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13.アルバイトの面接

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 自転車で50分かけてアルバイト先に着いた。
 街に出ると飲食店も沢山あるんだな。

 アルバイト先はイタリア料理の店らしい。
 俺もイタリアンは好きだから楽しみだな……。

「あ、面接の子かな!?よろしく!」
 なぜか俺じゃなくてエマに店員の視線がいっている。

「隣の方は……お父様ですか??」

………………ん???俺のことか????

「ちょっと!!井上くんお父さんに間違えられてる!!!笑」
 エマは爆笑しだした。

 なんの仕打ちだ。50分も掛けてこの俺が来てやったのにそのセリフは。

「今日面接予定の井上です。……友達と来ていいってあったので、友達も誘いました。」

「……あ~~~!!!そうだったんだね!!!失礼しました!!!では面接していきますね!!!」

 ――――――――

 なんとか面接が終わった。
 どうなることかと思ったが、無事受かったようだ。
 エマは終始ニコニコして受け答えして、店員もデレデレしていた。本当に外面がいい奴だ。
 エマはお客様と沢山関わるフロア担当。俺は料理を作るキッチン担当になった。

「えーと、井上くん……。ちょっと言いにくいんだけど、入る制服がギリギリかもしれないから……少し痩せてくれると助かるかも!!あと……一応お客様の視界に入ることもあるから、清潔感も少し出しておいてね……!!!」

 店員はこんなことを言った。
 まじか……。俺が見た目について他人からアドバイスを受ける日が来るなんてな……。
 視界に入るってなんだよ……視界に入るって……。
 本当に最悪だ。

「あ!井上くん!面接も終わったし、ここで食べていかない??」
 エマは期待に満ちた顔で俺に提案してきた。

「……おう、イタリアンは好きだ。食べていくか」

 俺はメニューを見て驚愕した。

 ミラノドリアが300円!?!?!?
 なんだこの価格は!?!?!
 3000円の間違いじゃないのか!?!?!

「おい!!!ここの店安すぎるぞ!!!なぜだ!!!!!なにか隠していることがあるのか!?!?」

「え……井上くん15年も人間やってきてるのに、サニゼ知らないの???格安で本格的なイタリアンが食べれるファミレスなんだよ~!!」

 エマは嬉しそうにお子様メニューの間違い探しをしていた。女神のくせに俺よりこのファミレスに詳しそうだ。

 ……まあ、この値段なら貧乏人の食事ってことでかなり味も落ちるだろうな……。しかしかなりの空腹だ。砂を食べるよりマシだろう……。

 俺は一番人気のミラノドリアを注文した。

 熱々のドリアが運ばれてきた。
 なんだ……思っていたより美味しそうだな。
 まあ見た目はどうあれ肝心なのは味だ。
 俺は恐る恐るドリアを口に運んだ。
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