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90話 ミドリムシの嫁?

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 殺すと言って飛び掛かってきた3人を魔緑は冷静に対処する。魔緑にとって救いだったのは3人が連携をとらなかった事で3人にとって救いだったのは魔緑が嫁の関係者なため大けがを負わすのをためらった事であった。

「お前の様なひょろい奴がお嬢の夫になるような事は認めない」

「お嬢に何をしてん! お嬢がお前のような奴を旦那にするはずがないっちゅうねん!」

「すっごく不愉快だ!」

 3人はそれぞれ好きな事を言って魔緑を攻撃する。

「ちっ! めんどくせぇ!」

 魔緑は3人に怪我を負わせない様にただひたすら捌く。3人共獣人とあって身体能力が高く魔緑も防戦しかできないため徐々に追いつめられる。

 バーン!

 その時冒険者ギルドの扉が勢いよく開けられた。1人の職員が建物中から勢いよく出てきて叫ぶ。

「またお前達か! 今度暴れたらチームに罰を与えると言ったのを忘れたのか!」

 その叫び声を聞き3人は動きを止める。そんな姿を見た職員だがいつもと違う事に気づき呟く。

「ん? 4人いる? お前は誰だ?」

 その様子を見た魔緑がため息を吐きながら言う。

「俺は魔緑。最近Iランクのチームに入った下っ端だ……」

「Iランク冒険者だと!? あれは噂話だけのものではなかったのか!? まぁいい全員中に入れ街に迷惑をかけるな!」

 その言葉に従い全員が建物の中に入る。



「お前達は何回同じことをすれば気が済むんじゃ! そんな事だから嫁候補が逃げていくんじゃろうが!」

 先ほどの男が3人ぼ冒険者を怒鳴り散らす。

 怒鳴られたにも関わらず3人は好きかって言い始める。

「ふん、俺の嫁はお嬢1人だけだ!」

「俺かてお嬢だけが嫁や!」

「すっごい絆で俺とお嬢は結ばれているから平気だ」

 そんな3人の言い分を聞いてい呆れる男。その男は緑達に向き直り尋ねる。

「そしてお主たちは何者だ? そいつらのチームのリーダーの娘を連れているが・・・・」

 尋ねられると緑が一歩前に出る。

「初めまして、Iランク冒険者の水野 緑と言います。街に入った時に城壁の兵士の方からギルドマスターに報告をして欲しいと言われ冒険者ギルドにきたんですが……」

「なるほどそれでさっきの場所に居合わせたと……」

「でもお嬢って話は僕もわからなくて……」

 すると琉璃、凛、珊瑚がおずおずと話始める。

 話を聞くと3人は獣人の国でも有名なS級チームのリーダーの娘であり。3つのチームはいつも三つ巴を繰り返し張り合っているとこ事だった。

「なるほどな…… 俺にからんできた3人はチームの中でのお前達それぞれの許嫁か何かか……」

 そういった魔緑が3人の方を向くと話初める。

「あんな奴とつがいになんかなりとうない。まーちゃんの嫁がいいのう」

「うちもそうや! だからうちらは、この国からでてエルフの国にむかったんや」

「そこですっごい偶然にもまーちゃんに会ったです!」

 そのことばを聞いた3人の冒険者が再び騒ぎ始める。

「お嬢何をいっているんですかそんなひょろい奴が強いはずない!」

「お嬢俺にそいつをぶっ飛ばす機会をください!」

「すっごい力の差をみせてやります! そいつと戦わせてください!」

 その言葉を聞いた男が手をたたく。

 パン! パン!

「お前らの言い分はわかった。初めに話しておくとこの者達は冒険者のランクを新たにつくらなければならないほどの力を秘めた冒険者達だがお前達はそれでも戦うと言うのか?」

「「戦う!」」

「ふむならこの街の冒険者のギルドマスターとしてチーム【軍団】レギオンにお願いしたい! 本来のそれぞれの許嫁と模擬線をやってくれないか? それで負ければそいつらも納得すると思う」

 その言葉を聞いて緑は騒ぎだす。

「そうれは良い話だよまーちゃん! 3人に勝てば琉璃さん、凛さん、珊瑚さんと夫婦になるのに誰も反対しないよ!」

「……」

 そんな緑の言い分を聞いても魔緑は何か考え事をしているのか黙っていたが不意に顔を上げて口を開く。

「わかった模擬線をしよう」

 魔緑の言葉で話がまとまりその場に居た者は模擬戦ができる冒険者ギルドの訓練所に向かう。



 訓練所で鍛錬をしていた冒険者達に向かって男が叫ぶ。

「皆悪いが場所を開けてくれ! 今から模擬線を行う」

「「ギルドマスター!?」」

 訓練所にいた冒険者達が驚きの声を上げる。

「ギルドマスターだったんですね」

「ああ、そうだ自己紹介が遅くなってすまないな」

 そう言ってギルドマスターはニコリと笑う。

 その後緑が以前の様に氷の壁を作り出し施設に被害が及ばない様に準備する。

「ほお、これはまた立派な氷の防壁だな。これなら周りの者達を守ってくれるな…… よし!では今から模擬戦を始めるでは誰から始める?」

「「俺だ!!」」

 ギルドマスターの声に3人が自分が1番だと同じように反応する。周りの者達がまたこれかと、眉を顰めるがそんな状況をみた魔緑が口を開く。

「同時でいい……」

「「ああ?」」

 その言葉を聞いた3人が口を開く。

「本当にそれでいいのだな?」「もう止まらへんぞ」「すっごいく後悔しますよ」

「ああ、大丈夫だ……」

「「後悔するなよ」」

「決まったな、それではこれから模擬戦を開始する! 模擬線をする冒険者以外は氷の壁の外側にいどうしてくれ!」

 冒険者達が緑の作り出した氷の壁の後ろ側に移動するとギルドマスターが声を上げる。

「ではこれから模擬戦を開始する! それでは始め!」

 ギルドマスターの合図から4人が動き始める。
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