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第5章 生きるためにかえす
59話 嫁の機嫌を取る夫という古典組曲
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塔の2階に多く生息するのはスノーラビホーンレベル6。白くて丸い雪うさぎだ。つぶらな瞳が特徴で、身の危険を感じると長くモコモコの毛を針のように尖らせて突進してくる。
「俺の斧の錆びにしてくれるっす!」
一瞬で真っ二つになる白ウサギ。中身が周囲に飛び散る。他の白ウサギが弔うように死んだ白ウサギの元に駆け寄ってくる。
「群がると一段と気持ち悪いっす!ゴミ掃除ッす!」
キューゥ
何十匹もの可愛いウサギを斧で笑いながら切り裂いていくモブモブ。
「うわぁ…これはエグいで…」
「ど、どんだけ~」
「取りあえず手を合わせよう。僕達に出来る事は、彼らが天国に行くのを願うくらいだよ」
地球出身組は積み上げられた死体に手を合わせる。ヨーコは道順を確認している。
塔の3階は森林地帯だ。数多くのモンスターが共存しているようだ。
まずはムサもん。体の膜を広げ滑空しながら攻撃してくるモンスター。体長は10cm~15cm短い毛と大きな眼が特徴。
「膜とか変な構造ッす。斧の面の部分で潰してやるっす!」
続いてエレファン。大型の物なら2mを超える鼻の長さと牙が特徴のモンスター。
「これはかなり小型っす!きっと子供っす!簡単に殺れるっす!」
フクフクロウ。夜行性で夜は羽を刃のように飛ばし、攻撃する。昼は寝ている。
「昼はただの試し切りモンスターっす!ゆっくり歯を当ててそぎ殺すッす!」
もうモブモブの事を人とは思えない。リュウは敵意を持ってモブモブを見てるし、タンゴは泣いている。この残酷な光景とモブモブの発言は、地球人の心を痛ませるには十分だった。
「この調子ならお供なんていらなかったっすね!皆殺しにできるっす!あれっ?何でみんな暗いっす?出番が無くて凹んでるっす?ざまぁっす!へぶっ!」
「すまん。わてコイツ苦手みたいや。かる~く殴っただけやさかい許してな」
「私は何も見てないわ~。こんな奴お会計して正解よ」
「僕はまぁどっちでも良いんだけど、会長が何ていうか…」
僕達は3人でヨーコを見る。会長の命を無視する社員など、いつ切り捨てられてもおかしくはない。この場合の切り捨てるが、本当に体を切り捨てる事なのもみんな周知のとおりだ。
「別にいいわ。正直1階までは監視もいたみたいだけど、2階以降は巻いたし、ここからはリュウの障壁で防御しながら上を目指しましょう。リュウ。私の周りの障壁を全体へ広げて。」
「会長、慈悲深きご配慮、感謝致します。障壁魔法拡大や!」
主従が強い!!
「会長、もし宜しければこちら会長の好きなハーブティーですわ。お疲れのようです。一旦休むのはいかがでしょう?」
「大丈夫よタンゴ。早く行きましょう。いつもご苦労様」
媚にこびている!!!
「なぁヨーコ、この強すぎる関係性、止めないか?なんか結びつき方が変に強固というかなんというか・・・」
「あーら、あなたが元地球出身とかで3人で連帯感強めたり、借金まで肩代わりしだしたんでしょ?だから私は4人で新たな関係を築くよう努めているだけです。行きましょう。2人とも」
「「はっ会長!」」
何てこった。つまりあれか、この支配制度は俺がヨーコ以外と仲良くなったことによるヨーコの報復だったって事か?3人で仲良くしないで私も入れて!の馴れの果てだってことか・・・わかりずらいわ!友人と妻とじゃ関係性が違うだろ!なんという病んデレか!
いやまぁ勝手に借金とか、店も、仕事も、2人の為の物を失ってしまったのは事実か…
よし、決めた。このダンジョンの中でヨーコの機嫌を直す!そして元の明るいヨーコを取り戻すんだ。決めた。よし頑張ろう。俺頑張ろう。
僕はそう思いながら気絶するモブモブを担ぎ、よろよろと3人の後方を追いかけた。
六花の結晶のある塔の12階まであと8階!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
良いペースで来ています。続きは19時にはアップしたいです。
登録・感想待ってます。頑張ります。
「俺の斧の錆びにしてくれるっす!」
一瞬で真っ二つになる白ウサギ。中身が周囲に飛び散る。他の白ウサギが弔うように死んだ白ウサギの元に駆け寄ってくる。
「群がると一段と気持ち悪いっす!ゴミ掃除ッす!」
キューゥ
何十匹もの可愛いウサギを斧で笑いながら切り裂いていくモブモブ。
「うわぁ…これはエグいで…」
「ど、どんだけ~」
「取りあえず手を合わせよう。僕達に出来る事は、彼らが天国に行くのを願うくらいだよ」
地球出身組は積み上げられた死体に手を合わせる。ヨーコは道順を確認している。
塔の3階は森林地帯だ。数多くのモンスターが共存しているようだ。
まずはムサもん。体の膜を広げ滑空しながら攻撃してくるモンスター。体長は10cm~15cm短い毛と大きな眼が特徴。
「膜とか変な構造ッす。斧の面の部分で潰してやるっす!」
続いてエレファン。大型の物なら2mを超える鼻の長さと牙が特徴のモンスター。
「これはかなり小型っす!きっと子供っす!簡単に殺れるっす!」
フクフクロウ。夜行性で夜は羽を刃のように飛ばし、攻撃する。昼は寝ている。
「昼はただの試し切りモンスターっす!ゆっくり歯を当ててそぎ殺すッす!」
もうモブモブの事を人とは思えない。リュウは敵意を持ってモブモブを見てるし、タンゴは泣いている。この残酷な光景とモブモブの発言は、地球人の心を痛ませるには十分だった。
「この調子ならお供なんていらなかったっすね!皆殺しにできるっす!あれっ?何でみんな暗いっす?出番が無くて凹んでるっす?ざまぁっす!へぶっ!」
「すまん。わてコイツ苦手みたいや。かる~く殴っただけやさかい許してな」
「私は何も見てないわ~。こんな奴お会計して正解よ」
「僕はまぁどっちでも良いんだけど、会長が何ていうか…」
僕達は3人でヨーコを見る。会長の命を無視する社員など、いつ切り捨てられてもおかしくはない。この場合の切り捨てるが、本当に体を切り捨てる事なのもみんな周知のとおりだ。
「別にいいわ。正直1階までは監視もいたみたいだけど、2階以降は巻いたし、ここからはリュウの障壁で防御しながら上を目指しましょう。リュウ。私の周りの障壁を全体へ広げて。」
「会長、慈悲深きご配慮、感謝致します。障壁魔法拡大や!」
主従が強い!!
「会長、もし宜しければこちら会長の好きなハーブティーですわ。お疲れのようです。一旦休むのはいかがでしょう?」
「大丈夫よタンゴ。早く行きましょう。いつもご苦労様」
媚にこびている!!!
「なぁヨーコ、この強すぎる関係性、止めないか?なんか結びつき方が変に強固というかなんというか・・・」
「あーら、あなたが元地球出身とかで3人で連帯感強めたり、借金まで肩代わりしだしたんでしょ?だから私は4人で新たな関係を築くよう努めているだけです。行きましょう。2人とも」
「「はっ会長!」」
何てこった。つまりあれか、この支配制度は俺がヨーコ以外と仲良くなったことによるヨーコの報復だったって事か?3人で仲良くしないで私も入れて!の馴れの果てだってことか・・・わかりずらいわ!友人と妻とじゃ関係性が違うだろ!なんという病んデレか!
いやまぁ勝手に借金とか、店も、仕事も、2人の為の物を失ってしまったのは事実か…
よし、決めた。このダンジョンの中でヨーコの機嫌を直す!そして元の明るいヨーコを取り戻すんだ。決めた。よし頑張ろう。俺頑張ろう。
僕はそう思いながら気絶するモブモブを担ぎ、よろよろと3人の後方を追いかけた。
六花の結晶のある塔の12階まであと8階!
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良いペースで来ています。続きは19時にはアップしたいです。
登録・感想待ってます。頑張ります。
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