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4章 消えた彼らが行く先は

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 グレンは閉店間際の店で野草の束を買う。時々やってくる馴染み客の顔に、店主は笑顔で迎えた。

「よう。また『賢者さん』の使いかい?」
「あぁそうだ。まったく、ちぃっと移動が早いってだけで人使いが荒い野郎だよな」

 先程儲けた金を店主に渡すと、グレンはさっさと外へ出る。夜風が冷たい。盛り場の喧騒で火照った体に染みる。柄にもない代物を抱えて夜道を歩く彼はまた煙草を手にした。
 暗い街道、ふと嫌な気配を感じる。火をつけようとした煙草をしまい、彼は注意深く周辺を見渡す。

(なんだ? 今、どっかから俺を見てる気配が……)

色男は辛いぜ、と適当な冗談が脳裏を過るが、どうも様子がおかしい。

「目標確認しました。如何なさいますか、マスター?」
「やっちまえ」

 パァン!!

 と、破裂音が響いた。

(おいおい、嘘だろ……)

 食らった衝撃で倒れる瞬間に、グレンは先程出会った妙な少女の言葉を思い出す。ドサ、と地面に倒れてから、自分の肩から血が流れている事に気が付く。
もし後数センチ傷がずれていたら致命傷だった。本当に死んでいたかもしれない。無意識のうちに咄嗟に構えた事が幸となり、その一発の弾丸は何とか耐える事ができた。

 激痛と流血の量で意識が朦朧としてきたところで、覚えのある男女二人の声を聞いた。

「機関の意向もよくわからねぇが……それ以上に俺様はコイツをぶっ殺したい。忘れたとは言わせねぇぞ、あのゲームをな!」
「マスター、静かに。人が来る前に即座に拘束すべきです」
「わーってる、わーってる。シーラ、お前少し生真面目すぎねぇか」

 横たわるグレンに手を伸ばしたところで、反射的に女性の方が遮る。

「人が来ます、マスター」
「ちっ……! あと少しだったのによ……! 覚えてろよこの野郎!」

 二人組はすぐさま木陰に姿を消した。

 ――意味、わかん、ねぇ……――

 遠退きそうになっていたグレンの意識を留めたのは、銃声にいち早く気付いた旅人達の一行。そのまま彼は一行に保護される。
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