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13歳と白百合の…
悪夢
しおりを挟む「最悪……」
マリアンヌはここ最近、目の下に深いふか~いクマを携えることになっていた。目の下が分かりやすく真っ黒に染まっていたのだ。おかげで日中は寝不足まっしぐらであった。
それも例の前公爵が処刑された日からというもの、毎夜毎夜と同じパターンで前公爵としたくもない行為を強制的に夢に見せられているからだ。
――断じて! マリアンヌの隠れた願望とかでそんな夢を見ているわけではない。何故ならマリアンヌは今世で今まで一度も夢を見ることがなかったからだ。……記念すべき初めての夢がこれとは最悪である。
肌などの感触や臭い、音などの夢に出る全ての光景が夢にしてはあまりに鮮明すぎた。故に、これはいわゆる精神に作用する呪いの類だろうとマリアンヌはあたりを付けていたのだが……犯人が分からなかった。
呪いというのは必ず痕跡が残る。だが、今回はあの前公爵が利用されただけだったのか、まるでそれらしい痕跡は見当たらなかった。――死ぬ間際まで暗殺は否定していたそうだけど、まさか本当に利用されただけだったとは。
押収された証拠品には生理的に受け付けられないマリアンヌに関する物品が数多くあり、その上断罪の間でのあの異常な言動。マリアンヌはやはりまだ未熟なせいか、私情を優先してしまったことで犯人を逃したことをここ数日特に後悔していた。
加護は一応精神系にも効く。だが、この場合より最悪だったのは加護が効くからこそずっと記憶に鮮明に残ってしまっているということだった。前世のモエか加護の無い状態のマリアンヌであれば、毎夜毎夜アレに犯され続けるなどとっくの昔に精神が病んで自殺を選んでいたぐらいには生理的に受け付けられない悪夢である。
加護のお陰でマリアンヌの心が壊れることはないが、まるで実体験のように身体に記憶が纏わりついて普通に気持ちが悪いのだ。
――はやくなんとかしなければ。
マリアンヌの精神的に辛い日々が続いていた。
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