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24話 ミドリムシ子供をひろう

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「よ! 緑準備はできてるか? って準備の必要ないお前達にはいらん世話か」

 ギルドで待ち合わせをしたお目付け役のチームはシャーク達であった。緑達はシャークのチームのメンバーに挨拶をする。

「「しばらくの間よろしくお願いします!」」

 今までシャークと話すことはあったがシャークのチームのメンバーと話す機会がなかった緑達は改めて挨拶をするのであった。

 アラン達がダンジョン向けのチームならシャークのチームは守ることに重点を置いたチームでシャークのチームのメンバーは前衛の男性が2人中衛の男性1人遊撃が1人回復職の女性が2人で、遊撃がシャークになる。

 前衛のメンバーが緑の前に来て感謝を述べる。

「緑君僕はシャークのチームで前衛の内の1人オルカというんだ! で改めてお礼を言うよ! 緑君が作ってくれた鎧の下に着るタイツはすごく着心地がいいし、動きやすい! それに防刃性能がすごく高くて助かってる! 前衛で攻撃を受ける事の多い僕だけど、どうしても関節部分が弱いからこれを着ていると安心できるからすごくありがたいよ!」

 そう言って緑が褒められて、ニコニコしていると今後は回復職の2人が来る。

「緑さん初めまして、私は回復職のイルカですいつも緑さんに作って頂いたローブに助けられてます」

「私はマナティと言います私も危ないところを緑さんのローブに助けられました!」

「それは良かったです! 皆さんのお役に立てたなら幸いです!」

 お互いに感謝の気持ちを一通り伝え合うとシャークのチームと緑のチームはそれぞれの馬車に乗りこむ。

 街の西側から出る手続きをしシャークと緑のチームは真直ぐ王都に向かう。ジェスターから王都に向かう道は他の人達の馬車もあるために順番をまもって前後の馬車と間隔を開けて進んでいた。太陽が真上に来る頃に緑とシャークのチームは少し街道から離れ昼食の準備をすることにした。

 毎度のことながら緑がアイテムボックスより食糧や調理器具をだして、昼食の準備をし始めると街道の方が何やら騒がしくなる。どうやら、街道の馬車を盗賊たちが襲ったようだ。緑達の警戒網には引っかかっていたが特に自分達が襲われたわけでもなかったので様子を見ていたが他の人を襲い始めたとなると話は変わるために緑は兜とクウに盗賊の鎮圧を頼む。

 そのやり取りをみていたシャークのチームの回復職の2人はケガ人が居れば治すと言い兜とクウの跡をついていく。30分ほどし丁度、緑が昼食の準備を終えるころに兜とクウ、回復職の2人のイルカとマナティも戻ってくる。

「おかえりなさい。何も問題は起きなかった? 」

 その言葉を聞いた兜とクウは顔を見合わせる。すると、一緒に行ったイルカが全員に話はじめる。襲ってきた盗賊たちのアジトがこの近くにある事がわかったとつたえる。

 さらに、こちらに戻る前に街道の襲われた者達から感謝を伝えられいくらかのお礼を受けたとの事で、その後、鎮圧した盗賊たちは街道から見えない場所でクウがダンジョンを開き、中の子供達に捕まえておくように引き渡す。

 昼食をとりながら緑達は話し合い盗賊のアジトを潰すということになる。食事が終わり後片づけをすまし盗賊たちのアジトに向かう。

 盗賊は街道近くの洞窟の中を根城にしており、その入り口には見張りが2名ほどいるのが確認された。緑達はいったん離れどうやって盗賊たちを捕まえるか話始める。

 盗賊など皆殺しにしてしまえばいいと蟲人達が言うがシャークのチームのイルカとマナティが待ったをかける。2人は聖職者のため悔い改めさせる事が重要と殺さず掴まえたいと言う。それを聞いた緑がそれならば盗賊は捕まえようと蟲人たちを説得する。

「大将がそういうなら捕まえよう! 」

 そう兜が言うとヒカリ、クウ、レイも頷く。そこから、洞窟の出入り口は先ほどみた場所1つなのかという話になり、もし複数あるな捕まえるのは入り口を全てふさがなければならないと話す。すると緑がその場から大量の魔力を使い髪を伸ばし洞窟の中の様子を調べはじめる。

 数分後、再び緑達は洞窟の前まで来ていた。すでに入り口の見張りは捕まえダンジョンに送り済みで今から緑が髪を伸ばし洞窟内の様子を探る。調べた結果、洞窟の入り口は1つだけで奥行きは100mほどだと分かったが、どうも洞窟の中に盗賊とは違う生物が居るのだが緑や蟲人たちでも気配が良く読めずその正体がわからなかった。

 そのため、緑達は1人づつ慎重に盗賊たちを気絶させていき、洞窟の一番奥につくとそこには牢屋に入れられ傷ついた芋虫の魔物が倒れていた。それを見た蟲人達は瞬時に牢屋を破壊し芋虫の魔物を抱きかかえ緑に懇願する視線を送る。

「みんな、そんな顔をしなくてもわかっているよ」

 緑はすぐさま手持ちのカバンよりお皿を出しそこに自分の蜂蜜を入れていく。

「さぁ、僕の蜂蜜をお飲み」

 傷ついた蝶のモンスターにそっと皿を差し出す。芋虫のモンスターは出された皿から蜂蜜を少しづつ飲み始める。しばらくとすると芋虫のモンスターが輝きだす。

【おいち~】

 光が収まるとそこには小さな男の子が立っていた。緑は瞬時に服を作るとヒカリ、クウ、兜がきれいに着せる。どうやら、特に元のモンスターの時に芋虫時代がある3人は男の子が可愛くて仕方がないらしい、しばらくの間男の子をあやし続ける。そんな様子をみていたイルカとマナティが我慢していたのか自分達もとその中に加わるのであった。

 緑達はその子を連れて洞窟をでて、先ほど昼食をとった街道のそばまで戻り。芋虫の子と今後の話をする。芋虫の子は話し合った結果、緑の家族になることが決定する。そこで緑が名前を考える。

「よし、君の名前はいまから胡蝶だ! よろしくね胡蝶! 」

「あい! ミドリしゃま、おねがいしましゅ!」

「よろしくな! 胡蝶!」

「よろしくお願いします胡蝶」

「よろしくね♪ 」

「よろしくお願いしますね~」

 そんな、挨拶をした後、緑達は王都に向けて出発する。道中、胡蝶は3人の蟲人とシャークのチームメンバーのイルカとマナティにあやされ続ける。

 そんな中、女性で蟲人のレイは他の皆ほど胡蝶に執着しないのを不思議に思い尋ねてみる。

「レイは胡蝶をあやさないの?」

「はい~ 私は芋虫時代がありませんし~ モンスター時代も子育ての習性はありませんでしたから~。それに…… いえ~ なんでもありません~ 皆があやしていて周りに警戒する者もいませんとだめですしね~」

 そんなレイの返事に首を傾げる緑でだがそれぞれの性格の違いもあるだろうと思いあまり気にしなかった。その後、イルカとマナティも胡蝶をあやしたいと胡蝶をどちらの馬車にのせるかという問題が発生するが片方の馬車に胡蝶をあやしたいヒカリ、クウ、兜、イルカ、マナティとレイがのるので残りのシャークのチームと緑が同じ馬車に乗り込み進むのであった。
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