217 / 781
三章 王都オリーブ編2 周辺地域道中
208 大空からの眺め
しおりを挟む
覚悟を決めたキウイをマイヒメの背中に乗り、王都の近くまで飛んでいくことに決まった。
「マイヒメゆっくりだから。ゆっくり飛んでくれ」
「『分かったわ。じゃあ行くわよ』」
マイヒメが翼を広げ、大空へと飛び上がった。
キウイは目を閉じ、カズの腕に強く抱きつき震える。
マイヒメの上昇が止まると、風の流れに乗り空を滑るように飛ぶ。
「『カズ。どこまで行けば?』」
「とりあえず王都から少し離れた、人気のない所を見つけて降りよう。街道近くや街中でなければ、人はあまり居ないと思うから」
「『どこか探しましょう』」
「頼むよマイヒメ」
マイヒメは王都の方面へ、ゆっくりと飛んでいく。
「か、風が強いけど大丈夫かにゃ」
「無理そうなら、すぐに降りようか(目をずっと閉じてるから、こりゃあダメかな)」
「だ、大丈夫だにゃ。カズにゃんを信じてるにゃ」
「やっぱやめとけば……あ! ほらキウイ、王都が見えた」
「そう言われても、目が開けられないにゃ」
キウイが震えてるのを見て、子供の鳥がキウイに寄り添う。
「にャ! なんにゃ?」
「『どうしたの、おねぇさん?』」
「飛んだことないから、高い所がちょっと苦手なんだよ」
「なんにゃ? さっきのこ(子供の鳥)かにゃ?」
「そう。キウイが震えてるから、心配してるんだよ」
「そ、そうかにゃ……(怖くない、怖くないにゃ)」
キウイが薄目を開けて、寄り添ってる子供の鳥を見る。
子供の鳥も、キウイの顔を覗き込む。
「『おねぇさん大丈夫?』」
「大丈夫かってさ」
「にゃ、にゃちきは大丈夫にゃ」
キウイはしっかりと目を開け、子供の鳥を見て気持ちを落ち着かせようとする。
次に自分がしがみついている腕の人物(カズ)を見る。
「目、開けられた?」
「にゃ、にゃんとか……」
「あっちを見れそう?」
カズが進行方向に顔を向けると、キウイも恐る恐る同じ方に顔を向ける。
「に、にゃかい……」
「にゃかい? (あ、高いって言ったのか)」
眼下に広がる王都に目を奪われ、いつの間にかキウイの震えは止まっていた。
「スゴいにゃ~! 王都を上から見れるなんて」
「少しは落ち着いた?」
「落ち着いたけどにゃ、これ(カズの腕)離さなくてもいいかにゃ? 高い所は好きだけど、ここまで高いと……」
「良いけど、そこまでぴったりとくっつかなくても。もう少し離れても大丈夫だから」
キウイは自分の状態を、しっかりと確認する。
「……嫌にゃ。怖いからカズにゃんが恥ずかしくても、降りるまで離れないにゃ」
キウイはカズの腕に自分の腕を強く絡ませ、離れようとしない。
毎度の事ながら、カズの腕にはキウイの柔らかい胸の感触が伝わる。
腕に伝わる感触から気を紛らすため、カズは【マップ】を見て人の少ない場所を探す。
王都の少し外、街道から離れた場所をマイヒメに伝えて、そこへと降下する。
地上に着くと、カズの腕をしっかりと掴みながら、マイヒメから降りるキウイ。
「街道から少しそれたとはいえ、こうも人が居ないなんて」
「お祭りは盛大だからにゃ、王都の中央街じゃなくても賑やかにゃ。新年のお祭りの間に王都にから出る人は、行商人か冒険者くらいだと思うにゃ」
「行商人は稼ぎ時だからね。ああ! だからキウイは迎えに馬がなくても、街道で王都へ向かう行商人の馬車が通ったら、乗せてもらおうって言ったのか」
「そうだにゃ。お祭りの時は、行商人の馬車が多く通るにゃ。よく売れるから何度も品物を運ぶのにゃ」
「そうなんだ。よく知ってるね」
「村に来る行商人のおっちゃんに聞いたにゃ」
「ねぇキウイ、落ち着いたように話してるけど、なんで俺の腕を掴んだままなの? もうマイヒメから降りて地上に居るんだから、離れても大丈夫でしょ」
「今カズにゃんから離れると、倒れるにゃ」
「少し座って休もう(足ガクガクしてるし、腰が抜けたか?)」
「そうするにゃ」
「王都はすぐそこだから、日が暮れる前に宿屋を見つけて一泊すれば、明日には第2ギルトまで行けるよ」
「『カズ。人が来るから、ワタシは離れるわね』」
「ああ、分かった」
「『坊やを任せたわ』」
マイヒメは子供の鳥をカズに預け、空高くへと飛んでいった。
「このこ(子供の鳥)を置いて、どこか行っちゃったけどいいのかにゃ?」
「マイヒメを街中に連れていけないからね。俺の居場所がはっきり分かるように、子供の鳥を置いて行ったんだよ。マイヒメはまだテイムしたモンスターとして、ギルトに登録してないから、見つかったら騒ぎになるだろうしね」
「あんな大きなモンスターをテイムしてる人なんて、王都でも見たことないにゃ」
「……こっち(子供の鳥)なら連れていても変じゃないでしょ。仮の登録はしてあるから、街中で連れていても大丈夫だし」
「カズにゃんと一緒だと変わった事ばかりで、飽きなくていいにゃ」
「ハハ……。どう、もう立てそう?」
「大丈夫にゃ。足に力が戻ったにゃ」
「じゃあ行こう。空いてる宿屋を見つけないと、王都で野宿になっちゃうから」
「そうなったらお祭りなんだし、夜通し遊べば良いにゃ」
「夜通し遊ぶなんて、若い頃にゲームで徹夜してたくらいだよ」(ボソッ)
「何か言ったかにゃ?」
「ん、あ、いや、なんでもない」
二人は街道に出て、王都に向かい歩いて行く。
子供の鳥は、二人の前をパタパタと飛び、疲れるとカズに背負われ楽しそうにしていた。
カズ達が王都に入ると、先ずは宿屋を探した。
しかし手頃な宿はどこも満室で全然見つからない。
唯一空いていたのは、一泊金貨三枚(30,000GL)もする高級な所だった。
さすがに王都の街中で、キウイを野宿させるわけにはいかないと、カズは部屋を借りることにした。
「キウイはここに泊まって」
「ねぇカズにゃん。ここは豪商とかお金持ちの人が泊まる高級な宿だにゃ。にゃちき達には合わないにゃ」
「と言っても、他に空いてる宿屋が無かったから。それに泊まるのはキウイ一人だよ」
「なんでにゃちきだけにゃ? 広い部屋なら、カズにゃんも一緒に泊まったっていいにゃ」
「ここの宿は、このこ(子供の鳥)を泊められないんだって。まぁ俺はなんとでもなるから」
「だったらにゃちきも、野宿するからにゃ」
「夜通し騒いでる酔っ払いもいて危ないから、キウイは宿屋に泊まってよ。怖い思い(マイヒメに乗せた事)させたお詫びだと思って」
「……分かったにゃ。なんかにゃちきだけ贅沢して悪いにゃ(でっかい鳥に乗るって言ったの、にゃちきなのににゃ)」
「気にしない気にしない。宿代払った俺が良いって言ってるからさ。夕食は露店で色々買って食べようよ」
「それは良いにゃ! さっき美味しそうなのを見つけたにゃ。早くから行くにゃ」
「現金だな(キウイらしくて良いけど)」
キウイと子供の鳥が露店で好きなものを選び、お腹一杯になるまで食べてお祭りを満喫した。
キウイを宿屋まで送ると、カズは子供の鳥を連れて王都から出る。
人の来なそうな場所まで行き、マイヒメと合流して野宿をすることにした。
「『あの獣人の娘はどうしたの?』」
「空いてる宿屋を見つけたから、そこに泊まってもらってる」
「『カズは一緒じゃなくて良かったのでは?』」
「テイムしてても、モンスターお断りの宿屋だったから。まぁ高級な宿屋だから仕方ないのかな」
「『面倒ね』」
「テイムしたモンスターと一緒でも大丈夫って宿屋でも、マイヒメは無理だろうね。大きいから」
「『人の宿屋なんて、泊まりたいと思わないわ。それよりあの娘は、カズとつがいになるの? だったら子作りしなくていいの?』」
「つが……こ、子作りなんてしないよ。つがいじゃないんだから!」
「『そんなに驚く事かしら? 雄と雌が一緒に居れば子作りはするでしょ』」
「ま、まぁ……でもキウイは、そういうのと違うから」
「『そう。強い雄の子を産みたいと思うのは、当然だと思うのだけど。カズには居ないの?』」
「べ、別にいいじゃないか。さぁ話は終わり。俺ちょっとやることあるから」
カズは【アイテムボックス】から、砂漠のダンジョンで入手した魔鉄鉱石を取り出し、スキルを使ってある物に加工した。
◇◆◇◆◇
「朝か……(昨夜はマイヒメに、つがいだ子作りだと変なこと言われたなぁ。まぁ野生動物と人の違いみたいなもんか。気にしてもしょうがない)」
「『カズ起きた。おねぇさんとこに行く?』」
「ああ。キウイの所に行くよ」
「『また何か食べる!』」
「露店で売ってる食べ物が気に入ったのか?」
「『カズ。あまり人が作った食べ物を、坊やに与えないで』」
「そうだね。モンスターといえども、子供のうちから味が濃い物を、食べさせない方がいいか」
「『ええ。それにまだ狩りを覚え始めたばかりだから、簡単に食べ物を与えてたら、狩りの感覚が鈍るだけじゃなくて、危険な目にだって』」
「分かった。でも街中で狩りはできないから、与える食事を少なくするよ」
「『坊やも分かったわね』」
「『えぇー』」
「『坊や!』」
「『……はい』」
カズはしょんぼりした子供の鳥を連れて、キウイが泊まっている宿屋へと向かった。
「マイヒメゆっくりだから。ゆっくり飛んでくれ」
「『分かったわ。じゃあ行くわよ』」
マイヒメが翼を広げ、大空へと飛び上がった。
キウイは目を閉じ、カズの腕に強く抱きつき震える。
マイヒメの上昇が止まると、風の流れに乗り空を滑るように飛ぶ。
「『カズ。どこまで行けば?』」
「とりあえず王都から少し離れた、人気のない所を見つけて降りよう。街道近くや街中でなければ、人はあまり居ないと思うから」
「『どこか探しましょう』」
「頼むよマイヒメ」
マイヒメは王都の方面へ、ゆっくりと飛んでいく。
「か、風が強いけど大丈夫かにゃ」
「無理そうなら、すぐに降りようか(目をずっと閉じてるから、こりゃあダメかな)」
「だ、大丈夫だにゃ。カズにゃんを信じてるにゃ」
「やっぱやめとけば……あ! ほらキウイ、王都が見えた」
「そう言われても、目が開けられないにゃ」
キウイが震えてるのを見て、子供の鳥がキウイに寄り添う。
「にャ! なんにゃ?」
「『どうしたの、おねぇさん?』」
「飛んだことないから、高い所がちょっと苦手なんだよ」
「なんにゃ? さっきのこ(子供の鳥)かにゃ?」
「そう。キウイが震えてるから、心配してるんだよ」
「そ、そうかにゃ……(怖くない、怖くないにゃ)」
キウイが薄目を開けて、寄り添ってる子供の鳥を見る。
子供の鳥も、キウイの顔を覗き込む。
「『おねぇさん大丈夫?』」
「大丈夫かってさ」
「にゃ、にゃちきは大丈夫にゃ」
キウイはしっかりと目を開け、子供の鳥を見て気持ちを落ち着かせようとする。
次に自分がしがみついている腕の人物(カズ)を見る。
「目、開けられた?」
「にゃ、にゃんとか……」
「あっちを見れそう?」
カズが進行方向に顔を向けると、キウイも恐る恐る同じ方に顔を向ける。
「に、にゃかい……」
「にゃかい? (あ、高いって言ったのか)」
眼下に広がる王都に目を奪われ、いつの間にかキウイの震えは止まっていた。
「スゴいにゃ~! 王都を上から見れるなんて」
「少しは落ち着いた?」
「落ち着いたけどにゃ、これ(カズの腕)離さなくてもいいかにゃ? 高い所は好きだけど、ここまで高いと……」
「良いけど、そこまでぴったりとくっつかなくても。もう少し離れても大丈夫だから」
キウイは自分の状態を、しっかりと確認する。
「……嫌にゃ。怖いからカズにゃんが恥ずかしくても、降りるまで離れないにゃ」
キウイはカズの腕に自分の腕を強く絡ませ、離れようとしない。
毎度の事ながら、カズの腕にはキウイの柔らかい胸の感触が伝わる。
腕に伝わる感触から気を紛らすため、カズは【マップ】を見て人の少ない場所を探す。
王都の少し外、街道から離れた場所をマイヒメに伝えて、そこへと降下する。
地上に着くと、カズの腕をしっかりと掴みながら、マイヒメから降りるキウイ。
「街道から少しそれたとはいえ、こうも人が居ないなんて」
「お祭りは盛大だからにゃ、王都の中央街じゃなくても賑やかにゃ。新年のお祭りの間に王都にから出る人は、行商人か冒険者くらいだと思うにゃ」
「行商人は稼ぎ時だからね。ああ! だからキウイは迎えに馬がなくても、街道で王都へ向かう行商人の馬車が通ったら、乗せてもらおうって言ったのか」
「そうだにゃ。お祭りの時は、行商人の馬車が多く通るにゃ。よく売れるから何度も品物を運ぶのにゃ」
「そうなんだ。よく知ってるね」
「村に来る行商人のおっちゃんに聞いたにゃ」
「ねぇキウイ、落ち着いたように話してるけど、なんで俺の腕を掴んだままなの? もうマイヒメから降りて地上に居るんだから、離れても大丈夫でしょ」
「今カズにゃんから離れると、倒れるにゃ」
「少し座って休もう(足ガクガクしてるし、腰が抜けたか?)」
「そうするにゃ」
「王都はすぐそこだから、日が暮れる前に宿屋を見つけて一泊すれば、明日には第2ギルトまで行けるよ」
「『カズ。人が来るから、ワタシは離れるわね』」
「ああ、分かった」
「『坊やを任せたわ』」
マイヒメは子供の鳥をカズに預け、空高くへと飛んでいった。
「このこ(子供の鳥)を置いて、どこか行っちゃったけどいいのかにゃ?」
「マイヒメを街中に連れていけないからね。俺の居場所がはっきり分かるように、子供の鳥を置いて行ったんだよ。マイヒメはまだテイムしたモンスターとして、ギルトに登録してないから、見つかったら騒ぎになるだろうしね」
「あんな大きなモンスターをテイムしてる人なんて、王都でも見たことないにゃ」
「……こっち(子供の鳥)なら連れていても変じゃないでしょ。仮の登録はしてあるから、街中で連れていても大丈夫だし」
「カズにゃんと一緒だと変わった事ばかりで、飽きなくていいにゃ」
「ハハ……。どう、もう立てそう?」
「大丈夫にゃ。足に力が戻ったにゃ」
「じゃあ行こう。空いてる宿屋を見つけないと、王都で野宿になっちゃうから」
「そうなったらお祭りなんだし、夜通し遊べば良いにゃ」
「夜通し遊ぶなんて、若い頃にゲームで徹夜してたくらいだよ」(ボソッ)
「何か言ったかにゃ?」
「ん、あ、いや、なんでもない」
二人は街道に出て、王都に向かい歩いて行く。
子供の鳥は、二人の前をパタパタと飛び、疲れるとカズに背負われ楽しそうにしていた。
カズ達が王都に入ると、先ずは宿屋を探した。
しかし手頃な宿はどこも満室で全然見つからない。
唯一空いていたのは、一泊金貨三枚(30,000GL)もする高級な所だった。
さすがに王都の街中で、キウイを野宿させるわけにはいかないと、カズは部屋を借りることにした。
「キウイはここに泊まって」
「ねぇカズにゃん。ここは豪商とかお金持ちの人が泊まる高級な宿だにゃ。にゃちき達には合わないにゃ」
「と言っても、他に空いてる宿屋が無かったから。それに泊まるのはキウイ一人だよ」
「なんでにゃちきだけにゃ? 広い部屋なら、カズにゃんも一緒に泊まったっていいにゃ」
「ここの宿は、このこ(子供の鳥)を泊められないんだって。まぁ俺はなんとでもなるから」
「だったらにゃちきも、野宿するからにゃ」
「夜通し騒いでる酔っ払いもいて危ないから、キウイは宿屋に泊まってよ。怖い思い(マイヒメに乗せた事)させたお詫びだと思って」
「……分かったにゃ。なんかにゃちきだけ贅沢して悪いにゃ(でっかい鳥に乗るって言ったの、にゃちきなのににゃ)」
「気にしない気にしない。宿代払った俺が良いって言ってるからさ。夕食は露店で色々買って食べようよ」
「それは良いにゃ! さっき美味しそうなのを見つけたにゃ。早くから行くにゃ」
「現金だな(キウイらしくて良いけど)」
キウイと子供の鳥が露店で好きなものを選び、お腹一杯になるまで食べてお祭りを満喫した。
キウイを宿屋まで送ると、カズは子供の鳥を連れて王都から出る。
人の来なそうな場所まで行き、マイヒメと合流して野宿をすることにした。
「『あの獣人の娘はどうしたの?』」
「空いてる宿屋を見つけたから、そこに泊まってもらってる」
「『カズは一緒じゃなくて良かったのでは?』」
「テイムしてても、モンスターお断りの宿屋だったから。まぁ高級な宿屋だから仕方ないのかな」
「『面倒ね』」
「テイムしたモンスターと一緒でも大丈夫って宿屋でも、マイヒメは無理だろうね。大きいから」
「『人の宿屋なんて、泊まりたいと思わないわ。それよりあの娘は、カズとつがいになるの? だったら子作りしなくていいの?』」
「つが……こ、子作りなんてしないよ。つがいじゃないんだから!」
「『そんなに驚く事かしら? 雄と雌が一緒に居れば子作りはするでしょ』」
「ま、まぁ……でもキウイは、そういうのと違うから」
「『そう。強い雄の子を産みたいと思うのは、当然だと思うのだけど。カズには居ないの?』」
「べ、別にいいじゃないか。さぁ話は終わり。俺ちょっとやることあるから」
カズは【アイテムボックス】から、砂漠のダンジョンで入手した魔鉄鉱石を取り出し、スキルを使ってある物に加工した。
◇◆◇◆◇
「朝か……(昨夜はマイヒメに、つがいだ子作りだと変なこと言われたなぁ。まぁ野生動物と人の違いみたいなもんか。気にしてもしょうがない)」
「『カズ起きた。おねぇさんとこに行く?』」
「ああ。キウイの所に行くよ」
「『また何か食べる!』」
「露店で売ってる食べ物が気に入ったのか?」
「『カズ。あまり人が作った食べ物を、坊やに与えないで』」
「そうだね。モンスターといえども、子供のうちから味が濃い物を、食べさせない方がいいか」
「『ええ。それにまだ狩りを覚え始めたばかりだから、簡単に食べ物を与えてたら、狩りの感覚が鈍るだけじゃなくて、危険な目にだって』」
「分かった。でも街中で狩りはできないから、与える食事を少なくするよ」
「『坊やも分かったわね』」
「『えぇー』」
「『坊や!』」
「『……はい』」
カズはしょんぼりした子供の鳥を連れて、キウイが泊まっている宿屋へと向かった。
35
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語
京衛武百十
ファンタジー
<メイトギア>と呼ばれる人型ホームヘルパーロボット<タリアP55SI>は、旧式化したことでオーナーが最新の後継機に買い換えたため、データのすべてを新しい機体に引継ぎ、役目を終え、再資源化を迎えるだけになっていた。
なのに、彼女が次に起動した時にいたのは、まったく記憶にない中世ヨーロッパを思わせる世界だった。
要人警護にも使われるタリアP55SIは、その世界において、ありとあらゆるものを凌駕するスーパーパワーの持ち主。<魔法>と呼ばれる超常の力さえ、それが発動する前に動けて、生物には非常に強力な影響を与えるスタンすらロボットであるがゆえに効果がなく、彼女の前にはただ面倒臭いだけの大道芸に過ぎなかった。
<ロボット>というものを知らないその世界の人々は彼女を<救世主>を崇め、自分達を脅かす<魔物の王>の討伐を願うのであった。
チート狩り
京谷 榊
ファンタジー
世界、宇宙そのほとんどが解明されていないこの世の中で。魔術、魔法、特殊能力、人外種族、異世界その全てが詰まった広大な宇宙に、ある信念を持った謎だらけの主人公が仲間を連れて行き着く先とは…。
それは、この宇宙にある全ての謎が解き明かされるアドベンチャー物語。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜
ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった!
謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。
教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。
勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。
元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。
力を持っていても順応できるかは話が別だった。
クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。
※ご注意※
初投稿、試作、マイペース進行となります。
作品名は今後改題する可能性があります。
世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。
旅に出るまで(序章)がすごく長いです。
他サイトでも同作を投稿しています。
更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。
誰も要らないなら僕が貰いますが、よろしいでしょうか?
伊東 丘多
ファンタジー
ジャストキルでしか、手に入らないレアな石を取るために冒険します
小さな少年が、独自の方法でスキルアップをして強くなっていく。
そして、田舎の町から王都へ向かいます
登場人物の名前と色
グラン デディーリエ(義母の名字)
8才
若草色の髪 ブルーグリーンの目
アルフ 実父
アダマス 母
エンジュ ミライト
13才 グランの義理姉
桃色の髪 ブルーの瞳
ユーディア ミライト
17才 グランの義理姉
濃い赤紫の髪 ブルーの瞳
コンティ ミライト
7才 グランの義理の弟
フォンシル コンドーラル ベージュ
11才皇太子
ピーター サイマルト
近衛兵 皇太子付き
アダマゼイン 魔王
目が透明
ガーゼル 魔王の側近 女の子
ジャスパー
フロー 食堂宿の人
宝石の名前関係をもじってます。
色とかもあわせて。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる