7 / 85
7.不完全燃焼
しおりを挟む
アカネと出会って1週間がたった。初めての体験は、それなりに鮮烈な印象をボクの脳裏に刻んだ事は確かだった。オナニーでは、到底得られないであろうほどの快感をボクに与えてくれた。しかし『童貞を捨てた』と本当に言えるのだろうかという疑問がいつまでも頭の中に渦巻いていた。あれは、アカネが主導権を取って『童貞を奪われた』といってもおかしくないと思っている自分がいた。相手がアカネのようなキャラクターだっただからかもしれない。どこか心の中で『かわいそうなヤツ』という意識があったのかもしれないし、結局のところ、お金が目的だということだったのかもしれない。
まあ、あれもしたいこれもしてみたいと、頭でイメージしていたことが実現出来なった事へのフラストレーションがモヤモヤの原因なのだろう。今度はもっと落ち着いて、やりたいことも出来るかもしれない。しかし、もう一度アカネと会おうとは思わなかった。あの、どこか男慣れして変な自信のようなものを感じられる感覚は再び会うことを躊躇させた。
それなら、また新しい相手を探す方がいいのではないだろうか。たぶん時間はかかるだろうけれど、今度はもう少しゆっくりとやりとりして相手のことを少しは理解してから会うことを選択してもいいだろう。その日からボクは、再び出会い系サイトにアクセスして新たな相手を探し始めた。それなりに過激な誘い文句のタイトルで募集している掲示板の女性は避けて、プロフィールから条件を出してマッチングした女性にメールを送ってやりとりを始めてみた。何人かとメールをやりとりして、自分ではかなり親しくなったと思い『会ってみたい』と伝えると『わたし、障害者の人と付き合ったことないし、ごめんなさい』という結末を繰り返した。お金欲しさの相手とは違って、難易度が急激に上がったように思えて諦めてしまおうかと思った時、『会ってもいい』という女性が現れた。
「じゃあ、最初は食事でもどう?」
「はい、それでいいです」
食事をする日時と待ち合わせ場所をメールで話し合って決めた。
「あのぉ、瑞樹さんですよね?」
「あっ、はい。咲恵さんですか?」
「はい。遅くなってすみません」
「いや、待ち合わせ時間になってもないし、ボクが早く来てしまっただけなので」
お互いお辞儀を何回かして、顔をあげた。咲恵は、小柄で花柄のワンピースを着ていた。年齢はボクより少し年下で社会人2年目だと言うことだったけれど、もっと若く見えて少女のようだった。スタイルも華奢で清楚という言葉が似合う子だと思った。
「かわいいし、高校生って言っても過言ではないですね」
「ありがとうございます。あんまり褒められたことがないので恥ずかしいです」
うつむき気味になって、ほんとうに恥ずかしそうに咲恵は小さく言った。
「食事、いきましょうか」
「はい」
咲恵は頷いて、ボクの車椅子に左側に並んで立った。初対面なのに、余計な気遣いもしないところにボクは不思議な感覚を覚えた。
「どこで、食事します?」
「あっ、すみません。ファミレスとかでもいいですか。入りやすいので」
「そうですね。気を使わないところがいいですよね」
二人は、近くにあるファミレスに歩みを進めた。
まあ、あれもしたいこれもしてみたいと、頭でイメージしていたことが実現出来なった事へのフラストレーションがモヤモヤの原因なのだろう。今度はもっと落ち着いて、やりたいことも出来るかもしれない。しかし、もう一度アカネと会おうとは思わなかった。あの、どこか男慣れして変な自信のようなものを感じられる感覚は再び会うことを躊躇させた。
それなら、また新しい相手を探す方がいいのではないだろうか。たぶん時間はかかるだろうけれど、今度はもう少しゆっくりとやりとりして相手のことを少しは理解してから会うことを選択してもいいだろう。その日からボクは、再び出会い系サイトにアクセスして新たな相手を探し始めた。それなりに過激な誘い文句のタイトルで募集している掲示板の女性は避けて、プロフィールから条件を出してマッチングした女性にメールを送ってやりとりを始めてみた。何人かとメールをやりとりして、自分ではかなり親しくなったと思い『会ってみたい』と伝えると『わたし、障害者の人と付き合ったことないし、ごめんなさい』という結末を繰り返した。お金欲しさの相手とは違って、難易度が急激に上がったように思えて諦めてしまおうかと思った時、『会ってもいい』という女性が現れた。
「じゃあ、最初は食事でもどう?」
「はい、それでいいです」
食事をする日時と待ち合わせ場所をメールで話し合って決めた。
「あのぉ、瑞樹さんですよね?」
「あっ、はい。咲恵さんですか?」
「はい。遅くなってすみません」
「いや、待ち合わせ時間になってもないし、ボクが早く来てしまっただけなので」
お互いお辞儀を何回かして、顔をあげた。咲恵は、小柄で花柄のワンピースを着ていた。年齢はボクより少し年下で社会人2年目だと言うことだったけれど、もっと若く見えて少女のようだった。スタイルも華奢で清楚という言葉が似合う子だと思った。
「かわいいし、高校生って言っても過言ではないですね」
「ありがとうございます。あんまり褒められたことがないので恥ずかしいです」
うつむき気味になって、ほんとうに恥ずかしそうに咲恵は小さく言った。
「食事、いきましょうか」
「はい」
咲恵は頷いて、ボクの車椅子に左側に並んで立った。初対面なのに、余計な気遣いもしないところにボクは不思議な感覚を覚えた。
「どこで、食事します?」
「あっ、すみません。ファミレスとかでもいいですか。入りやすいので」
「そうですね。気を使わないところがいいですよね」
二人は、近くにあるファミレスに歩みを進めた。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる