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ギル
しおりを挟む次の瞬間、ギルさんが突然僕の腕を掴んで自分の方へ引き寄せた。
「………ッ!!…やっ!!!!」
声を出そうとした瞬間、手で口を塞がれてものすごい力でテーブルの上に捩じ伏せられた。
さっきの衝撃で床に転がったポットの紅茶がカーペットに溢れ、シミを作る。
「ルーシェ、お前は父上の性奴隷なんだろう?希少種の中でも特異な容姿のお前がただのメイドな訳がない。」
声が出せず、とにかく何とか逃げようともがいてみるけど力が強すぎてびくともしない。ギルさんは乱暴に僕の服の胸元を引っ張り、襟元を留めていたホックが外れて首輪が露わになった。
「なんだ、首輪なんか着けて…。ははっ!やはりいやらしいメス犬じゃないか!」
怖い…っ!!
ギルさんはそのまま僕の腕を自分のベルトで縛り上げ、口にハンカチを押し込んだ。
「ふふっ、性奴隷らしくなった。」
ギルさんが僕の耳に舌を這わせて囁いてくる。気持ち悪くて鳥肌が立つ。
ギルさんが抑え付けたままスカートの裾を捲り上げてショーツを下ろした。
無理矢理大きく脚を開かせて僕の割れ目を指で撫でると、くちゅ、と水音がした。
「………あ、ぅ……っ!!」
いやだ!!いやだ!!気持ち悪い!!
「なんだ、もう濡れてるじゃないか」
違う!違う!!それはさっきご主人様と…っ!!
抵抗しようと身体を捩っても、やはりびくともしない。声にならない声を出しても部屋の中で虚しく響くだけだった。
ギルさんが服をゴソゴソし始めて、僕の股間に硬いものが当てがわれる。
いやだ……っ!!まさか…!!?
背筋が凍る。
首筋にすうっと冷たい汗が流れて、ギルさんはそれを味わうように舐め上げた。
気持ち悪い…吐き気がする。
「こんな美しい性奴隷なんて父上にはもったいない。私のものになれ!」
僕はブンブンと激しく首を横に振った。
次の瞬間、僕の中にギルの肉棒が捩じ込まれた。
「ふぅ……っ、ん…っ!んぅっ!!」
「ふっ、使い込まれてる割には随分と締め付けてくるじゃないか、この淫乱が」
一気に奥まで貫かれて、ゆっくりと揺さぶられる。ご主人様に躾けられた身体が心とは裏腹に反応して快感を拾い上げてしまう。
「はぁ…、ん…っ、んぅっ!!」
奥をグリグリと刺激されるたびに身体が熱を持って快楽の波に襲われる。
いやだ…、こんなの、絶対嫌なのに!
レイプされて気持ち良くなってるなんて…僕は最低だ…!
自分に絶望する。
目から涙が溢れてくる。
「ああ…っ!!いい、いいぞ!すぐにイッてしまいそうだ!!」
腰の動きが早くなる。その激しさを物語るようにテーブルの上のティーセットがガチャガチャと揺れた。
「んっ、んぅっ!んんんッッッ!」
「さぁ、たっぷり注いでやるぞ!新しいご主人様の種付け汁を味わえ!」
熱い精液が容赦なく僕の膣奥に吐き出されたと同時に僕もイッてしまった。
やだ…うそ……、赤ちゃん…いるのに。
自分に絶望したこととイッてしまったことで身体に力が入らない。
ギルさんはグッタリとしている僕の口の中のハンカチを抜いてキスをしてきた。
舌で僕の口の中を満遍なく舐め回す。
ようやく口が離れるとギルさんは僕と自分の服装を正した。
「はぁ、気持ち良かった。お前も気持ち良かっただろう?これから私がここにいる間、沢山可愛がってやるからな」
「……ぃや、…いやだ…っ」
僕は泣きじゃくりながら力なく首を振る。
「ふん、父上に私とセックスしたことを言ってもいいのか?」
僕はハッとする。
ご主人様はただでさえ過去で傷付いてきた。あんなに僕を大切にしてくれたご主人様を裏切ったなんて…。
でも、やだよ…嫌だよ、そんなの…。
「私は別に構わない。元々父上とは疎遠であったし。もし父上に棄てられたら私の元でじっくり可愛がってやるよ。」
いっそのこと、言ってしまおうか。
僕とご主人様の本当の関係を。
僕のお腹に宿った奇跡の話を。
いや……子供の事は極秘だ。
僕が勝手に言ってもし広まってしまったら…。伯爵位を持っているご主人様は…。ご主人様を困らせたくない…。
色々な感情がグルグルと駆け巡るけど、その内容は支離滅裂で、僕の頭の中は絶望で埋め尽くされて良い答えなど浮かんでくるはずもなかった。
エドワードさんが代わりのメイドさんを連れて戻ってきて僕は部屋を後にした。
もう嫌だ!あんなやつ…あんな奴!!
ご主人様の息子だし少しでも仲良くなれたら、なんて思ってた自分が馬鹿みたいだ…!!
足早に屋上庭園に戻ると僕はすぐにお風呂に入って身体中を何度も何度も洗った。ずっと涙が止まらなくてシャワーと一緒に流していた。
どれくらいそうしていたのか。
「ルーシェ?風呂か?」
ご主人様の声がしてハッとする。
僕は急いでお風呂から上がって、ご主人様を笑顔で迎えた。ご主人様がぎゅっと優しく僕を包み込む。
「…すまない。今日はとても嫌な思いをしただろう」
ご主人様の温もりに僕はまた泣きそうになって、グッと堪えて笑顔を作る。
「すごく緊張したけど、大丈夫」
ご主人様は「そうか」と僕の髪を撫でてキスをしてきた。
胸がズキズキと痛んだ。ご主人様の笑顔が辛い。
「僕、緊張してすごく疲れちゃったから先に休ませてください…。」
僕が言うとご主人様は笑顔で「勿論」と言って休ませてくれた。
ベッドに入って目を閉じる。
ごめんなさい。ごめんなさい。
僕は心の中で何度も謝った。
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