境界線の知識者

篠崎流

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消極的決戦

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秋の中頃には各地での実り、全国での後方支援と補給の準備が整った所でペンタグラム本国へ教皇も戻る事と成る

グランセルナ連合も行動を起こす、本国に教皇が戻った後、再び中央統制機関と成ったペンタグラムからの告知

「テスネアは戦を行う意思無くば、直ちに武装解除しペンタグラムに出頭し会談を持つべき、さすれば現在の所有領土に付き、維持と保持を検討する」

との告知、これは、実質武装放棄勧告であり、同時に和平に望むならこれ以上の圧迫を掛けない現在のテスネア領土三国を維持するとのものだ

が、この通知の書状を受けた当のテスネアのアデルは不愉快極まる

「舐めた事を‥」

そう高官会議の場で呟いた、が、既に他の自国高官からは逆の反応だった

「しかし、この現状にあって、この条件は悪くないのでは」
「こちらの領土を維持するのを考えても良いならば‥」

そういう反応だった。これは中立的、第三者から見れば尤もな意見ではある

何しろこれまでの事を水に流す頭を下げ、条件交渉をすれば良い、無論、一定の軍備放棄は要るだろうが、決して悪い話や申し出では無い

アデルもこの通知を数日考慮したがやはり、素直に受ける、という考えには至らなかった

ここも誤解がある、アデルは現状、ガーディアン、後ろ盾として存在している、操っている、フォレスが本気で和平を求めてペンタグラムから通知させたとは、思わなかった

無論、フォレスは半分本気だ、連合の各国首脳とも話した通り「戦なんてやらないで済んだほうが良い」とマジメに考えこの手段を講じたのである

それと同時に、決戦をするのは避けられないかもしれない、だが、それ前に戦略上の優位を作るのは有効である、と考えて「先に進む為の道の整備」としてこの形を作った

「先の道」も非常に単純である。一つに、ペンタグラムからの出頭会談要請を受けるなら、最終決戦等という馬鹿げた人命の無駄使いも減らせるかもしれないという事

二つに、この通知をアデルが断れば、それはそれで、和平への道を閉ざした相手として対外的に魅せる事も出来る、つまり、連合以外の各国も一定方向を向かせやすい事

三つ、2に関連した事だが、断られました、規制を掛けて内政を圧迫しました、とした場合、両国の想定する「決戦」の前により、有利が作れる事

テスネア単身とグランセルナの中央派兵軍は現状戦力的にあまり差が無い事だ、故に、より、無駄な死者を減らせる、と考えた

当のアデルは、勿論周囲の
「この条件を受けてペンタグラムと会談、交渉するのは悪くない」という高官らの意見は受けなかった

別にペンタグラムや教皇に対して、頭を下げるのが嫌だとか、そういう事では無く「ペンタグラムの告知自体、グランセルナが背後にあっての事」という、考えが常に彼の中にあった為だ。そう考えれば、当然、この会談の持ち掛けも「作戦」ではないか?と疑っていた側面もある

「武装放棄してノコノコ出て行ったら、謀の的だろう」そう思った

アデルから見れば、フォレス、グランセルナ側は敵、フォレス側から見れば、敵ではあるが妥協すべきモノでもある。どんな大戦争でも何れにしろどちらかが絶滅するまで終わらない、と言うのはない、どこかで妥協して終わるのが歴史の自明、だから全てが終わる前に妥協策を出した

「ペンタグラムやグランセルナ側が事ここに至って、その様な謀略をするとは思えません」
「既に連合側は優位を取っています、この時点で自分らの評価を落としてまで敢てやる策でもないでしょう」

トーラもベステックも尤もな進言をしたが、それも受けなかった。

ペンタグラムからの告知後、一ヶ月待ったが、やはりテスネアはこの一件も流した、この間にペンタグラムの防備施設の整えと収穫時期に合わせての兵糧の整え

告知に対しての返答無き事を口実にした、大規模な輸出入取引と、物品の移動の規制も掛けた、これでテスネア側の内政と民意を削る

中央に集まっている連合軍をテスネア側の領土線に置き常に、圧迫を掛け、精神的な疲弊を誘う、これを冬の中頃まで続け、相手を内外から乱す事を狙う

テスネア側からすればこれは堪ったものではない、何しろ、内政、軍事、外交の三重兵糧攻め、金物人の移動、取引を規制され、統治国の民と配下の精神的圧迫も含まれる、時間を稼がれる程、長期化する程、状況が悪化する

故に、アデルがその決断をした、させられた、はごく自然な事だっただろう

明けて新年
フォレスは最後の餌撒きを行った、つまり、ペンタグラムからの再度の勧告である

「テスネアの君主は即時、武装解除し、ペンタグラムへ出頭せよ」との通告

期限的余裕、考慮する時間は与えた、これ以上は待たないという、より強い勧告である、当然、当事者側からすれば反発はあるが

この場合、やられた側からすれば別の方向への反発のが強い、それは「外交会談を持ちかけたペンタグラムへの要請を受けなかった」テスネア側へ、である

国内の民衆の側、この事態を見守っていた無関係の周辺各国からも、そういう流れ、心象があった、そして、それも計算どおりであった

敢て「和」の道を示した連合、ペンタグラム。その穏健と言っていい対応を無視したテスネア。第三者から見ればそうだ、そして、フォレスはその第三者がどう見るかもある程度予想がついていた

何故なら、国家の政府、王族以外の者からすれば安っぽい意地やら自尊心など、そうでない者からすればくだらないモノだ、誰が好き好んで戦い等したいものかそういう「民衆の側」から見たら、そういう感情が先に来るのが普通だ

これは活道理の問題

「戦って功を誇るよりも、多くの者の平和と安全と生活の方が大事であり国家的プライド等に拘る必要等無い」

これは普通に生きて生活している人間からすれば正しさである、故に、この流れに成るのはある意味、普通の事、人間の潜在的「道理」の面への問いかけである

「餌蒔き」の効果はこれにある、アデルは二者択一を迫られる事と成った「戦う」か「曲げて輪に入るのか」の

一月十日

テスネアのアデルは現状から行える策を練った、それを打った後こう公式に宣言を出す事になる

「ペンタグラムとガーディアンである連合は自らの思い込みによる勧告を当国に行った、これに従う理由も理屈も無い」

アデルには「誰かの下に付く」という判断は無い、あくまで狙うは「自分の統治に寄る、世界」である。動いた理由も単純、無論追い込まれての事であるが理には適っている

まず、ペンタグラムの宣誓から反テスネアの流れに成った事、この現状では早期に結果を出す必要がある、覇者の覇者たる所以は「勝ち続ける事」による証明である

二つに、既に行われている内政からの圧迫、この状態にあって時間を掛けて、時を浪費しても、状況が悪くなる一方でしかない、民衆の不満も不安も増える、輸出入規制から金物人が削られる事

三つに、現時点ならテスネアの全体兵力とペンタグラム、グランセルナ連合側の中央兵力では数の上では互角に近い事、故に、戦力格差が広がらない今の内なら、勝機は十分にある事

ある意味「餌に掛かった」とも云えるが
フォレスには予想済みではある、が、アデルが折れる事も、期待していただけに、これは彼にとって、残念な事態でもあった

無論、「決戦する」と成れば、テスネア側も周囲も、そうするしかない、ベステックもトーラも反対ではあるが、君主がそう決めたのなら勝ちを目指すしかない

アデルも無策ではない、ペンタグラムに対しての実兵力での反撃となれば、選択肢は少ないが「策」は打てる

その中で、ベステックはトーラと共に、戦術上の策を進言した、会議上では無く、個人的なモノに近い

「陛下、戦うのは宜しいとして、一つ戦術上の策があります」
「決戦自体は否定せぬのだな」
「はっ‥やるとなれば勝ちに行くだけです。また、時期としては妥当だと思います、いたずらに引き伸ばしてもこちらの内政、軍備共に疲弊するだけで」
「そうだな、云ってみろ」
「はっ、連合は幾度も直接手を合わせましたが、彼らの強さは将は勿論の事「武装」的優位にあります、これを規制出来ればこれまでの様に、著しく不利には成りません」
「それはそうだが‥具体的にどう封じるというのだ?」

ここでトーラが前に出て主張する

「はい、ベステック大将の経験則から向こうの武装兵は欠点があります、それを突き、使えなくします、それには時期が大事ですが丁度今は冬です」
「ただ決戦しても五分五分運任せでは話に成らんからな」
「はっ、この際、我々が倒すべきはグランセルナです、ここに打撃を与え撤退させるか、削り取り、軍事的干渉を当面出来なくする事は可能です、その後再び、中央を抑えてペンタグラムを奪取すれば良いかと」
「ペンタグラム自体の実質的力が無いのには変わらんからな、速攻でグランセルナ中央軍を撃退、或いは削って引かせる、後、再びペンタグラムを抑えるのは難しくない」
「はい、そこで陛下の基本方針に策を加えたい」

両将の策を説明され、アデルもそれに同意を出した
ただ決戦しても、相手がグランセルナと成れば、数で上回れば勝てるというモノではない、故に、ベステックとトーラの出した策を受け入れた

フォレス自身はアデルの選択が妥当でもあり
暴発に近いとみていた。

「テスネアが動く、か‥」そう、ボソっと呟いて、各地への伝心での通知も行った
「テスネアが動いた、作戦通り、進めてくれ」 と

事前にこの可能性も五分に考えていた為に策も用意し、伝達してある、各地の司令官、指揮官はそれに沿って動くだけだ

そして「第二戦略」の一連の考え方は相手を何れかの方向に動かす事である

1、ペンタグラム本国を固め、再び中央に戻し、敵からすれば「餌」に見える状況にすると同時、本来の「統制管理機関」という公的立場から告知する、これで相手が再び侵攻、奪還に来れば、そこで叩く

2、告知を受けて降伏、会談すれば改めて和平の道もあるしそうなれば誰も死なずに済む

3、動かなければ内政、外交の圧迫を続ける、これも実戦闘を使わず、或いは、使うとしても敵を削ってから決戦を行える

4、心理的効果。ペンタグラムを良い様に操っているという漠然とした心象、評価は少なからずある、故に、過去の中央の権威、の状況に、なるべく早く戻し、中立性を確保して独り立ちさせる事

結果的にアデルは、確率の高い部分に賭けたとも誘導させたとも云える

「削り取られる前、兵力や後方支援がまだ十分にある内に正面の敵を打ち破る」という道に

が、実際の戦いはフォレスの思惑とは外れる方向に向かう事になる

アノミアらから詳細情報が届いたのがテスネアが動くの報から一時間後

「本国から最低限の防衛兵を残しての出兵と思われる、現状で分っているのは、本国、君主自ら八万率いての出撃」
「他の将は?」
「北出入り口の直轄地からも準備はされている、テスネア南の領地も同じく。ベステックとトーラという二将が居るが、これも同数出すだろう」
「うむ‥丁度、自国防衛兵だけ残しての総力戦、決戦しかないしな、八万×三、で略、動かせる兵、ギリギリ全部、という所か」
「と、思う。それよりお前の方の用意は?」
「今から出る、戦自体は皆に任せる」
「分った」

先行して自ら出たアデルの軍の後、両軍将も自国から出撃しつつ領地から兵を合流させながらの移動になる

三日後には自ら率いた主軍でペンタグラム東、中央街道の手前を確保して、陣立てを行う

同、兵力展開でこれの前に立ちはだかるは、グランセルナ連合軍、主将にエミリア、滞在軍の略全軍七万である

テスネア側は一陣にアデル、二陣にベステックの後発軍、三陣にトーラの各地、滞在軍と治安維持から、余剰軍を集めたもの、これに1,2が合同で正面連合と戦い3のトーラの軍が連合の一角でもあるユルング他からの、後背、側面への対応を、参戦の状況に近い所から任せた

丁度中央街道を挟んで東西に分かれての戦いである
そして戦場での策は普通の正面突破戦であるが、これまでの戦いの経験からある時期を選んだ。これが策の1

7日にこの両軍対峙と成った

朝にはベステックも軍を揃えてアデルに合流、略、同じ時間にバルクストのアトロスの軍が南から合流
戦力差だけは十二万対、十六万と成った

テスネア側は右にアデルの主軍、ベステックの軍を左に横並び二陣の形、一方、連合側はエミリアを中央、右にターニャ、左に騎士団、三万ずつ指揮し、一万を後方予備兵の形に南からアトロスらのバルクスト軍三万。並びでは以下になる

 グランセルナ側  〇   ● テスネア側八万二軍
 三万、四軍    〇
          〇   ●
           〇

フォレスの思惑の外に動いた理由は単純、ベステックとトーラの事前にアデルに進言し了承を取った策にある

同日、正午には開戦と成ったが、幾つかある、乱れた要素の一つ「天候」であった。開戦直後から北から南への寒風交じりの強風になった事

これで開幕からグランセルナ軍の「弩」「連弩」が効果を大きく削られた事である

ペンタグラム方面軍の軍師を務めたメリルも
流石に眉間にシワを寄せて呟いた

「まさかここに来て、この天候とは‥」と

グランセルナ軍最大にして最強の武装「弩」は鉄矢じり無しの、木材矢である、故に、風雨の影響を受けやすく天候次第でマトモに機能しなくなる、それがこの決戦の初日から出てしまう

そしてもう一つ、これはフォレスが用意した
事前策も使い難くなった為である

フォレスが戦場で用意した策はこうだ
主軍決戦で対峙し、打ち合いから早期に後退して相手に攻めさせペンタグラムまで引き、建てた防衛施設を使いながら迎撃し、こちらの疲弊を減らすと同時に、相手を削る、策である

ペンタグラム下に作った防衛施設もグランセルナ本国と同じ物だ。官舎で有りながら、極端に固く、強い防壁、並びに、射出台でもある

射台、であるからには同上の天候条件では遠距離での効果が薄い、これを持って、敵侵攻を打ち返す「予定」だったがそれも崩れる

「どうしよう」とターニャも云ったが、別に基本策が変わる訳ではない

「仕方無いですね、防御兵を使って時間を稼ぐと同時、基本策は継続、相手に攻めさせて戦闘継続しながら相手を引っ張ります」

との方針をメリルも見せた

これはある意味当然の方針だ、こちらだけ「盾」があるのに等しい作戦

で、あるからにはコレを使わない手は無い、そして相手、テスネア側からすれば、こちらを叩くかペンタグラムを再奪取するが目的

グランセルナ側は時間稼ぎだけでもいい、既に戦略的包囲は成されている、守って防げば、テスネアの南ユルングとピスノーラから側面突きの行動が間に合うし、天候も変わる可能性が高い故に、この状況あっても大幅な変更自体必要無い

が、当日の開戦は略互角に進む、グランセルナ側とテスネア側の方針が合致した事

守、グランセルナ側は防御体勢から下がり迎撃
攻、テスネア側が押すという、両方の目的が噛みあった為である

これで当日の戦いは攻防ハッキリしているとは云え、正午から夜までの戦いで互角の展開で、連合がペンタグラム側に引いて下がる戦いと成った

戦果自体は防御武装、歩兵ほぼ全員に配備されている防御力、藤甲のお陰で兵の損耗は連合側のが少ないし、既に事前に行っている外交、商売での規制の効果もある「時間をかける」の方針が継続すればする程、連合側に中、長期では分があった

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