浮雲の譜

神尾 宥人

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第三章 風雲

(四)

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 そうしていよいよ、出陣の朝がやって来た。城の曲輪に集まった二百五十の兵は、威勢よく鬨の声を上げたあとで、一列になって行軍を開始する。
 先頭は、孫次郎氏行率いる五十の兵だ。露払いとして長瀬小太郎ら馬廻が先導し、氏理自慢の駿馬である「つむじ」に跨った氏行が続く。善十郎は徒士かちでそれに並び、馬上の若殿を脇でしっかりと守っていた。
 実のところ氏理からは善十郎のために騎馬をもう一頭預けられているのだが、それに跨ることは固辞したのだった。もう一頭の騎馬はあくまでも「颯」の予備として、空馬のまま後続の者に引かせている。敗走したときに氏行を逃がすためには、いかな駿馬とはいえ一頭では心許ないゆえだ。
 そのあとに、兵庫頭氏理がみずから率いる二百の勢が続く。とはいえ、いかにも急拵えの軍勢であることは隠せなかった。馬上の氏理自身は、初代為氏の代から受け継がれてきたという革威ししおどしの古鎧に身を固めているが、武具一式を揃えられている者は百もいまい。雑兵たちの多くは腹巻に陣笠のみという軽装であった。
 三年ぶりの外征とあって、城の外には民たちが大勢集まっていた。かの者らにとっても、この帰雲の全軍を挙げての出陣は、ちょっとした見物なのだ。その顔にはやはり不安も浮かんでいるが、めいめいに手を振ったり声をかけて来たりもする。
 中でもやはりいちばん人気があるのは氏行だった。民たちの中には、わざわざ地味な小袖に着替えた阿通の方や女衆たちも紛れていて、若者たちに黄色い声を上げていたりもする。馬上の若殿は、その声に恥ずかしげに顔を俯けていた。
 善十郎はさりげなく目を巡らせる。そして、女衆たちのうしろにいる蔦に気付いた。いつものようにせせらうような笑みを浮かべて、隊列の中の「旦那さま」を他人のように見ていた。されどあんな顔をして、頼んだことはみな期待した以上に果たしてきた女だ。心配は要らぬであろう。
「若殿は少々固くなっておられますかな。馬も落ち着かぬ様子にございます」
 氏行がこの「颯」に乗るのは、決してはじめてではない。それどころかいつもは、もっと息を合わせて軽快に乗りこなしていたはずであった。されど今は馬も乗り手の緊張を感じ取っているのであろう、やや利かん気を起こしている。
「それは固くもなるわ」と、氏行が恨めしげに答えてくる。「今日まで散々、戦の恐ろしさを語って聞かせたのはおぬしであろう」
「そういえば、そうでしたな」
「それで当人は涼しい顔をしておる。何やら得心がゆかぬぞ」
「さような憎まれ口を叩けるようであれば、大丈夫でございますな」
 小さく笑ってそう返すと、氏行は拗ねたようにそっぽを向いた。されど善十郎の言った大丈夫という言葉は本心からである。おのれの初陣のときと比べれば、はるかに堂々としていると感心さえしていた。
「善十郎、おぬしは戦が恐ろしくはないのか」
 氏行はそう尋ねてから、勝手にひとりで得心したように頷いて続けた。
「まあおぬしはこれまでも、色々な戦に出ておるのであろうからな。恐ろしくなくとも不思議はない。さような者がいてくれるだけでも、頼り甲斐があるというものよ」
「さようなことはございませぬ」と、善十郎は首を振る。「某も、戦は恐ろしゅうございます。おそらく敵を前にすれば、足が竦むのかもしれませぬ」
「……偽りを申すな」
「まことにございます……いえ」善十郎は首を振った。そうしてしばし思案し、言い直した。「まことであればいい。そう、思っておりまする」
 その言葉の意味がわからないようで、氏行は訝しげに首を傾げた。おそらくわからぬであろうと思ったし、善十郎としても説明できそうになかった。
 
 
 翌日に荻町城に着くと、大和守時慶の率いる百の勢と合流する。さらに二日のちには越中に入り、栃波となみ郷の上見うえみ城で篠村太左衛門の百が加わると、いよいよ此度の外征の兵がすべて揃った。
 上見城は近郷の集落を丸ごと堀の中に取り込んだ、いわゆる惣構えの城である。また米や粟などの収穫も多いため、領地のほとんどが峻厳な高地である内ヶ島家にとっては、貴重な兵糧の供給地でもあった。そこで氏理はひとまずはここに留まり、間もなくはじまる収穫を待って兵糧を蓄えることとしたようだ。同時に情勢を探り、今後の指針を練る必要もあった。
 帷幕の中では今まさに氏理と、この外征における脇大将である大和守時慶による軍議が行われている。それに篠村太左衛門を含めた三人の他は人払いされ、氏行ですら中には入ることが許されていなかった。夕刻からはじまった軍議は、すっかり夜も更けてなお続いている。
「なぜ、すぐにも出立せぬのだ。富山城は大きな城なのであろう。兵糧など、向こうでどうとでもなるではないか」
 その氏行はここでの足止めが不満なようで、苛立ちを露わにそうぼやいていた。宥めるのはやはり、荻町城で合流した半三郎氏勝である。
「さようなわけにも参らぬでしょう。聞けば佐々どのの元にはなおも牢人が集まり、すでに二万余に達しているとのこと。それではいかな米どころ越中とはいえ、兵糧も逼迫しておられるのではないでしょうか。我らの分は我らで調達せねば、先方にご迷惑がかかるまする」
「だが、こうしているうちに羽柴が動いたらどうするのじゃ。戦は呑気に待ってなどくれぬぞ」
「若殿、富山はもう目と鼻の先にございます。関白が京を出たと知らせが来てから動いても、遅くはありませぬ」
 氏行はまだ得心がゆかぬと言いたげに目を向けてきた。とはいえ善十郎としても、「山下どのの申される通りかと」と答えるしかなかった。戦がはじまるまで、まだしばらくは間があるはず。おそらくは月が明けて八月に入ってからだ。
 氏理としては、この若衆たちのことも考えての足止めかもしれない。多くの牢人たちが集まった富山城下は、いつかの様子よりもさらに殺伐としているであろう。ほとんど初陣も同然の者たちが、気の立った破落戸のつまらぬ諍いに巻き込まれても堪らない。また諍いを起こさぬまでも、空気に当てられて疲弊してしまうことだってある。ならばまだ今しばらくは、慣れた土地で英気を養っておいたほうが良い。
「ともかく、じっとしておれぬわ。半三郎、久しぶりに槍で仕合うのはどうじゃ!」
 氏行はそう言って立ち上がったが、声を掛けた旧友にはにべもなく断られてしまう。
「某は槍は不得手なれば。それに、若殿の憂さ晴らしに付き合わされるのも真っ平にございます」
「変わらぬの、おぬしは」
 遜っているのは上辺だけ。歯に絹着せぬ物言いでも角が立たないのは、幼き頃から互いを知っている気安さからか。氏行もそれで少しは気も晴れたようで、表情がふっと緩んだ。
「まあ、よいわ。行くぞ小太郎!」
 傍に控えていた長瀬小太郎は、名を呼ばれて慌てて「はいっ!」と立ち上がる。そうして小走りに、若き主君のあとをついていった。
「あ奴も大変ですのう、落ち着かぬ主を持って」
 半三郎は苦笑しながら、善十郎に向かって言った。そうは言っても、あれはあれでよい主従なのだ。氏行も小太郎のことは特に可愛がり、気遣ってもいる。
「ところで飯島さま。此度の戦、どのように推移すると思われまするか」
 不意に真顔に戻った半三郎が、わずかに声を落として尋ねてきた。とはいえ、善十郎には何とも言えない。ただ多勢に無勢で押し潰されるのみ、などと率直に答えるわけもなかろう。
「さて……某には何とも。むしろ山下どのの読みをお聞きしたいですな」
「さようですね……」と、半三郎はしばし思案する。そのときになって善十郎は、問いを返したことを後悔した。頭のいいこの若者のこと、此度の戦が絶望的であることなど、とっくにわかっているかもしれなかった。
 されど半三郎は暗い表情も見せず、いつもの淡々とした口調で答えてきた。
「富山城は神通川の中州に築かれた、浮城とも呼ばれる堅城にございます。そう簡単に落ちるとも思えませぬ。また鉄砲もかなりの数を揃えているようにございますので、無理押しすれば攻め手もかなりの痛手を負うことでしょう」
 善十郎もついつい「……ふむ」と聞き入った。さすがはかつて神童とも謳われた若者である。さらに冷静な分析を続ける。
「関白どのも名うての城攻め上手、ゆえにあたら兵を失うような真似はいたしますまい。播州三木城、因幡鳥取城、備前高松城。いずれも大軍で城を取り囲み、兵糧攻めにて落城せしめましてございます」
「此度も、同じようにいたすと申されまするか?」
 半三郎は「いかにも」と頷く。「徳川とは和議を結び、紀州、四国を平らげたとあらば、関白どのもさほど急ぐこともありませぬ。むしろここで味方に痛手を負えば、それが次の火種になりかねません」
 長久手の戦で露わになったのは、羽柴方も決して一枚岩ではないという弱味であった。織田恩顧の大名たちも、まだ心から関白秀吉を主と認めているわけではない。かの者のために命まで投げ出す者が、はたしてどれだけいようか。
「よって我らは城内に入ったところで、助けにならぬどころか、貴重な兵糧を食い潰す厄介者となることでしょう。むしろ城外で兵糧を調達し、それを運び込む算段を立てるべきかと」
 慥かにそれができれば、此方のような小勢であっても大きな力となろう。問題はそれを運び込めるような隙が、羽柴の包囲陣にあるかどうかであった。こんなことならあの女を連れてきておくべきであったかという後悔が、ふっと善十郎の頭を過る。
「関白が動員した兵は、七万とも十万とも聞いております。それだけの兵で城を囲めば、まさに蟻の這い出る隙もありますまい」
「そこで考えたのです」と、半三郎が身を乗り出した。「白川より金堀衆を呼び寄せ、城内に通じる坑道を掘らせてはいかがでしょう。慥かに荷駄が通れるほどの穴となれば手間はかかりましょうが、今からはじめればまだ間に合うはず」
「面白きことを考えますな、山下どのは」善十郎は直に感心し、唸った。「されどそれには、神通川の下を通すことになります。地質も緩く、水も漏れ出ましょう……はたして可能ですかな」
 すると半三郎はふっと笑みを浮かべ、何か秘め事を明かすかのように声を落とした。
「実は内ヶ島にも、同様の仕掛けを施した城があるのですよ。我が荻町城ではありませぬが。ゆえ、できぬことではないと心得まする」
「それは……やはり、帰雲城でございますか?」
 もしも庄川の下を潜り、帰雲館と城を結ぶ坑道が掘られているのだとすれば。あり得ぬことではなかった。それならば、万一城下に敵の侵入を許したとしても、民を速やかに城内へと逃げ込ませることができよう。また川を越えて城攻めを仕掛ける敵の背後に、伏兵を差し向けることも容易だ。敵に知られれば侵入口とされる危険もあるが、完全に秘匿さえされていれば有効な防御策としても機能するはずだった。
「どの城とは申し上げられませぬ。知りたくば、飯島さまももっと偉くなってくだされ」
 これ以上は、一兵卒に過ぎぬおのれには教えられぬということか。それも無理はない、と得心するしかなかった。
 そのとき背後の闇の中に、何かの気配を感じた。振り返ると、いつからいたのか女がひとり跪いている。蔦ではなかったが、その顔に覚えはあった。慥かあの女が手懐けていた、阿通の方の侍女のひとりだ。
「何ごとだ?」
 声を殺して尋ねると、女が顔を上げて答えた。
「金森法印が動きました。兵千五百を率い、越前大野から尾上川沿いに下ってきています」
 善十郎は「……そうか」と頷いた。別に驚くようなことではない。おそらくは来ると予測していたことだ。
「すでに備前守さまが手勢を連れて、赤谷城へ向かわれております。敵はおそらく岩瀬橋を渡ると思われますので、そこで迎え撃つおつもりかと」
「殿にはそれを?」
「お伝えいたしました。殿は、備前守さまを信じておられるようで」
 慥かに、今はそれしかないであろう。あとは向牧戸城の川尻備中守もいる。小勢であっても、かのふたりであればそう簡単に抜かれはすまい。
 

 
 尾上備前守氏綱はその夜も、奥の間にてただ静かに書を読み耽っていた。それゆえ、屋敷の者たちにも不安は与えていない。戦はすでに近くまで迫っていて、帰雲には百にも満たない守勢しかおらぬのに、その泰然とした佇まいのお陰で誰もが安堵し、変わらぬ日々の営みを送っている。
 されど氏綱の内心は千々に乱れ、ひりつくような焦りを覚えていた。一日と空けずに情勢を伝えるように命じてあった、越前大野に送り込んだ間者たちの密書が、すでに三日途絶えているためであった。
 金森法印が動くことは間違いない。ただしそれがいつか。兵の数はどのくらいか。そして何より肝要なのは、軍勢はどの経路を通って攻め来るのか。それがわからねば、対処のしようがないのだ。迂闊に見込みで動いて、裏をかかれてしまえば命取りになる。
 隣室の気配も探り、誰もいないことを慥かめてのち、氏綱はそっと深いため息をついた。焦燥が息となって喉を焼くようにさえ思える。するとそのとき、部屋の中に何者かがいることに気が付いてはっとした。気配など、何もなかった。まるでおのれの影の中から不意に浮き出てきたようでさえあった。
 そこにいたのは女だった。そして、知らぬ顔でもない。
「不躾な真似をお許しください、尾上さま」
「そなたは……善十郎の?」
「蔦にございます。今宵は尾上さまに火急の知らせゆえ、失礼を承知で罷り越しました」
 蔦はそう言うと、ゆらりと揺れるように平伏した。その姿はどうしても実体があるように思えず、まるで夢でも見ているかのような心地になる。
「火急の知らせ、とな」氏綱は眉を険しく寄せた。「申せ」
「金森法印、越前大野を出陣との由。兵は千五百。大野より石徹白いとしろを通り、中州宿を越えて尾上郷へ下って来るものと思われまする」
「石徹白から中州、だと。修験者でもあるまいに」
 俄には信じられぬ知らせであった。想定していた経路より、さらに北寄りである。それこそ修験者が通る険しい尾根筋であったが、慥かに大野から白川郷への最短の経路でもあった。そこを千五百もの兵を率いて通るとは。
「案内役は江馬右馬亮、鍋山左近太夫、石徹白彦右衛門。他、野盗上がりと思われる者数名。何れも、飛州の山々を知り尽くしている者たちにございます。その先導があれば、決してできぬことでもないかと」
「こちらには何の知らせも来ておらぬが……」
「出陣に先立ち、大野城下では徹底した間者狩りが行われたとの由。都合、十七にも及ぶ首が晒されたとか。尾上さまが送り込んだ者も、おそらくはその中に」
 氏綱はむう、と小さく唸って黙り込んだ。もちろんそれも、毎日送られてきていた密書が途絶えた時点で覚悟していたことだ。
「信じられぬ。だが……おぬしの言とあらば信じるより他あるまいな」
 蔦はその言葉に、ふっと冷たい笑みを浮かべた。
「そういえば尾上さまは、はじめてお会いした際にはもう、私の素性にお気付きでいらっしゃいましたね」
 富山で飯島善十郎に面会し、かの者が武田の残党であることを見抜いた際、この女は手拭いの下で暗器を構えていた。されど殺気はまったく感じず、それでいて肌が粟立つような怖気も覚えた。おそらくこの女はいざとなれば何の躊躇いもなく、まるで魚を捌くが如く無感動におのれを骸とするであろうと、そしておのれには抗うこともできぬであろうことがわかったからであった。これまで使役してきた忍びどもとは比べものにならぬ腕。これが武田忍びか、とひそかに震え上がったものであった。
 それほどの者が仕入れてきた知らせである。もはや疑う余地もなかった。それに何故であろうか、氏綱は嬉しくもあったのだ。得体が知れぬとひそかに警戒していたこの女もまた、同じ内ヶ島の者であったことが。
「誰かあるか!」
 氏綱は立ち上がり、襖を勢いよく開いた。すぐに現れた従者に、城へ遣いを出すように伝える。
「出陣じゃ。半刻で戦支度を済ませるよう、左門に伝えよ!」
 従者は「はっ!」と待ちわびたように答え、すぐに走り去って行った。そうして氏綱は蔦を振り返り、やや遠慮がちに尋ねる。
「おぬしも来てくれるな?」
「命とあらば、どこへなりと」
「女子を戦に連れ出すのだ、命じることはできぬ。ゆえに頼む。わしを援けてはくれぬか」
 蔦はその言葉に、またふっと笑みを漏らした。それは呆れたようでもあり、またどこか嬉しそうでもあった。
「まこと……殿方というものは」
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