盛んでファッション都市とも称される街だ。そしてレギーナの故郷でもある。そのことは有名なので、それで商工ギルドでもメディオラから職人を呼ぶことにしたのだろう。
その後、室内装飾も兼ねる魔術灯や砂振り子などの備え付けの小物魔道具や魔力発生器を仕込んだ空調などの快適設備や内装の仕様に関して話を聞き、最後に冷蔵器の話になった。
冷蔵器とは、扉を付けた木製や陶器製の箱の内装に薄いガラス材を塗り固めて[冷却]の術式を付与した魔道具のことである。魔力発生器を動力に仕込むことで箱内が常に一定の冷温に保たれ、中に食材や飲み物を入れて保存するのに用いられる。家庭用冷蔵器は中型から大型のものが多く、たいていは二室から三室備えていて、うち一室には[冷却]ではなく[凍結]が付与されているのが一般的だ。
アルベルトが提案したのはこの[凍結]を付与した箱室を複数備えている特別製だった。大きく四室に分け、うち二室に[凍結]を仕込み、片方はレギーナたち人間の食材を入れてもう片方には肉食種の餌を保存する。二つの[凍結]室は最下部に横に二室並べて、餌用の一室は車内からではなく車外から開けられるようにする。
その餌用[凍結]室にはギミックを仕込んで、御者台からも直接餌を取り出せるようにしたい、というのがアルベルトの要望だった。そうすることで脚竜車を止めずとも肉食種に餌を与えることができるためだ。
そういう形にしたため、餌用[凍結]室はアルベルトの寝室の下を御者台まで延びる形になっていて、横から見るとL字型に見える。そして[凍結]用の魔力発生器は二つの[凍結]室の間に設置することで凍結効率を上げられるように考えられていた。
ただし、これは大型の魔道具になるため専門の魔道具職人が製作にかかっていて、今この場にはないという。
「しっかしまあ、ようこげんと考え付くばいね。ばってんこれ、おいちゃん寝とったら寒うないね?」
「これから暑くなるし大丈夫でしょ。それにこの作りだから俺の寝室には空調入れなかったし」
それにアルベルトは冷却が必要な道具も持ち込みたいという。何を持ち込むつもりなのかミカエラが聞いても、曖昧に笑うだけで彼は答えなかった。
魔道具というのは魔力で動く道具の総称である。小さいものは砂振り子や魔術灯など、大きいものになると魔力発生器を備えた冷蔵器や空調まで様々なものが実用化されていて、人々の生活利便性の向上に大きく寄与している。
魔力発生器というのは、地中から採掘される魔力を含んだ鉱石“魔鉱石”を用いて魔力を自動的に発生させる装置のことで、これを使うことで使用者がいちいち魔力を流さなくても魔術が使えるようになるというものだ。魔鉱石自体は蓄えた魔力を使い切ると使えなくなってしまうが、陽光に当てたり人間が霊力を流すなどして、何らかの形で魔力を浴びせることで再び魔力を蓄えられる。
魔力発生器は魔鉱石の含有魔力を使って魔力を発生させつつ、発生させた魔力を増幅させ、その一部を魔鉱石に還流させることで半永久的に魔力を生成することを可能にした一大発明品である。具体的にどういう仕組みになっているのかというのは高度な魔術力学の理解が必要で、学者でもなければ詳しくは説明できないが、とにかく魔力発生器は魔鉱石に蓄えられた魔力を数倍から十数倍にまで増幅させることができ、魔鉱石に蓄えられた魔力を枯渇させることなく魔力を発生させ続けることができるのだという。
この魔力発生器の発明によって、魔道具の製作と使用が本格化したと言っても過言ではない。
通常、魔力発生器に用いられるのは“無色”の魔鉱石だ。無色とは複数の色(魔力元素)が混ざった状態を言い、採掘される魔鉱石の大半は無色である。だが稀に五大元素それぞれの単色の魔鉱石が採掘されることがあり、そういうものは魔術師たちの研究材料になったり、属性魔術を付与した魔道具、主に攻撃用となる指輪や腕輪、頭冠などに用いられる。貴重な魔鉱石の中でも特に稀少性が高く、なかなかお目にかかれない。
魔力によってスイッチひとつで灯りをつけたり消したりできる“魔術灯”や、色砂が落ちきったら自動でひっくり返る“砂振り子”なども魔道具である。ただこれらの簡易な魔道具は魔力発生器を使わずに魔鉱石を直接仕込むので、使用者が定期的に魔力を流すなどして魔鉱石に魔力を補充してやらなければならない。
それにしても、改めて思えば今回の特注脚竜車は相当な高級車である。
最初の発注交渉の際にレギーナが「金に糸目は付けない」と言い切り、具体的にいくら使えるのか分からないアルベルトがミカエラをチラリと見やると、彼女は財布から“白金”カードを出してニカッと笑ってみせたので、それでアルベルトも安心して思う存分要望したのだが。勇者パーティとはいえ彼女たちは随分貯め込んでいるようだ。
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