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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
694 四人でデパートに
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裏庭で一人バレルボアの角煮と、焼き豚ならぬ焼きバレルボアを作っていたのは確かだが、作り溜めする料理を手伝うと言ったのだから、少しは頼ってほしかったと、カズはちょっと残念な気持ちになった。
だがよくよく考えれば、手伝うと言っておきながら、買い物から戻ったのに料理作りを手伝わず、裏庭で二品を作ってたのだから、飽きられても仕方がないと思ってしまう。
ビワはそんな事は微塵も思ってはないのに。
それに昨夜やらないと言っておきながら、アレナリアを抱いてしまったのを、何となく後ろめたく思ってしまっているのを、カズ自身気付いていない。
約四十年女性を知らずに過ごしていた反動だろうか、三人も可愛い妻が出来た事に、まだ若干ながら実感が湧かないのかも知れない。
ヘタレと言われても、未だに心の何処かで否定できない自分がいると、無意識にカズは思ってしまっている。
弱く情けない男。
三人はそれを全て踏まえて受け止めて婚約に応じたのを、カズ自身も理解しているので、生涯を掛けて答えなければならない。
何故かそれを、今になって悩み考えてしまった。
難しい顔をしているカズに「もう少しで終わるよ」と、レラが声を掛けてきた。
気付けば二時間近く、物思いに耽っていた。
あと数日で旅に出るというのに、自分が弱気になってどうするんだ! と、カズは内心で自分を喝を入れた。
「お待たせカズ。終わったわよ」
「そうか。お疲れさん。ビワはずっと作ってたから疲れてるでしょ。出掛けるのは、少し休憩してからにしようか」
「私なら大丈夫です。レラが早く行きたそうにしてるので、行きましょう」
レラの様子を見ると「デパート♪ デパート♪」と口遊んでいた。
話に聞くだけであまり出掛ける事のないレラは、小さな子供のようにウキウキとしていた。
身支度を整えて出掛ける前に、カズは三人にお金を渡した。
レオラの屋敷で働いてるビワと、アイリスの女性騎士達の訓練と、ヒューケラの家庭教師のような事をしているアレナリアは、それなりにお金は持っているが、レラはまったくの無一文。
レラにだけ渡すのは気が引けたので、三人に好きな物を買うよう均等に金貨五枚を渡した。
ビワは何時も貰っていると遠慮していたが、それは食費として渡しているので別だと受け取ってもらった。
午前商店街での買い物で『大きさは憧れか欲望か』を使用したので、これからの外出は今まで通り幻影魔法で、小人族の姿に見えるようにしてから出掛ける。
中央駅行きの乗り合い馬車に乗車して、最後尾の席に四人で座る。
平日の昼間だけあって、乗客は三人しか居らず、乗り合い馬車は空いていた。
途中で乗り降りする乗客も少く、ガタゴトと石畳を行く乗り合い馬車の揺れは眠気を誘う。
特に朝早くから起きて、料理を作り続けていたビワには。
乗車して十五分程したところで、カズの肩にビワの頭が乗っかってきた。
そっとビワに視線を向けると、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
「ビワ寝ちゃったの」
「ああ。早起きして疲れたんだろ。着くまでこのまま寝かせてやろう」
「私もカズに」
「ならあちしはここ。着いたら起こしてねぇ~」
アレナリアはカズに寄り掛かり、レラはカズの膝の上にごろり。
アレナリアは寝ることはなかったが、レラはすぐにぐうすかと相変わらず。
降車するまであと五分といったところで、寝ている二人を起こす。
「ビワ。もう少しで着くよ」
垂れていた耳がピクリと動き、ゆっくりと目を開けて、カズの肩に乗っていた頭を上げる。
「私…寝てしまったんですね」
「早起きして、ずっと料理を作ってたからね。大丈夫? まだ眠い?」
「少し寝ただけですけど、少し頭がスッキリしました」
「そう。無理しないで」
「大丈夫です。ありがとうカズさん」
「どういたしまして。レラはいつまで寝てるんだ。起きなければ、このままここに置いてくぞ」
「ふぁ~起きたから置いてかないでよ。っていうか、カズがあちしを置いていくわけないもんね」
起きたと言いながら、まだカズの膝の上から下りようとしないレラを、カズはひょいと持ち上げてポイッとアレナリアに渡す。
「その座席の間にでも突っ込んどいていいぞ」
「いいわね」
アレナリアはレラの足を揃え、座席と座席の隙間に足を突っ込む。
「いいわけあるか! やめろー」
「さあ、着いたから降りるぞ」
乗り合い馬車が停まると、三人は席を立ち降り口に移動する。
レラは座席の隙間に足を突っ込まれたまま放置。
「ちょっと待って。謝るからごめんなさい。本当に置いてかないでよ!」
両手で片足を引っ張り、抜けたらもう片方をと、なんとか両足を抜き降車する三人を追う。
レラは乗り合い馬車から飛び降り、アレナリアの背中に蹴りをいれる。
「なんだ。抜け出せたんだ」
「本当に置いてくな!」
「冗談よ。ちゃんとこうして追いかけて来れたでしょ」
「ほら、言い合ってないで行くよ。今度は商店街よりも人が多いんだから、レラはちゃんと言うことを聞くこと。でないと迷子になって、今みたいに焦る事になるけど、いいのか?」
「うぅ……よくない。わかったよ」
「ならいい。さっきは悪かったな。乗ってっていいから、こっち来い」
レラは肩に掴まる感じでカズの背に乗り、まだ少し眠そうなビワと手を繋ぎ、アレナリアは右側から腕を絡ませ、あと一年半程で閉店となる予定のデパートに向かう。
通りで気になる服屋を見つけたら入り、試着をして数着を購入。
靴屋を見つけたら、やはり同じように試し履きして数足を購入した。
乗り合い馬車を降車してから一時間して、目的のデパートにやって来た。
前回来た時と同様で、他のデパートに比べて客入りは少ない。
来ているのは常連といった感じの人が多い。
前回店があった場所に店が無くなり、がらんとしていて見ていると何となく寂しく感じる。
その様な場所が三ヶ所もあった。
「お客さん、まばらだね。他のデパートはもっとお客さんいたのに」
ここまで来る間に、他のデパートの前を通って来て、客の入りが全然違う事にレラが疑問に思う。
「あと一年半くらいで閉店するからな」
「お客が少なければ、そうなるわよね」
レラの疑問に答えたカズの言葉に、アレナリアは冷静にデパートの現状を把握して答えた。
「経営の方はわからないが、閉店は建物の老朽化なんだってさ」
「来ているお客さんを見ると、家族連れが多いですね。建物は古そうですが、雰囲気は落ち着いていて、私は好きです」
「そうだね。俺もビワと同意見だよ」
「雰囲気が良くても仕方ないわよ。こんな大きな建物を補強し続けても限界があるもの。魔法を使っても定期的に補助しなきゃならないし、それなら新しく建て直す方が安全でしょうね。古い建物ならなおさら」
壁に亀裂が出来崩れでもして、その場に子供でもいたら大惨事だ。
冷たい様だがアレナリアの言った事は正しい。
だがよくよく考えれば、手伝うと言っておきながら、買い物から戻ったのに料理作りを手伝わず、裏庭で二品を作ってたのだから、飽きられても仕方がないと思ってしまう。
ビワはそんな事は微塵も思ってはないのに。
それに昨夜やらないと言っておきながら、アレナリアを抱いてしまったのを、何となく後ろめたく思ってしまっているのを、カズ自身気付いていない。
約四十年女性を知らずに過ごしていた反動だろうか、三人も可愛い妻が出来た事に、まだ若干ながら実感が湧かないのかも知れない。
ヘタレと言われても、未だに心の何処かで否定できない自分がいると、無意識にカズは思ってしまっている。
弱く情けない男。
三人はそれを全て踏まえて受け止めて婚約に応じたのを、カズ自身も理解しているので、生涯を掛けて答えなければならない。
何故かそれを、今になって悩み考えてしまった。
難しい顔をしているカズに「もう少しで終わるよ」と、レラが声を掛けてきた。
気付けば二時間近く、物思いに耽っていた。
あと数日で旅に出るというのに、自分が弱気になってどうするんだ! と、カズは内心で自分を喝を入れた。
「お待たせカズ。終わったわよ」
「そうか。お疲れさん。ビワはずっと作ってたから疲れてるでしょ。出掛けるのは、少し休憩してからにしようか」
「私なら大丈夫です。レラが早く行きたそうにしてるので、行きましょう」
レラの様子を見ると「デパート♪ デパート♪」と口遊んでいた。
話に聞くだけであまり出掛ける事のないレラは、小さな子供のようにウキウキとしていた。
身支度を整えて出掛ける前に、カズは三人にお金を渡した。
レオラの屋敷で働いてるビワと、アイリスの女性騎士達の訓練と、ヒューケラの家庭教師のような事をしているアレナリアは、それなりにお金は持っているが、レラはまったくの無一文。
レラにだけ渡すのは気が引けたので、三人に好きな物を買うよう均等に金貨五枚を渡した。
ビワは何時も貰っていると遠慮していたが、それは食費として渡しているので別だと受け取ってもらった。
午前商店街での買い物で『大きさは憧れか欲望か』を使用したので、これからの外出は今まで通り幻影魔法で、小人族の姿に見えるようにしてから出掛ける。
中央駅行きの乗り合い馬車に乗車して、最後尾の席に四人で座る。
平日の昼間だけあって、乗客は三人しか居らず、乗り合い馬車は空いていた。
途中で乗り降りする乗客も少く、ガタゴトと石畳を行く乗り合い馬車の揺れは眠気を誘う。
特に朝早くから起きて、料理を作り続けていたビワには。
乗車して十五分程したところで、カズの肩にビワの頭が乗っかってきた。
そっとビワに視線を向けると、気持ちよさそうに寝息を立てていた。
「ビワ寝ちゃったの」
「ああ。早起きして疲れたんだろ。着くまでこのまま寝かせてやろう」
「私もカズに」
「ならあちしはここ。着いたら起こしてねぇ~」
アレナリアはカズに寄り掛かり、レラはカズの膝の上にごろり。
アレナリアは寝ることはなかったが、レラはすぐにぐうすかと相変わらず。
降車するまであと五分といったところで、寝ている二人を起こす。
「ビワ。もう少しで着くよ」
垂れていた耳がピクリと動き、ゆっくりと目を開けて、カズの肩に乗っていた頭を上げる。
「私…寝てしまったんですね」
「早起きして、ずっと料理を作ってたからね。大丈夫? まだ眠い?」
「少し寝ただけですけど、少し頭がスッキリしました」
「そう。無理しないで」
「大丈夫です。ありがとうカズさん」
「どういたしまして。レラはいつまで寝てるんだ。起きなければ、このままここに置いてくぞ」
「ふぁ~起きたから置いてかないでよ。っていうか、カズがあちしを置いていくわけないもんね」
起きたと言いながら、まだカズの膝の上から下りようとしないレラを、カズはひょいと持ち上げてポイッとアレナリアに渡す。
「その座席の間にでも突っ込んどいていいぞ」
「いいわね」
アレナリアはレラの足を揃え、座席と座席の隙間に足を突っ込む。
「いいわけあるか! やめろー」
「さあ、着いたから降りるぞ」
乗り合い馬車が停まると、三人は席を立ち降り口に移動する。
レラは座席の隙間に足を突っ込まれたまま放置。
「ちょっと待って。謝るからごめんなさい。本当に置いてかないでよ!」
両手で片足を引っ張り、抜けたらもう片方をと、なんとか両足を抜き降車する三人を追う。
レラは乗り合い馬車から飛び降り、アレナリアの背中に蹴りをいれる。
「なんだ。抜け出せたんだ」
「本当に置いてくな!」
「冗談よ。ちゃんとこうして追いかけて来れたでしょ」
「ほら、言い合ってないで行くよ。今度は商店街よりも人が多いんだから、レラはちゃんと言うことを聞くこと。でないと迷子になって、今みたいに焦る事になるけど、いいのか?」
「うぅ……よくない。わかったよ」
「ならいい。さっきは悪かったな。乗ってっていいから、こっち来い」
レラは肩に掴まる感じでカズの背に乗り、まだ少し眠そうなビワと手を繋ぎ、アレナリアは右側から腕を絡ませ、あと一年半程で閉店となる予定のデパートに向かう。
通りで気になる服屋を見つけたら入り、試着をして数着を購入。
靴屋を見つけたら、やはり同じように試し履きして数足を購入した。
乗り合い馬車を降車してから一時間して、目的のデパートにやって来た。
前回来た時と同様で、他のデパートに比べて客入りは少ない。
来ているのは常連といった感じの人が多い。
前回店があった場所に店が無くなり、がらんとしていて見ていると何となく寂しく感じる。
その様な場所が三ヶ所もあった。
「お客さん、まばらだね。他のデパートはもっとお客さんいたのに」
ここまで来る間に、他のデパートの前を通って来て、客の入りが全然違う事にレラが疑問に思う。
「あと一年半くらいで閉店するからな」
「お客が少なければ、そうなるわよね」
レラの疑問に答えたカズの言葉に、アレナリアは冷静にデパートの現状を把握して答えた。
「経営の方はわからないが、閉店は建物の老朽化なんだってさ」
「来ているお客さんを見ると、家族連れが多いですね。建物は古そうですが、雰囲気は落ち着いていて、私は好きです」
「そうだね。俺もビワと同意見だよ」
「雰囲気が良くても仕方ないわよ。こんな大きな建物を補強し続けても限界があるもの。魔法を使っても定期的に補助しなきゃならないし、それなら新しく建て直す方が安全でしょうね。古い建物ならなおさら」
壁に亀裂が出来崩れでもして、その場に子供でもいたら大惨事だ。
冷たい様だがアレナリアの言った事は正しい。
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