晴海様の神通力

篠崎流

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鳳の武具

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二日後にはアヤネも戻り、前後の事情を聞いて謝った

「申し訳ありません‥」
「アヤネに非がある事じゃない気にしないで」

とは云ったのだが「アヤネが居れば」という場面が多かったのは確かだ、けど実家へ滞在する事を許可したのは晴海だし、コレを責めるのは筋違いだろう

晴海はアヤネが戻った当日午後に出かける
「一人でいいよ」として単身で。再び電話を入れてから高砂の部署に向った、一応前後の戦闘結果を報告したいもあったから

彼の職場の応接室に案内されて前回の戦闘の詳細を説明し捜査での貰った装備の有効性も示した、一応、レイナが打撃を受けた部分を現物を持ってこれも提示する

「成る程、レイナさんが‥」
「やはり残念ながら普通の戦闘でEと対抗するのはかなり無茶みたいです、ただ、爪等の切り裂きに装備は有効でした、熱源探知機もかなり」
「受けた場所も糸が解れた程度ですな、やはり防刃の方が効果がある」
「ええ」
「打撃の圧にもそれなりに処理はしてあるのですが、やはり金属防具の様にはなりませんね」
「そうみたいです」
「何れにしろ、これも改善してみましょう出来たら送ります」

「レイナさんの負傷は深刻ではないようですが」
「ですね‥かなり気落ちしたみたいです」
「退魔専門家の方が其々闘い方が違うのは分りますが、あまり近接戦闘等するものではないでしょう」
「そう、なんですかね?」
「ええ、近代戦というのは中世の戦争ではありませんからな、軍隊でも警察組織でも今は近接は最後の手段ですから相手に近づく程リスクが上がる」
「確かに‥」
「見た目が既存する大型獣ぽい、というだけで実際は比較にならない程強いですからね。スピードもパワーも頑強さも、何しろ拳銃を百発も打ち込んで倒したという例もありますし、殴ってどうこう出来るとは基本思わない方が宜しいかと」
「かも知れない‥」
「どうしても前衛をするのであれば、それなりの防具は必須でしょう、言葉は悪いですが、盾が相手を止められないでは役割として成り得ていない」
「僕もその点は探してはいるんですが‥」
「そちら側にも無いのですか?」
「あるにはあるんですが、何れにしろ霊力に依存するので」
「ふむー、難しいモノですな。こちらの防具が使えるとも思えませんし」
「いえ、気にしないでください。何れにしろまだ調べて居ないだけで活路があるので」
「そうですか」
「はい、ではまた」

レイナは更に三日にはケガも完治に近くなったので固定具を外し、日常に戻った 明るく振舞ってはいるがどうしても気にしているのは見える

その為晴海も家でも言われた通り藤原の事も資料を読むが、藤原家は東北とも聞いていたが、実際は秋田・青森・北海道まで広く分れていて日光にも一部あるらしい 

藤原家という血統の範囲のなかで更に分家がある、既に藤原を名乗っていない血族もあるそうだ、まあ歴史だけで言えば千年続く一族なので当然なのかもしれない

分家としての特徴としては宗教的な側面が強く修験道をベースにした自然・山岳信仰を主として儀式や付与を行う一派
という事になっているらしい

アチコチの家に武具を卸しているという事もあり京極と方向性は似ている、退魔では洗礼、付与等の術と道具を主としているが、モンクの様な部分もあり、退魔の戦闘力では高いらしい、もっとも、距離の関係もあるが交流は盛んではなく、神宮寺をそれ程重視していないともされる

何しろ彼らは彼らなりのキッチリとしたコミュニティをかなり前から構築しており、家的古さで云えば千年以上ある、だから神宮寺を中心とは考えて居ない、必要が無いからでもある

無論、伝統や決まりは守るので現代でも交流や交渉は可能だとは言われているし、綾辻とはちゃんと繋がりはあるのだが、それ以外の家とはあまり無い

「これは時人さんに頼むしかないかな‥」
「そもそも本拠は北海道らしい」
という事で時人に連絡を取り、前後の事情を伝えた

今の所夏休みなので直接行けなくはないのだが何しろ今現在の藤原の状況が今ひとつ分らない事と先日の事件の様に、バラけて行動すると何かあった場合困るし、直ぐ戻って来れる距離でもない、元々交流のある綾辻の方が話しが早いかもしれない、という点があった為だ

「と、云う訳なんですが‥」
「構いませんよ。私の方から晴海様の所在をお伝えしますので」
「僕の方の所在?」
「藤原一派は北関東にも一族が居ます、交流取引自体はそちらとやっていますので向こうから行かせます」
「助かります」
「いえいえ、その程度の事なら御安い御用です」
「それと、レイナさんの事ですが‥」
「はい、それも存じておりますし、直接云ってもあります、晴海様の足を引っ張るなら帰して構いません」
「いえ、それは問題ないです、けど時人さんの娘さんを死地に追いやる事に成るのでは?当人も前回の事件でかなり落ち込んでいますし‥」

「私の覚悟はあります、ただ当人には無い、軽く考えて居る、私ならやれる、という勘違いがある」
「つまり‥分らせる為に敢て?」
「そこまでではありませんが「色々勉強してこい」と云った意味そのままです」
「成る程‥」
「お邪魔ではない、と思って頂けるならどうか見捨てずに置いていただければ幸いです」
「わ、わかりました」
「尤も、その程度で辞めるならそれまでですが‥少し甘く育てすぎたのかも知れませんな」
「そういう事ならいいんです」
「汲んでいただき恐縮です」

「藤原の件ですが何れにしましても、晴海様が直接行わず宜しいかと、何時とは言えませんが、私の方から人をやりますので」
「有難う御座います」

そうして再び日常に戻って過ごして居た。前回の様に警察側からの予報も一回だけ入ったが、これは何事も無く一時間で解除された為、見回りだけで終わったが

丁度夏休みも半ば三週目に入った。八月の頭の午前中の事である

「前回色々分った事もあるね、高砂さんから提供された装備の効果も有効性が確認されたし」

と晴海が資料を読みつつ話し始めたが居間でくつろぐ皆は其々フリーダムのまま会話した、アヤネは正座して札を書いているし、レイナはアイス食って横になってる

「そうですねぇ、何だかんだ云って事態は好転してはいますね徐々にですが」
「事前に防止が出来た、というのは結構大きい、それに意外と、見えないだけで居る事も分った、対応も可能だ」
「だねぇ。けど同時やっぱ専門家はもう少しほしいね、アタシも大して戦えないて分ったし、常時広範囲見回りにしても
寡兵過ぎるよね」
「予想予報もそれなりにアテに成る事も分りましたしね、ただ組み合わせとかあまり出来ないですね、チーム編成というか」
「うん、色々中ってはみてるんだけど‥」

「そうだ晴海。親父の方にも中ったんだろ?」
「藤原家と取引があるので接触してくれるそうだよ後で人をやる、とは言ってた」
「あるんなら最初から出せよなぁ‥」
「そうもいかないだろうね、時人さんの取り組みも割りと最近らしいし」
「ふーん」

そうこう話している所で玄関の呼び鈴が鳴る、晴海が「うん?」とそのままカメラ付きインターフォンで応対する、相手は若い女性であるが、無用な問答もなく説明した

「綾辻の要請でこちらに、と云われてきました鳳(おおとり)と申します~神宮寺さんですか?」と
「あ‥じゃあ時人さんの?」
「はいー」

と、直ぐ玄関を開けて中に招いてアヤネが麦茶を出した、まあ、普段だらしないとこういう時に困る訳で、ダイニングの座テーブルの上も目茶目茶だ

晴海も山の様な資料、アヤネも習字道具を、レイナに至ってはゲームとお菓子の袋を其々慌てて片付けて整えた

「お構いなく~」とは相手も言って座ったがどうみても笑われる場面だろう

「ええと、綾辻からという事ですが?」
「正確には綾辻の要請で来た、藤原の一門ですね~」
「あ‥じゃあ、あれ‥でも鳳??」
「はいー、藤原の一門ですが、その中で独立した一族ですねー藤原の恩恵と繋がりはありますが独自路線を進んだ側です~」
「成る程」
「鳳飛鳥(おおとりあすか)と申します」

彼女は年齢は十九歳 鳳という姓ではあるが藤原の分家の一派だそうだ。北関東、日光を拠点した勢力で、距離と地勢の関係から綾辻らと交流と取引があるそうだ

語尾伸ばしな喋り方だが、天然とかゆる系でもあるが「~」の後にハートマークが付きそうな程、色っぽいというか甘い誘う様な声とアクセントがある

見た目も実年齢よりお姉さんぽい、天然ロングのシルクの様な茶髪で顔もどちからと云えば美人系だろう、大人っぽい、顔の其々のパーツが小さ目であるが、それが綺麗に配分されているので美形に感じる、色っぽいと云った通りだが、体も結構グラマー

清楚と色気の中間くらいの感じで、アヤネともまたタイプの違う、おねーさん系、母性の強さがある

こちら側も其々名乗って挨拶した

「さっそくですが鳳さんはどういう形で?」
「アスカです!」
「あ、はい‥アスカさん」
「簡単に言いますとこちらへお引越しです神宮寺のぼっちゃんに協力せよ、と祖父に言われました」
「こちらに住む??」
「いえ、綾辻所持のホテルがあるそうなのでそちらに、歩いて10分だそうです、で、協力という事ですが事情も聞いています。武具に関して不足があると」

「ええ、そうなんです」
「私は、なんといいますか‥付与術が可能です武具自体作っては居ませんが、モノに霊力を付与します」
「そんなのがあるんですか?」
「ええ、これは藤原にもあるんですが、其れより質が異なる、私達一派は分離した後、歴史中期に神道系の力を取り入れ独自に発展しました、現代だと、そうですねぇ‥御祓いとか地神祭、ご神木とか、物を経由して力を発揮する系統でしょうか~」

「なるほど」
「霊力に依存しない道具、という事なので特に我々だろう、と私が派遣されました」
「態々すいません」
「いえ、今は直接的な繋がりは無いとは言え神宮寺の方に協力出来るのは光栄です、私に出来る事なら何なりと~それで早速ですが、レイナさん?」
「はひ!?」
「要望を聞いても宜しいですか?」
「え、アタシなの?」
「そう時人さんから聞きましたよ?「ウチの問題児が皆さんの足を引っ張らない程度に手を添えてやってくれ」だったかしら?」
「‥オヤジ‥」

まあそういう事だ。時人も娘を心配しての配慮、だから積極的に動いてくれたとも云う、そんな訳でアスカとレイカの二人の会談に近くなったがハタから聞いていると言い方は優しいのだが、アスカは結構毒舌らしい

「なるほど~、魔に対して大して戦えないのに殴り合いがしたい、それしか出来ない、という事ですかこれは深刻ですね~」みたいな
「うぐ‥」

五分程二人で遣り取りした後、方針は決まったがレイナは言葉の暴力でKOされて無言になったが、ただ、アスカは言ってる事自体は圧倒的に正しい、レイナも全く反論出来ない程だ

「それとぼっちゃまの方も人数が不足との事ですので私は戦闘は出来ませんが、現場同行で後方支援等なら出来ますから、事件の際は呼んでください」
「具体的には?」
「えーと、ロープレで言うと僧侶とか後ろから防御を掛けたりみたいな」
「成る程、分りやすい。じゃあその辺はアヤネに」
「あ、はい」

と今度はアヤネとの会談、まあ内容は最初晴海に指導した様な現場でのルール対応、マニュアルとモバイルでの予報通知、通報が有った場合、メールが来る事等だ

そのまま「なるほどー」とか言って、認識証やモバイル、耳掛けの小型高性能インカム等も受け取った、彼女の方も「こちらに滞在しています」と電話番号と住所を書いて帰った

聊か気抜けする人ではあるが、勿論「協力せよ」で送られてきた相手なので実は優秀である。鳳の血族の中ではかなり資質に恵まれた人で元々霊感とか強く、判定機での判定はしていないが、霊力も高いのだろう

普段の表の仕事が神社の宮司みたいな事をやっている、御祓いとか洗礼とか、祭り、占い、厄払いなので「退魔師」ではなく一般人の側でその筋では有名らしい。

修行やら戦闘訓練はやってないから戦いは出来ないというだけ、家自体も既に藤原、神宮寺の輪から外れているので一派の伝統と歴史は知っているがあまり「こうしろ」とかは言えないだろう

裏、と言っていいか謎だが自身でも言った通り法具の作成である、装備その物を一から作成している訳でなく印と霊力付与に寄って物に力を与える、という技を持つので退魔道具を作れる

経文を彫ったり、特殊な印を書いて霊的な道具にする、西洋魔術で言えばマークドライブとか聖水、アヤネと系統は似ている、京極は紙に力を与えているが、鳳はそれ以外のモノにという事になるが、彼女は本家藤原の術も一部使える

鳳の武具、とも言うらしいが、効果は折り紙つきだがそれらが出回っていないのは単純に大量生産が難しい事と出来る人間が極端に少ない事、つまり彼女が付与しないと一定の効果が出ないらしい、それから一つの付与、と言ってもかなり時間と労力が掛かるからだ

実際「とりあえず一つ出来ました、取りに来てください」と取りに向ったのが更に十日後、左手甲 籠手である

これ一つ作ったというか、付与作業しただけでかなり疲れるらしくホテルの部屋のベットに寝そべったまま「勝手に持ってて」というくらい大変らしい。

だから当人も余程の事情が無い限り裏の仕事は受け無い理由でもある

見た目は朱色の古風で和風な左拳まで覆う籠手。縦に長方形の金属プレートが配された形で見た目的にも中々美しい、プレート下の本体に経文が直接彫ってありこれに直接霊力を入るだけぶち込んであるので、かなり効果は長持ちする、という事だそうな

籠手の範囲なら物理や霊的攻撃も弾くらしいが、あくまで装備部分だけなので反射神経に優れていないと使いにくくはある

野球の剛速球を見て籠手部分で合わせ当てないといけないのと同じ様な事だ 尤もレイナ専用だから多分問題ないだろう

「セットで打撃剣も作りますが‥もうちょっとかかります~」

とうつ伏せのまま言った、まあ、そういう理由だから仕方無いだろう

「そんなに大変なんですか‥」
「はぁ‥かなり‥ 他は大した事ない手間なんですが霊力注入の作業が途轍もない労力が‥」
「うーん‥単に燃料なら僕が有り余ってるんですけどね‥作業出来るかと云われると‥」

其れを聞いてアスカもガバッ!と起きた

「ぼっちゃんはもしかして許容量が多いんですか!?」
「え、どのくらいかは知らないけど、かなりあるらしいです」
「は、測ってもいいですか!?」
「出来るんですか?構わないですけど‥」
「出来ます!」

と言ってアスカは荷物から細長い金属棒を出して渡した、指揮棒みたいな感じだ

「どうすれば?」
「神宮寺の法具と同じ様に霊力を入れてみて下さい」
「なるほど、霊圧刀と同じ様にすればいいんですね?」

さっそく普段使ってる霊刀を使う様に軽く集中して入れてみる、入れ始めた段階で棒が下から上に向って色が変わる、丁度鉄を熱したみたいに一瞬で真っ赤に変わる

「ストーップ!!!」
「え?!」
「もういいです!」

どうもそれだけで分ったらしい 晴海も直ぐに注入を止めて
テーブルに置いた

要するにこの棒は水銀体温計みたいな感じで霊力を注入すると体温を測るに近い事が起こる、当人の現在量に応じて下から上に色が変わるらしい、一瞬で真っ赤に染まったという事はそれだけでMAXという事だ

横にライン、目盛りがあるがコレは一般平均の一番下から十倍まで測れるので軽くそれ以上はある、という証明にはなった

「目盛りが一瞬で振り切ったという事は常人の十倍、いえそれどころじゃないですね‥」
「多いとは聞いてたけどそんなにあるんだ‥」
「当然、MAXに設定されているのですから、それ以上は過去居なかったという事ですよ‥」
「マジすか‥」
「退魔師でも振り切った人は過去居ません‥、多くて3くらいです、私でも三です‥尋常じゃないですよ。これは大発見です!偉人級です!」
「ま、まあ落ち着いて」

アスカも落ち着いたのは五分後である

「で、私の法具の霊力注入というのは特別な技術ではありますが代替できます、ハブする事も可能なので」
「つまり、僕がアスカさんの代わりに注入するのは可能、燃料を代わり出せ、という事ですか?」
「はい、コツは要りますけど可能です、であれば劇的に楽になります」
「まあ、僕に出来る事ならお手伝いします」

という訳で晴海はそのままアスカの部屋に残って「コツ」を学ぶ事になった、この作業が手間なのはアスカの霊力があまる程多い訳ではない、それでも自身の言った通り3なので常人の三倍くらいあるのだが

その為、注入作業で自分の燃料が切れたら休んで回復を待たなければならない為、時間と労力がメチャ掛かる、という事

晴海はこれを気にしなくてもいいくらい馬鹿みたいに持ってるので晴海→アスカ→道具に移す事は出来るらしい。気功でも相手に注入する手法があるので。それ自体難しくは無いが、電源に成る晴海には繊細な作業が要る

あまり大量に一度に送れないし多すぎても事故になるので、例えて言えば、ティースプーンでプールの水をすくって、お猪口に入れるようなもん、なので凄く微妙な注入作業を覚えなくてはならない

これを昼から練習してある程度出来る様に成ったのが夕方、実際疲労しているアスカに直接渡す練習もどうにか成功する、ただ、テレ臭い事はテレ臭い彼女の手を握って送る作業だから

覚えておいて損の無い手法である。それ以外の人にも出来るから。例えばレイナやアヤネが霊力を使い切って動けなくなったとか現場で起きても晴海が充電器に成る事も出来るし、他人の霊力充電器に成れる程持って居る人など他にいない

夜から実際のハブ防具作成にも入ったが、三十分で終った。燃料を気にしなくていいからもの凄く楽で早いとの事

「完成!」と打撃剣を何故か天に掲げて自慢げだった

これもレイナ用なのでその場で納品されてアスカは「あ、そうだ」と鞄からお金の束も出して渡した

「え?」
「請け負った仕事の作業をかなり代替してもらったので三分の一はぼっちゃんの手間賃です」
「いいですよ‥たいした事してないし」
「いけませんよ、仕事は仕事ですちゃんと分けないと!」
「はぁ‥」
「才能と労力はお金になります、無償でやっちゃダメです付け込まれますからね!」
「あ、はい」

と、晴海も不詳ながら現金を受け取って戻った、数えては居ないが銀行の付箋がある束一つなので多分百万くらいだろう、あんまり現金持った事ないので緊張する

直ぐにマンションに戻って出来たての法具をレイナに渡す
「打撃剣」と言った通り、剣の形はしてるが刃引きした打撃剣で、まあ警棒とかとそんなに変わらない見た目はだが

霊力に依存しない、とは言うが、実際は武具そのモノに予めエネルギー、電池を別に付けて詰めておいただけでスタンロッドとかスタンガンと同じではある

法具の方の霊力が尽きれば以降は再充填されるまでタダの棒だ、ただレイナが直接自身の霊力を充電しながら使う必要が無いのでモノにも寄るが10~20分程度は持つだろうとの事、それほど長期戦に成らなければ問題ないが

晴海の物と違って強弱の調整は意図的に出来ない、あくまで、一般装備の一段上の強さ、という事だ
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