14 / 50
火薬庫
しおりを挟む
「ちと早いけど、書いとくか」
フォレスは街の西出口の移動売店に買い物に来ていたアノミアを見つけてそう決めた
「何をだ??」
「こういう情勢だとオレも何時どうなるか判らんし協約だな」
「ふむ?」
「森住民というか、人魔らを正式にグランセルナの住民とする、というのと、不可侵を制度化、だな、後の政権が来て掌返せないようにな」
「確かにその可能性はあるな」
「基本的にソッチのが長生きだし、後どうなるかわかったモンじゃないし」
「分った、後でソチラへ行こう」
そして買い物の後、砦へ上がり
正式に書面を用意しようとしたが
「まあ‥我々は基本、事態が変わったら移動するだけだから、左程問題は無いが、そもそも、こっちの人数もそう多くない、45人しかおらんし」
「ふむ‥しかし、それじゃどうする?」
「うーん‥一応書いて、後は個々人の判断で良い気がするな、正直、街の者も我々に対する差別は見えない」
「見た目ほぼ人間だしなぁ‥」
「ああ、何れ交われば血も薄くなるだろうし、自然併合していくだろう」
「どうしたもんかね?」
「私としては、森の集落は集落で住みたいやつはそうして、問題ない者はコチラの住民にしてもらった方が楽ではある」
「では、森の集落を固定したソチラの物と誓約して、後は個々人を尊重するか?」
「それでいいと思う、人に対するトラウマがある者も居るだろうし、利便性で云えばコチラのが遥かにある、こちらに住みたいという者も居るだろう」
「分った、基本自由にしよう、森の集落周辺はソチラの物、コチラに住む者は住民として登録しよう」
「ああ」
「ま、一応、書くか」
と両者示し合わせて書き、お互い署名それを二枚用意し、それぞれ所有、そして正式な物として、変更のある場合には公式の場で改めて裁定すると書かれた
この書類自体もグランセルナ中央庁舎の正式条約として記録され、自由公開された
「態々告知する程ではないし、これでいいだろう」
「同感だな、大げさにされても困るし」
それで一旦解散となったが、翌日にはアノミアが再び訪れる
「と、いう訳で私もコッチで雇ってもらおう」
「‥なるほど‥しかしいいのか?、向こうの長は」
「私が一番力があるというだけでやってただけだ、やりたい奴に代わった」
「そっか、まあ、いいか」
「でだ、こちらへの生活希望者は8名、とは言え人魔とも云えない元々コチラに近い種だ」
「なるほど、了解した」
「殆ど3世代前くらいの者だ見た目も人間にしか見えん、力も人と左程変わらん」
「それは問題ないがな、何せオレの娘がああいう立場だし、ま、兎に角、初期だけ住宅を用意する、後は自由にしてくれ」
「ああ」
「アノミアは‥とりあえずここに住むか?」
「それでいい」
「雇う、つってもどういう能力があるのか、それ次第だが」
「武、かく乱系の術、それと特殊能力が2つ、姿消しと使役召喚だ」
「ほう‥しかし‥それは裏専門だろどうみても」
「自分でもそう思う、暗殺か斥候だな、或いは単身でのお前の護衛か、施設防衛だろう、ただ、姿消しも制限はないが風景に紛れるだけだ、動くとバレる」
「カメレオンか」
「そうだ」
「うむ‥とりあえず周囲護衛でもしてもらおう、今の所有効な使い道がないし、で?召喚は?使役というからには触媒なしでずっと出せるんだろ?」
「何匹、というのは試してないのだがシャドウ・ウルフやスピリットバットだな」
「これまたレアな‥」
「そうか?」
「まあ、いいか、とりあえず適当に頼むわ、なんか考えるわ」
「ああ」
22ヶ月の頃、相変わらず志願だけなのだが、正規軍も一万五千に成っていたそれでも人口の1%行ってない
ここでフォレスは金の掛からない武装、主に防御力主体の装備を考案した、兎に角一般兵にも配れて被弾を避ける、それでいて強い物をだ、軍官会議でその「発明」を披露して計画書を配った
「ちゅー訳で、二つ、盾隊と藤甲兵をやる」
「見たところ木の様ですが?」
「そうだ、鉄系だと重いし薄いと大して意味無い、そもそも扱い難いし、量産できんし、金が掛かる」
「ふむふむ」
「んで、盾隊だが、木製の板を持つ専門だ、丁度森のメンテで探したら、アイアンウッドがあったのでこれを使う」
「アイアンウッド?」
「まんま鉄の木、固くて頑丈100年はノーメンテで持つし虫も食わないという木だ、ついでに熱にも強いので火も弾く」
「ほほう‥」
「逆に加工は特殊道具が要る、のこぎりの類すら折れるくらいだからな」
「なんと‥」
「設計図を見る限り、かなりデカイですな」
「うむ、移動する壁だな構造的に正面防御力は結構あるだろう、まず剣や槍、弓等が止まる、反面デカイわり、軽く、一人で持って構えて動ける」
「なるほど、防御専門で壁にしてそこからの遠距離ですね」
「そうだ、かなり優位に打ち合いが出来る」
「もう一つのは?聞いた事の無い物ですが」
「もう既に材料の加工は指示した藤甲軍というのは藤の蔓を10回程度乾燥と油コートを繰り返し、編んで鎧にするモノだ、刀も矢も殆ど弾く」
「ほう‥」
「大昔のアジアという地域で無双してた、装備軍だ草蔓から作るんでコストが極端に安い、軽く丈夫で動きやすい、メンテもかからないし、大量生産出来る、ただ、作る手間はかかる、数ヶ月待ちだ一般兵全員に配っても金を使わんので楽だ」
「なるほど」
「兎に角木材が緑化と深い森があるので余りまくってる」
「基本家屋にあまり木材は使わないですからな」
「が、この武装の欠点は「火」だ」
「ああ‥草木ですからね‥」
「だが、これもアレンジを加えて、燃えない様にする、油をしみこませてコーティングするのだが外に防炎加工する、基本的な欠点を緩和する程度だな」
「なるほど、基本火に弱い、のはそう変わらないですかね?」
「とりあえず実験的にやってみたが、今の所は大丈夫そうだ火を着けた所から広がらない、じっくり不燃焼を起こして消すのは一応成功済みだ」
「これはかなり期待できますね」
「兵一人でも成るべく味方の死人を出さない様にしたいからな、元々防御系にするつもりだったし」
「流石ですね」
「後、同時に医療班も組織する、これは術士中心、学校の講義で適正のある奴を選抜した、まだ20人だけだが、リストな、ここから希望を聞いて軍なんかに帯同させる、同時に肩代りの作成もする」
「輸送隊は既に大規模連結部隊やログフットがある程度稼働出来てますので」
「そうだな、んで、その後方支援軍の護衛は基本厚くする、これに南東部族の連中の一部を使う、ここも新武装が使えるハズ」
「ほうほう」
「彼らは兎に角、殆ど馬軍だし、個々の戦闘力が高いし、非常に義理堅い、んで、逆に主戦で使うのが難しい、軍錬にも参加しているが、統制がとりにくい」
「確かにそうですね、ウチの兵や騎士団の個々より剣武は強いですね、反面大軍に成ると崩れます」
「クローゼの云った通りだ、ならば最初から少数部隊で使うべきだろうな」
「同感です、遊撃隊でも力を発揮しますね。相手の数が多くても全く怯まない」
「んで、防御鎧はまずあっちから配る、それとカハルの酒と食い物がお気に入りだ、それも優先して流してやれ。反面コッチでは人気が無い」
「あの酒と食い物はきつすぎですからねぇ」
「そういう事だな、だいたいこんな所かな?」
「後、王様それと中央からまた書状です」
「‥スルーで‥」
「いいんですかねぇ‥」
「分った一応読む、んじゃ解散」
と一同バラバラと其々の部署に戻った、私室に戻ってフォレスも一応書状を読んだが、心配したようなモノではない、要するに「また」全国会談の通知だ
「‥メリル行く?」
「はぁ、ですが、連合の事も議題になるのでは?」
「ワカラン、気にされていない可能性も高いが、書状には其の点は書かれてないしなぁ」
「あまり行く意味も無いですからねぇ」
「んー‥ターニャでいいか、座ってるだけでいいし」
「姫ですし、神格者ですしね」
「そうそう、向こうも気を使うかもしんないしな」
「誰を御付に?」
一通り周囲の者を見たが‥
「私は行かんぞ」
と先にティアに返された
「じゃ、アノミアで」
「別に構わんがいいのか?シャドウエルフのハーフだぞ?」
「だよなぁ‥」
「騎士団の隊員でいいのでは?交渉の類も無いんでしょ?」
「そーだな」
それで結局ターニャを代理に行かせた
実際「座らせておくだけ」だった、一部、連合の事が話題には出たが特に気にされなかった、4地域連合と言っても、その参加国の問題、兵力もそれほどないし何処に攻めた実績も無いし、3王がそもそも穏健派(主にロッゼが)有名で治世型の王である
「どうせ弱者の戦略」と思われて鼻で笑う者も居たくらいだ、ただ、逆にターニャは会議後来客がひっきりなしだった
「神の」しかも「女神側の系譜」と説明された事で地元の、つまり高官や権力者等から礼を払われたり、拝まれたりしていた
「どのようなお力を有されるのですか?!」
「んと、奇跡の手と、魔眼だって、他にもあるらしいけど、まだ使えないどこの系譜かは詳しくは分らないみたいです」
「ぜ、ぜひ見せて頂けますか?!」
「いいよ」
という流れである。ただ、かなり色々な憶測を呼んだ、能力からアスタルトの流れではないか?とか勝手にペンタグラムで盛り上がった様だ
会議の方は相変わらずで、コレと言って有効な結果も出てない、いつもどおり自己主張の張り合いで「引き続き交渉を」で片付いた
「だったよパパ」
「ふむ、今後もターニャを出しとけば問題ないな」
「なんかお土産いっぱい貰った」
「そりゃ良かったな」
「うん」
そしてラッキーなめんどうな事件も立て続けに起きた、ある日、施設視察から砦に戻って私室の扉を開けると見知らぬ若い娘が居た
「お帰りなさいませ、おうさま、マギです!」
と向こうに挨拶されたが意味不明である
「おい‥なんだこの娘は」
「南東「角」部族のおっさんが置いてったが、多分貢物だろう」
高官が誰も居なかったのでアノミアが対処したらしい、そう説明した
「貢物!?」
「つまり夜の相手とか人質だな」
「‥」
「ウチ一番の器量よしオレの末っ子だぜ、よろしく頼むガハハ、等と言って置いてったぞ」
「なんつー時代錯誤な‥」
「まあ、権力者に二心無きを証明しつつ、子供こさえてくれれば一族に成れるし、先も安泰という大昔からよくある手だな」
「どうすっかねコレ‥」
「貰ったらどうだ?返すのも非礼に当るし、外交上の拒否に当るぞ」
「うわ、めんどくせー、だいたい、まだ子供じゃねーか‥」
「13らしい」
しょうがないのでそのまま別に個人部屋を官舎に与えて、学校に入れた
「何故ですか!?おうさま!」と娘も云ったが
「もう少し大きくなってからね」と諭して普通の生活と教育をさせたのである
あの「熊」親父と違ってかなり可愛らしい子だが、普通の教育をさせると意外と直ぐ馴染んだ
今後余計事をされても困る為、部族長の代表のおやじさん、ドネツクとも話して納得させ、向こうに配慮して一応「許婚」て事にして調整した
ただ、娘は色々サーチした挙句かなり親父似だった、見た目は少し日焼けぽい肌、今で言うとアラビア系の地肌褐色の健康優良児という感じで明るく素直で可愛らしいがかなり武力資質がある事が分った、そして猪突系である、資質、武力素養だけで言えばテラと良い勝負くらいまで伸びると探査された
そのまま軍に入れても問題ないくらい凄いのだが「まあ、当分ふつーに生活させときゃいいや」と思ってそのままにしていた。一応嫁候補だし、部族長の娘だし、若いし、猪突ぽいし、ヘタに出して死なれても困るという事でもある
二十四ヶ月、つまり丁度二年に成った所で藤甲兵の準備が整い、最初の200着が南東部族に送られる、それに合わせて街道付近に作った駐屯基地に先の部族長マギの父親のドネツクがウキウキで入った
細かい指示は無理やろうと思って領内や連合国への自由遊撃を任せた、つまり「自己判断で好きにしていいよ」て事だ
かなり好戦的で味方の危機に直ぐ動く人物なのでそういう立場でいいだろうと、それなりに高い立場を与えた
「それはいいんですが‥こちらの命令とか聞くんですか?」
「多分オレの指令ならな、なんかマギの件あってもう親戚扱いなんだよね」
「はぁ‥なんか単純な人ですねぇ‥」
「ただ、馬鹿ではないな、異常に熱いおっさんというだけで、武力もウチでは屈指だろ」
「調べたんですか?」
「一応ね、まあ、邪険にせず、援助の類も続けてやれば問題無い、義理堅くて、恩義には恩義で返す、だからこちらもそれを怠ってはいけない」
「それがアチラの判断基準という事ですね」
「そうだ「心」昔で言う仁義だな」
そして同時期に北と西とのとりあえずで結んだ時限式不戦条約も消滅、また向こうから来るかな?と思っていたのだが西は延長の要請は来て結んだのだが北のバルクストは来なかった、理由は国内が荒れたことである
元々病床にあった王が亡くなり13の息子が即位したのだが、この息子も即位から二ヶ月で病死、原因不明での突然死である
一部暗殺ではないか?等と云われ混乱するが最後まで原因不明、今で言う心臓発作である
やむなく、先王の親戚、従兄弟が王位に着いたのだが、これで国内が分裂騒ぎになった
政治と軍事が割れたのである、その間隙を縫って他国からの圧迫があり国内混乱になった
実質的な武力行使は無いのだが、新王も高齢で政治的判断が定まらなかった事が拍車を掛けた、過去に「火薬庫」と評した事態がここで起こったのだ
フォレスら一同も会議室に集まって話し合ったが、正直出来る事が無い
「まさかこういう流れとはなぁ‥北に崩れられると困るんだが‥」
「如何します?王様」
「向こうのトップ周辺がマトモな判断力があるなら、こっちにも外交してなきゃならない事態なんだが、来ないからなぁ」
「つまり新王含めて政治面はアレ、て事ですね」
「或いはそれ所でも無い程の混乱の極みか」
「今度の王も高齢だし、それが終ると親族も、もう女史しか居ないぞ?」
「現王の娘と妻くらいですかねぇ‥」
「空位になるとどうなる?」
「ペンタグラムが出てくるんじゃないか?、軍事行動も抑えには掛かるだろう」
「あまり期待できないな‥殆ど誰もいう事を聞かない状態になってるし」
「と、とりあえず、こちらから外交を持ちかけてみますか?」
「うーん、向待ちでいいだろ、コッチからは動かん方がいい、準備だけしておこう」
「はい」
「フォレス」
「ん?なんだアノミア」
「私が探ってきてもいいぞ?」
「ふむ‥頼めるか?」
「ああ、五日くれ、見てくる」
そのままアノミアは席を立って単身北へ、が、アノミアが戻るまでも無く、次々事が動く
二日後には「世界」の東地域でも開戦の報、元々乱戦だった北地域でもついに領土の取り合いと成る、そしてバルクストの正面三国のうち二国が組み軍事状況を整えだした
アノミアが戻ってからの報告も宜しくない
「いかんなコレは、バルクストでは民衆も混乱している、上からの明確な決定が無く右往左往だ」
「肝心の上は?」
「軍は「柔軟な対応」という感じだな、政治首脳部は今更慌てて正面三国との外交交渉の準備だな、下にも碌に命令が行ってない。人事もまだ定まってないし政治的な力のある者も割れているな」
「難しいなぁ、こっちから動けんなこれ」
「どういう事だ?」
「連合にしろ、交渉にしろ、意思決定が動いてないし、もめそうだ、しかも今の時点でコッチが手を差し伸べると貧乏くじを引きかねん、援軍だけ寄こせ、などと要求されるとホントにメリットの無い庇護になる」
「確かにな」
「そもそもバルクストとは不戦しグランセルナの防波堤に成ってもらうつもりで環境構築してる、此処から北領土まで三日掛かる、援護にしても直ぐ行けん」
「そうだな庇護と行っても直ぐ整わんだろうしな」
「そもそも今の王では次の希望が見えんな、まあ、軍事力はあるからイザ何かあっても負けはしないだろうが」
「ふむ、向こうから動いて貰わんと話にならんか」
「それ待ちでいいだろう、こっちの準備はしてある」
「それ待ち」で北から外交が来たのは更に10日後である、ただ、同盟の類で無く、これまで通りの「不戦条約」である、一応それを受けてサインもしたが、この時点でコチラも動く事が無くなった
こっちに手を出すな、と云われている様なモノだ、交渉自体も殆ど無く、そのままだった
「つまりコッチは相手にされてない、と」
「ま、そうだな、背後の憂いさえ消えればいいくらいに思われてるな」
「どうします?」
「別にどうもせんよ、逆に楽になった、バルクストのお手並み拝見という立場だ内治に専念するさ」
フォレスは街の西出口の移動売店に買い物に来ていたアノミアを見つけてそう決めた
「何をだ??」
「こういう情勢だとオレも何時どうなるか判らんし協約だな」
「ふむ?」
「森住民というか、人魔らを正式にグランセルナの住民とする、というのと、不可侵を制度化、だな、後の政権が来て掌返せないようにな」
「確かにその可能性はあるな」
「基本的にソッチのが長生きだし、後どうなるかわかったモンじゃないし」
「分った、後でソチラへ行こう」
そして買い物の後、砦へ上がり
正式に書面を用意しようとしたが
「まあ‥我々は基本、事態が変わったら移動するだけだから、左程問題は無いが、そもそも、こっちの人数もそう多くない、45人しかおらんし」
「ふむ‥しかし、それじゃどうする?」
「うーん‥一応書いて、後は個々人の判断で良い気がするな、正直、街の者も我々に対する差別は見えない」
「見た目ほぼ人間だしなぁ‥」
「ああ、何れ交われば血も薄くなるだろうし、自然併合していくだろう」
「どうしたもんかね?」
「私としては、森の集落は集落で住みたいやつはそうして、問題ない者はコチラの住民にしてもらった方が楽ではある」
「では、森の集落を固定したソチラの物と誓約して、後は個々人を尊重するか?」
「それでいいと思う、人に対するトラウマがある者も居るだろうし、利便性で云えばコチラのが遥かにある、こちらに住みたいという者も居るだろう」
「分った、基本自由にしよう、森の集落周辺はソチラの物、コチラに住む者は住民として登録しよう」
「ああ」
「ま、一応、書くか」
と両者示し合わせて書き、お互い署名それを二枚用意し、それぞれ所有、そして正式な物として、変更のある場合には公式の場で改めて裁定すると書かれた
この書類自体もグランセルナ中央庁舎の正式条約として記録され、自由公開された
「態々告知する程ではないし、これでいいだろう」
「同感だな、大げさにされても困るし」
それで一旦解散となったが、翌日にはアノミアが再び訪れる
「と、いう訳で私もコッチで雇ってもらおう」
「‥なるほど‥しかしいいのか?、向こうの長は」
「私が一番力があるというだけでやってただけだ、やりたい奴に代わった」
「そっか、まあ、いいか」
「でだ、こちらへの生活希望者は8名、とは言え人魔とも云えない元々コチラに近い種だ」
「なるほど、了解した」
「殆ど3世代前くらいの者だ見た目も人間にしか見えん、力も人と左程変わらん」
「それは問題ないがな、何せオレの娘がああいう立場だし、ま、兎に角、初期だけ住宅を用意する、後は自由にしてくれ」
「ああ」
「アノミアは‥とりあえずここに住むか?」
「それでいい」
「雇う、つってもどういう能力があるのか、それ次第だが」
「武、かく乱系の術、それと特殊能力が2つ、姿消しと使役召喚だ」
「ほう‥しかし‥それは裏専門だろどうみても」
「自分でもそう思う、暗殺か斥候だな、或いは単身でのお前の護衛か、施設防衛だろう、ただ、姿消しも制限はないが風景に紛れるだけだ、動くとバレる」
「カメレオンか」
「そうだ」
「うむ‥とりあえず周囲護衛でもしてもらおう、今の所有効な使い道がないし、で?召喚は?使役というからには触媒なしでずっと出せるんだろ?」
「何匹、というのは試してないのだがシャドウ・ウルフやスピリットバットだな」
「これまたレアな‥」
「そうか?」
「まあ、いいか、とりあえず適当に頼むわ、なんか考えるわ」
「ああ」
22ヶ月の頃、相変わらず志願だけなのだが、正規軍も一万五千に成っていたそれでも人口の1%行ってない
ここでフォレスは金の掛からない武装、主に防御力主体の装備を考案した、兎に角一般兵にも配れて被弾を避ける、それでいて強い物をだ、軍官会議でその「発明」を披露して計画書を配った
「ちゅー訳で、二つ、盾隊と藤甲兵をやる」
「見たところ木の様ですが?」
「そうだ、鉄系だと重いし薄いと大して意味無い、そもそも扱い難いし、量産できんし、金が掛かる」
「ふむふむ」
「んで、盾隊だが、木製の板を持つ専門だ、丁度森のメンテで探したら、アイアンウッドがあったのでこれを使う」
「アイアンウッド?」
「まんま鉄の木、固くて頑丈100年はノーメンテで持つし虫も食わないという木だ、ついでに熱にも強いので火も弾く」
「ほほう‥」
「逆に加工は特殊道具が要る、のこぎりの類すら折れるくらいだからな」
「なんと‥」
「設計図を見る限り、かなりデカイですな」
「うむ、移動する壁だな構造的に正面防御力は結構あるだろう、まず剣や槍、弓等が止まる、反面デカイわり、軽く、一人で持って構えて動ける」
「なるほど、防御専門で壁にしてそこからの遠距離ですね」
「そうだ、かなり優位に打ち合いが出来る」
「もう一つのは?聞いた事の無い物ですが」
「もう既に材料の加工は指示した藤甲軍というのは藤の蔓を10回程度乾燥と油コートを繰り返し、編んで鎧にするモノだ、刀も矢も殆ど弾く」
「ほう‥」
「大昔のアジアという地域で無双してた、装備軍だ草蔓から作るんでコストが極端に安い、軽く丈夫で動きやすい、メンテもかからないし、大量生産出来る、ただ、作る手間はかかる、数ヶ月待ちだ一般兵全員に配っても金を使わんので楽だ」
「なるほど」
「兎に角木材が緑化と深い森があるので余りまくってる」
「基本家屋にあまり木材は使わないですからな」
「が、この武装の欠点は「火」だ」
「ああ‥草木ですからね‥」
「だが、これもアレンジを加えて、燃えない様にする、油をしみこませてコーティングするのだが外に防炎加工する、基本的な欠点を緩和する程度だな」
「なるほど、基本火に弱い、のはそう変わらないですかね?」
「とりあえず実験的にやってみたが、今の所は大丈夫そうだ火を着けた所から広がらない、じっくり不燃焼を起こして消すのは一応成功済みだ」
「これはかなり期待できますね」
「兵一人でも成るべく味方の死人を出さない様にしたいからな、元々防御系にするつもりだったし」
「流石ですね」
「後、同時に医療班も組織する、これは術士中心、学校の講義で適正のある奴を選抜した、まだ20人だけだが、リストな、ここから希望を聞いて軍なんかに帯同させる、同時に肩代りの作成もする」
「輸送隊は既に大規模連結部隊やログフットがある程度稼働出来てますので」
「そうだな、んで、その後方支援軍の護衛は基本厚くする、これに南東部族の連中の一部を使う、ここも新武装が使えるハズ」
「ほうほう」
「彼らは兎に角、殆ど馬軍だし、個々の戦闘力が高いし、非常に義理堅い、んで、逆に主戦で使うのが難しい、軍錬にも参加しているが、統制がとりにくい」
「確かにそうですね、ウチの兵や騎士団の個々より剣武は強いですね、反面大軍に成ると崩れます」
「クローゼの云った通りだ、ならば最初から少数部隊で使うべきだろうな」
「同感です、遊撃隊でも力を発揮しますね。相手の数が多くても全く怯まない」
「んで、防御鎧はまずあっちから配る、それとカハルの酒と食い物がお気に入りだ、それも優先して流してやれ。反面コッチでは人気が無い」
「あの酒と食い物はきつすぎですからねぇ」
「そういう事だな、だいたいこんな所かな?」
「後、王様それと中央からまた書状です」
「‥スルーで‥」
「いいんですかねぇ‥」
「分った一応読む、んじゃ解散」
と一同バラバラと其々の部署に戻った、私室に戻ってフォレスも一応書状を読んだが、心配したようなモノではない、要するに「また」全国会談の通知だ
「‥メリル行く?」
「はぁ、ですが、連合の事も議題になるのでは?」
「ワカラン、気にされていない可能性も高いが、書状には其の点は書かれてないしなぁ」
「あまり行く意味も無いですからねぇ」
「んー‥ターニャでいいか、座ってるだけでいいし」
「姫ですし、神格者ですしね」
「そうそう、向こうも気を使うかもしんないしな」
「誰を御付に?」
一通り周囲の者を見たが‥
「私は行かんぞ」
と先にティアに返された
「じゃ、アノミアで」
「別に構わんがいいのか?シャドウエルフのハーフだぞ?」
「だよなぁ‥」
「騎士団の隊員でいいのでは?交渉の類も無いんでしょ?」
「そーだな」
それで結局ターニャを代理に行かせた
実際「座らせておくだけ」だった、一部、連合の事が話題には出たが特に気にされなかった、4地域連合と言っても、その参加国の問題、兵力もそれほどないし何処に攻めた実績も無いし、3王がそもそも穏健派(主にロッゼが)有名で治世型の王である
「どうせ弱者の戦略」と思われて鼻で笑う者も居たくらいだ、ただ、逆にターニャは会議後来客がひっきりなしだった
「神の」しかも「女神側の系譜」と説明された事で地元の、つまり高官や権力者等から礼を払われたり、拝まれたりしていた
「どのようなお力を有されるのですか?!」
「んと、奇跡の手と、魔眼だって、他にもあるらしいけど、まだ使えないどこの系譜かは詳しくは分らないみたいです」
「ぜ、ぜひ見せて頂けますか?!」
「いいよ」
という流れである。ただ、かなり色々な憶測を呼んだ、能力からアスタルトの流れではないか?とか勝手にペンタグラムで盛り上がった様だ
会議の方は相変わらずで、コレと言って有効な結果も出てない、いつもどおり自己主張の張り合いで「引き続き交渉を」で片付いた
「だったよパパ」
「ふむ、今後もターニャを出しとけば問題ないな」
「なんかお土産いっぱい貰った」
「そりゃ良かったな」
「うん」
そしてラッキーなめんどうな事件も立て続けに起きた、ある日、施設視察から砦に戻って私室の扉を開けると見知らぬ若い娘が居た
「お帰りなさいませ、おうさま、マギです!」
と向こうに挨拶されたが意味不明である
「おい‥なんだこの娘は」
「南東「角」部族のおっさんが置いてったが、多分貢物だろう」
高官が誰も居なかったのでアノミアが対処したらしい、そう説明した
「貢物!?」
「つまり夜の相手とか人質だな」
「‥」
「ウチ一番の器量よしオレの末っ子だぜ、よろしく頼むガハハ、等と言って置いてったぞ」
「なんつー時代錯誤な‥」
「まあ、権力者に二心無きを証明しつつ、子供こさえてくれれば一族に成れるし、先も安泰という大昔からよくある手だな」
「どうすっかねコレ‥」
「貰ったらどうだ?返すのも非礼に当るし、外交上の拒否に当るぞ」
「うわ、めんどくせー、だいたい、まだ子供じゃねーか‥」
「13らしい」
しょうがないのでそのまま別に個人部屋を官舎に与えて、学校に入れた
「何故ですか!?おうさま!」と娘も云ったが
「もう少し大きくなってからね」と諭して普通の生活と教育をさせたのである
あの「熊」親父と違ってかなり可愛らしい子だが、普通の教育をさせると意外と直ぐ馴染んだ
今後余計事をされても困る為、部族長の代表のおやじさん、ドネツクとも話して納得させ、向こうに配慮して一応「許婚」て事にして調整した
ただ、娘は色々サーチした挙句かなり親父似だった、見た目は少し日焼けぽい肌、今で言うとアラビア系の地肌褐色の健康優良児という感じで明るく素直で可愛らしいがかなり武力資質がある事が分った、そして猪突系である、資質、武力素養だけで言えばテラと良い勝負くらいまで伸びると探査された
そのまま軍に入れても問題ないくらい凄いのだが「まあ、当分ふつーに生活させときゃいいや」と思ってそのままにしていた。一応嫁候補だし、部族長の娘だし、若いし、猪突ぽいし、ヘタに出して死なれても困るという事でもある
二十四ヶ月、つまり丁度二年に成った所で藤甲兵の準備が整い、最初の200着が南東部族に送られる、それに合わせて街道付近に作った駐屯基地に先の部族長マギの父親のドネツクがウキウキで入った
細かい指示は無理やろうと思って領内や連合国への自由遊撃を任せた、つまり「自己判断で好きにしていいよ」て事だ
かなり好戦的で味方の危機に直ぐ動く人物なのでそういう立場でいいだろうと、それなりに高い立場を与えた
「それはいいんですが‥こちらの命令とか聞くんですか?」
「多分オレの指令ならな、なんかマギの件あってもう親戚扱いなんだよね」
「はぁ‥なんか単純な人ですねぇ‥」
「ただ、馬鹿ではないな、異常に熱いおっさんというだけで、武力もウチでは屈指だろ」
「調べたんですか?」
「一応ね、まあ、邪険にせず、援助の類も続けてやれば問題無い、義理堅くて、恩義には恩義で返す、だからこちらもそれを怠ってはいけない」
「それがアチラの判断基準という事ですね」
「そうだ「心」昔で言う仁義だな」
そして同時期に北と西とのとりあえずで結んだ時限式不戦条約も消滅、また向こうから来るかな?と思っていたのだが西は延長の要請は来て結んだのだが北のバルクストは来なかった、理由は国内が荒れたことである
元々病床にあった王が亡くなり13の息子が即位したのだが、この息子も即位から二ヶ月で病死、原因不明での突然死である
一部暗殺ではないか?等と云われ混乱するが最後まで原因不明、今で言う心臓発作である
やむなく、先王の親戚、従兄弟が王位に着いたのだが、これで国内が分裂騒ぎになった
政治と軍事が割れたのである、その間隙を縫って他国からの圧迫があり国内混乱になった
実質的な武力行使は無いのだが、新王も高齢で政治的判断が定まらなかった事が拍車を掛けた、過去に「火薬庫」と評した事態がここで起こったのだ
フォレスら一同も会議室に集まって話し合ったが、正直出来る事が無い
「まさかこういう流れとはなぁ‥北に崩れられると困るんだが‥」
「如何します?王様」
「向こうのトップ周辺がマトモな判断力があるなら、こっちにも外交してなきゃならない事態なんだが、来ないからなぁ」
「つまり新王含めて政治面はアレ、て事ですね」
「或いはそれ所でも無い程の混乱の極みか」
「今度の王も高齢だし、それが終ると親族も、もう女史しか居ないぞ?」
「現王の娘と妻くらいですかねぇ‥」
「空位になるとどうなる?」
「ペンタグラムが出てくるんじゃないか?、軍事行動も抑えには掛かるだろう」
「あまり期待できないな‥殆ど誰もいう事を聞かない状態になってるし」
「と、とりあえず、こちらから外交を持ちかけてみますか?」
「うーん、向待ちでいいだろ、コッチからは動かん方がいい、準備だけしておこう」
「はい」
「フォレス」
「ん?なんだアノミア」
「私が探ってきてもいいぞ?」
「ふむ‥頼めるか?」
「ああ、五日くれ、見てくる」
そのままアノミアは席を立って単身北へ、が、アノミアが戻るまでも無く、次々事が動く
二日後には「世界」の東地域でも開戦の報、元々乱戦だった北地域でもついに領土の取り合いと成る、そしてバルクストの正面三国のうち二国が組み軍事状況を整えだした
アノミアが戻ってからの報告も宜しくない
「いかんなコレは、バルクストでは民衆も混乱している、上からの明確な決定が無く右往左往だ」
「肝心の上は?」
「軍は「柔軟な対応」という感じだな、政治首脳部は今更慌てて正面三国との外交交渉の準備だな、下にも碌に命令が行ってない。人事もまだ定まってないし政治的な力のある者も割れているな」
「難しいなぁ、こっちから動けんなこれ」
「どういう事だ?」
「連合にしろ、交渉にしろ、意思決定が動いてないし、もめそうだ、しかも今の時点でコッチが手を差し伸べると貧乏くじを引きかねん、援軍だけ寄こせ、などと要求されるとホントにメリットの無い庇護になる」
「確かにな」
「そもそもバルクストとは不戦しグランセルナの防波堤に成ってもらうつもりで環境構築してる、此処から北領土まで三日掛かる、援護にしても直ぐ行けん」
「そうだな庇護と行っても直ぐ整わんだろうしな」
「そもそも今の王では次の希望が見えんな、まあ、軍事力はあるからイザ何かあっても負けはしないだろうが」
「ふむ、向こうから動いて貰わんと話にならんか」
「それ待ちでいいだろう、こっちの準備はしてある」
「それ待ち」で北から外交が来たのは更に10日後である、ただ、同盟の類で無く、これまで通りの「不戦条約」である、一応それを受けてサインもしたが、この時点でコチラも動く事が無くなった
こっちに手を出すな、と云われている様なモノだ、交渉自体も殆ど無く、そのままだった
「つまりコッチは相手にされてない、と」
「ま、そうだな、背後の憂いさえ消えればいいくらいに思われてるな」
「どうします?」
「別にどうもせんよ、逆に楽になった、バルクストのお手並み拝見という立場だ内治に専念するさ」
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
レベルを上げて通販で殴る~囮にされて落とし穴に落とされたが大幅レベルアップしてざまぁする。危険な封印ダンジョンも俺にかかればちょろいもんさ~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界に転移した山田(やまだ) 無二(むに)はポーターの仕事をして早6年。
おっさんになってからも、冒険者になれずくすぶっていた。
ある日、モンスター無限増殖装置を誤って作動させたパーティは無二を囮にして逃げ出す。
落とし穴にも落とされ絶体絶命の無二。
機転を利かせ助かるも、そこはダンジョンボスの扉の前。
覚悟を決めてボスに挑む無二。
通販能力でからくも勝利する。
そして、ダンジョンコアの魔力を吸出し大幅レベルアップ。
アンデッドには聖水代わりに殺菌剤、光魔法代わりに紫外線ライト。
霧のモンスターには掃除機が大活躍。
異世界モンスターを現代製品の通販で殴る快進撃が始まった。
カクヨム、小説家になろう、アルファポリスに掲載しております。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
処刑された元英雄は、エルフに転生して帝国を建国する
リューク
ファンタジー
太古の昔から争いを繰り返したエルヴィンガルド。
彼の地に一人の男が転生した。
彼は500年もの昔、人族の勇者として軍を指揮し魔王を討伐した。
しかし、彼の業績は人々の嫉妬を買う事にもなり、謀殺される。
哀れに思った神が与えたのは、エルフとしての第二の人生だった……。
前世の教訓をもとに、彼がエルフの里から安全の為だけに建国を目指す物語である。
※なろコンで1次審査突破しました!←NEW!2019.04.04
※投稿間隔は隔日を予定しております。
※現在ルビの不備を確認しております。7月ごろに修正を入れる予定ですので、それまでご了承ください。なお、こちらの文章は修正完了次第消します。
やり直し令嬢の備忘録
西藤島 みや
ファンタジー
レイノルズの悪魔、アイリス・マリアンナ・レイノルズは、皇太子クロードの婚約者レミを拐かし、暴漢に襲わせた罪で塔に幽閉され、呪詛を吐いて死んだ……しかし、その呪詛が余りに強かったのか、10年前へと再び蘇ってしまう。
これを好機に、今度こそレミを追い落とそうと誓うアイリスだが、前とはずいぶん違ってしまい……
王道悪役令嬢もの、どこかで見たようなテンプレ展開です。ちょこちょこ過去アイリスの残酷描写があります。
また、外伝は、ざまあされたレミ嬢視点となりますので、お好みにならないかたは、ご注意のほど、お願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる