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22話 ミドリムシは街に戻る
しおりを挟む緑達が若い冒険者達6人の戦いを遠方から見ていると苦戦しながらも襲ってきたモンスター達を撃退したのが確認された。冒険者達は倒したモンスターの討伐部位をはぎ取り残りは穴を掘りそこに集め火をつける。処理にひと段落着くと休憩を取り始めたのであった。
緑達も街道沿いに進み冒険者に近づき声をかける。冒険者達も挨拶をされた為に緑達に挨拶を返すがしばらく緑達を見た冒険者達は警戒をし始める。なぜなら、緑達が街道をすすむ者達にしては軽装過ぎる、また緑以外のものが背中に昆虫の羽を生やし触覚をもっていたからだ。
冒険者達のリーダーらしき男がが緑達に尋ねる。
「あんた達も冒険者か? 随分軽装だが荷物は無いのか? 」
「ああ、僕たちはマジックバックをもっているんです」
それを聞いた冒険者は驚きを隠せない、体格的に兜以外は自分達よりも華奢で細い緑達が高級アイテムのマジックバックを持っていると答えたからだ。少なくとも緑達が自分達よりほぼ上位の冒険者だという事実が分かったため冒険者達の態度がかわる。
「あの質問してもいいでしょうか? 皆さん達のランクは何になるのでしょうか?」
余りの態度の変わりように驚いた緑は自分達がIランクだということをを思わず明かしてしまう.それを聞いた冒険者達はIランクなど聞いたことが無いと騒ぎ出す、緑は自分達のIランクが通用するのは、ほぼジェスターの街だけだということを忘れていた。
そんな事を話していると緑達の警戒網にモンスター達の気配が引っかかる、急に緑達の気配が変わり冒険者達が首を傾げる。緑達は全員が同じ方向を向き誰がモンスター達に向かうか話始める。結果クウがモンスター達に向かうことが決まるがそれを聞いた冒険者達がよりによって一番小さなクウが向かう事に驚きクウ1人で行くことを止めようとする。それを緑が大丈夫だからとにかく見ておくように言う。
そんな事を話していると、緑達が見ていた方向からモンスター達が現れるその数30匹ほど、ゴブリン、オーク、オーガ、コボルトなど複数の群れが集まった集団であった。そのモンスター達はゆっくりと広がりながら進んでくる正に逃がさないと包囲しようとしながら。その距離が20mほどになった時、冒険者達は戦闘態勢に入るが突然大きな音と共にクウの姿を見失う。
ドン!
その音と共にクウの姿が消える。兜と違い圧倒的なその膂力をコンパクトに使い格闘家の様に戦うクウはの戦闘スタイルはスピード型になるだろうがこれは一般的な冒険者のものとは違う。格闘家の達人が相手との距離を詰めたり、懐に飛び込む歩法で一瞬消えた様に見える事をクウはその膂力で常にその歩法を使い続けている様な状態で戦い続ける。その為、切り返しや方向転換時に突然に表れるクウが分身をしているように見える。
クウはそのスピードで1匹づつ確実に仕留めていきモンスター達は認知すらできず倒れていく、戦闘は5分もたたずクウの圧倒的な勝利でおわるのであった。
緑達は冒険者ランクに話を戻す、先ほどの戦闘を目のあたりにした冒険者達は先ほどと違い緑達の話を聞いても騒がない。それは、緑達の実力が自分達とはかけ離れておりもし、騙すなどして金や装備などを奪おうと考えているならそんな労力をかけずとも自分達はなんの抵抗もできず殺され全てを簡単に奪われると考え、そうなっていない事でむしろ安心したのであった。
暫く話したあと、緑と冒険者達は昼食の準備をし始める、冒険者達は簡単な携帯食を取り出し食べようとするが緑がバックから出したように見せかけてアイテムボックスから調理器具や携帯コンロ、食材をを出し調理をし始める。それだけなら高ランクの冒険者ならあり得ない事ではないと知っていた冒険者達だったが調理の様子を見て準備の手を止める。なぜならリーダと思わしき緑だけが調理をしようと調理器具の前にたち髪を使い調理をし始めるがはたから見ると調理器具がひとりでに調理をし始めた様に見えたからであった。
「それは魔法をつかっているんですか? 」
思わず聞いた冒険者達であったが緑は一言、秘密だと一言いう。調理が完了し冒険者たちも含め皆で昼食をとるのであった。昼食を食べ終わった緑達と冒険者達は一緒に次の街までいくことにした。そんな道中いち早くモンスターの気配に気づく緑達はそのたびに誰がモンスターを倒すか話あい、その戦闘をみた冒険者達は驚くしかできなかった。
その夜、夜の見張りの晩を決める緑達は兜、緑とヒカリ、クウとレイの3組にわかれ見張りをすることを冒険者達に伝え、冒険者達も2人1組で3組に分かれ緑達の見張りの組とペアになり、見張りにのぞむのであった。
その夜、それぞれにペアになった冒険者達が緑のチームのメンバーに教えを乞う姿が見られた。翌朝、皆がきっちり休みをとれたために直ぐに朝食をとり出発する。その後、何回かモンスターの襲撃があったがいち早く緑達が気づき一緒にいる冒険者達が経験を得られるように適度に間引いてから戦わせるなどしながら進むのであった。
2日後、日が傾くころジェスターの街の城壁が見えるのであった。緑達は戻ってきたなと思い街の中に入るために列に並ぶのであった。緑達が並んでいると兵士長のカールが緑達を見つけギルドマスターがお前たちが戻ってきたらギルドに来るよう伝えて欲しいと言われていたことを伝えにくるのであった。
緑達は街に入ると一緒に来た冒険者達と別れ真っ先にギルドに向かいギルドマスターに帰ってきた報告をしにいくのであった。
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