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「反対なのじゃ~」
「一体何人を手籠めにすれば気が済むんですかねー?」
「さっきから二人とも何を言ってるんだ? なあ、ティムちゃんには分かるか?」
「さぁ、ボクにはさっぱりー」
俺たちはアイスフォールをアイスバイルを片手に慎重に進んでいた。ちなみにティムちゃんには俺たちが持ってきた予備のクライミングギアを渡してある。
結局、彼女は俺たちに付いて来ることになった。戦力が増えるのは悪い事ではないし、一人で麓(ふもと)に帰すのはテントを持っていないから不安だったのだ。最終的に俺がそう判断したのである。
ちなみに、モルテとシエルハちゃんも、ティムちゃんが付いて来ることについて既に昨晩、納得済みである。・・・あるのだが、時折こうして蒸し返して来るのだ。まあ、冗談の様なものなのだろうが。
・・・ただ、どういう冗談なのか俺にはよく分からないんだよな。二人に聞いても、プイっとそっぽを向かれるばかりで教えてくれないし。
「とにかく、みんなそろそろおしゃべりは終わりだ。既に標高も3000メートル辺りで・・・空気が薄い。あまり余計な体力は使わない方が良い」
酸素が薄い、とは言わなかった。酸素が何なのか、突っ込まれると厄介だと思ったからだ。
「それから、クレバスに落ちたら一巻の終わりだ。怪しい場所も含めて基本的には迂回ルートを取る。飛び越すのも無しだ。いいな?」
「了解!」
3人の素直な返事を聞いて、俺は雪原の前進を再開する。
「はぁ、はぁ、はぁ」
俺はラッセルをしながら進んで行く。ラッセルは先頭の者がともかく大変で、後続は先行する者が作ったルートを通れるので、体力の温存が図れる。
「そろそろ30分じゃな。交代するぞ? それにしても、よくあれだけのスピードでラッセル出来るのう?」
「ああ、ありがとうモルテ。まあ慣れだな」
そう言って俺はモルテと隊列を交代した。チームで雪山を山行する場合、こういう連携が出来るのが大きい。一人で何キロもラッセルするとなれば体力がすぐに尽きてしまう。ティムちゃんをチームに入れたのは、こういった点も考慮してのことだ。
俺たちがそんな風に協力しながら更に3時間ほど進むと、急勾配(こうばい)へと差し掛かった。
今はティムちゃんが先頭に立ってラッセルしてくれているが、進むのがかなりきつそうだ。
当然だな。ルート工作もされていない雪山を進むのは並大抵の事ではない。そろそろ交代するタイミングだろう。
「勾配の角度は・・・この辺りだと40度くらいかな? アイスバイルを杖にして進めるか?」
だが、少し視線を先に延ばすと勾配が更に急になっているのが見て取れた。
「あの辺りになると60度くらいか?」
「ご名答です。通称、氷瀑(ひょうばく)スラブ。C2手前に位置する難所ですね。ここで登頂を諦める登山者も多いです」
シエルハちゃんが解説してくれる。
60度か・・・。だとすれば、普通の歩行は困難だろう。
「アイスバイルのピッケルでビレイしつつ、アイゼンの爪先を蹴り込んで進むことになる。距離としては300メートルくらいか? かなり厳しいルートだな」
俺の言葉を3人は真剣な表情で聞いている。
だが、そこを越えなければC2・・・すなわち最終キャンプ地点へ辿り着くことは出来ない。その場合、もちろん俺たちは頂上に向かってアタックを掛けることすらも叶わないことになる。
「さて、どうするかな」
俺はチーム全体の体調について思いをはせた。4人でラッセルを分担してきたこともあって体力的にはまだ余裕がある。このまま氷瀑スラブを一気に攻略することも可能かもしれない。
「とはいえ、早朝から出発して、ここまで携行食しか口にしていない。水ももう少し飲んだ方が良いだろう。レイヤリングしているとはいえ、体温もかなり奪われている。一旦ビバークするのも手だが・・・」
登山リーダーとして、今すぐスラブへアタックするかどうかの判断を下すべく、ネガティブな点についても冷静に思考を巡らせた。
ふと上を見上げれば快晴の空が見えた。雲は僅かしか見えず、風も凪いでいる。天候が崩れそうな兆候は今のところ無い。
「・・・行こう。むしろ、いたずらに時間を掛けている内に天候が悪化する方が怖い。体力がある内に進むべきだ」
俺はそう決断する。
だが、命に関わる判断だ。きっと3人から多少の異論は出るだろう。そう思ったのだが・・・。
「賛成じゃ。少なくともわしは体力面で問題はないぞ?」
「私もです! 野生の勘が進めと言っています!」
「コーイチロウ様が言うんだから大丈夫じゃない? あ、もちろんボクも健康そのものだよ?」
3人はたちまち同意してくれた。えっと、そんなにアッサリ納得して本当に良いのか? 割と重要な判断だぞ?
だが、俺が唖然としていると、モルテが呆れた様な表情をして言った。
「何を意外そうな顔をしておるのじゃ。まあ、大体察しは付くがのう」
「今までの積み重ねって奴ですね! 信頼してますよ、リーダー!」
「コーイチロウ様って、ちょっと自己評価が低すぎるんじゃない?」
そう言って、3人がそろってため息をついた。
ううむ、何やら呆れられてしまったようだ。しかも彼女たちにそれほど信頼してもらえるような行動を取れていたか、やはり確信が持てない。
だが、俺が困惑している間にも彼女たちは勝手に話を進める。
「とはいえ、皆、水は出発前にたっぷり飲んでおくようにの。それからチョコレートもかじっておけ。もはや、この寒さのせいで丸で石のようじゃがのう」
「あはは、分かってないですねー、モルテさん。この固さが良いんですよー。この噛んだらバリバリな感じが」
「分かる、分かる。ボクもこの冷凍チョコ好きだよ? まあ、ボクの場合は口の中でゆっくり溶かしながら食べるのが好きなんだけどね。あ、そうだ、コーイチロウ様、ボクが溶かしてあげるから、口移しで食べさせてあげるね」
「おいおい、あまりからかうな」
まったくティムちゃんは俺みたいな男に対してでも、冗談とはいえ優しくしてくれるんだから、本当に良い子だよな。
なぜか眉をヘの字に曲げているティムちゃんを尻目に、俺もポケットに入れていたチョコレートの欠片を5、6個まとめて口の中に放り込む。
歯が折れそうなほど固い!!
・・・が、口の中に徐々に広がる砂糖の甘さが脳みそを痺れさせた。どれほど体が糖分を求めていたか分かる。
そして、チョコレートはたちまちエネルギーへと変わり、冷えた体を内側から温め始めた。さすが登山の必需品と言われるだけある。物凄いエネルギー効率だ! いやあ、それにしてもこの世界にもチョコレートがあって本当に良かった。凄まじい高級品で貴族御用達の食べ物らしく、シエルハちゃんの持つ山岳ネット協会のネットワークを余すところなく使うことになったが。
「モルテが言ったように、水をたっぷり飲むのを忘れるなよ?」
「確か高山病を予防するためですよね?」
「そうだ」
「へ~、そうやって高山病って防ぐんだ。物知りだね」
ティムちゃんが感心してくれるが、とても単純な理屈なのだ。ともかく血液の流れを良くして、脳みそへ酸素が送られるのを滞らない様にするだけなのだから。標高が高くなれば酸素濃度は薄くなり、空気は乾燥するから体内の水分は減少する。それによって脳みそに酸素が行かなくなるのだ。すると色々な症状が出始める。眩暈や吐き気・・・これが高山病の正体である。
というわけで俺たちは氷瀑スラブへ挑む前に大量の水分を取る。モルテが魔法で出した水を鍋にため、それを温めて飲んだ。こと登山において水分は取り過ぎということはない。一人1リットルくらいを飲んだ。
「よし、じゃあ出発だ!」
「一体何人を手籠めにすれば気が済むんですかねー?」
「さっきから二人とも何を言ってるんだ? なあ、ティムちゃんには分かるか?」
「さぁ、ボクにはさっぱりー」
俺たちはアイスフォールをアイスバイルを片手に慎重に進んでいた。ちなみにティムちゃんには俺たちが持ってきた予備のクライミングギアを渡してある。
結局、彼女は俺たちに付いて来ることになった。戦力が増えるのは悪い事ではないし、一人で麓(ふもと)に帰すのはテントを持っていないから不安だったのだ。最終的に俺がそう判断したのである。
ちなみに、モルテとシエルハちゃんも、ティムちゃんが付いて来ることについて既に昨晩、納得済みである。・・・あるのだが、時折こうして蒸し返して来るのだ。まあ、冗談の様なものなのだろうが。
・・・ただ、どういう冗談なのか俺にはよく分からないんだよな。二人に聞いても、プイっとそっぽを向かれるばかりで教えてくれないし。
「とにかく、みんなそろそろおしゃべりは終わりだ。既に標高も3000メートル辺りで・・・空気が薄い。あまり余計な体力は使わない方が良い」
酸素が薄い、とは言わなかった。酸素が何なのか、突っ込まれると厄介だと思ったからだ。
「それから、クレバスに落ちたら一巻の終わりだ。怪しい場所も含めて基本的には迂回ルートを取る。飛び越すのも無しだ。いいな?」
「了解!」
3人の素直な返事を聞いて、俺は雪原の前進を再開する。
「はぁ、はぁ、はぁ」
俺はラッセルをしながら進んで行く。ラッセルは先頭の者がともかく大変で、後続は先行する者が作ったルートを通れるので、体力の温存が図れる。
「そろそろ30分じゃな。交代するぞ? それにしても、よくあれだけのスピードでラッセル出来るのう?」
「ああ、ありがとうモルテ。まあ慣れだな」
そう言って俺はモルテと隊列を交代した。チームで雪山を山行する場合、こういう連携が出来るのが大きい。一人で何キロもラッセルするとなれば体力がすぐに尽きてしまう。ティムちゃんをチームに入れたのは、こういった点も考慮してのことだ。
俺たちがそんな風に協力しながら更に3時間ほど進むと、急勾配(こうばい)へと差し掛かった。
今はティムちゃんが先頭に立ってラッセルしてくれているが、進むのがかなりきつそうだ。
当然だな。ルート工作もされていない雪山を進むのは並大抵の事ではない。そろそろ交代するタイミングだろう。
「勾配の角度は・・・この辺りだと40度くらいかな? アイスバイルを杖にして進めるか?」
だが、少し視線を先に延ばすと勾配が更に急になっているのが見て取れた。
「あの辺りになると60度くらいか?」
「ご名答です。通称、氷瀑(ひょうばく)スラブ。C2手前に位置する難所ですね。ここで登頂を諦める登山者も多いです」
シエルハちゃんが解説してくれる。
60度か・・・。だとすれば、普通の歩行は困難だろう。
「アイスバイルのピッケルでビレイしつつ、アイゼンの爪先を蹴り込んで進むことになる。距離としては300メートルくらいか? かなり厳しいルートだな」
俺の言葉を3人は真剣な表情で聞いている。
だが、そこを越えなければC2・・・すなわち最終キャンプ地点へ辿り着くことは出来ない。その場合、もちろん俺たちは頂上に向かってアタックを掛けることすらも叶わないことになる。
「さて、どうするかな」
俺はチーム全体の体調について思いをはせた。4人でラッセルを分担してきたこともあって体力的にはまだ余裕がある。このまま氷瀑スラブを一気に攻略することも可能かもしれない。
「とはいえ、早朝から出発して、ここまで携行食しか口にしていない。水ももう少し飲んだ方が良いだろう。レイヤリングしているとはいえ、体温もかなり奪われている。一旦ビバークするのも手だが・・・」
登山リーダーとして、今すぐスラブへアタックするかどうかの判断を下すべく、ネガティブな点についても冷静に思考を巡らせた。
ふと上を見上げれば快晴の空が見えた。雲は僅かしか見えず、風も凪いでいる。天候が崩れそうな兆候は今のところ無い。
「・・・行こう。むしろ、いたずらに時間を掛けている内に天候が悪化する方が怖い。体力がある内に進むべきだ」
俺はそう決断する。
だが、命に関わる判断だ。きっと3人から多少の異論は出るだろう。そう思ったのだが・・・。
「賛成じゃ。少なくともわしは体力面で問題はないぞ?」
「私もです! 野生の勘が進めと言っています!」
「コーイチロウ様が言うんだから大丈夫じゃない? あ、もちろんボクも健康そのものだよ?」
3人はたちまち同意してくれた。えっと、そんなにアッサリ納得して本当に良いのか? 割と重要な判断だぞ?
だが、俺が唖然としていると、モルテが呆れた様な表情をして言った。
「何を意外そうな顔をしておるのじゃ。まあ、大体察しは付くがのう」
「今までの積み重ねって奴ですね! 信頼してますよ、リーダー!」
「コーイチロウ様って、ちょっと自己評価が低すぎるんじゃない?」
そう言って、3人がそろってため息をついた。
ううむ、何やら呆れられてしまったようだ。しかも彼女たちにそれほど信頼してもらえるような行動を取れていたか、やはり確信が持てない。
だが、俺が困惑している間にも彼女たちは勝手に話を進める。
「とはいえ、皆、水は出発前にたっぷり飲んでおくようにの。それからチョコレートもかじっておけ。もはや、この寒さのせいで丸で石のようじゃがのう」
「あはは、分かってないですねー、モルテさん。この固さが良いんですよー。この噛んだらバリバリな感じが」
「分かる、分かる。ボクもこの冷凍チョコ好きだよ? まあ、ボクの場合は口の中でゆっくり溶かしながら食べるのが好きなんだけどね。あ、そうだ、コーイチロウ様、ボクが溶かしてあげるから、口移しで食べさせてあげるね」
「おいおい、あまりからかうな」
まったくティムちゃんは俺みたいな男に対してでも、冗談とはいえ優しくしてくれるんだから、本当に良い子だよな。
なぜか眉をヘの字に曲げているティムちゃんを尻目に、俺もポケットに入れていたチョコレートの欠片を5、6個まとめて口の中に放り込む。
歯が折れそうなほど固い!!
・・・が、口の中に徐々に広がる砂糖の甘さが脳みそを痺れさせた。どれほど体が糖分を求めていたか分かる。
そして、チョコレートはたちまちエネルギーへと変わり、冷えた体を内側から温め始めた。さすが登山の必需品と言われるだけある。物凄いエネルギー効率だ! いやあ、それにしてもこの世界にもチョコレートがあって本当に良かった。凄まじい高級品で貴族御用達の食べ物らしく、シエルハちゃんの持つ山岳ネット協会のネットワークを余すところなく使うことになったが。
「モルテが言ったように、水をたっぷり飲むのを忘れるなよ?」
「確か高山病を予防するためですよね?」
「そうだ」
「へ~、そうやって高山病って防ぐんだ。物知りだね」
ティムちゃんが感心してくれるが、とても単純な理屈なのだ。ともかく血液の流れを良くして、脳みそへ酸素が送られるのを滞らない様にするだけなのだから。標高が高くなれば酸素濃度は薄くなり、空気は乾燥するから体内の水分は減少する。それによって脳みそに酸素が行かなくなるのだ。すると色々な症状が出始める。眩暈や吐き気・・・これが高山病の正体である。
というわけで俺たちは氷瀑スラブへ挑む前に大量の水分を取る。モルテが魔法で出した水を鍋にため、それを温めて飲んだ。こと登山において水分は取り過ぎということはない。一人1リットルくらいを飲んだ。
「よし、じゃあ出発だ!」
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