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127話 ミドリムシの夕飯
しおりを挟む「あ、皆さん気絶している! 大丈夫ですか!? クウ! 子供達に荷車を人数分持ってくるように頼んでくれる?」
冒険者達の様子を見た緑が思わずクウにお願いをするが、それを予想してましたとばかりにクウが返事をする。
「緑さん大丈夫です♪ もう、呼んでます♪」
ガラガラガラ
子供達が荷車を引き緑達の元にやってくる。
「ホレストアントが荷馬車を引くだと?」「さっき子供達って言ったわよね」
クウの子供達の気配を感じたためか2人は意識を取り戻し警戒していたが、子供達が荷車を引いているのを見て警戒を解き思わず疑問をつぶやいた。
「お2人共、安心してくださいこのダンジョンには危険な魔物はいませんので」
そう言って緑は冒険者達を1人1人に荷車に乗せていく。
「子供達と一緒だな…… 魔法なのか?」
緑が髪で冒険者達を運ぶが2人には浮いてるようにしか見えず思わず尋ねる。
「ああ、これですね。これは、皆さんが起きてから説明しますね。たぶん気絶しているみなさんも気になると思いますし」
「わかった」
「みんな食堂の近くの広場に運んでくれる?」
チキチキチキチキ
子供達は来た時と違いゆっくりと荷車を引きながら広場に向かう。
「じゃあ皆さんの馬を連れていきましょうか?」
「ああ、手伝ってもらって悪いな」「助かるわ」
緑達も手伝い冒険者達の馬をダンジョンの中に馬房に連れていく。
「いったどれだけ広いんだ……」
馬房に着くと思わずリーダーが呟く。
緑が馬房に馬を入れると近くの家から子供が出てくる。
「緑さんお客様ですか?」
「うん、この人たちの馬をまかせても大丈夫?」
「はい! 大丈夫です! 先生もいてますし」
「じゃあ、お願いするね。それでは、お2人共食堂に向かいますね」
そう言ったのは緑がダンジョンに招き入れた孤児達で、今は馬の世話をするも達であった。
食堂まで来ると2人は周りを見て唖然とするが、緑はお構いなしに2人に話しかける。
「じきに皆さんも気が付くと思うので夕飯の準備をするんで椅子にでも座ってて下さい」
そう言うと緑は食堂に向かう。その姿をみて2人が話はじめる。
「どう思うリーダー」
「ああ、彼がとてつもない魔力を持っているのは間違いないな」
2人は緑達がいなくなると自分達の推測を話しはじめる。2人が見た事と予測し想像することを話していると離れた場所から話声が聞こえてくる。
その話声のする方向に2人が顔を向けると、人族、エルフ、ドワーフの冒険者達がやってくる。
「おや、あんたら見ない顔だなここははじめてか?」
冒険者達は人種に対して分け隔てなく話かけてくる。そんな冒険者達にリーダーの男はすぐい返事をする。
「ああ、そうなんだがあんた達は何度かここに来たことあるのか?」
「んん? そうの様子じゃと何も聞かずにここに来たってことは…… 旅の途中か」
人族の冒険者にたずねられ返事をするとドワーフが納得したと頷き、その様子を見たエルフの冒険者が口を開く。
「それは、運がいいですね。旅の途中で緑さん達と一緒に進めれるとは」
エルフの冒険者が話したことに思わず聞き掛けるリーダの男。
「運がいい?」
「はい、ここに来れば食事の心配も野営もする必要がありませんからね」
ダンジョンに入ってから驚きの連続で考えがまとまっていなかった冒険者が少しだけ冷静になると思わず声を上げる。
「「確かに!」」
エルフの男の言葉に話しかけられた冒険者が同意したのを見ると、ここにはじめて来た彼等の様子じっとを見つめる。
彼等は、ここにはじめてきた冒険者達の様子をしばらくうかがうと口を開く。
「まぁ、詳しい話は緑さんがするでしょう。また、ここでお会いできた時はよろしく。それでは私達も失礼して夕飯にしましょう」
「「おう!」」
そう言って冒険者達は緑が入っていった食堂に入っていく。2人がその姿を目で追っていると食堂から緑が沢山の皿を周りに浮かせながら出てくる。
「お待たせしました。では夕飯にしましょう。ちょうど皆さんも起きたみたいですし」
リーダーの男が周りを見ると、そばに寝かされていた仲間の冒険者達が起き始める。
「あれ? 俺達は?」「さっき何かみたような……」
「お前達とりあえず飯だ」「夕飯を頂いたら色々教えてもらえるみたいよ」
2人にそう言われ起きた冒険者達も質問は後にして用意された夕飯を食べ始めるのであった。
「「美味すぎる!」」
緑が持ってきた夕飯を食べ始めた冒険者達は声をそろえる。
「ふふふ、ここで料理をする者達最近はチーム【料理人】の人達に料理を習いはじめたのでさらに腕をあげてますからね」
「「あの【料理人】にか!?」」
「はい、最近の話ですがここで作った食材を卸してたりするので」
「さぁ飯の時間だ」「今日も美味しそうね」「我らが飯を楽しみにするとはな」
龍種の3人が子供の姿で歩いてくる。
「「わーい、ごはんだー」」
騒ぎながらやってきたのは干支緑達。
「今日も美味しそうですね」「ご飯です♪」「さぁ飯だ!」
というのはヒカリ、クウ、兜。
「いつも美味しそうですね~」「ごはんだ~」
さらにその後に続くレイと胡蝶。
「こら飲ませすぎるなよ食事の後に話したら飲めるんだからな」
「お前達も飲むが良いのう」「みんなで飲むでー」「すっごく楽しみです」
さらに、魔緑に3姫の琉璃、凛、珊瑚。
それぞれ、干支緑達に蟲人達、魔緑と嫁3人も自分達の食事をもってやってくる。
「まぁ詳しい話は食事をしてからで」
緑がそう言うと皆で食事をとるのであった。
食事が終わるといよいよ緑達のダンジョンの話になる。
「なるほどな…… ここは一種の独立国家に認定されて緊急時には国と国の移動の中継地点になるのか」
「緊急用の扉を各町に設置し、さらにの孤児をここで勉強をさせ仕事につかせる……」
「でも【軍団】の理由はわからないわ」
「それは、もう暗いの明日のお楽しみで」
そういった緑が満面の笑みを浮かべる。
「では皆で酒を飲むぞ!」
緑が満面の笑みを浮かべる中、そう言ったのは琉璃で酒を持ってくる、冒険者達はそんな琉璃に慌てて確認をする。
「ここは魔物のはでないのか?」
「はい、絶対に危険な魔物はでないので安心して夜は全員で寝れますよ」
それを聞いた冒険者達は声を上げる。
「「飲むぞー!」」
緑の言葉を聞き冒険者達は喜んで酒を飲み始める。
「うめー!」「冷たい酒がこんなに美味いとは」「キンキンに冷えてやがる!」
酒を飲み始めると特に男の冒険者達は酒の旨さに声を上げる。
「はーい、これはおつまみですねー」
そう言って緑が皿を置いていく。
「ここの食い物は全てが美味い」
おかれた皿に手を付けた冒険者達が思わずこぼす。そんな言葉を聞いた緑がさらに冒険者達にとどめを刺す。
「あと、ここには風呂もありますのでよかったら入ってください」
「「お風呂もあるの!?」」
「はい女性にも評判ですよ」
「「それは絶対に入らないと!」」
緑の言葉に詰め寄る女の冒険者達。
その後、緑に詰め寄った女の冒険者達も美味い飯や酒を飲む男の冒険者達は夜遅くまで緑のダンジョンを楽しむのであった。
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