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8‥盲目
しおりを挟むソラ ソラ ソラ ソラ ソラ
ソラ ソラ ソラ ソラ
ソラ ソラ ソラ
ソラ ソラ
ソラ
ソラ
もう‥ソラの事しか考えられなくなっていた。
俺の側で眠る幼い子供のようなソラを見ながら初めて会った日の事を思い出した。
番のいる者たちが「会った瞬間に自分の番だと分かった」といっていたがその意味が今わかった。
俺は見つけた。
運命の番を…
ソラを
☆☆☆
「皇太子ゲートが開きました」
報告を受けたとき胸が高鳴った。
100年ぶりのゲート扉が開いた。
調査の為の準備をし1年前からこの日を待っていた。
異世界への調査だ。
ゲートと言われる門は100年に一度決まった日の30日間のみ開き我が国に恩恵をもたらして来た。過去の文献のよると向こうの世界では人間しかおらず獣人はいないそうだが我々の獣化した姿に酷似した生き物が多数存在していると記載されている。
俺の姿は狼に酷似していた。
こちらの1日が向こうの5日に当たる。
不思議だ。
じつに・・・
調査へ志願したとき国王から反対されたがナンとか説得した。
俺は今から部下たちとゲートに入っる。今までに味わったことのない高揚感に包まれていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゲートに入ると不思議な空気に包まれた。身体がフワフワし足下がふらつく。3歩ほど歩いたとこで空気が変わり目の前に見たことのない景色が拡がった。息を深く吸い込み興奮する自分を落ち着かせた。
手元にある100年前の調査で描かれた地図を拡げ部下たちと周辺の確認をした。山奥の為か地図に変更は余りないようだ。人里を目指す班と待機し植物の採取をする班と地図の更新をする班の3つに別れた。
俺は人里を目指す班に入った。
地図が正確なら1日歩けば人里が在るはずだが廃屋があるのみだった。打ち捨てられてから永い月日が経っているのが見て取れた。
そのまま川を下る決断をした。
一刻ほど進むと道を発見した。
こんな山奥にどうやって作ったのかデコボコ一つ無い平らな道が山の宇根に寄り添うように作られている。中央と両端に白いせんが真っ直ぐ引かれ美しい模様を作っている。
道の谷側には白い金属の板が美しく並んでいた。道の端には等間隔に美しく加工された柱と外灯らしきものが並び技術の高さが見て取れた。
夜になると外灯がイッセイに輝出した。
素晴らしい。
俺は感動した。
俺たちは夜にまぎれ町のようすを観察し記録した。
調査開始から三日目の夜。俺はある大きな屋敷に目を止めた。周辺のに建つ家屋敷の中でひときは大きく目を引かれ近づいて行った。
良い匂いがする。
屋敷に近付くとその匂いはどんどん強くなっていった。
一人の少年がいた。
部屋の中で濡れた髪を拭いていた。
俺は心臓が止まるかと思った。
彼から目が離せなくなっていた。
こんな感情は初めてだった。
彼と一つになりたい。
触りたい。
口付けしたい。
抱きたい。
舐めたい。
孕ませたい。
身体が熱くなり下半身がうずき出した。
身体が勝手に獣化していった。
ダメだ。
襲っちゃいけない。
自分に必死に言い聞かせその場から走り去った。
結局。
俺は我慢する事が出来ずソラを連れてきてしまった。ソラには一生涯駆けて償っていこうと誓った。
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・
「許してくれソラ」
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