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ネロのはなし

女神との姦淫16

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「う、ぁ……ふ、あ……んぅ……」

 女王がネロに跨ってから結構な時間が経過していた。あれからずっと女王はひたすらネロの上で腰を前後に振り続けていた。ネロはといえば、だんだんと全身が熱くなってきている感覚と、催しそうな感覚に忍耐を強いられていた。
 ――頭がぼんやりとする。

 だが、いくら思考に靄が掛かろうとも、ネロとしては技術を伝授されている最中で盛大にわけにはいかなかった。稀に、男性器が大きくなった後で尿が出てしまうことがあったが、ネロはここで我慢せず出せばそれが出るような直感がしていた。
 ある意味ネロ自ら拷問のような状態に陥っていた。

「ふぅ……」

 たまに女王が腰休めをしてくれるのが唯一の救いであった。ネロは我慢で潤んでしまった目で女王を見上げた。目が合った女王はネロの様子をつぶさに観察したかと思うと、何気なく手首を振るような動作をして何かを出現させた。
 非力な女王ではあるが、魔法の才に関してはネロが今まで見てきた中でも随一である。そんな女王が取り出した怪しげな瓶は、中の液体を見ているだけで意識が遠くなりかけるほどの妖力を感じられた。

 ――直感した。これは凄そう、と。

「本当は使いたくはないのだけれど……」

 何が凄いのかは分からない。ただ、色んな毒や薬を知っているネロが凄そうと直感するシロモノ。女王は躊躇なく口に含んだが、それがただの飲料水であるはずがなかった。
 ネロは瓶から女王の口に移る妖しげな液体をぼんやりと見ていた。ぼんやり見ていたらいつの間にか女王の顔がすぐ目の前まで迫っていて、気付いたら口の中に甘い甘いナニかが――まさか、毒!?

 急に視界と思考がクリアになった途端、ネロはすぐさま毒を飲まされたのかと勘違いした。女王にどんな毒も効かないことは知っているが、ネロには効く。効きにくいとはいえ無効化はしない。
 あんな一見しただけでヤバそうだと分かるモノを飲んでしまった。

 ――甘く感じる毒などなお最悪である。

 毒は基本的に苦くてマズイ。含めば死ぬのだから危険信号としては正しい味覚と反応である。一応、無味無臭の毒が無いわけではないが、そういった毒は遅効性のものが多く、より解毒が容易いため用いられることは案外と少ない。
 故に、甘く感じる毒というのはより危険である。危険信号が働かないのだから。

 ネロは暗殺者としてそういう系統の毒について知識があったが、その知識が言うのだ、劇的な変化をもたらす甘い毒ほど危険なシロモノは無い、と――。
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