緑の体だからゴブリン？花が咲いてるからドライアド？いいえ、超ミドリムシです！異世界で光合成して家族が増殖しました！

75話 ミドリムシの模擬戦（魔緑編）

　ジークがギルドの訓練所に全員を案内する。

「なぁ、あんた名は何っていうんだ？」

「俺は炎剣のギルだ！ これだから駆け出しは・・・・ 俺の名前をしないとは勉強不足だぞ！」

　そう言われて魔緑は緑達を見るが全員首を横に振る。それを見た魔緑がさらに挑発する。

「俺のチーム全員知らないようだな。あんた本当に有名のなのか？」

「ふふふふふ、そうか！ そうか！ 俺をしらないか！ ならこれから忘れないだろう！」

　ジークが訓練所に居た冒険者達に理由を説明すると訓練していた冒険者達はすぐに場所をあける。

　冒険者達が端によるとジークが緑に話しかける。

「なぁ、緑周りで見ている者達を安全に見れるようにしてくれないか」

「わかりました。皆さん今から魔法で氷の壁を作り出すのでできるだけ壁によってください！ 壁から離れすぎると氷の壁に埋まっちゃいます！」

　そう言われると冒険者達は慌てて壁による。緑の言葉をだれ1人と疑うものがいなかった。

　それを聞いたギルが笑い始める。

「はははははは、俺の剣はそんな広範囲に被害を出さないし、氷の壁ごときで俺の剣を防げるはずない。ましてやこれだけの広い範囲を氷でかこうなど無理だろう」

　そんなギルの言葉を緑は気にせず魔法を使う。

「では行きますよー！ えい！」

　冒険者に似つかわしくない掛け声と共に緑が魔法を使うとギルの予想に反して訓練所の壁からおよそ2mはなれた範囲を綺麗に氷がかこう。

　それを見たギルは目を見開き驚く。少しの間その光景をみて固まっていたギルは我に返る。

「はははははは、まぁ周りを囲んだだけでもすごいんじゃないか！？ まぁ、俺の剣は防げないだろうがな」

　我に返ったギルが言ったことを聞き魔緑がニヤリと笑う。緑がそんなやわな氷の壁を作るはずがないと思いギルに言う。

「なら、お前の剣で氷の壁を切ってみろよ、まぁ切れたらいいがな。なんせうちのリーダーは魔法も常識外れだからな」

「なら、切ってやるよ！」

　魔緑の言葉を聞いたギルは安い挑発だと思いその挑発に乗ることにする。ギルは反対側に人がいない壁まで行くと持っていた剣を振り下ろす。

　ガキーン！

「ぐあ！」

　切れないはずがないと思っていたギルは剣を振り下ろして返ってきた衝撃に思わず呻き声を上げる。

「お、やっぱ切れないか！ 炎剣もたいしたことないな」

「ちっ！ 魔法を使ってなかったんだ、これからだ！ これから！」

　そう言ってギルが剣に炎をまとわす。

「良いかよく見とけよ！」

　そういって炎をまとわせた剣を振り下ろす。

　ガキーン！

「ぐあ！」

「・・・・」

 周りの冒険者の全員が悲しい目をして見つめる。

「ああああ、もう模擬戦だ模擬戦！ さっさと始めるぞ！」

　ギルと魔緑が訓練所の中心に移動する。それを見たジークが開始の合図をする。

「それでは模擬戦初め！」

　ジークが開始の合図をした瞬間、魔緑の周りにピンポン玉ほどの球が青白い球が無数に浮かびあがる。

「なんだそりゃ？ 何かの魔法か？」

　ギルが魔緑に尋ねる。

「模擬線をする相手にきくのか・・・・ 馬鹿じゃねぇか？」

「うっせー！ それがなんだか知らねぇがこっちから行くぞ！」

　そう言ってギルが剣を白い球に向かって剣を振り下ろす。

　ジュッ！

　振り下ろした剣が球に当たった瞬間、剣の当たった部分が消失する。

「は？ 俺の剣が欠けた？」

　この状況を正確に把握したのは一部のも度だけであった。

「なぁ、緑あいつは火の魔法を使えるのか？」

「はい。・・・・どうしてわかったんですか？」

「ギルの剣は炎の魔法をまとった剣だ。それを消し飛ばすには方法が限られる。1つ目は大量の水を使う、だがこの場合大量の水蒸気も発生するから一目でわかる」

　ジークの説明を聞き緑が頷く。それをみたジークが続ける。

「次に考えられるのが風の魔法で炎を消し飛ばし、その後剣を風の魔法で斬るのだが・・・・ 触れた部分が消失するような事にはならい」

「最後に火の魔法だ。火の魔法の場合、魔法どうしが触れると温度の高い方が優先される。先ほどの現象は魔法がぶつかり魔緑の方が温度が高かったため優先されそれに触れたギルの剣が蒸発したのだろう」

　ギルの剣の一部が消失した理由を正確に答える。

「さすがジークさんまさにその通りです！」

　それを聞いた周りの冒険者も納得する。

　その説明の間もギルは剣を振り続けており、剣は穴だらけになっていた。

「くそ！ どうなってやがる！？ 俺の剣が！？」

　穴だらけになってもギルは剣を振り下ろし続けた。その結果ギルの剣は握っている柄だけになっていた。

　そんな中、魔緑が呟く。

「じゃあ次はこっちだな。いけ！」

　魔緑がそう言うと周りで浮遊していた小さなな火の玉が動き始める。

　小さな球は不規則に動き始めるとそのスピードをどんどん上げていく。

「なんて速さだ！？」

　その球が不規則に動いていた球が一斉にギルに殺到する。

　思わずギルは死を感じて目を瞑る。

「そこまで！ 勝者魔緑！」

　その言葉を聞いてギルは叫ぶ。

「まだだ！ 俺は戦える！」

　そんな事を叫ぶギルが叫ぶ。そんな時ギルの後方で物が崩れる音がする。

　ギルが振り向くとそこに自分の姿を模した氷が削りだされていた。
　
　「・・・・俺の負けだ」

　ギルは自分の敗北を宣言するのであった。