上 下
137 / 171
ネロのはなし

女神との姦淫24

しおりを挟む

 興味は無かった、が。――女王に関しては興味があった。

 前公爵は嬉々としてについて話した。よほど何かの鬱憤でも溜まっていたのか。何かに取り憑かれたがごとく饒舌に話した。
 ネロは儀式の詳細を聞かされて、ある噂を思い出した。

 その噂の中では、前公爵が語った通りの儀式をして、結局は効果の無い子供騙しの儀式であった、と結論付けられていたはず。前公爵は騙されたのではなかろうか、とネロは考えた。
 噂の真偽はともかく、実際に大勢が儀式を行い、失敗したのは事実。特に害は無いようである。それを確認して、ネロは調べるためにと切り取っておいた血のついたシーツの一部を前公爵の前に無造作に放り出した。

「……お? おぉ……おおお!! これは!」

 急なネロの行動に一瞬不信な表情を浮かべた前公爵だったが、無造作に机上に放り出された布切れを確認すると、表情を一変させた。それは、歓喜である。

「流石は裏社会で凄腕と言われるだけはあったな! こうも早く我が手に念願の品が至るとは!」

 女王の血であることを説明する前に理解した前公爵にネロは怪訝に思ったが、伝わったのならば問題ないと気を取り直した。これで依頼は完了である。

「――ああ、待ちきれん! 今すぐ儀式を行うのだ! ……そうだ。貴様も見届けるがいい。わしとマリアンヌ様の永久なる強固な結びをな!」

 興奮したように告げた前公爵は重いだろう身体を引きずってどすん、どすん、と移動を開始した。
 結果の分かっていたネロはもう帰っても良かったのだが……女王関連はやはりどこか気になるのか、条件反射で自然と体が勝手に前公爵の後に続いていた。邸の地下へと――。

 後日、ネロはこの依頼を受けたことを盛大に後悔することとなった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

これ以上ヤったら●っちゃう!

ヘロディア
恋愛
彼氏が変態である主人公。 いつも自分の部屋に呼んで戯れていたが、とうとう彼の部屋に呼ばれてしまい…

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

♡蜜壺に指を滑り込ませて蜜をクチュクチュ♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショート♡年末まで毎日5本投稿中!!

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

処理中です...