不自由と快楽の狭間で

Anthony-Blue

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44.狭間

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「お誕生日おめでとう」

 ボクは、予想外の出来事に咄嗟に出てきた言葉を言った。

「ハハハハハハッ~~」

 萌は、この上もなく高らかに声を出して笑った。

「この日をどれだけ待ちわびたことか。ねぇ、瑞樹にはわかる?」

 ギョロッと視線を向けた萌の目は、恐ろしいほどの妖しい光を放っていた。

「結婚出来るとか・・・?」

「そうそう、親の承諾がなくても自分でなんでも決められるの。父親にも母親にも、二度とわたしに勝手に触らせないこともね」

「家にも連れ戻すことは出来ないんだよね。親は」

「瑞樹、わたしと結婚しようよ。ねぇ、いいでしょ」

「いや、それは」

 躊躇しているボクを見て、萌は不満げな顔をしてことらを睨んだ。

「なによ、わたしじゃ不満なの?」

「そういうことじゃなくて、今日あったばっかりだし。お互いにことをよく知らないし」

「えー、わたしのことは教えてあげたじゃん。あれ、今まで誰にも言ったことなかったんだよ。ほんとは、恥ずかしかったけど、瑞樹なら教えてもいいかなと思って」

「それは、ありがとう」

「あっ、わかった。今なら、わたしとエッチしても捕まらないよ。安心したでしょ」

 萌は、含みのある笑顔をボクに向けて、言葉を続けた。

「もう一つ、わたしが人を殺したら、ちゃんと警察が捕まえてくれるわね」

 ボクは、萌の手に見えるはずのないナイフが見えたようで驚いて後ずさりしそうになった。萌は、ボクの心を見透かしたかのように、下着姿のカラダを近づけてきた。

「ねぇ、わたしとエッチしようよ」

「あっ、だめだよ」

 ボクの答えは、ラブホの部屋の中で薄まっていき、萌の耳には届いていないかのようだった。

「ほらぁ」

 萌は、ボクの脇に手を入れて、どこにそんな力があるのかと疑いたくなるように、背中まで手を回して軽々と持ち上げてベッドに移動させていた。

「さぁ、手を上げて」

 萌は、ボクのTシャツをスルスルと脱がして、

「はい、横になって」

 そう言うと、ボクの肩をポンと押して仰向けに寝かせた。

「じゃ、次は下ね」

 ボクの抵抗など許さないというように、ソックスに手をかけて、あっという間にジーンズまで脱がされていた。

「瑞樹のおちんちんは、どんな形なんだろう」

 萌は、ボクサーパンツの前の膨らみを手のひらで包んで触った。

「わたしね、父親以外のおちんちんは見たことないんだ。あっ、比べるつもりなんかないからね。あんな最悪のモノとなんて」

 いかにも楽しそうに萌は、パンツの前を引っ張り上げて、ボクのモノが引っかからないように引きずり下ろした。とうとうボクは、真っ裸にされて萌の好奇な視線にさらされている。

「これが、瑞樹のおちんちんなのね」

 ボクの開かれた足の間に座り込んで、萌はなんのためらいもなくペニスを握った。

「じゃ、いただきまーす」

 萌は、かがみ込んでボクのペニスを口に含もうとしている。

「ちょっと、待って」

「えっ、なんで?」

「ボク、まだシャワーも浴びてないんだよ」

「そんなん、関係ないよ」

「だって、汚いじゃん。臭いかもしれないし」

「そんなことないよ。いい匂いするし」

 萌は、鼻を近づけてクンクンと臭いを嗅いだ後に、ペニスを咥えて言った。

「わたしが、きれいにしてあげるんだから。それに、瑞樹のおちんちんは美味しいよ」

 それが、萌にとっての最大限の褒め言葉だと言わんばかりの笑顔でボクを見た。

「ぼくは、こんなことして貰うために、ここに来たわけじゃないんだ」

「何言ってんだか。わたしを拾って助けてくれたじゃん。うれしかったんだよ。何にも言わずに話を聞いてくれて。そのお返しって思ったらいいんだよ」

「そんなこと言ったって。これじゃ、助けた意味がないって言うか」

「わたしがやりたいって、思ってやってる初めてのことなんだから、意味はあるんだよ」

 萌は、手のひらでペニスを支えて、舌で丁寧に舐めている。その気持ちよさで、ボクは快感の渦に巻き込まれつつあった。

「あっ、大きくなってきてる。やっぱり勃つんだね」

「やっぱり、そこ言うのかぁ」

「ごめん。でも、うれしいんだよ。わたしで感じてくれて」
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