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五章 テクサイス帝国編 3 帝都テクサイス
566 スカーフの名前
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コンルの話を聞いたカズも同じ事を考えていた。
だが結論から言うと、手配されている事はなかったらしい。(少なくとも、国単位では)
少人数が集まって村を作り人知れず隠れて暮らしていると、何かしら揉め事が発生して長引いた場合に溝が広がり、そのままひっそりと村を出るなんて事は、この世界ではざらにある。
自分から出て行くならまだしも村八分にあったとしたら、少ない財産も捨てて、身一つで世の中に投げ出される事になりかねない。
一人で生きて行くのも大変な世の中を、小さな子供が居る家族にでもなれば、自らが生きる為に子供を捨てる、もしくは奴隷商に売り渡すなんて事も、ひと昔前では人族でも珍しくはなかった。
ましてや物珍しい妖精族では、家族全員が捕まり愛玩目的でバラバラにされて売り飛ばされ、一生狭い檻の中。
心無き外道に買われでもしたら、狂暴なモンスターの檻に入れて、逃げ惑うのを楽しみ、飽きたらのそまま餌にされる。
他には妖精族の血肉を食せば、永遠の美しさや精霊と魔力を通わせられるなどと、馬鹿げた作り話を鵜呑みにした者によって、多く捕らえられ殺されたなんて事も。
こういった事は王国や帝国に限らず、昔は世界中の至るところで、様々な種族が犠牲になっていた。
旅をしている妖精族は、自分の事を語ることはなかった。
直接会って感じた雰囲気では、一人村を出て来たのだろうというのがコンルの見解。
四人家族の父親フェアリーの話を聞いて共感したのは、同族というだけではなく、同じ様な境遇にあったからではないかとも、コンルは考えていたと。
旅をしている妖精族が初対面のコンルにこの情報を話したのは、この話が役に立てばという自己満足だと言っていたらしい。
誰かに話せば少しは楽になると思っての事だろう。
実際に話をする前と後では表情が気持ち明るくなり、丸まっていた背中が伸びて姿勢が良くなったと。
これまでの話は、旅をして各地で暮らすフェアリーと会ってきたコンルが、相手から感じ取って出した答えだと最後に付け加えた。
「それでどうするの? わたしが得た情報の信頼度が低いと思うのなら、名前を聞くのやめる?」
「レラは覚悟を決めたんです。勝手に勘ぐったのは、俺なんだ申し訳ない。どうか名前を教えてください」
コンルの気分を悪くさせたと、カズは頭を下げて謝罪する。
「……カズって、ずいぶんと腰の低いのね。さっきまでは、いかにも冒険者らしい話し方だったのに」
「どちらかと言えば、今みたいな話し方をするのがカズなんだよ。だけど、Aランクらしい話し方をした方がいいって、みんなに言われてしてるんだよ」
「変わってるのね。別に気を悪くしてなんかないから安心して」
「そうか、ありがとう」
「もう話をしていいの」
「うん。お願いコンルちゃん」
少々脱線はしたものの本題へと移り、カズとレラはコンルの言葉に耳を傾ける。
人族の年配女性により埋葬された女性の妖精族が身に付けていたスカーフ、そこにあった名前をコンルはレラに伝える。
「スカーフには『サク』『カント』そして『レイラ』と、三人の名前が書かれていたと聞いたわ。ただこれが正しいかはわからない。読み方が違うかも知れないし、着用していた本人の名前かどうかもわからない。 レラに関係あるかもね」
スカーフには三人の名前が書かれていたが、レラとは書かれておらず、レイラと書かれていたとコンルは言う。
サクとカントの名前を聞いたレラに、変化はあるかとカズは顔を向ける。
「どうだレラ?」
レラは首を横に振る。
「聞いたことある気もするし、そうじゃない気もする。……わからない」
「わたしが伝えられるのはこれだけ。名前を覚えておけば、何かを切っ掛けに思い出すかも知れないわ」
「……うん」
コンルが得た情報は、レラに関係があるのか、今のところ分からなかった。
辛い過去を心の奥に閉じ込めて、子供頃の出来事を思い出さないよう無意識に閉ざしているのかも知れない。
カズはコンルにお礼を言うと、レラと共にアイリスの居る部屋に戻ってゆく。
アイリスの執務室に戻ると、部屋にレオラと護衛役のアスターが来ていた。
部屋ではカーディナリスが黒糖を入れて作ったクッキーを食べながら、二人は楽しげに話をしていた。
カズは改めてフジの件での事をアイリスに感謝してお礼を言う。
見返りを求めるような事は言って来なかったが、また気球用のバスケットで空を飛びたいというのが、その表情から読み取れた。
次に頼まれたら流石に断る事は出来ないと考え、言ってこない事を願ったが、それはレオラによって打ち破られた。
「姉上への礼は、また空を飛ぶ事だと思うぞ」
「そんな事は…」
アイリスは否定せず、カズの方をチラチラと見る。
「わかりました。都合の良い日を教えてもらえれば、フジを連れてきます(仕方がない。一度は頼みを聞かないと)」
「いいの! わかったわ。後日連絡しますね」
アイリスは凄く嬉しそうに笑った。
「今回はアタシが持ってきた黒糖だが、次からはカズに届けさせるか、カミーリアにでもカズの所に取りに行かせてくれ」
「ええ。カズさんから連絡が来たら、カミーリアに行かせるわ。遅くなりそうだったら、泊まらせてあげてね」
「なぜ嬉しそうにしてるんですか?」
相変わらずカズとカミーリアをくっ付けようと、含み笑いをするアイリス。
「それは、わかってるでしょ」
「理解したくありません」
また話がそっちの方向にいきそうだったので、目的を果たしたカズとレラは長居する意味もなかったので、おいとまする事にした。
一緒に昼食をと誘われたが、ちょっとズルいがレラを理由に断り、アイリスの屋敷を後にする。
実際にレラもコンルから話を聞いた後で、明るく楽しげに昼食を取ろうとは思わないと、勝手にカズが考えてだった。
アイリスの屋敷を出ると、来る時と同じ様に池に沿って散歩する。
レラは何時もの元気はなく、カズの肩に座り黙って池に目を向ける。
「あちしはアイりんと一緒に、ごはん食べてもよかったんだよ。断ったのカズの都合でしょ」
「そんな事は……あるかな。でもレラの事を考えてでもあったんだぞ」
「ふ~ん。じゃあそういうことにしておいてあげるよ。これは借しだからね。大きく返してよ」
「わかった。レラを理由にして断ったんだしな。っで、いつ何をすればいいんだ?」
「今は思いつかないよ。だから思いついたら言う」
「それはいいが、利子とか言って増やすなよ」
「どうしようかなぁ~」
「こいつめ」
「にっちっち」
「なぁレラ」
「なに?」
「レラが望むならフェアリーを埋葬した人を探して、直接話を聞きに行ってもいいんだぞ」
今すぐにでも空間転移魔法でオアシスの街近くにフジを連れて行き、そこからフジに乗り砂漠を南下し、コンルの話に出た村と年配女性を探すのも吝かではなかった。
「……」
「無理する事はない。ただそうする事も出来るって覚えたおいてくれ。レラの気持ちが第一だ」
「うん」
「少し買い物でもして戻ろう」
レラの気晴らしにと商店街に寄り道をしてから川沿いの家に戻る。
表向き元気になってはいたが、やはり何処と無くコンルの話に引っ掛かるところがある様にも思えた。
レラの意向でアレナリアとビワにも、今日コンルから聞いた事を話した。
二人は態度を変えず、何時もと同じ様に会話し、何時もと同じ様に食事をして、何時もと同じ様に他愛ない会話をし、レラにお代わりを出すビワは食べ過ぎに注意をする。
食後は交代で風呂に入り、それぞれの部屋で就寝する。
だが結論から言うと、手配されている事はなかったらしい。(少なくとも、国単位では)
少人数が集まって村を作り人知れず隠れて暮らしていると、何かしら揉め事が発生して長引いた場合に溝が広がり、そのままひっそりと村を出るなんて事は、この世界ではざらにある。
自分から出て行くならまだしも村八分にあったとしたら、少ない財産も捨てて、身一つで世の中に投げ出される事になりかねない。
一人で生きて行くのも大変な世の中を、小さな子供が居る家族にでもなれば、自らが生きる為に子供を捨てる、もしくは奴隷商に売り渡すなんて事も、ひと昔前では人族でも珍しくはなかった。
ましてや物珍しい妖精族では、家族全員が捕まり愛玩目的でバラバラにされて売り飛ばされ、一生狭い檻の中。
心無き外道に買われでもしたら、狂暴なモンスターの檻に入れて、逃げ惑うのを楽しみ、飽きたらのそまま餌にされる。
他には妖精族の血肉を食せば、永遠の美しさや精霊と魔力を通わせられるなどと、馬鹿げた作り話を鵜呑みにした者によって、多く捕らえられ殺されたなんて事も。
こういった事は王国や帝国に限らず、昔は世界中の至るところで、様々な種族が犠牲になっていた。
旅をしている妖精族は、自分の事を語ることはなかった。
直接会って感じた雰囲気では、一人村を出て来たのだろうというのがコンルの見解。
四人家族の父親フェアリーの話を聞いて共感したのは、同族というだけではなく、同じ様な境遇にあったからではないかとも、コンルは考えていたと。
旅をしている妖精族が初対面のコンルにこの情報を話したのは、この話が役に立てばという自己満足だと言っていたらしい。
誰かに話せば少しは楽になると思っての事だろう。
実際に話をする前と後では表情が気持ち明るくなり、丸まっていた背中が伸びて姿勢が良くなったと。
これまでの話は、旅をして各地で暮らすフェアリーと会ってきたコンルが、相手から感じ取って出した答えだと最後に付け加えた。
「それでどうするの? わたしが得た情報の信頼度が低いと思うのなら、名前を聞くのやめる?」
「レラは覚悟を決めたんです。勝手に勘ぐったのは、俺なんだ申し訳ない。どうか名前を教えてください」
コンルの気分を悪くさせたと、カズは頭を下げて謝罪する。
「……カズって、ずいぶんと腰の低いのね。さっきまでは、いかにも冒険者らしい話し方だったのに」
「どちらかと言えば、今みたいな話し方をするのがカズなんだよ。だけど、Aランクらしい話し方をした方がいいって、みんなに言われてしてるんだよ」
「変わってるのね。別に気を悪くしてなんかないから安心して」
「そうか、ありがとう」
「もう話をしていいの」
「うん。お願いコンルちゃん」
少々脱線はしたものの本題へと移り、カズとレラはコンルの言葉に耳を傾ける。
人族の年配女性により埋葬された女性の妖精族が身に付けていたスカーフ、そこにあった名前をコンルはレラに伝える。
「スカーフには『サク』『カント』そして『レイラ』と、三人の名前が書かれていたと聞いたわ。ただこれが正しいかはわからない。読み方が違うかも知れないし、着用していた本人の名前かどうかもわからない。 レラに関係あるかもね」
スカーフには三人の名前が書かれていたが、レラとは書かれておらず、レイラと書かれていたとコンルは言う。
サクとカントの名前を聞いたレラに、変化はあるかとカズは顔を向ける。
「どうだレラ?」
レラは首を横に振る。
「聞いたことある気もするし、そうじゃない気もする。……わからない」
「わたしが伝えられるのはこれだけ。名前を覚えておけば、何かを切っ掛けに思い出すかも知れないわ」
「……うん」
コンルが得た情報は、レラに関係があるのか、今のところ分からなかった。
辛い過去を心の奥に閉じ込めて、子供頃の出来事を思い出さないよう無意識に閉ざしているのかも知れない。
カズはコンルにお礼を言うと、レラと共にアイリスの居る部屋に戻ってゆく。
アイリスの執務室に戻ると、部屋にレオラと護衛役のアスターが来ていた。
部屋ではカーディナリスが黒糖を入れて作ったクッキーを食べながら、二人は楽しげに話をしていた。
カズは改めてフジの件での事をアイリスに感謝してお礼を言う。
見返りを求めるような事は言って来なかったが、また気球用のバスケットで空を飛びたいというのが、その表情から読み取れた。
次に頼まれたら流石に断る事は出来ないと考え、言ってこない事を願ったが、それはレオラによって打ち破られた。
「姉上への礼は、また空を飛ぶ事だと思うぞ」
「そんな事は…」
アイリスは否定せず、カズの方をチラチラと見る。
「わかりました。都合の良い日を教えてもらえれば、フジを連れてきます(仕方がない。一度は頼みを聞かないと)」
「いいの! わかったわ。後日連絡しますね」
アイリスは凄く嬉しそうに笑った。
「今回はアタシが持ってきた黒糖だが、次からはカズに届けさせるか、カミーリアにでもカズの所に取りに行かせてくれ」
「ええ。カズさんから連絡が来たら、カミーリアに行かせるわ。遅くなりそうだったら、泊まらせてあげてね」
「なぜ嬉しそうにしてるんですか?」
相変わらずカズとカミーリアをくっ付けようと、含み笑いをするアイリス。
「それは、わかってるでしょ」
「理解したくありません」
また話がそっちの方向にいきそうだったので、目的を果たしたカズとレラは長居する意味もなかったので、おいとまする事にした。
一緒に昼食をと誘われたが、ちょっとズルいがレラを理由に断り、アイリスの屋敷を後にする。
実際にレラもコンルから話を聞いた後で、明るく楽しげに昼食を取ろうとは思わないと、勝手にカズが考えてだった。
アイリスの屋敷を出ると、来る時と同じ様に池に沿って散歩する。
レラは何時もの元気はなく、カズの肩に座り黙って池に目を向ける。
「あちしはアイりんと一緒に、ごはん食べてもよかったんだよ。断ったのカズの都合でしょ」
「そんな事は……あるかな。でもレラの事を考えてでもあったんだぞ」
「ふ~ん。じゃあそういうことにしておいてあげるよ。これは借しだからね。大きく返してよ」
「わかった。レラを理由にして断ったんだしな。っで、いつ何をすればいいんだ?」
「今は思いつかないよ。だから思いついたら言う」
「それはいいが、利子とか言って増やすなよ」
「どうしようかなぁ~」
「こいつめ」
「にっちっち」
「なぁレラ」
「なに?」
「レラが望むならフェアリーを埋葬した人を探して、直接話を聞きに行ってもいいんだぞ」
今すぐにでも空間転移魔法でオアシスの街近くにフジを連れて行き、そこからフジに乗り砂漠を南下し、コンルの話に出た村と年配女性を探すのも吝かではなかった。
「……」
「無理する事はない。ただそうする事も出来るって覚えたおいてくれ。レラの気持ちが第一だ」
「うん」
「少し買い物でもして戻ろう」
レラの気晴らしにと商店街に寄り道をしてから川沿いの家に戻る。
表向き元気になってはいたが、やはり何処と無くコンルの話に引っ掛かるところがある様にも思えた。
レラの意向でアレナリアとビワにも、今日コンルから聞いた事を話した。
二人は態度を変えず、何時もと同じ様に会話し、何時もと同じ様に食事をして、何時もと同じ様に他愛ない会話をし、レラにお代わりを出すビワは食べ過ぎに注意をする。
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