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傭兵団編
発端
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フリトフルと呼ばれた大陸
多くの大小の国を抱えながら100年もの平和が続いた、この大陸で第2次10年戦争と後に呼ばれる争いが起こる
第一次十年戦争時の反省と、あの悲劇を繰り返さない為に「大陸会議」が開催され
大陸条約として。国家間の戦争の戒め、固有の過大武力の保有の禁止が明記され それを皆守った
その後一世紀の表面上の平和が齎されるしかし、人の世に永久の平和などありえないのかもしれない
中央のヘブンズゲート山脈の南、大陸ほぼ中央に位置する大国ベルフ王は自らを皇帝と称し、ベルフ帝国を名乗る固有武力を巨大化し、宣戦布告をもって大陸戦争を開始する
大陸間条約を守っていた周辺各国は瞬く間に敗戦、占拠されるに至る。
無論それに異を唱え抗議するが黙殺「平和条約」が足かせになり逆に平和が崩された
しかしその「偽りの平和」が何時までも続く訳も無いと。準備するものが皆無だったわけではない
ベルフが最初の進発を行った時、出撃する軍を山の上から見学する一団があった「草原の傭兵団」と呼ばれる団である
「始まったな‥フリット」
フリット、と呼ばれた青年。歳は22
細身だが引き締まった体つきの騎士で、長い藍の髪を持つ一見すると好青年という面持ちである。
「そうだな。情報通りだよ、グレイ」
グレイ、と呼ばれた青年。歳は同じく22
180センチ後半の身長と筋肉質な剣士で大刀を携えた
短髪の大柄な男性
二人は元は南の地で国の部隊に所属、軍の組織は解体されていたので体面上「治安維持軍」とされていた部隊の同期で隊長と副長という間柄の腐れ縁でもある
「南西への侵攻。小国ルフレイスとその周辺地域だな」
「どうすんだ?俺らも参戦するのか?」
「無駄だ。我々の団は120名。ルフレイスの軍は300.ベルフ軍は千。援軍に行っても即日敗戦確定だ」
「だろうなぁ‥」
「この方面が先となれば、次の狙いはクロスランドだろう。そこまで下がる」
クロスランド。
名前の通り中央から、東西南北の街道に繋がる国。4本の大街道の合流地故に「クロス」
大陸侵攻作戦を中央から行った場合、きわめて重要な場所でありルートの確保ならまずここだろう、いわば規定路線に近い優先侵攻先である
それ故街と言うより砦といった作りの防衛戦に適した場所である
フリットの予想通りルフレスは1日で敗戦、占拠される、しかしながら
周辺大小の村、集落、街の占領政策には手間取り、実際にクロスランドへ侵攻を始めたのは10日後である
大陸中央の要所、クロスランド、重要拠点であるだけに境涯な砦ではあり、防衛兵も精兵と言える だが、この場所ですら、守備隊は300名しかおらず
数の上で勝負になる状態では無く即日敗退、占拠となる
当然だろう千対三百だ、戦闘と呼べるものではない
「どこまで平和ボケなんだか‥」
「が、守備隊はここの重要性は理解していたようだな」
「ああ‥全員玉砕で戦死。生き残り無し、だ」
フリットはクロスランド直ぐ側、北西の丘とも山とも言えぬような場所にいち早くたどり着き陣を敷いて観察を続けていた「さて、どうしたものか‥」とフリットが呟いた
しかし、ただクロスランドが敗退しただけでは無い、ソレは午後三時過ぎに起こる、ベルフの一部兵がこちらに向かってくるのだ
「バレたのか?」とも思ったがそうでは無い
フリット達が居る山の麓の集落に50名程の兵が侵入、集落から徴収を始める。しかしそれは「徴収」とも言えない事態だった
村人を切り殺し、殴り倒し、食料や金品を「略奪」しはじめた「オイオイ‥盗賊かよ‥」
一緒に居たグレイは呆れたように言った
「軍のやる事ではないな」
「どうするよ?助けるか?」
「無茶を言うな‥グレイ」
言いつつ、フリットは麓に向かおうとする
「何だよやっぱ行くんじゃねーか」
「見に行くだけだ‥他の者は撤収しろ。」とグレイに指示を出しながら歩き出す。が
「おい、聞いたかお前ら?~拠点まで帰れとさ、後を頼んだぞー」とグレイもそれについていく
「見に行くだけだと言ってるだろうが‥」
「うっせぇ、俺も見たいんだよ」
「まったく‥」
それ以上フリットは止めなかった
実際そこに着いて見るとそれは凄惨な光景だった。
略奪する兵に逆らう訳でもない村人を関係なしに切り殺していく兵、それは彼らにとってはただの遊びと同義である、村人にはどういう事か分からなかった。何が起きているかすら
ただひたすら、硬直したままか、逃げ惑うか、ただひたすら殺される順番を待っているだけだった
当然なのかもしれない「戦い」等もはや別の世界のおとぎ話のような物でしかなく、戦える者は全て敗退した、戦中にはよくある事だ、今でもやってる
山に近い、小屋で老人と子供は抱き合いながら自分達に少しずつ迫る兵をただ見ていた
兵は次はお前達の番か?とばかりに二人の前にたどり着き無言で剣を振り下ろした
老人は子供をかばい体を背を向けて、抱きすくめて後ろで剣を受けた、倒れる老人、大量の血を浴びてそれを硬直したまま見届ける子供
が、そこで一方的な虐殺に変化が起きた
その「子供」は身内を殺した兵を「カッ」と睨みつけた。即座鎖の切れた猛犬の様に兵士に飛び掛ったそれはむしろ訓練された猟犬の様だった
兵の足元に滑り込み、足を絡めて転倒させる、落ちた剣を掴み取り。
倒れた兵の頭に声にならない掛け声とも絶叫ともとれる気合の声を挙げて。剣を突き刺し絶命させたのだ
それを見た周囲の住人、兵は固まった
何かを思い出したように
「なんだ貴様!」と声を挙げ剣を振り上げ「子供」に向かう
一番最初に「子供」の元にたどり着いた兵に「子供」は剣を投げ出すように振り回しつつ体を縮めて兵の足を斬った。砲丸投げの様に振り回しながら、回転しながら上から下に軌道を操り片足を両断
「ぐああああああああああ」と声を挙げて倒れる兵
「子供」は即時立ち上がり山道に向かって走り出す、それを追う兵「子供」はこちらに上がってくる。
そこでようやくその姿を正面から見る機会を得て
「子供」が「彼女」であることを確認できた
短めの赤の髪、まだ、子供だが決して華奢という感じはしない体。彼女には大きすぎるであろう奪った剣を両手でやや地面に切っ先を着けるように持ち。走る
何より驚きなのが、血を全身に浴び、その血の化粧の向こうから、思わずフリットですら後ずさりしてしまいそうになる見開かれ、爛々と光るような赤い眼
彼女はこのような事態でも冷静だった。いや、第三者から見ればそう見えたのだ
走り、追いすがる兵に振り向いて剣を投げ出す様に大振りの一撃を浴びせ倒す
また、走り、また、追いすがる兵に剣ごと体を預けるように跳び突き殺しまた走る。追いついて来た敵から一人、一人と各個撃破していく
「おい‥フリット‥これは‥」
「‥あの子だけなら、拾えるかもしれん‥」
「グレイ、俺は先回りする。後ろを頼む!」
「おう」グレイとフリット同時に駆け出す
少女と兵の追撃戦は、10分以上続いた。山道を只管両者が駆け、剣を一合しては少女は逃げ、兵は追う。
その均衡が崩れたのはベルフ兵が弓を持ち出したからだ
彼らは練兵ではない剣もヘタクソだし、弓もヘタだ、しかし浴びせられた弓のうち2本は少女を捉えた
少女は体を傾けて一本の矢はかわした、だがもう一本は右足太腿に受けた。
思わず「‥!!」と声を挙げて右ひざを地面につく、そこへ、一人の兵が接近し、上から剣で切りつけた
彼女は両手で剣を水平に構え頭に持ち上げそれを防ぎ止めた。声など挙げない、表情も崩さない相手は力を込めてそのまま押し潰そうと押し込む
その瞬間「何か」が風を巻き起こし、その兵の力を込める腕を両断した
フリットは「ここまでだ」と見切り、崖上から飛び降りながら二人の間に割って入りつつ兵の腕だけ切り落とした
何が起きたか理解できないように不思議な顔をした後兵は叫び声を上げて跳ぶように後ろにひっくり返った
フリットはチラリと少女を見て
「落ち着け大丈夫だ。俺は味方だ」
そう努めて平静に言い。兵達と少女の間に入り立ちはだかる
ベルフの兵は「なんだ貴様!そのガキの仲間か?!!」と声を挙げた
「ああ、だが一人ではない」とフリットが返した瞬間、その兵の首が飛んだ。グレイが同じように上から急襲して首をはねたのだ
「な!?」と声を挙げた途端、その兵の首も飛ぶ。それに合わせてフリットも飛び出し、剣を振るう
戦闘は7対2だったが。10秒掛からず終わった、後に残ったのはベルフ兵の死体だけだった
「弱いな、ベルフ兵ってのは」
フンッと鼻で笑いつつグレイが言った
「行動、技前からして、急造兵、あるいはそこいらの野党、盗賊、犯罪者も雇ったんだろう」
「だろうなぁ、やる事がまるっきり盗賊だったからな」
「数だけ揃えればよかったんだろう」
フリットはそこまで言って少女を見た
「大丈夫か?」等馬鹿げた事を言わないそんなわけはないのだ、代わりに
「俺はフリット=レオル、とりあえず君を安全な場所まで運ぶ」
少女は先ほどまでの「獣」の少女では無く、普通の少女だった
「ライナ‥ブランシュ」とだけ短く返した
フリットは子袋から一つ小さな玉を取り出して、彼女に差し出す
「移動するが、その足では苦痛だろう。この薬を飲め、一時昏倒するが、寝ている間は痛みは無くなる。信用してくれるか?」
「うん‥」とそれを受け取り、素直にそれを口に運んだ
三十秒程して彼女は泳ぐ様に頭をフラフラさせた後、その場に倒れた。フリットはそれを確認してから彼女を抱き上げる
「矢傷はたいしたことは無い、外にずれてかすめるような刺さり方だ。」
「ならさっさと逃げようぜ、敵が増えたらめんどうだ」
「そうだな。」
二人はその場を去った。少女を抱えて‥
二日後、クロスランドにベルフ本国から赴任してきた青年将が訪れる。
司令部として借り上げた安ホテル、そこで最初に受けた報告がこの事件だった
「なんとまぁ‥呆れた話だ‥」
「いかがいたしましょう?」
「後で指示を出します、とりあえず下がっていいですよ」
「ハ」と兵は部屋を出る
青年の補佐官と思われる女性が声を掛ける
「その集落の住民はその逃げた少女以外全員死亡。追った兵も17名死亡だそうです」
「何でもかんでも人を増やすからこうなる‥」
「事後の対応をいかがします?アリオス様」
「調査、と言っても関わった、あるいは追った者は全員死んでるからねぇ、まさかその少女を探す訳にもいくまいし」
「探せと言われれば探しますが」
「傷ついたウサギを狩る、いやこの場合は山猫か。そういう趣味はありませんね」
「死体の状況から、その娘を助けた者が居るようですが‥」
「この事態になれば、どこぞかの国から、斥候や情報収集兵は来るでしょう
ですが、相手を特定するのは無理でしょうな、第一、それに構っている暇はありませんな。まったく、散々荒らした後の畑を綺麗にしろとは酷い命令だなぁ」
「ご尤もですが、アリオス様がやらねば誰がやりますか?」
「ですよね~まあ、とにかくこの件は簡単に終わらせましょう」
「というと?」
「軍令無視の兵の略奪、虐殺、一般市民への行為、で、もう死んでますが‥関係者拘束。略奪に関わった残りの兵は本国に返送。事実を発表したうえで公式謝罪、以降、兵への命令無視の非常識な行為に厳罰と告知して終わりで」
「分かりました」と短く答え補佐官の女性は退出した
コーヒーを軽く啜ってからアリオスは、ほんとに嫌そうに溜息をついた
すると今出て行った補佐官が数分で戻ってくる、小脇に書類の束を抱えて
「あの、アリオス様、略奪、暴行が後40件ほどあったようで‥」と
「私は政治官では無いんですがね‥」
「申し訳ありません‥しかし、司令官クラスで内政処理出来る方が‥」
「何でうちの軍は脳筋ばかりなんでしょうね‥私を過労死させる気ですか‥」
「で、どうしますか」
「とりあえず処理は同じで、被害者には‥賠償金があるわけではないので金10~20の範囲でどうにか納得してもらいましょう‥命令の徹底と私の下から近衛を出して見回り、これで、安心してもらうしかありませんな」
「はい‥では早速」
今度こそ補佐官は部屋を出て、しばし戻らなかった
「ライナ」と名乗った少女が目を覚ましたのはキッチリ五日後だった
そこは簡素なベットにテントといった部屋だった、いわゆる野営地の仕様である
ライナが目を覚ました事に気がついた、その部屋に居た少女がライナに振り向いて
「起きた?気分はどう?」と聞く
そう聞かれて。自分の体調を確認する、少し頭がふらつく、あの時受けた右足の怪我は無かった
「え?‥矢傷が‥」と思わず声が出る
「ああ、それは治したわ。私戦闘僧なの。神聖術って知ってるかしら?」
「ええ、癒しの魔法を使う、それでいて戦闘訓練を受けた‥」
「そう、私それ、えーとライナだっけ?」
「ええ」
「そう宜しく、私はイリアよ」そう言って彼女握手を求める
イリアと名乗った少女はライナより少し年齢は上だろうか、青系のショートの髪に白い衣装と肌、やさしそうな面持ちの少女人当たりのよさそうな彼女に安心した
ライナはそれに返し手を握る
「こちらこそ」
「そのまま寝てて、誰か呼んでくるから」と言うなりイリアはテントを出た
その報告をイリアから受けるフリットとグレイ「分かった」とだけ短く答えてイリアが自分達のテントから出るのを確認してから話す
「で、どうすんだ?フリット」
「別に、いつもどおりさ」
「アレは使えそうだが‥」
「剣はどうかしらんが、稀な才能の持ち主であるのは事実だな」
「んだな」
「逃れようの無い絶望に直面したとき。人は2種の行動のどちらかを取る」
「何も出来ず泣いて喚くか、窮鼠と化すか?」
「が、あの子はどちらでもない。あくまで冷静で客観的に。ベルフの兵を切り倒した」
「俺でも恐怖するほどの「眼」だったな‥」
「ああ、だがバーサーカーの類でもない。しいて言えば‥アサシンか」
「普通は訓練して作るもんだがなぁ」
「だな、だがあの子は生まれつきそれを持っている、という事だろう、千か万に一人の才能だな」
「おっかねぇな‥」
「何れにしろ、事情話して、彼女の意思を尊重する、それには変わりは無い」
「そっか、まあ、しかたねぇか」
三十分程してライナの居るテントにフリットは顔を出す
「あ‥」とライナとイリアは彼を見て声を出す
「イリア、彼女に新しい服を。出来たら呼んでくれ、外で待つ」
「はい」
と短い会話だけ済まして彼は外に出た
五分後、ライナとイリアはテントを出る、まずフリットは
「イリア、すまないが外してくれ」
「はい」何も聞かずイリアはその場を離れた
「ライナ、色々と話すべき事がある、来てくれ」と歩き出し
ライナも「はい」と答えてそれに従う
フリットは自らのテントに招き粗末なテーブルセットに座り、対面の椅子を勧める
「君はいくつだ?」
「14です」
「ここは‥俺の傭兵団のアジト、と言っても移動式集落でもあるが」
「傭兵団?」
「ああ、ここに居るのは、殆ど同じ境遇の者だ。親なし、独り身、後顧の憂いの無い者。俺はそういったものを、時に君のように助け、集めている。希望者はどこかの、戦火のまだ、及ばざる場所に開放したり」
「傭兵、て事は戦うんですよね」
「そうだ、が、希望した者だけだ、戦闘が好きな奴などそうは居ないからな」
「ですよね」
「今残って戦う者は百二十程だ」
「何の為に戦っているのですか」
「創設からの目的は「いつか平和の壊れた時の為に」戦争に加われる組織を作り上げる事。だ」
「戦争‥」
「大陸条約を知っているか?」
「ええ‥平和の為に国家が軍力を放棄するルールでしたよね」
「ああ、だがそれが壊れた。各国が条約を守り最低限の防衛、治安維持以外の兵力を切ったからだ。そして軍備を再編する間も無くベルフに侵攻されるだろう‥我々は、それを防ぐ。いや、一日でも時間を稼ぐ、それが目的だ」
「時間を稼ぐ‥」
「皆支配されたくはないだろう、何れ軍力を整えるハズだ。が、その時間は、このままでは取れぬまま滅ぼされる」
「あんな風に‥、皆、殺されるのか‥」
「多かれ少なかれ、起こるかもしれぬな」
二人は一時沈黙する
「ま、それはこちらの事情だ。まず、俺は君の希望を聞く、残って戦うか、どこかで普通の生活を送るか。好きな方を選ぶといい」
「あの‥」
「ん?」
「私の村は、どうなりました?帰る事は可能ですか?」
「それは無理だ、あそこは‥全滅した」
それを聞いて、ライナは静かに俯いた、取り乱したり、泣いたりしなかった
「落ち着いているな‥」 その態度を見て思わずフリットは呟くように言った
「だろうとは、思いましたから、それに‥一人になるのは初めてではありませんから‥」
「そうか‥」
フリットは席を立ち
「時間はある、ゆっくり考えればいいさ‥」と言ったが
即座に「いいえ」とライナは言った
「残って、戦います」と
フリットはそういった彼女を見てしばらく無言だった。
そして黙ったまま背後に立てかけてある剣を取り、ライナに差し出す
「練習剣だ、切れはしない。とりあえず基礎だけは教える。その後の事は後で考えろ、嫌になったり合わないと思えば団を抜けていい、それだけだ」
「分かりました」 ライナはそれを受け取った
皆同じ境遇の者、だからヘタな慰めや優しさ、応援など偽善にしか感じない、だからフリットは無用な事は言わない
「考え自分で決めろ」これが彼の示す道だ
多くの大小の国を抱えながら100年もの平和が続いた、この大陸で第2次10年戦争と後に呼ばれる争いが起こる
第一次十年戦争時の反省と、あの悲劇を繰り返さない為に「大陸会議」が開催され
大陸条約として。国家間の戦争の戒め、固有の過大武力の保有の禁止が明記され それを皆守った
その後一世紀の表面上の平和が齎されるしかし、人の世に永久の平和などありえないのかもしれない
中央のヘブンズゲート山脈の南、大陸ほぼ中央に位置する大国ベルフ王は自らを皇帝と称し、ベルフ帝国を名乗る固有武力を巨大化し、宣戦布告をもって大陸戦争を開始する
大陸間条約を守っていた周辺各国は瞬く間に敗戦、占拠されるに至る。
無論それに異を唱え抗議するが黙殺「平和条約」が足かせになり逆に平和が崩された
しかしその「偽りの平和」が何時までも続く訳も無いと。準備するものが皆無だったわけではない
ベルフが最初の進発を行った時、出撃する軍を山の上から見学する一団があった「草原の傭兵団」と呼ばれる団である
「始まったな‥フリット」
フリット、と呼ばれた青年。歳は22
細身だが引き締まった体つきの騎士で、長い藍の髪を持つ一見すると好青年という面持ちである。
「そうだな。情報通りだよ、グレイ」
グレイ、と呼ばれた青年。歳は同じく22
180センチ後半の身長と筋肉質な剣士で大刀を携えた
短髪の大柄な男性
二人は元は南の地で国の部隊に所属、軍の組織は解体されていたので体面上「治安維持軍」とされていた部隊の同期で隊長と副長という間柄の腐れ縁でもある
「南西への侵攻。小国ルフレイスとその周辺地域だな」
「どうすんだ?俺らも参戦するのか?」
「無駄だ。我々の団は120名。ルフレイスの軍は300.ベルフ軍は千。援軍に行っても即日敗戦確定だ」
「だろうなぁ‥」
「この方面が先となれば、次の狙いはクロスランドだろう。そこまで下がる」
クロスランド。
名前の通り中央から、東西南北の街道に繋がる国。4本の大街道の合流地故に「クロス」
大陸侵攻作戦を中央から行った場合、きわめて重要な場所でありルートの確保ならまずここだろう、いわば規定路線に近い優先侵攻先である
それ故街と言うより砦といった作りの防衛戦に適した場所である
フリットの予想通りルフレスは1日で敗戦、占拠される、しかしながら
周辺大小の村、集落、街の占領政策には手間取り、実際にクロスランドへ侵攻を始めたのは10日後である
大陸中央の要所、クロスランド、重要拠点であるだけに境涯な砦ではあり、防衛兵も精兵と言える だが、この場所ですら、守備隊は300名しかおらず
数の上で勝負になる状態では無く即日敗退、占拠となる
当然だろう千対三百だ、戦闘と呼べるものではない
「どこまで平和ボケなんだか‥」
「が、守備隊はここの重要性は理解していたようだな」
「ああ‥全員玉砕で戦死。生き残り無し、だ」
フリットはクロスランド直ぐ側、北西の丘とも山とも言えぬような場所にいち早くたどり着き陣を敷いて観察を続けていた「さて、どうしたものか‥」とフリットが呟いた
しかし、ただクロスランドが敗退しただけでは無い、ソレは午後三時過ぎに起こる、ベルフの一部兵がこちらに向かってくるのだ
「バレたのか?」とも思ったがそうでは無い
フリット達が居る山の麓の集落に50名程の兵が侵入、集落から徴収を始める。しかしそれは「徴収」とも言えない事態だった
村人を切り殺し、殴り倒し、食料や金品を「略奪」しはじめた「オイオイ‥盗賊かよ‥」
一緒に居たグレイは呆れたように言った
「軍のやる事ではないな」
「どうするよ?助けるか?」
「無茶を言うな‥グレイ」
言いつつ、フリットは麓に向かおうとする
「何だよやっぱ行くんじゃねーか」
「見に行くだけだ‥他の者は撤収しろ。」とグレイに指示を出しながら歩き出す。が
「おい、聞いたかお前ら?~拠点まで帰れとさ、後を頼んだぞー」とグレイもそれについていく
「見に行くだけだと言ってるだろうが‥」
「うっせぇ、俺も見たいんだよ」
「まったく‥」
それ以上フリットは止めなかった
実際そこに着いて見るとそれは凄惨な光景だった。
略奪する兵に逆らう訳でもない村人を関係なしに切り殺していく兵、それは彼らにとってはただの遊びと同義である、村人にはどういう事か分からなかった。何が起きているかすら
ただひたすら、硬直したままか、逃げ惑うか、ただひたすら殺される順番を待っているだけだった
当然なのかもしれない「戦い」等もはや別の世界のおとぎ話のような物でしかなく、戦える者は全て敗退した、戦中にはよくある事だ、今でもやってる
山に近い、小屋で老人と子供は抱き合いながら自分達に少しずつ迫る兵をただ見ていた
兵は次はお前達の番か?とばかりに二人の前にたどり着き無言で剣を振り下ろした
老人は子供をかばい体を背を向けて、抱きすくめて後ろで剣を受けた、倒れる老人、大量の血を浴びてそれを硬直したまま見届ける子供
が、そこで一方的な虐殺に変化が起きた
その「子供」は身内を殺した兵を「カッ」と睨みつけた。即座鎖の切れた猛犬の様に兵士に飛び掛ったそれはむしろ訓練された猟犬の様だった
兵の足元に滑り込み、足を絡めて転倒させる、落ちた剣を掴み取り。
倒れた兵の頭に声にならない掛け声とも絶叫ともとれる気合の声を挙げて。剣を突き刺し絶命させたのだ
それを見た周囲の住人、兵は固まった
何かを思い出したように
「なんだ貴様!」と声を挙げ剣を振り上げ「子供」に向かう
一番最初に「子供」の元にたどり着いた兵に「子供」は剣を投げ出すように振り回しつつ体を縮めて兵の足を斬った。砲丸投げの様に振り回しながら、回転しながら上から下に軌道を操り片足を両断
「ぐああああああああああ」と声を挙げて倒れる兵
「子供」は即時立ち上がり山道に向かって走り出す、それを追う兵「子供」はこちらに上がってくる。
そこでようやくその姿を正面から見る機会を得て
「子供」が「彼女」であることを確認できた
短めの赤の髪、まだ、子供だが決して華奢という感じはしない体。彼女には大きすぎるであろう奪った剣を両手でやや地面に切っ先を着けるように持ち。走る
何より驚きなのが、血を全身に浴び、その血の化粧の向こうから、思わずフリットですら後ずさりしてしまいそうになる見開かれ、爛々と光るような赤い眼
彼女はこのような事態でも冷静だった。いや、第三者から見ればそう見えたのだ
走り、追いすがる兵に振り向いて剣を投げ出す様に大振りの一撃を浴びせ倒す
また、走り、また、追いすがる兵に剣ごと体を預けるように跳び突き殺しまた走る。追いついて来た敵から一人、一人と各個撃破していく
「おい‥フリット‥これは‥」
「‥あの子だけなら、拾えるかもしれん‥」
「グレイ、俺は先回りする。後ろを頼む!」
「おう」グレイとフリット同時に駆け出す
少女と兵の追撃戦は、10分以上続いた。山道を只管両者が駆け、剣を一合しては少女は逃げ、兵は追う。
その均衡が崩れたのはベルフ兵が弓を持ち出したからだ
彼らは練兵ではない剣もヘタクソだし、弓もヘタだ、しかし浴びせられた弓のうち2本は少女を捉えた
少女は体を傾けて一本の矢はかわした、だがもう一本は右足太腿に受けた。
思わず「‥!!」と声を挙げて右ひざを地面につく、そこへ、一人の兵が接近し、上から剣で切りつけた
彼女は両手で剣を水平に構え頭に持ち上げそれを防ぎ止めた。声など挙げない、表情も崩さない相手は力を込めてそのまま押し潰そうと押し込む
その瞬間「何か」が風を巻き起こし、その兵の力を込める腕を両断した
フリットは「ここまでだ」と見切り、崖上から飛び降りながら二人の間に割って入りつつ兵の腕だけ切り落とした
何が起きたか理解できないように不思議な顔をした後兵は叫び声を上げて跳ぶように後ろにひっくり返った
フリットはチラリと少女を見て
「落ち着け大丈夫だ。俺は味方だ」
そう努めて平静に言い。兵達と少女の間に入り立ちはだかる
ベルフの兵は「なんだ貴様!そのガキの仲間か?!!」と声を挙げた
「ああ、だが一人ではない」とフリットが返した瞬間、その兵の首が飛んだ。グレイが同じように上から急襲して首をはねたのだ
「な!?」と声を挙げた途端、その兵の首も飛ぶ。それに合わせてフリットも飛び出し、剣を振るう
戦闘は7対2だったが。10秒掛からず終わった、後に残ったのはベルフ兵の死体だけだった
「弱いな、ベルフ兵ってのは」
フンッと鼻で笑いつつグレイが言った
「行動、技前からして、急造兵、あるいはそこいらの野党、盗賊、犯罪者も雇ったんだろう」
「だろうなぁ、やる事がまるっきり盗賊だったからな」
「数だけ揃えればよかったんだろう」
フリットはそこまで言って少女を見た
「大丈夫か?」等馬鹿げた事を言わないそんなわけはないのだ、代わりに
「俺はフリット=レオル、とりあえず君を安全な場所まで運ぶ」
少女は先ほどまでの「獣」の少女では無く、普通の少女だった
「ライナ‥ブランシュ」とだけ短く返した
フリットは子袋から一つ小さな玉を取り出して、彼女に差し出す
「移動するが、その足では苦痛だろう。この薬を飲め、一時昏倒するが、寝ている間は痛みは無くなる。信用してくれるか?」
「うん‥」とそれを受け取り、素直にそれを口に運んだ
三十秒程して彼女は泳ぐ様に頭をフラフラさせた後、その場に倒れた。フリットはそれを確認してから彼女を抱き上げる
「矢傷はたいしたことは無い、外にずれてかすめるような刺さり方だ。」
「ならさっさと逃げようぜ、敵が増えたらめんどうだ」
「そうだな。」
二人はその場を去った。少女を抱えて‥
二日後、クロスランドにベルフ本国から赴任してきた青年将が訪れる。
司令部として借り上げた安ホテル、そこで最初に受けた報告がこの事件だった
「なんとまぁ‥呆れた話だ‥」
「いかがいたしましょう?」
「後で指示を出します、とりあえず下がっていいですよ」
「ハ」と兵は部屋を出る
青年の補佐官と思われる女性が声を掛ける
「その集落の住民はその逃げた少女以外全員死亡。追った兵も17名死亡だそうです」
「何でもかんでも人を増やすからこうなる‥」
「事後の対応をいかがします?アリオス様」
「調査、と言っても関わった、あるいは追った者は全員死んでるからねぇ、まさかその少女を探す訳にもいくまいし」
「探せと言われれば探しますが」
「傷ついたウサギを狩る、いやこの場合は山猫か。そういう趣味はありませんね」
「死体の状況から、その娘を助けた者が居るようですが‥」
「この事態になれば、どこぞかの国から、斥候や情報収集兵は来るでしょう
ですが、相手を特定するのは無理でしょうな、第一、それに構っている暇はありませんな。まったく、散々荒らした後の畑を綺麗にしろとは酷い命令だなぁ」
「ご尤もですが、アリオス様がやらねば誰がやりますか?」
「ですよね~まあ、とにかくこの件は簡単に終わらせましょう」
「というと?」
「軍令無視の兵の略奪、虐殺、一般市民への行為、で、もう死んでますが‥関係者拘束。略奪に関わった残りの兵は本国に返送。事実を発表したうえで公式謝罪、以降、兵への命令無視の非常識な行為に厳罰と告知して終わりで」
「分かりました」と短く答え補佐官の女性は退出した
コーヒーを軽く啜ってからアリオスは、ほんとに嫌そうに溜息をついた
すると今出て行った補佐官が数分で戻ってくる、小脇に書類の束を抱えて
「あの、アリオス様、略奪、暴行が後40件ほどあったようで‥」と
「私は政治官では無いんですがね‥」
「申し訳ありません‥しかし、司令官クラスで内政処理出来る方が‥」
「何でうちの軍は脳筋ばかりなんでしょうね‥私を過労死させる気ですか‥」
「で、どうしますか」
「とりあえず処理は同じで、被害者には‥賠償金があるわけではないので金10~20の範囲でどうにか納得してもらいましょう‥命令の徹底と私の下から近衛を出して見回り、これで、安心してもらうしかありませんな」
「はい‥では早速」
今度こそ補佐官は部屋を出て、しばし戻らなかった
「ライナ」と名乗った少女が目を覚ましたのはキッチリ五日後だった
そこは簡素なベットにテントといった部屋だった、いわゆる野営地の仕様である
ライナが目を覚ました事に気がついた、その部屋に居た少女がライナに振り向いて
「起きた?気分はどう?」と聞く
そう聞かれて。自分の体調を確認する、少し頭がふらつく、あの時受けた右足の怪我は無かった
「え?‥矢傷が‥」と思わず声が出る
「ああ、それは治したわ。私戦闘僧なの。神聖術って知ってるかしら?」
「ええ、癒しの魔法を使う、それでいて戦闘訓練を受けた‥」
「そう、私それ、えーとライナだっけ?」
「ええ」
「そう宜しく、私はイリアよ」そう言って彼女握手を求める
イリアと名乗った少女はライナより少し年齢は上だろうか、青系のショートの髪に白い衣装と肌、やさしそうな面持ちの少女人当たりのよさそうな彼女に安心した
ライナはそれに返し手を握る
「こちらこそ」
「そのまま寝てて、誰か呼んでくるから」と言うなりイリアはテントを出た
その報告をイリアから受けるフリットとグレイ「分かった」とだけ短く答えてイリアが自分達のテントから出るのを確認してから話す
「で、どうすんだ?フリット」
「別に、いつもどおりさ」
「アレは使えそうだが‥」
「剣はどうかしらんが、稀な才能の持ち主であるのは事実だな」
「んだな」
「逃れようの無い絶望に直面したとき。人は2種の行動のどちらかを取る」
「何も出来ず泣いて喚くか、窮鼠と化すか?」
「が、あの子はどちらでもない。あくまで冷静で客観的に。ベルフの兵を切り倒した」
「俺でも恐怖するほどの「眼」だったな‥」
「ああ、だがバーサーカーの類でもない。しいて言えば‥アサシンか」
「普通は訓練して作るもんだがなぁ」
「だな、だがあの子は生まれつきそれを持っている、という事だろう、千か万に一人の才能だな」
「おっかねぇな‥」
「何れにしろ、事情話して、彼女の意思を尊重する、それには変わりは無い」
「そっか、まあ、しかたねぇか」
三十分程してライナの居るテントにフリットは顔を出す
「あ‥」とライナとイリアは彼を見て声を出す
「イリア、彼女に新しい服を。出来たら呼んでくれ、外で待つ」
「はい」
と短い会話だけ済まして彼は外に出た
五分後、ライナとイリアはテントを出る、まずフリットは
「イリア、すまないが外してくれ」
「はい」何も聞かずイリアはその場を離れた
「ライナ、色々と話すべき事がある、来てくれ」と歩き出し
ライナも「はい」と答えてそれに従う
フリットは自らのテントに招き粗末なテーブルセットに座り、対面の椅子を勧める
「君はいくつだ?」
「14です」
「ここは‥俺の傭兵団のアジト、と言っても移動式集落でもあるが」
「傭兵団?」
「ああ、ここに居るのは、殆ど同じ境遇の者だ。親なし、独り身、後顧の憂いの無い者。俺はそういったものを、時に君のように助け、集めている。希望者はどこかの、戦火のまだ、及ばざる場所に開放したり」
「傭兵、て事は戦うんですよね」
「そうだ、が、希望した者だけだ、戦闘が好きな奴などそうは居ないからな」
「ですよね」
「今残って戦う者は百二十程だ」
「何の為に戦っているのですか」
「創設からの目的は「いつか平和の壊れた時の為に」戦争に加われる組織を作り上げる事。だ」
「戦争‥」
「大陸条約を知っているか?」
「ええ‥平和の為に国家が軍力を放棄するルールでしたよね」
「ああ、だがそれが壊れた。各国が条約を守り最低限の防衛、治安維持以外の兵力を切ったからだ。そして軍備を再編する間も無くベルフに侵攻されるだろう‥我々は、それを防ぐ。いや、一日でも時間を稼ぐ、それが目的だ」
「時間を稼ぐ‥」
「皆支配されたくはないだろう、何れ軍力を整えるハズだ。が、その時間は、このままでは取れぬまま滅ぼされる」
「あんな風に‥、皆、殺されるのか‥」
「多かれ少なかれ、起こるかもしれぬな」
二人は一時沈黙する
「ま、それはこちらの事情だ。まず、俺は君の希望を聞く、残って戦うか、どこかで普通の生活を送るか。好きな方を選ぶといい」
「あの‥」
「ん?」
「私の村は、どうなりました?帰る事は可能ですか?」
「それは無理だ、あそこは‥全滅した」
それを聞いて、ライナは静かに俯いた、取り乱したり、泣いたりしなかった
「落ち着いているな‥」 その態度を見て思わずフリットは呟くように言った
「だろうとは、思いましたから、それに‥一人になるのは初めてではありませんから‥」
「そうか‥」
フリットは席を立ち
「時間はある、ゆっくり考えればいいさ‥」と言ったが
即座に「いいえ」とライナは言った
「残って、戦います」と
フリットはそういった彼女を見てしばらく無言だった。
そして黙ったまま背後に立てかけてある剣を取り、ライナに差し出す
「練習剣だ、切れはしない。とりあえず基礎だけは教える。その後の事は後で考えろ、嫌になったり合わないと思えば団を抜けていい、それだけだ」
「分かりました」 ライナはそれを受け取った
皆同じ境遇の者、だからヘタな慰めや優しさ、応援など偽善にしか感じない、だからフリットは無用な事は言わない
「考え自分で決めろ」これが彼の示す道だ
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