上 下
82 / 767
二章 アヴァランチェ編

77 ポピーの特訓 2 魔力切れ と 魔力譲渡

しおりを挟む
 アレナリアの言われた魔力操作を、なんとかクリアして喜んでいたポピーは、次の特訓に移ることになる。

「ポピー、何をそんなに喜んでいるの?」

「サブマス出来ました! 魔力操作で言われた通り、水玉を操りました」

「それじゃあ、見せてもらいましょうか。たまたま出来ただけじゃあ、意味がないからね」

「はい。見ててください」

「ポピー、さっきと同じように、慌てずにやれば大丈夫」

「カズさん。ありがとう」

「ポピー」

「お待たせしました。始めます!」

 ポピーは成功した時と同じように、一回一回を慌てずに、自分の行動を確認しながら、魔力操作を行う。
 ゆっくりではあったが、水玉を出し、それを崩さずに操作することが出来た。

「どうですかサブマス!」

「そうね、時間は掛かったけど、出来たから取りあえずは、良しとしましょう」

「アレナ…サブマス、もうちょっと褒めてあげても、良いんじゃないの?」

「まだ基礎よ。ここで褒めて調子に乗ったら、実戦で死に目に会うわ。そうならない為に、キツイ特訓をしてるんだから。全部ポピーの為よ」

「た、確かに(正論を言われたら、何も言えない)」

「そこまで私のことを、考えてくれたんですね。ありがとうございます。これからも、よろしくお願いします」

「わ、分かったわよ。ただし音を上げたら、もっと厳しくするから、覚悟しなさい」

 嬉しかったらしく、アレナリアは、ちょっと照れている。

「お、お手柔らかに(早まったかしら)」

 ポピーは若干後悔したような、表情している。

「それでポピー、魔力の方は大丈夫そうなの?」

「自分の感じでは、もう少し大丈夫だと思います」

「そう。じゃあ今度は、攻撃魔法の特訓をするから、向こうに移動して」

「はい」

「カズちょっと」(小声)

「何?」(小声)

「ポピーの魔力の残量を、常に見ておいて。倒れずに使用出来る、魔力量の限界を測る為の、特訓でもあるから。本人には、まだ内緒にしてるけどね」(小声)

「分かったけど、アレナリアも確か
アナライズ(分析)が使えるんでしょ? ならステータス見れるはずじゃ?」(小声)

「使えるけど、私はポピーの身体的なとこを見ておきたいのよ。魔法を使った時に、体への負担が、どの程度現れるか気になるしね。だからカズには、魔力量の変化を常に見ていてほしいの」(小声)

「分かったよ。ポピーの残り魔力は、三割程度しか残ってないから、気を付けて」(小声)

「分かったわ。ありがとう」(小声)

「サブマス、今回は、なんの魔法を使えば良いんですか?」

「そうね……カズも居ることだし、以前依頼で使ったって言ってた、ウォーターカッターにしましょう。的の岩を切断してみて」

「あれ(岩)を切断……分かりました。やってみます!」

 的用の岩は、高さ幅共に2mはある。

「フゥー……〈ウォーターカッター〉」

 ポピーは息を整えてから魔法を使い、手から水が勢いよく放出され続けてた。

 その放出されている水を、岩に当て続けているが、水圧が弱く、表面を傷付けてるだけで、切断するには程遠い。
 しかも魔法で水を放出し続けているので、魔力がみるみる減っていく。
 
 ポピー魔力《21/336》

 ポピーの魔力が、そろそろ切れそうなので、アレナリアに合図を送って、魔法を止めてもらう。 
 合図に気付いたアレナリアは、直ぐにポピーに魔法を止めるように指示した。

「そこまでよポピー。そろそろ魔力も切れる頃でしょ」

「わ、私なら大丈夫です」

「自分の魔力量を分かってないと、戦闘で足手まといになるし、場合によっては死ぬわよ。それで、本当にまだ出来そうなの?」

「い、いえ。少しふらつきそうに、なりました」

「魔法主体で戦う私達は、魔力が切れたら、仲間のサポートも出来なくて、自分だけならまだしも、仲間を危険にさらすことになるのよ。だから自分の使用出来る魔力量の限界を、知っておきなさい」

「はい。すいません。ご指導ありがとうございます」

「無茶をしないで、自分に見合った依頼を受けていれば、そうそう命の危険になるようなことは、ないと思うけどね。でも冒険者なんだから、常に危険が直ぐ隣に、あると思ってないと」

「はい。それで、サブマスはどうやって、私の魔力が残り少ないと、分かったんですか?」

「私の場合は、スキルで調べることが出来るから、それで分かったのよ」

「さすがサブマスですね。そういったそとの出来ない私はどうしたら?」

「先ずは感覚で、残りの魔力量を感じとることね。これも特訓! まあ手っ取り早いのは、何度も魔力を枯渇させて、倒れれば分かることだけどね。ただし一人これをやると、死ぬわよ」

「そんな怖いことを、一人ではしません! 特訓で死にたくないですから!」

「なら、残りの魔力量を感じとれるまで、毎回特訓で魔力切れる寸前まで、魔力を消費することね。そうすれば自然と、分かる様になるわ」

「それでも、毎回倒れる寸前まで特訓……(やっぱり死んじゃうよ~)」

「ポピー落ち着いて、例え話しだから。取りあえず一回休もうか」

「カズは甘いわね。まぁいいわ。ポピー、少し休憩してなさい」

 回復薬って、魔力も回復したってかな?
 疲労してるみたいだから、ポピーに渡しておくか。
 間違えて以前と同じ物を渡さないで、薄めた回復薬にしないと。

「はいこれ飲んで、少し休憩すると良いよ」

「ありがとうカズさん」

「今度はカズが魔法を使ってみて。ポピーも見て参考にしなさい」

「はい。カズさん、がんばってください」

「参考になるか分からないけど、同じ魔法を使うよ」

 先程ポピーが傷を付けた的の岩に、同じ魔法を放つ。
 前回はやり過ぎたから、今回は的の岩を、切断出来る程度に、威力を押さえて、ゆっくりと切断する。

「では〈ウォーターカッター〉」

 ポピーの時とは違い、手から放たれた細い水は、比べ物にならない勢いのある水圧で、的の岩を縦方向に切断していき、真っ二つにした。
 ゆっくりにしたつもりでも、時間は10秒と掛からなかった。

「これがカズの魔法……」(ボソッ)

「カズさんやっぱり凄い! でもサブマス、これじゃあ参考になりませんよ」

「……」

「サブマス?」

「そ、そんなことないわ。自分と何が違うか、考えることだけでも、参考になるものよ。そこでもう少し休憩しながら、考えてなさい」

「はい」

「次の的を用意するから、カズ手伝ってちょうだい」

「分かりました。ポピーは言われた通り、休んで待ってて」

「は~い」

 俺とアレナリアは、ポピーから離れた場所に移動した。
 するとアレナリアが、ポピーに聞こえないように、小声で話してきた。

「ねぇカズ」(小声)

「何?」(小声)

「私に魔法を習えば、カズと同じくらいの魔法が使えるって、ポピーに言ったわよね」(小声)

「……そんなことあったよ~な……」(小声)

「しらばくれないで!」

「声が大きいよ。あの時はつい誤魔化す為に……ごめん」(小声)

「ハァーどうしましょう」(小声)

「まだ習い始めたばかりだから、取りあえず、あの的にしてる岩の、半分ぐらい厚さを、切断出来るのを目標にしたら」(小声)

「そ、そうね。取りあえずそうしましょう」(小声)

「何をしたって、人それぞれ違うから」(小声)

「この借りは、今夜も一緒に寝ることで良いわよ」(小声)

「えぇー」

「カズ、声が大きいわ。それに一緒に寝るの嫌なの? 誤魔化す為に、私に押し付けたのに」(小声)

「うぐっ……わ、分かりました」(小声)

 その場しのぎに、アレナリアの名前を出して誤魔化したツケが、ここで回ってきてしまった。
 やはり知らない相手と、パーティーを組むのは、しんどい。
 なので、これからも一人で依頼をしていこうと思った。

 この後もポピーの特訓に付き合い続け、特訓を終える頃には、夕方になっていた。
 結局今日の特訓は、魔力操作を重点的にしていった。
 ポピーは何度も、自分の魔力量を見極めようと、魔力切れをおこし倒れていた。
 その度にアレナリアが【魔力譲渡】をして、魔力の回復をしてあげていた。
 魔力譲渡は、お互いの魔力適性や、魔法属性の相性が良くないと、譲渡率が悪く、あまり使うことはないと言う。
 アレナリアとポピーは、どちらも水魔法の適性が有り、しかも得意とするので、譲渡率は良いらしい。

 今日の特訓を終了したので、帰りがけに回復薬をポピーにあげた。
 俺とアレナリアは、ギルドには戻らず、そのまま家に帰る事にした。

「ふぅ~、やっと家に帰って来たわ」

「ふぅ~って、アレナリア殆ど動いて無かったと思うけど」

「魔力譲渡は疲れるのよ。自分の魔力を、相手に渡しちゃうんだから」

「魔力譲渡なんて、初めて知ったよ」

「使える相手が限られてるし、魔力量が渡す相手より多くないと、意味無いからね。上手くいかないと、魔力の無駄遣いだから、訓練とかじゃなければ、やらないのよ」

「へぇー! そうなんだ」

「カズもそろそろ依頼を受けなくちゃ。暫くの間は、ポピーの特訓もお休みだしね」

「何かあるの?」

「五日後には、収穫祭の前夜祭が始まるから、人が増えて忙しくなるのよ」

「収穫祭! そう言えば、そんなことがあるって聞いたな」

「アヴァランチェ以外の都市や、街に村からも人が集まるから、揉め事も増えるし、面倒な依頼も来るのよ。しかも今回は、盗賊が潜伏してる可能性があるから、とても厄介だわ」

「サブマスは大変だね」

「そうよ! しかもギルマスが、さぼり癖のあるあれ(ロウカスク)だから。昨日の書類も、収穫祭に関する物ばかりだったしね」

「ロウカスクさんには、しっかり働いてもらわないと」

「いざとなったら、ギルドの職員全員で、ロウカスクを縛り上げてでも、働かせるわよ! そうすれば収穫祭を、カズと回れる時間が取れるわ」

「んっ?」

「嫌なの?」

「嫌じゃないけど、アレナリア大丈夫? 凄い人が多いんでしょ」

「大丈夫よ……多分。それより夕食を食べたら、お風呂に入って……ムフフッ」

「……」

 残ってる材料で夕食を作り食べて、その後湯船にお湯を入れ、お風呂に入ったら、またアレナリアの部屋で、一緒に寝ることに……
 いつか一線を越えてしまいそうな、自分が怖い。
 アレナリアは好意をよせてくれているけど、俺はまだ……
 念の為に、お互いに何もしないと、今回もしっかり約束をした。
 アレナリアは俺がまた、抱き枕と間違えて、抱き付くと思ってるらしいが、そう毎回抱き付きはしない……と思う。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冒険者ギルド品質管理部 ~生まれ変わっても品管だけは嫌だと言ったのに~

犬野純
ファンタジー
レアジョブにも程がある。10歳になって判明した俺の役職はなんと「品質管理」。産業革命すら起こっていない世界で、品質管理として日々冒険者ギルドで、新人の相談にのる人生。現代の品質管理手法で、ゆるーく冒険者のお手伝い。一番のファンタジーは毎日不具合が出ているのに、客先のラインを停止させない作者の会社。愚痴とメタ発言が多いので、これをベースにもっと小説のような作品を書くことにしました。こちらは同業者の方達と同じ辛さを共有できたらいいなと リメイクしたほう。 愚痴少な目。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/647631500/829334015

異世界転移したので、のんびり楽しみます。

ゆーふー
ファンタジー
信号無視した車に轢かれ、命を落としたことをきっかけに異世界に転移することに。異世界で長生きするために主人公が望んだのは、「のんびり過ごせる力」 主人公は神様に貰った力でのんびり平和に長生きできるのか。

転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜

犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。 馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。 大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。 精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。 人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~

緋色優希
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

召喚されたけど要らないと言われたので旅に出ます。探さないでください。

udonlevel2
ファンタジー
修学旅行中に異世界召喚された教師、中園アツシと中園の生徒の姫島カナエと他3名の生徒達。 他の三人には国が欲しがる力があったようだが、中園と姫島のスキルは文字化けして読めなかった。 その為、城を追い出されるように金貨一人50枚を渡され外の世界に放り出されてしまう。 教え子であるカナエを守りながら異世界を生き抜かねばならないが、まずは見た目をこの世界の物に替えて二人は慎重に話し合いをし、冒険者を雇うか、奴隷を買うか悩む。 まずはこの世界を知らねばならないとして、奴隷市場に行き、明日殺処分だった虎獣人のシュウと、妹のナノを購入。 シュウとナノを購入した二人は、国を出て別の国へと移動する事となる。 ★他サイトにも連載中です(カクヨム・なろう・ピクシブ) 中国でコピーされていたので自衛です。 「天安門事件」

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

〈本編完結〉ふざけんな!と最後まで読まずに投げ捨てた小説の世界に転生してしまった〜旦那様、あなたは私の夫ではありません

詩海猫
ファンタジー
こちらはリハビリ兼ねた思いつき短編として出来るだけ端折って早々に完結予定でしたが、予想外に多くの方に読んでいただき、書いてるうちにエピソードも増えてしまった為長編に変更致しましたm(_ _)m ヒロ回だけだと煮詰まってしまう事もあるので、気軽に突っ込みつつ楽しんでいただけたら嬉しいです💦 *主人公視点完結致しました。 *他者視点準備中です。 *思いがけず沢山の感想をいただき、返信が滞っております。随時させていただく予定ですが、返信のしようがないコメント/ご指摘等にはお礼のみとさせていただきます。 *・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・* 顔をあげると、目の前にラピスラズリの髪の色と瞳をした白人男性がいた。 周囲を見まわせばここは教会のようで、大勢の人間がこちらに注目している。 見たくなかったけど自分の手にはブーケがあるし、着ているものはウエディングドレスっぽい。 脳内??が多過ぎて固まって動かない私に美形が語りかける。 「マリーローズ?」 そう呼ばれた途端、一気に脳内に情報が拡散した。 目の前の男は王女の護衛騎士、基本既婚者でまとめられている護衛騎士に、なぜ彼が入っていたかと言うと以前王女が誘拐された時、救出したのが彼だったから。 だが、外国の王族との縁談の話が上がった時に独身のしかも若い騎士がついているのはまずいと言う話になり、王命で婚約者となったのが伯爵家のマリーローズである___思い出した。 日本で私は社畜だった。 暗黒な日々の中、私の唯一の楽しみだったのは、ロマンス小説。 あらかた読み尽くしたところで、友達から勧められたのがこの『ロゼの幸福』。 「ふざけんな___!!!」 と最後まで読むことなく投げ出した、私が前世の人生最後に読んだ小説の中に、私は転生してしまった。

能力1のテイマー、加護を三つも授かっていました。

暇野無学
ファンタジー
 馬鹿の巻き添えで異世界へ、召喚した神様は予定外だと魔法も授けずにテイマー神に丸投げ。テイマー神もやる気無しで、最低限のことを伝えて地上に降ろされた。  テイマーとしての能力は最低の1だが、頼りは二柱の神の加護だけと思ったら、テイマーの能力にも加護が付いていた。  無責任に放り出された俺は、何時か帰れることを願って生き延びることに専念することに。

処理中です...