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真相3

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国王は正面からダグラスとフランを見据える。



「貴様の話をまとめると、自身を王太子と思い込みフランと結婚をしたいがために王太子の婚約者であるエレンを殺害しようとした。これで、間違いないか?」


ダグラスは己の仕出かした罪の重さに気付いて、それをこうして責められていることに後悔と恐怖に苛まれ否定も肯定もできずただ口をパクパクさせていた。


だが、フランは少し違っていた。

ダグラスが王太子だというからこんな無茶な行動に出たというのに、こんなことになるなんて想定外だった。




「父上、お待ちください」


話の腰を折ったのはカインだ。彼はさっき国王が言った「エレンを殺害しようとした」という言葉を聞き流すことはできなかった。


「カイン・・待て」

「いいえ、待てませんっ!こいつは、オレのエレンを殺そうとしたっ!」


怒りで暴れ出したいのをグッと我慢しているのが誰の目にも明らかだ。

貴族たちも同じ気持ちなのかカインの行動に賛成しているようで、みんな大きく頷いていた。



「愚かな兄、いやクズ!オレに何か言うことがあるんじゃねえのかっ!」



背筋が凍るような殺気を放ち、今にも飛び掛かって来そうな勢いにダグラスは腰を抜かしたのか尻で後ずさる。



「ま、ま・・待て・・私は・・本当に知らなかったんだ!王太子だと思ってたんだっ!だから・・」

「だから何だ?自らの欲望のためにオレのエレンを殺そうとしたのか?」



ゴォオーっとカインの全身から魔力が発動する。


一歩、一歩とダグラスに近づいていく。



「ここで、貴様を始末してやろうかっ?」



カインの手にはダグラスのとは比べ物にならないほどの大きなファイヤーボールが出来上がっていた。



「ひっい!!」


恐怖で顔が歪み地面を這いつくばいながら逃げようとするが思うように動けず、情けないことに泡を吹いて気絶したのだった。


「チっ!気絶しやがった」


怒りを発散することが出来ず、不満なカインはダグラスからフランへと標的を変える。


少し離れたところにいたフランはカインと視線があって悲鳴をあげた。


「ひぃぃぃぃいいい―――っ!!こ、こない・・でぇええ」


「フラン、貴様はなぜクズを止めなかったっ?止めていたらこんなことにはならなかったはずだ」

「い、いやああああ―――っ!!」


ダグラスと同じように地面に這いつくばり逃げようとするがカインはそれを許すはずがない。


少しづつ近づいてくるカインにフランは何もかもぶちまける。



「わ、私は・・ただ贅沢をしたかっただけだ!この国で一番になりたかった!自由に生きたかった。そのためなら何でもした。ダグラス様に取り入り邪魔する者は消えてもらった。私はこの世で一番美しいだから何をしても許される存在なんだ。みんな私に跪きあがめるべきなんだ。ハハハハハっ―――」



「貴様も自らの欲望のために、王子であるダグラスを利用してこの国を支配しようとしたってことか?」


「そうさ、何もかも私の物だ。キレイな服も宝石もお金も美味しい作物も貴族も王族も何もかも私の物。ああっ、何という優越感。私はこの世界の頂点に立つんだ・・」






気がふれたのか目の焦点は合っておらず口からは涎が流れ股間は濡れていた。





そこには陰謀をはかったフランはいなかった。





ただ、自分の世界に浸っている愚かな人間がいた。










何とも後味の悪い事件である。









さてこれで、一件落着と言いたいところだがそうはいかなかった。





この後、最も最悪な断罪が残されていたのである。













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