上 下
97 / 107
第4章

72.地下3階(新章18話)

しおりを挟む

地下3階に広がるのは伝承曰く、魔人街である。恐ろしい名前はそのままの意味で、多くの魔人や魔獣が人間の奴隷を働かせながら、日々を過ごす住居だった場所である。居住空間であるためか、ここまでの空間と違い、天井が広く高い。街にはいる為の鉄柵の付いた大きな門が、その規模の大きさを表している。

魔王城も近い土地であったこの四天王の洞窟では、当時の魔人クラスがかなりの数、住み着いていたそうだ。その事実も恐ろしいが、そんな所に4人パーティで乗り込み全員を蹴散らした第二の勇者の存在も恐ろしい。

そんな街もここまで同様、既に廃墟と化しており、時間の経過によって石やレンガで出来た家の骨格は残っているものの、木でできたドアや、ガラス窓の部分は大部分が朽ち果てていた。

「この鉄柵は開きませんので中には飛んではいりましょう!」

リリィが僕とユリアを抱きかかえて飛び上がった。そういえばリリィは空を飛べる数少ない天人族だとか。

あれっ?だったら1階とか飛んでいけばスライム倒す必要も無かったんじゃね?などと思いつつ、僕は市街地に入り込んだ。

辺りを見渡すと、本当に人間の街並みに酷似している。奴隷の人間に作らせたのだろうし当然かもしれないが、魔人にもそう言った所に住みたいと思う感情があるのだなと考えてしまう。

でも、今はそれよりも、だ。

「感じますね・・・視姦されてますね。興奮します。そうじゃないっ!」

ユリアの言葉に緊張が走る。確かに魔物の気配がする

「集団で統率されている様です。数は前に4、右2、左4、後ろ5です。囲まれてますFUCK!」

僕よりもユリアの方が把握しきってる。すごい。

「凄いなユリア。それも雲魔法?」

「雲の第5剣技高層です。いちいち褒めないでください。下心が見え見えで汚らしいです」

「・・・僕も風の精霊に頼んで索敵をしました。全部同じモンスターの様ですね。取りあえず一匹おびき出してステータスを見ます。厳しそうだったら逃げるので合わせてください。まじで」

「レ、レン様、リリィが飛び上がるので安心をしてくださいましぃ」

リリィが怯えている。不味いな。運が良いとはいえ攻撃が当たればまず絶命だろうし、ここまでがっつり人を守りながら戦うのは初めてだ


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

最近忙しくてなかなか厳しいです。更新が止まることもあり、申し訳ありません。

月末までには落ち着きそうなのですが、順位下がります。お気に入り登録是非しておいてください。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R18】童貞のまま転生し悪魔になったけど、エロ女騎士を救ったら筆下ろしを手伝ってくれる契約をしてくれた。

飼猫タマ
ファンタジー
訳あって、冒険者をしている没落騎士の娘、アナ·アナシア。 ダンジョン探索中、フロアーボスの付き人悪魔Bに捕まり、恥辱を受けていた。 そんな折、そのダンジョンのフロアーボスである、残虐で鬼畜だと巷で噂の悪魔Aが復活してしまい、アナ·アナシアは死を覚悟する。 しかし、その悪魔は違う意味で悪魔らしくなかった。 自分の前世は人間だったと言い張り、自分は童貞で、SEXさせてくれたらアナ·アナシアを殺さないと言う。 アナ·アナシアは殺さない為に、童貞チェリーボーイの悪魔Aの筆下ろしをする契約をしたのだった!

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活

SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。 クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。 これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。

ヒューマンテイム ~人間を奴隷化するスキルを使って、俺は王妃の体を手に入れる~

三浦裕
ファンタジー
【ヒューマンテイム】 人間を洗脳し、意のままに操るスキル。 非常に希少なスキルで、使い手は史上3人程度しか存在しない。 「ヒューマンテイムの力を使えば、俺はどんな人間だって意のままに操れる。あの美しい王妃に、ベッドで腰を振らせる事だって」 禁断のスキル【ヒューマンテイム】の力に目覚めた少年リュートは、その力を立身出世のために悪用する。 商人を操って富を得たり、 領主を操って権力を手にしたり、 貴族の女を操って、次々子を産ませたり。 リュートの最終目標は『王妃の胎に子種を仕込み、自らの子孫を王にする事』 王家に近づくためには、出世を重ねて国の英雄にまで上り詰める必要がある。 邪悪なスキルで王家乗っ取りを目指すリュートの、ダーク成り上がり譚!

嫌われ者の悪役令息に転生したのに、なぜか周りが放っておいてくれない

AteRa
ファンタジー
エロゲの太ったかませ役に転生した。 かませ役――クラウスには処刑される未来が待っている。 俺は死にたくないので、痩せて死亡フラグを回避する。 *書籍化に際してタイトルを変更いたしました!

処理中です...