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13歳と白百合の…
管理体制とは?
しおりを挟む――夜、就寝時間になってふかふかのベッドへ思い切り倒れ込む。ノエルは既に自分の宮へと移って生活しているため、マリアンヌは寂しくぼっちで寝ていた。
日中は傍で寝転んでマリアンヌを横目で眺めていることが多いが、夜になる頃にはマリアンヌから逃げるように自分の宮へ逃走するのだ。……襲い掛かったのがよほどトラウマだったらしい。マリアンヌは少なからず反省していた。
……生理の時には遠慮なく仕掛けているが。それが二人の夫婦生活での最低限の妥協点であった。
「はああああ……つっかれたぁぁ……!」
誰が見ていなくとも気を抜くことの少ないマリアンヌだが、女王になってからはよく前世の乱れた言葉遣いが出てしまっていた。特に最近は食事がアレンジされているせいでクソマズイので、状況を面白がっているとはいえ、美味しいわけではない。多少のストレスにはなっていた。
――なぜ、食事や飲み物の殆どが異物混入状態になっているのか。おかげでマリアンヌは食品の品質管理についての法を定めよう、と固く決意することになって更に忙しくなっていた。……揃いも揃って管理体制が杜撰過ぎる。ただでさえこの世界の料理は特に美味しくも無いのに、マズくなったら全てお終いである。
「なんとかしなければ――」
疲れでうつらうつらとする意識のままに決意を改めたマリアンヌは、そのまま抗わずに眠気に従って意識を落とした――。
◇◆◇◆◇
――カキンッ
「……んぅ?」
硬質な音がして、マリアンヌは閉じていた目をおぼろげに開いた。まずは周囲の暗さに今はまだ夜、しかも夜中であると確認し、次に音の発生源を確認した。そこには――
「――る、ね……?」
「――――ッ」
マリアンヌに跨るようにして、無表情を驚愕一色に彩った例の暗殺侍女がいた。マリアンヌはそのままその手に見える持ち手のみで刃が折れているナイフに気付いて、状況をすぐに悟った。
そしてよほど驚いたのか、固まったまま微動だにしないルネに一言。
「……とりあえず、明日にしてくれない? まだ寝ていたいのよ」
からんからん、とマリアンヌの言葉と共に持ち手を落としてしまったらしい音をBGMに、マリアンヌはルネに跨られたまま何事も無かったかのように再び寝てしまった――。
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