上 下
7 / 15

騎士団長ラルク

しおりを挟む
あの時、相手は誰か最後まで教えてくれなかったが、だいたいの予想はついていた。

前からオレの傍にいた宰相のユリアスか騎士団長のラルクのどちらかと思っていたがまさか二人ともだとは思わなかった。

でも、まあ気心の知れた相手でよかった。


結婚式まで一年あるしその間に色々しなくちゃいけないこともある。決して気楽とはいえないが淡々とこなしていくことにするか。


今はとにかく、眠い。
















「陛下、今何とおっしゃいましたか?」



陛下の執務室に呼ばれ極秘事項だと話された内容に耳を疑った。



「だから、そなたをルークの婚約者に指名すると言っておるのだ」


「私がルーク様のですか?」


「ああ、そうだ。何だルークでは不服か?」


「いえ、そうではありません。大変光栄なことではありますが・・その、私でよろしいのですか?」


「実はまだ極秘だがルークを王太子に指名することとなった。さしてはそなたの力が必要なのだ・・」


「―――っ!ルーク様が王太子にということは、お子を・?・」

「そうだ。ルークに聞いたのがつい先日であっての。そなたの他に宰相のユリアスを指名してある。」

「宰相のユリアス殿を・・」

「ああ、二人でルークの盾となり国を盛り上げていってほしい・・」

「わかりました。この騎士団長のラルク。宰相のユリアス殿と共にルーク様と婚約を結び伴侶となりこの身を捧げることを誓いましょう」

「うむ、頼むぞ。ラルク」

「はい・・しかし第一王子のキース様と第二王子のヒュース様は承諾されているのですか?」

「大丈夫だ。それにあやつらには王位に就くことはできぬ」

「それは何ゆえに?」

「詳しいことは、三人がそろってから話そう」

「わかりました。その時まで・・」


二人の兄を差し置いて王太子に指名されたルーク様。これから発表があるまで護衛を強化した方がいいな。横やりが入るとも限らないし・・しかし、お二人が王位に就けない事情とは何なのか気になるな・・。


まずは宰相のユリアス殿を訪ねるか。色々密談をしなければいけないようだし・・。


国王の執務室を出た足でそのまま宰相の執務室へと向かうのだった。


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

婚約破棄だ!〜キレた婚約者が、王子を蹴り潰したら王子がドM化した〜

ミクリ21
BL
タイトルのままです。

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

婚約破棄だ!しかし、両親からの残念なお知らせ

ミクリ21
BL
婚約破棄を言い出した王子は、両親からの残念なお知らせにショックを受ける。

聖賢者は悪女に誑かされた婚約者の王太子に婚約を破棄され追放されました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

「婚約を破棄する!」から始まる話は大抵名作だと聞いたので書いてみたら現実に婚約破棄されたんだが

ivy
BL
俺の名前はユビイ・ウォーク 王弟殿下の許嫁として城に住む伯爵家の次男だ。 余談だが趣味で小説を書いている。 そんな俺に友人のセインが「皇太子的な人があざとい美人を片手で抱き寄せながら主人公を指差してお前との婚約は解消だ!から始まる小説は大抵面白い」と言うものだから書き始めて見たらなんとそれが現実になって婚約破棄されたんだが? 全8話完結

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。 男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。 メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。 奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。 pixivでは既に最終回まで投稿しています。

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか

Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。 無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して―― 最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。 死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。 生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。 ※軽い性的表現あり 短編から長編に変更しています

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)

ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。 僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。 隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。 僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。 でも、実はこれには訳がある。 知らないのは、アイルだけ………。 さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

処理中です...