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第4章

80.ケイオセ(新章26話)

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そこら中で罠を発動させた事がもしかしたら攪乱になったのかもしれない。

玉座の間からは今の所は大きな瘴気も感じないし、プレッシャーもない。何かがいる感覚はあるのだが、それが極端に小さいのだ。

「もう侵入している事はバレてるんだから、ユリアは霧を出して、ステータスの石を敵にかざしたら、とにかく一旦帰還するから。んで作戦会議ね」

「歯磨きをするまで二度と口を開かないでください。 雲の第五剣技~高層」

辺りが霧に包まれていく。力が入っているのだろう。いつもより濃い。

「びゅう」『何かいたよ。霧でよくは見えないけれど玉座の上にいた。なんなんだろうあれは。異質な存在だし、魔力の底が見えない感じだよ。魔人っていうのは常に規格外な存在なんだろうけど・・・レン、逃げる事は別段悪い事じゃないよ。君はまだ幼いんだ。まだまだ強くなれるんだし、まだまだ先に進める。そもそも・・・』

風の精霊が不安をあおるのは珍しい。やはりいるのか。僕は魔法でダブルを作る。作戦が失敗しても構わないが、少なくとも戦闘だけは避けなければならない。

「いまだ!」

ダブルを玉座から右回りに走らせる。すぐさま僕たちは左回りに移動する。ダブルに気がついてダ攻撃をしてくれれば力の程度が分かるし、上手くいけばステータスの石を使うチャンスにもなる。

ハイド&シークの空間の中、更に魔力を抑えてダブルに注意を引き付ける。そして、巨大な玉座の足元へとたどり着く。ダブルは玉座の右奥へ、幸か不幸か、攻撃された気配はない。

「リリィ。この椅子の上だ。僕を抱えて飛んでくれ。ユリアは」

「お任せくださいレン様!2人くらいリリィは余裕でございますぅ!」

作戦を伝える前にリリィが僕たちを抱えて飛び上がる。僕の作戦が聞くに堪えないと言う意味ではないと必死に言い聞かせているうちに、椅子の上へと昇ってしまった。

霧の中に何かいる。明らかに異質な、レイザンの魔人に似た感覚。僕はステータスの石を翳した。

【 名 前 】ケイオセ
【 性 別 】オス
【 状 態 】ねむり
【ラ ン ク】S+++
【 レベル 】999
【 H P 】4/4
【 M P 】99999/99999
【物      攻】2
【物      防】1
【魔      攻】1
【魔      防】1
【 俊  敏 】3
【 知 力 】50
【  運  】1
【特   技】「いやいやびーむ」
【固有スキル】『物理魔法攻撃無効』『永遠の命』『言語理解』『悪臭』『童貞の呪縛』『雑食』『毛嫌い』
【 備 考 】不明

「・・・・・・・・・・・・」←レンだよ

「・・・・・・・・・・」←ユリアだよ

「?」←リリィです

僕は取りあえず強めに魔人を踏んでみた。

「zzzうーん、女王様~激しくおねがいしまzzzzz」

「第2剣技 巻積」

ユリアの攻撃で玉座の下に魔人が吹っ飛んだ。

「zzzそう、そう激しくzzz」

しかし効果はないようだった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
最近更新できずスイマセン。部署が変わったと言うか、4月から1時的に忙しくなっております。
ゴタゴタが終わるまでは休みがなく、予約投稿を一気にしてる状態です。いずれ埋め合わせを。
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