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二章 アヴァランチェ編
79 森の中で出会ったベア と 夜明け前に咲く花
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朝食を食べ終え、スノーベアを探しに森の奥へと進む。
作ってある『土のかまくら』は、そのままにした。
もう一晩山で過ごすようであれば、また寝る所を作るのは面倒なので、ここに戻って来ることにした。
【マップ】の灰色(獣)と黒色(モンスター)の表示を頼りに探し回り始める。
スノーベアが、獣なのかモンスターなのかを、聞いてくるのを忘れたので、灰色と黒色に表示されてる、両方見に行って確認する必要があるので、二度手間だ。
久々の遠出依頼で張り切り過ぎて、事前に調べてくるのを忘れた。
準備不足だとポピー達相手に、言えた義理ではなかった。
辺りを警戒しながら、森の奥へと足を進めた。
周囲に居る獣は、殆どがネズミ等の小さい生き物ばかりで、物音に驚き直ぐに隠れてしまう。
今回の目的とは関係無いので、気にせず更に森の奥へと進む。
モンスターを発見しても、見た目的に、獣と区別がつかないような、生き物ばかりだ。
おそらくは、自分達が弱いことを自覚している為に、森の中で隠れながら暮らしているのだろう。
スノーベアを探していたら、時刻は既に昼を過ぎた。
適当な所で休憩して、軽く何か食べてから、再度スノーベアの探索を始める。
しかし探し方が悪いのか、一向に見つからない。
少し探索の仕方を、変えることにした。
大きな生き物でも、隠れ住む所があるはずだから、ほら穴等が、どこかにあるかもしれない。
そこで魔法を使い、住み着きそうな穴等を探索してみることにする。
ほら穴に洞窟、それに大木に空いた穴を対象として〈サーチ〉の魔法を使った。
すると【マップ】に、何ヶ所か表示された。
先ずは、表示されている中で、1番近い場所から調べてみた。
そこは地面に穴が空いていたが、入り口が30㎝程しかなく、とても1m以上の生き物が入れる大きさではなかった。
次の場所は、やはり地面にある穴で、これも先程と同じくらいの、大きさだった。
この後も【マップ】にしるされた場所を、次々と調べて行くが、まだスノーベアらしき住みかは、見つからない。
森を入ってから、かなり奥へ来て、斜面が急になってきた頃、今までと違う大穴を見つけた。
【マップ】で確かめてみると、穴の奥に数匹の獣が居ることがわかる。
暫く穴の外で待っていると、奥から一匹の生き物が出てきたので【万物ノ眼】の効果で、表示されている内容を見ると、しっかりとスノーベアと書かれていた。
見た目は、完全に熊だった。
名前の横に数字が書かれているが、これは……?
確か他の獣やモンスターを調べた時にも、表示されていたような……?
今までは特に気にしていなかったが、今回は詳しく見る為に、分析をしてみた。
『スノーベア : 獣・レベル15』
雪が降る冬の間は、白い毛で覆われているが、暖かくなると全て生え変わり、茶色の毛になる。
そして又雪が降る頃になると、白い毛に生え変わる。
狂暴で冬眠前には、脂肪を蓄える為に、色々な生き物を襲い食べる。
生息する場所によっては、モンスターより危険な生物。
スノーベアを分析していると、こちらの存在に気付き、一声吠えてから、一直線に突っ込んできた。
グオォォー
「おい何だ何だ、いきなり襲って来るのかよ! 冬眠前で狂暴になってるのか! かなり太ってるが、まだ食べ足りないのかよ!」
グオォォー
グオォー
グガオォー
一匹目の鳴き声に引き寄せられて、穴の奥から、更に三匹のスノーベアが出てきた。
二匹がレベル16で、体毛が既に白くなっている一匹が、レベル18と表示されていて、三匹とも丸々と太っている。
確かスノーウルフのボスを見た時に、26って表示されていたと思う。
スノーウルフのボスで、レベル26なら、このスノーベアは、それより弱いはずだ。
俺はいつものように〈ライトニングショット〉を、最初に襲って来たスノーベアに放った。
命中するが、分厚い脂肪のせいで、よろめくが、一撃で仕留めることは出来なかった。
あまり威力を上げると、毛皮が焦げてしまうので、他の方法を考える。
そうしている間にも、四匹のスノーベアは、絶え間なく襲い掛かってくる。
そこで昨日ポピーの特訓を思い出しウォーターカッターを、スノーベアの額に直撃させて倒すことにした。
これなら傷も最小限だし、水で攻撃しているから、焼け焦げることもないはずだ。
ただ離れた所から攻撃をすると、動いてる相手の額に、直撃させるのは少々厳しいので、直接スノーベアの額に平手打ちをして、そのままウォーターカッターで攻撃することにした。
先ずは試しに、先程攻撃して、弱っている一匹を狙う。
突っ込んできたスノーベアの攻撃をかわし、額に一発平手打ちをして、そのまま〈ウォーターカッター〉を撃ち込み、額に穴を開けた。
するとスノーベアは白目を向き、バタリと倒れた。
それを見ていた他のスノーベアは、怒り狂い一斉に襲い掛かって来た。
山奥にでも、逃げてくれれば良かったのだが、倒す気はなかったが、襲って来たからには遠慮なく討伐する。
このまま放置しても、街道まで下りて来て、人を襲うかもしれないしな。
こっちの勝手な都合ではあるが、人でも獣でも、襲われたら恨むのが当然だから、先に襲って来たコイツらが悪いと思い、残りの三匹にも、同様に攻撃をして倒した。
ここで四匹も解体は出来ないので、全て【アイテムボックス】に入れた。
日が陰り始める前に、一晩過ごした場所に戻り休むことにした。
そして明日の朝に、アヴァランチェに戻ることにする。
土で作った、かまくらの中に入っていると【マップ】には、生き物マークが、数多く表示されている。
スノーベアが居なくなった為に、小さい生き物が、巣から出てきたらしい。
今夜は森の中が、騒がしくなりそうだ。
早目の夕食を食べて、寝るまでの間に、シャルヴィネさんに頼んで買った装飾品(アクセサリー)に、魔法を付与(エンチャント)することにした。
ここなら誰も居ないので、邪魔が入ることもないし、見られることもない。
資料室でアレナリアに見せてもらった、付与に関する本と【万物ノ眼】の効果を駆使して、出来る限りの付与をする。
それぞれの特性にあった【付与】をして、あとは実際に魔法を試してみてから、追加で付与をすることにする。
三つの装飾品に、付与を終わらせたのは、深夜になってからだった。
遅いので、今夜はもう寝ることにした。
◇◆◇◆◇
収穫祭の前日まであと二日
「さむっ!」
焚き火が消えているので、寒くなり目が覚めた。
まだ夜は明けておらず、火を起こして温まる。
体が温まってから、土のかまくらを出てみると、雪が降っていて少し積もっていた。
暗い森の中で周囲を見渡してみると、離れた木の陰に、何かがうっすらと光っている。
【マップ】を確認し、辺りを警戒しながら、光っている所に行ってみたら、花が数輪咲いていたので、花を分析鑑定してみた。
『氷結花』
しんしんと雪積る場所に、希に咲く花。
夜明前に咲き、日が登ると共に花が散ってしまう。
花が開くと、青白くうっすらと光る。
発光している間に切り取り、切り口を常に冷たい水に浸しておくことで、一日は咲いた状態が保たれる。
花から取れる蜜には、あらゆる病に効く成分が、含まれていると言われている。
なるほど、蜜は薬になるのか。
しかし依頼には、氷漬けとなっていたが、咲いたままの状態で持ち帰るのは、難しいということか?
さて、この花を植え替えてから、持ち帰ることは出来るのか?
取りあえず調べた通りに、切り花にしてから持ち帰ることにする。
全ては採取しないで、3輪だけにする。
空いた小ビンを三つ出し、二つはその中に水と辺りの雪を入れて、1輪ずつ別々に、花瓶の代わりにした、小ビンに入れる。
残りの1輪を、根元の土ごと、小ビンに移しかえる。
それを【アイテムボックス】に入れてみた。
生物を入れることが出来ないと、アイテムボックスの説明に書いてあったから、切り花にしたんだけど、どうやら植物と言うか、花は大丈夫のようだ。
また機会があれば、植物が大丈夫か確かめてみようと思った。
花の採取が終わった後、空が明るくなってきたので、土のかまくらに戻り、朝食を食べてから帰る準備をする。
作ってある『土のかまくら』は、そのままにした。
もう一晩山で過ごすようであれば、また寝る所を作るのは面倒なので、ここに戻って来ることにした。
【マップ】の灰色(獣)と黒色(モンスター)の表示を頼りに探し回り始める。
スノーベアが、獣なのかモンスターなのかを、聞いてくるのを忘れたので、灰色と黒色に表示されてる、両方見に行って確認する必要があるので、二度手間だ。
久々の遠出依頼で張り切り過ぎて、事前に調べてくるのを忘れた。
準備不足だとポピー達相手に、言えた義理ではなかった。
辺りを警戒しながら、森の奥へと足を進めた。
周囲に居る獣は、殆どがネズミ等の小さい生き物ばかりで、物音に驚き直ぐに隠れてしまう。
今回の目的とは関係無いので、気にせず更に森の奥へと進む。
モンスターを発見しても、見た目的に、獣と区別がつかないような、生き物ばかりだ。
おそらくは、自分達が弱いことを自覚している為に、森の中で隠れながら暮らしているのだろう。
スノーベアを探していたら、時刻は既に昼を過ぎた。
適当な所で休憩して、軽く何か食べてから、再度スノーベアの探索を始める。
しかし探し方が悪いのか、一向に見つからない。
少し探索の仕方を、変えることにした。
大きな生き物でも、隠れ住む所があるはずだから、ほら穴等が、どこかにあるかもしれない。
そこで魔法を使い、住み着きそうな穴等を探索してみることにする。
ほら穴に洞窟、それに大木に空いた穴を対象として〈サーチ〉の魔法を使った。
すると【マップ】に、何ヶ所か表示された。
先ずは、表示されている中で、1番近い場所から調べてみた。
そこは地面に穴が空いていたが、入り口が30㎝程しかなく、とても1m以上の生き物が入れる大きさではなかった。
次の場所は、やはり地面にある穴で、これも先程と同じくらいの、大きさだった。
この後も【マップ】にしるされた場所を、次々と調べて行くが、まだスノーベアらしき住みかは、見つからない。
森を入ってから、かなり奥へ来て、斜面が急になってきた頃、今までと違う大穴を見つけた。
【マップ】で確かめてみると、穴の奥に数匹の獣が居ることがわかる。
暫く穴の外で待っていると、奥から一匹の生き物が出てきたので【万物ノ眼】の効果で、表示されている内容を見ると、しっかりとスノーベアと書かれていた。
見た目は、完全に熊だった。
名前の横に数字が書かれているが、これは……?
確か他の獣やモンスターを調べた時にも、表示されていたような……?
今までは特に気にしていなかったが、今回は詳しく見る為に、分析をしてみた。
『スノーベア : 獣・レベル15』
雪が降る冬の間は、白い毛で覆われているが、暖かくなると全て生え変わり、茶色の毛になる。
そして又雪が降る頃になると、白い毛に生え変わる。
狂暴で冬眠前には、脂肪を蓄える為に、色々な生き物を襲い食べる。
生息する場所によっては、モンスターより危険な生物。
スノーベアを分析していると、こちらの存在に気付き、一声吠えてから、一直線に突っ込んできた。
グオォォー
「おい何だ何だ、いきなり襲って来るのかよ! 冬眠前で狂暴になってるのか! かなり太ってるが、まだ食べ足りないのかよ!」
グオォォー
グオォー
グガオォー
一匹目の鳴き声に引き寄せられて、穴の奥から、更に三匹のスノーベアが出てきた。
二匹がレベル16で、体毛が既に白くなっている一匹が、レベル18と表示されていて、三匹とも丸々と太っている。
確かスノーウルフのボスを見た時に、26って表示されていたと思う。
スノーウルフのボスで、レベル26なら、このスノーベアは、それより弱いはずだ。
俺はいつものように〈ライトニングショット〉を、最初に襲って来たスノーベアに放った。
命中するが、分厚い脂肪のせいで、よろめくが、一撃で仕留めることは出来なかった。
あまり威力を上げると、毛皮が焦げてしまうので、他の方法を考える。
そうしている間にも、四匹のスノーベアは、絶え間なく襲い掛かってくる。
そこで昨日ポピーの特訓を思い出しウォーターカッターを、スノーベアの額に直撃させて倒すことにした。
これなら傷も最小限だし、水で攻撃しているから、焼け焦げることもないはずだ。
ただ離れた所から攻撃をすると、動いてる相手の額に、直撃させるのは少々厳しいので、直接スノーベアの額に平手打ちをして、そのままウォーターカッターで攻撃することにした。
先ずは試しに、先程攻撃して、弱っている一匹を狙う。
突っ込んできたスノーベアの攻撃をかわし、額に一発平手打ちをして、そのまま〈ウォーターカッター〉を撃ち込み、額に穴を開けた。
するとスノーベアは白目を向き、バタリと倒れた。
それを見ていた他のスノーベアは、怒り狂い一斉に襲い掛かって来た。
山奥にでも、逃げてくれれば良かったのだが、倒す気はなかったが、襲って来たからには遠慮なく討伐する。
このまま放置しても、街道まで下りて来て、人を襲うかもしれないしな。
こっちの勝手な都合ではあるが、人でも獣でも、襲われたら恨むのが当然だから、先に襲って来たコイツらが悪いと思い、残りの三匹にも、同様に攻撃をして倒した。
ここで四匹も解体は出来ないので、全て【アイテムボックス】に入れた。
日が陰り始める前に、一晩過ごした場所に戻り休むことにした。
そして明日の朝に、アヴァランチェに戻ることにする。
土で作った、かまくらの中に入っていると【マップ】には、生き物マークが、数多く表示されている。
スノーベアが居なくなった為に、小さい生き物が、巣から出てきたらしい。
今夜は森の中が、騒がしくなりそうだ。
早目の夕食を食べて、寝るまでの間に、シャルヴィネさんに頼んで買った装飾品(アクセサリー)に、魔法を付与(エンチャント)することにした。
ここなら誰も居ないので、邪魔が入ることもないし、見られることもない。
資料室でアレナリアに見せてもらった、付与に関する本と【万物ノ眼】の効果を駆使して、出来る限りの付与をする。
それぞれの特性にあった【付与】をして、あとは実際に魔法を試してみてから、追加で付与をすることにする。
三つの装飾品に、付与を終わらせたのは、深夜になってからだった。
遅いので、今夜はもう寝ることにした。
◇◆◇◆◇
収穫祭の前日まであと二日
「さむっ!」
焚き火が消えているので、寒くなり目が覚めた。
まだ夜は明けておらず、火を起こして温まる。
体が温まってから、土のかまくらを出てみると、雪が降っていて少し積もっていた。
暗い森の中で周囲を見渡してみると、離れた木の陰に、何かがうっすらと光っている。
【マップ】を確認し、辺りを警戒しながら、光っている所に行ってみたら、花が数輪咲いていたので、花を分析鑑定してみた。
『氷結花』
しんしんと雪積る場所に、希に咲く花。
夜明前に咲き、日が登ると共に花が散ってしまう。
花が開くと、青白くうっすらと光る。
発光している間に切り取り、切り口を常に冷たい水に浸しておくことで、一日は咲いた状態が保たれる。
花から取れる蜜には、あらゆる病に効く成分が、含まれていると言われている。
なるほど、蜜は薬になるのか。
しかし依頼には、氷漬けとなっていたが、咲いたままの状態で持ち帰るのは、難しいということか?
さて、この花を植え替えてから、持ち帰ることは出来るのか?
取りあえず調べた通りに、切り花にしてから持ち帰ることにする。
全ては採取しないで、3輪だけにする。
空いた小ビンを三つ出し、二つはその中に水と辺りの雪を入れて、1輪ずつ別々に、花瓶の代わりにした、小ビンに入れる。
残りの1輪を、根元の土ごと、小ビンに移しかえる。
それを【アイテムボックス】に入れてみた。
生物を入れることが出来ないと、アイテムボックスの説明に書いてあったから、切り花にしたんだけど、どうやら植物と言うか、花は大丈夫のようだ。
また機会があれば、植物が大丈夫か確かめてみようと思った。
花の採取が終わった後、空が明るくなってきたので、土のかまくらに戻り、朝食を食べてから帰る準備をする。
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