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竜騎士ジェイド編
痛み分け
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マリーはジェイドが片膝の体勢で止まった時、「これ以上は無理だと」即座に悟って竜の姿を解いた
彼自身、一歩も動く事が出来なかったが改めてそれを見て「終わったのだ」と確信でき。
握っていた刀を側にゆっくり下ろした、しかし、その緊張の糸、が切れると同時に。彼は前のめりになる、倒れるのを右手で防いだが「ゴフ」と咳き込みむと同時に地面に大量の血を吐き出した。
極度の緊張感と彼の肉体を凌駕する強靭な精神力と集中力が、肉体の崩壊を食い止めたがそれが切れて、あらゆる肉体的危険信号が一気に主張し始める
マリーはそれを見て慌てて彼の元に駆け寄る。走りながら「ジェイド!ネックレスを!」と叫ぶ
(そういや、そんなもの貰ったなぁ‥)
とジェイドは自分の物では無くなってしまったかのように不自由な震える左手で、服の下に仕舞った青い石のネックレスを外に出し、手に取った、彼女が滑り込むように彼の元に膝まずいて座り彼の体を支え
「それを握って、今、痛い、苦しい所を頭に浮かべて、念じて!治せと!」
切実に願うように言う彼女のいう事にしたがって、一際大きな宝石部分を握り、やってみる。すると今まで漂うように輝いていたはずの石は眩しくて目が開けていられない程に輝き、握った手の、指の隙間から漏れるほど輝く
それはしばらく数分ほど続いただろうか。次第に彼の「痛みや苦しみ」は和らいでゆく
彼の呼吸や苦しみが緩和されていくのを確認したマリーは大きな安堵の溜息をはく
「間に合った‥よかった‥」と
ようやく、多少動ける程度に回復した彼はそれに返す事で余裕が出来た事を伝える
「これが治癒魔法か‥」
「ええ、でもあたしは神聖術は「指先の切り傷を治す程度」が精精のレベルでしか使えないから、あらかじめその石に、その「指先の切り傷を治す程度の」術を数十回分詰め込んでまともに効果が出るレベルに圧縮して作った。役に立ってよかった‥」
「マジで死ぬかと思った、目の前が真っ暗になったぜ‥」
「続けて、石が枯れるまで続ければ、もう少しよくなるはず」
「枯らしちまっていいのかよ‥?」
「いいの、自然充填で 1,2年すればまた力を取り戻すわ」
それを聞いてそれならばと念を続ける、それをさらに3分ほど続けた所で石の輝きは無くなった、手を開いて確認してみると、青かったハズの石は透明な水晶やガラス球の様に変わっていた。エンチャンターの石独特のゆらゆらと燃えるような輝きも一切無くなっていた
「これが、枯れた状態か」
「ええ、でも封はしてあるから、元の何の効果も無い石にはならない、またいずれ力を取り戻す」
「しかし」
「ん?」
「一個しかないんだろ?俺が全部使っていいのか?。」
「うん」
「俺、お前に、ずいぶん斬りつけた気がするが、お前も使うんじゃないのか?」
マリーは斬られた部分右手首を上げて見せた。血はついたままだが、傷は既に「一ヶ月ほど前の傷」のように塞がりかけていた
「おお‥」
「あたし、自己治癒能力が異常に高いのよねこれが‥」
「なるほど、自分のために神聖術を使う必要がそもそも無い、てことか」
「それもあるけど、あんまそっちの才能は無いぽい‥」
マリーは立ち上がって、始める前に隠し仕舞ったケースを持ってきて中から道具を取り出す。瓶から液体を布にしまませて自分とジェイドの分二枚用意して1つ渡す
「怪我はともかくお互いズタボロに汚れてるわよ‥」と
マリーは血だらけマリー程でもないが自分もあちこち血が滲んでいる
更に埃ぽいし、戦ってる時は気がつかなかったがあちこち焦げぽい炭がついている
それをある程度拭い終わって今度はマリーはボトル瓶を一本差し出した
「呑む?」
「今酒はちょっと‥」と返すが マリーは怒った風に
「蒸留水!ただの綺麗な水!!」と強調した
「そ、そうか」
「あんで常にアルコールだと思うかなぁ‥」
「普段の行いが‥」
そのいつものまぬけなやり取りでリラックスする
お互い相当喉が渇いていたいたのかラッパ飲みの一気飲みであっという間に瓶を空にした、生き返る水とはこの事だ、一息ついた二人、マリーはいきなりこういった
「で、ジェイドには残念かも知れないお知らせが3つありまーす」
例によってふざけた物言いだが、いちいちツッコむのも面倒なので「どうぞ」短く返し黙って聞いた
「1つ、あたしは他の竜と比べて戦闘型、近接型じゃありませーん」
「まあ、そうだろうな。しっぽに「実験的に斬りつけた」時ああも見事に切れるとは思わなかった。防御力が低すぎる、色々な資料から見ても竜って並の剣が通らないくらいの皮膚はあるはずだ俺のはナマクラ気味だし。どう見ても近接で殴りあう系じゃない、それに、溶岩並みの高火力ブレスからして後衛、また、長すぎる尻尾そのものが打撃武器だし、中、長距離特化だろうな‥少人数パーティなら誰かを壁にして後ろから撃つタイプの。軍なら長槍か弓だな」
「はい、2つに。あたしはまだ、成体竜じゃありませーん」
「それも思った、これも資料、俺の想像からしてもお前は小さい、雌だからってのもあるかも知れんが体高6、7メートルは平均してあっていいはず。初見、見て思ったのはそこだ」
「はい、3つに。あたしは火竜ではありませーん。実はブレスは火と吹雪が撃てますが。それも純粋なブレスではありませーん」
「と言うと?」
「ある人に言わせると、非常にレアな「三元魔竜」という種類だそうでーす」
「希少の中の希少種って事か‥聞いたことない種類だが‥」
「らしいわね、何でも竜は竜なんだけど。魔力、知に特化していて、少し魔族系か神格系の血も混じってるそうよ。おそらくそれが高速治癒や他の竜とも比べても、高い知能、魔術に対しての高い親和性の特色を付けてるのだろうと」
「で、純粋でないブレスって何だ?」
「えーと、あたし実はブレスはちょろっとしか吐けません、それに魔力供給して充填して強化発射してます」
「ありゃ魔法攻撃だったのか‥。そんで剣の石は対魔法防御、つってたのか」
「正解」
「ついでにその「ある人」が言うには、訓練すれば後最大でプラス4種類のブレスが撃てるハズだそうです~いわゆる、地、水、火、風、闇、光」
「あー‥魔法元素‥か」
「そ、あくまで使ってるのはブレスではなくて九分九厘魔法だから、だそうよ」
「残念なお知らせて事でもないがな、まだ若いから本来の性能より弱め。ブレスも氷は使わない、微妙に手加減ではあるか、で、そのある人ってのは?」
マリーは少し整理して
「そうね、せっかく二人だけしか居ない場所に居るんだし。いまのうちに話しておこうかなぁ、次何時この機会があるかわからないし」と続け
「あたしの身の上話も絡むけどいい?」
「ここまで来たら何でも聞くよ」
「うん」
「あたし、まだ、幼い頃からママ?に術を習った、あんまり遊び半分でどんどん習得してくから、ママも喜んで教えた。んで、それがそんなに長い期間でもないうちに教える事が無くなっていて。ある時寂しそうな顔で今日は一緒に寝ましょうね、て言った、よく分からなかったけどそれを受け入れて添い寝したの、で、起きたらママ?はあたしを抱えて死んでたの」
「何?‥どういうことだ‥」
「誰かに襲われたとか、人間に討伐されたとかじゃない、静かに、綺麗なまま、寝たまま起きなかった、でも時間だけは凄く経ってた。たぶん、保護か仮死の魔法であたし封印されたんだと思う。元々あった置物とか朽ちてたし。その人をあたしはママって呼んでたけど、いつも寂しそうに笑って返すだけだった。だから保護者だけど身内かは分からない呪いか、病か、寿命なのか分からないけど何も分からないまましんじゃった」
「人間の街に行ってびっくり、だって。竜はもう殆ど残ってないよて聞いて。始めはフーン、て感じだったけどもう同種にお目にかかる事は無い、て思うとなんだか凄く寂しかった。んで、あたし世界中飛び回って仲間が生きてないか探したの、でも当然簡単には見つからない。理由はジェイドが探しても見つからなかったのと同じ」
「他者、特に人を嫌って、もしくは、関わらない様にして隠れたからか」
「たぶんそう。で、人の目に触れない可能性が高い、なら元々誰も行かない所にいけばいい、て考えた。それは正解だった、すごく北の方に、僅かしか人が住んでない、いつも雪か吹雪の国で氷の山があるそのあたりに行って飛んでたら向こうからあたしの「頭の中」に話しかけてきたの、その「ある人」が」
「氷の山の下にその人、いえ、老竜は住んでた。すごく大きくて何歳かも自分で分からないほど長生きな、昔から、というのも変だけど。まだ竜がいっぱい居る頃からずっと長老みたいだったそうよ、あたしの姿をみておじいさんはこういった「これは子猫のように可愛らしく、母のように美しい竜だね」って
ーー
彼は今まで溜め込んだ知識、技術、魔法、戦闘、人間の歴史、竜の歴史、まだ、色んな魔とか神、とかが居た頃の話まで全部教えてくれた。あたしはそれを学ぶのが楽しかったしおじいさんとずっと居た。
でもそれも、20年くらい?で習得しちゃった。んで、そんときあたし今よりもずっと子供で馬鹿だったから言ったの
「そろそろ、また皆を探しに行くね」て。
おじいさんはしばらく黙ってたけどある時言ったの
「ワシも隈なく探したわけではないが、もう皆というほど残ってないよ」て
「それよりはまず自分の幸せを探しなさい」て、そのときは意味が分からなかったけど、んで
「もし、人に恨み、怒り、恐怖が君に無いなら、人として生きるのがたぶん楽だ、そこで生きていく知識も技術も与えたよ仲間の皆を探すのはもうやることが無くなってからでいいんじゃないかな?」て」
あたし、おじいさんも凄く好きだったから「分かった、そうする!探すのはあとにする」て素直に受け入れた、で、おじいさんに「おじいさんも一緒に行こう。きっと楽しいよ」て誘ったけど
「ワシはもう飛べないし、這って行っても洞窟から出るのが精精だよ。一人で行きなさい。大丈夫君なら誰とでも友達になれるしすぐに幸せになれるよ」て言ってやさしい笑顔で送り出したわ」
「あたしはそれから大陸の移動以外では「人」のままで過ごしたわ、いつの間にか慣れすぎて、適応してそっちのが楽なくらい。色々な所に行って生活した、おじいさんの教えてくれた知識は人の世では凄く役に立った、その沢山の一つがエンチャント
今にして思えば、おじいさんは、あたしの人生を楽にするために人の世で通じるものを沢山くれたんだと思う
そしておじいさんの言った通り。「人」として生きるのは凄く楽で楽しかった。
あたしから見たら、決して進歩が早いとはいえないけど、どんどん新しい技術や知識が出てきて、色んなとんでもない数の人が居て。それでまた何十年か過ごして、来たのがこの大陸で後の話は分かるよね」
「ああ、壮大な話だったな」
「以上おわり、何か質問は?」
「そうだな‥そのおじいさんはまだ生きてるのか?」
「うん、生きてる、たま~に会いに行って、こんな事あったよーて話しに行くよ。‥でもお願いしても戦ってはくれないよ?」
「わかっとるわ、俺はドラゴンキラーや戦闘狂じゃねーよ」
「えーでもなんでも竜と剣、優先じゃん」
「そんなことは‥」
「他には?」
「あー‥あれ、この計画さ」
「あ、うん」
「俺を認めてくれて竜に会わせてくれたのは分かるけど。なんでこんな回りくどい事を」
「まだ、最初はどんな人か分からなかったし‥。あと、うーん、思いついた時に、凄く個人的な?つまんない思い込みで閃いて、始めちゃったのと、ジェイド以外の人に知られる、悟られる訳にもいかなかったから、色々」
「個人的な思い込み??」
「あーうん、その、怒らないでね?」
「内容によるが‥」
「んと、嫉妬?したの」
「は?何に?」
「自然広場でさ、戦う前。王国の仕事誘ったでしょ?んで悩んで「旅と竜があるしなぁ‥」て、んで、あたしジェイドは「きっと受けてくれる」て勝手に自分で思って決め付けてた」
「で?」
「んでも、そうじゃなかった。この人は「あたしや土地より旅と竜が優先なんだ」て。だったらどっちかなくしちゃえ‥て」
「そんな深刻に考えなくてもいいのになぁ‥別に行くのは伸ばしたっていいんだし‥」
「それもあたしが勝手に思ったの、きっとこの人は自分の目的を必ず達成するって、だからどこかに行っちゃう、て」
「達成するのは目指す、けどな。それで誰かを傷つけたり、困らせたりはしないし、それは別に伸ばしてもいいんだ。俺には「暇潰しの種」なんだよあくまで」
「ごめん、でも、貴方の希望を叶えてあげたい、というのと、貴方にどっか行って欲しくない、のと半々色々」
「まあ、いいんじゃないかな。いきなり「あたし竜です戦いましょう」て戦ったら俺、ボロクソに負けてたんだし、この刀も作られなかったし、そもそも死んでたろうし。「良い勝負」が出来るように調整してくれたからこそ。それなりに戦って楽しかったんだし、結果オーライってやつ?」
「軽いわね~‥」
「俺は元々深刻には考えねえよ、そういう人間だ」
その彼の言い方で悩んだり嫌なことを考えた自分が全部馬鹿じゃないかと思えた。彼があえてそういう言い方をしたのかは分からないが、何もかも許されたように感じてスッキリしていた
「でさ、マリー?」
「ん??」
「一緒に居たい、残って欲しい、て程俺が気に入ったのかね??」
「うん。好き!ずっと一緒に居たい!」
と あまりにストレートに言われたのでジェイドは吹き出しそうになったが
「あ、いや、そういうんじゃなくて、うーん」とマリーは頭を抱えて首をぶんぶんしている
「そう!、あたし、メルトの街も国も好き、だから、もう理解できない理由で誰かが居なくなるのは嫌だ。ママみたいのはもうごめん」
「ああ‥そうか。そうだよなぁ」(こいつの「好き」はそういう「好き」じゃ無かった、おじいさんとかママとかの好きなんだな)と思った
彼女はやっぱり妙に子供ぽい「まだ成体じゃない」と言った通り、少なくともまだ、未成年前後なんだろう。見た目はそうは見えないが‥だからジェイドはこう続け安心させてやる
「分かったとりあえずしばらくここに居るよ、竜の問題はとりあえずお前が片付けてくれたんだし、お互い、国が安定して、出かけられる状況になったら旅の方は考える、かならず一緒に行けるように調整して」
「え~‥しばらくてどんくらい?」
「え‥、数年?」
「絶対相談してよ!勝手にどっかいったら嫌だからね」
「もちろんだが、けどなマリー?」
「うん?」
「お前も何でも相談しろ。今回みたいな偶然丸く収まったみたいのは御免だぞ俺も」
「あー‥ごめんなさい、必ず聞きます‥」
二人は少し休んで身支度を整え再び転移魔法で戻る。またあの魔方陣?書くのかと思ったが往復用の目印なので精密なのが必要だったそうな
「ところで竜と剣士の世紀の一戦はどっちが勝ったの?」
「俺死にはぐったけど?」
「そうかなぁ‥、あの懐に飛び込んでの一撃ずらさなければあれで致命傷だったと思うけど‥」
「切り殺すのが目的じゃねーし、あれでいいんだよ」
「やっぱり手加減してたんじゃん」
「それ言ったら飛んで戦ったら、こっちは何も出来んぞ、大体、魔法武器なきゃブレスで一発だし」
「それじゃお互い納得出来ないでしょう?」
「あのな、そもそも論を言ったら収集付かないだろうが」
「じゃあ‥やっぱ引き分けで‥」
「もうそれでいいよ‥」
という子供の言い争いのようなやり取りをしながら、お互い、今日はとりあえず、て事で其々の塒に帰った
彼自身、一歩も動く事が出来なかったが改めてそれを見て「終わったのだ」と確信でき。
握っていた刀を側にゆっくり下ろした、しかし、その緊張の糸、が切れると同時に。彼は前のめりになる、倒れるのを右手で防いだが「ゴフ」と咳き込みむと同時に地面に大量の血を吐き出した。
極度の緊張感と彼の肉体を凌駕する強靭な精神力と集中力が、肉体の崩壊を食い止めたがそれが切れて、あらゆる肉体的危険信号が一気に主張し始める
マリーはそれを見て慌てて彼の元に駆け寄る。走りながら「ジェイド!ネックレスを!」と叫ぶ
(そういや、そんなもの貰ったなぁ‥)
とジェイドは自分の物では無くなってしまったかのように不自由な震える左手で、服の下に仕舞った青い石のネックレスを外に出し、手に取った、彼女が滑り込むように彼の元に膝まずいて座り彼の体を支え
「それを握って、今、痛い、苦しい所を頭に浮かべて、念じて!治せと!」
切実に願うように言う彼女のいう事にしたがって、一際大きな宝石部分を握り、やってみる。すると今まで漂うように輝いていたはずの石は眩しくて目が開けていられない程に輝き、握った手の、指の隙間から漏れるほど輝く
それはしばらく数分ほど続いただろうか。次第に彼の「痛みや苦しみ」は和らいでゆく
彼の呼吸や苦しみが緩和されていくのを確認したマリーは大きな安堵の溜息をはく
「間に合った‥よかった‥」と
ようやく、多少動ける程度に回復した彼はそれに返す事で余裕が出来た事を伝える
「これが治癒魔法か‥」
「ええ、でもあたしは神聖術は「指先の切り傷を治す程度」が精精のレベルでしか使えないから、あらかじめその石に、その「指先の切り傷を治す程度の」術を数十回分詰め込んでまともに効果が出るレベルに圧縮して作った。役に立ってよかった‥」
「マジで死ぬかと思った、目の前が真っ暗になったぜ‥」
「続けて、石が枯れるまで続ければ、もう少しよくなるはず」
「枯らしちまっていいのかよ‥?」
「いいの、自然充填で 1,2年すればまた力を取り戻すわ」
それを聞いてそれならばと念を続ける、それをさらに3分ほど続けた所で石の輝きは無くなった、手を開いて確認してみると、青かったハズの石は透明な水晶やガラス球の様に変わっていた。エンチャンターの石独特のゆらゆらと燃えるような輝きも一切無くなっていた
「これが、枯れた状態か」
「ええ、でも封はしてあるから、元の何の効果も無い石にはならない、またいずれ力を取り戻す」
「しかし」
「ん?」
「一個しかないんだろ?俺が全部使っていいのか?。」
「うん」
「俺、お前に、ずいぶん斬りつけた気がするが、お前も使うんじゃないのか?」
マリーは斬られた部分右手首を上げて見せた。血はついたままだが、傷は既に「一ヶ月ほど前の傷」のように塞がりかけていた
「おお‥」
「あたし、自己治癒能力が異常に高いのよねこれが‥」
「なるほど、自分のために神聖術を使う必要がそもそも無い、てことか」
「それもあるけど、あんまそっちの才能は無いぽい‥」
マリーは立ち上がって、始める前に隠し仕舞ったケースを持ってきて中から道具を取り出す。瓶から液体を布にしまませて自分とジェイドの分二枚用意して1つ渡す
「怪我はともかくお互いズタボロに汚れてるわよ‥」と
マリーは血だらけマリー程でもないが自分もあちこち血が滲んでいる
更に埃ぽいし、戦ってる時は気がつかなかったがあちこち焦げぽい炭がついている
それをある程度拭い終わって今度はマリーはボトル瓶を一本差し出した
「呑む?」
「今酒はちょっと‥」と返すが マリーは怒った風に
「蒸留水!ただの綺麗な水!!」と強調した
「そ、そうか」
「あんで常にアルコールだと思うかなぁ‥」
「普段の行いが‥」
そのいつものまぬけなやり取りでリラックスする
お互い相当喉が渇いていたいたのかラッパ飲みの一気飲みであっという間に瓶を空にした、生き返る水とはこの事だ、一息ついた二人、マリーはいきなりこういった
「で、ジェイドには残念かも知れないお知らせが3つありまーす」
例によってふざけた物言いだが、いちいちツッコむのも面倒なので「どうぞ」短く返し黙って聞いた
「1つ、あたしは他の竜と比べて戦闘型、近接型じゃありませーん」
「まあ、そうだろうな。しっぽに「実験的に斬りつけた」時ああも見事に切れるとは思わなかった。防御力が低すぎる、色々な資料から見ても竜って並の剣が通らないくらいの皮膚はあるはずだ俺のはナマクラ気味だし。どう見ても近接で殴りあう系じゃない、それに、溶岩並みの高火力ブレスからして後衛、また、長すぎる尻尾そのものが打撃武器だし、中、長距離特化だろうな‥少人数パーティなら誰かを壁にして後ろから撃つタイプの。軍なら長槍か弓だな」
「はい、2つに。あたしはまだ、成体竜じゃありませーん」
「それも思った、これも資料、俺の想像からしてもお前は小さい、雌だからってのもあるかも知れんが体高6、7メートルは平均してあっていいはず。初見、見て思ったのはそこだ」
「はい、3つに。あたしは火竜ではありませーん。実はブレスは火と吹雪が撃てますが。それも純粋なブレスではありませーん」
「と言うと?」
「ある人に言わせると、非常にレアな「三元魔竜」という種類だそうでーす」
「希少の中の希少種って事か‥聞いたことない種類だが‥」
「らしいわね、何でも竜は竜なんだけど。魔力、知に特化していて、少し魔族系か神格系の血も混じってるそうよ。おそらくそれが高速治癒や他の竜とも比べても、高い知能、魔術に対しての高い親和性の特色を付けてるのだろうと」
「で、純粋でないブレスって何だ?」
「えーと、あたし実はブレスはちょろっとしか吐けません、それに魔力供給して充填して強化発射してます」
「ありゃ魔法攻撃だったのか‥。そんで剣の石は対魔法防御、つってたのか」
「正解」
「ついでにその「ある人」が言うには、訓練すれば後最大でプラス4種類のブレスが撃てるハズだそうです~いわゆる、地、水、火、風、闇、光」
「あー‥魔法元素‥か」
「そ、あくまで使ってるのはブレスではなくて九分九厘魔法だから、だそうよ」
「残念なお知らせて事でもないがな、まだ若いから本来の性能より弱め。ブレスも氷は使わない、微妙に手加減ではあるか、で、そのある人ってのは?」
マリーは少し整理して
「そうね、せっかく二人だけしか居ない場所に居るんだし。いまのうちに話しておこうかなぁ、次何時この機会があるかわからないし」と続け
「あたしの身の上話も絡むけどいい?」
「ここまで来たら何でも聞くよ」
「うん」
「あたし、まだ、幼い頃からママ?に術を習った、あんまり遊び半分でどんどん習得してくから、ママも喜んで教えた。んで、それがそんなに長い期間でもないうちに教える事が無くなっていて。ある時寂しそうな顔で今日は一緒に寝ましょうね、て言った、よく分からなかったけどそれを受け入れて添い寝したの、で、起きたらママ?はあたしを抱えて死んでたの」
「何?‥どういうことだ‥」
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「他者、特に人を嫌って、もしくは、関わらない様にして隠れたからか」
「たぶんそう。で、人の目に触れない可能性が高い、なら元々誰も行かない所にいけばいい、て考えた。それは正解だった、すごく北の方に、僅かしか人が住んでない、いつも雪か吹雪の国で氷の山があるそのあたりに行って飛んでたら向こうからあたしの「頭の中」に話しかけてきたの、その「ある人」が」
「氷の山の下にその人、いえ、老竜は住んでた。すごく大きくて何歳かも自分で分からないほど長生きな、昔から、というのも変だけど。まだ竜がいっぱい居る頃からずっと長老みたいだったそうよ、あたしの姿をみておじいさんはこういった「これは子猫のように可愛らしく、母のように美しい竜だね」って
ーー
彼は今まで溜め込んだ知識、技術、魔法、戦闘、人間の歴史、竜の歴史、まだ、色んな魔とか神、とかが居た頃の話まで全部教えてくれた。あたしはそれを学ぶのが楽しかったしおじいさんとずっと居た。
でもそれも、20年くらい?で習得しちゃった。んで、そんときあたし今よりもずっと子供で馬鹿だったから言ったの
「そろそろ、また皆を探しに行くね」て。
おじいさんはしばらく黙ってたけどある時言ったの
「ワシも隈なく探したわけではないが、もう皆というほど残ってないよ」て
「それよりはまず自分の幸せを探しなさい」て、そのときは意味が分からなかったけど、んで
「もし、人に恨み、怒り、恐怖が君に無いなら、人として生きるのがたぶん楽だ、そこで生きていく知識も技術も与えたよ仲間の皆を探すのはもうやることが無くなってからでいいんじゃないかな?」て」
あたし、おじいさんも凄く好きだったから「分かった、そうする!探すのはあとにする」て素直に受け入れた、で、おじいさんに「おじいさんも一緒に行こう。きっと楽しいよ」て誘ったけど
「ワシはもう飛べないし、這って行っても洞窟から出るのが精精だよ。一人で行きなさい。大丈夫君なら誰とでも友達になれるしすぐに幸せになれるよ」て言ってやさしい笑顔で送り出したわ」
「あたしはそれから大陸の移動以外では「人」のままで過ごしたわ、いつの間にか慣れすぎて、適応してそっちのが楽なくらい。色々な所に行って生活した、おじいさんの教えてくれた知識は人の世では凄く役に立った、その沢山の一つがエンチャント
今にして思えば、おじいさんは、あたしの人生を楽にするために人の世で通じるものを沢山くれたんだと思う
そしておじいさんの言った通り。「人」として生きるのは凄く楽で楽しかった。
あたしから見たら、決して進歩が早いとはいえないけど、どんどん新しい技術や知識が出てきて、色んなとんでもない数の人が居て。それでまた何十年か過ごして、来たのがこの大陸で後の話は分かるよね」
「ああ、壮大な話だったな」
「以上おわり、何か質問は?」
「そうだな‥そのおじいさんはまだ生きてるのか?」
「うん、生きてる、たま~に会いに行って、こんな事あったよーて話しに行くよ。‥でもお願いしても戦ってはくれないよ?」
「わかっとるわ、俺はドラゴンキラーや戦闘狂じゃねーよ」
「えーでもなんでも竜と剣、優先じゃん」
「そんなことは‥」
「他には?」
「あー‥あれ、この計画さ」
「あ、うん」
「俺を認めてくれて竜に会わせてくれたのは分かるけど。なんでこんな回りくどい事を」
「まだ、最初はどんな人か分からなかったし‥。あと、うーん、思いついた時に、凄く個人的な?つまんない思い込みで閃いて、始めちゃったのと、ジェイド以外の人に知られる、悟られる訳にもいかなかったから、色々」
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「あーうん、その、怒らないでね?」
「内容によるが‥」
「んと、嫉妬?したの」
「は?何に?」
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「で?」
「んでも、そうじゃなかった。この人は「あたしや土地より旅と竜が優先なんだ」て。だったらどっちかなくしちゃえ‥て」
「そんな深刻に考えなくてもいいのになぁ‥別に行くのは伸ばしたっていいんだし‥」
「それもあたしが勝手に思ったの、きっとこの人は自分の目的を必ず達成するって、だからどこかに行っちゃう、て」
「達成するのは目指す、けどな。それで誰かを傷つけたり、困らせたりはしないし、それは別に伸ばしてもいいんだ。俺には「暇潰しの種」なんだよあくまで」
「ごめん、でも、貴方の希望を叶えてあげたい、というのと、貴方にどっか行って欲しくない、のと半々色々」
「まあ、いいんじゃないかな。いきなり「あたし竜です戦いましょう」て戦ったら俺、ボロクソに負けてたんだし、この刀も作られなかったし、そもそも死んでたろうし。「良い勝負」が出来るように調整してくれたからこそ。それなりに戦って楽しかったんだし、結果オーライってやつ?」
「軽いわね~‥」
「俺は元々深刻には考えねえよ、そういう人間だ」
その彼の言い方で悩んだり嫌なことを考えた自分が全部馬鹿じゃないかと思えた。彼があえてそういう言い方をしたのかは分からないが、何もかも許されたように感じてスッキリしていた
「でさ、マリー?」
「ん??」
「一緒に居たい、残って欲しい、て程俺が気に入ったのかね??」
「うん。好き!ずっと一緒に居たい!」
と あまりにストレートに言われたのでジェイドは吹き出しそうになったが
「あ、いや、そういうんじゃなくて、うーん」とマリーは頭を抱えて首をぶんぶんしている
「そう!、あたし、メルトの街も国も好き、だから、もう理解できない理由で誰かが居なくなるのは嫌だ。ママみたいのはもうごめん」
「ああ‥そうか。そうだよなぁ」(こいつの「好き」はそういう「好き」じゃ無かった、おじいさんとかママとかの好きなんだな)と思った
彼女はやっぱり妙に子供ぽい「まだ成体じゃない」と言った通り、少なくともまだ、未成年前後なんだろう。見た目はそうは見えないが‥だからジェイドはこう続け安心させてやる
「分かったとりあえずしばらくここに居るよ、竜の問題はとりあえずお前が片付けてくれたんだし、お互い、国が安定して、出かけられる状況になったら旅の方は考える、かならず一緒に行けるように調整して」
「え~‥しばらくてどんくらい?」
「え‥、数年?」
「絶対相談してよ!勝手にどっかいったら嫌だからね」
「もちろんだが、けどなマリー?」
「うん?」
「お前も何でも相談しろ。今回みたいな偶然丸く収まったみたいのは御免だぞ俺も」
「あー‥ごめんなさい、必ず聞きます‥」
二人は少し休んで身支度を整え再び転移魔法で戻る。またあの魔方陣?書くのかと思ったが往復用の目印なので精密なのが必要だったそうな
「ところで竜と剣士の世紀の一戦はどっちが勝ったの?」
「俺死にはぐったけど?」
「そうかなぁ‥、あの懐に飛び込んでの一撃ずらさなければあれで致命傷だったと思うけど‥」
「切り殺すのが目的じゃねーし、あれでいいんだよ」
「やっぱり手加減してたんじゃん」
「それ言ったら飛んで戦ったら、こっちは何も出来んぞ、大体、魔法武器なきゃブレスで一発だし」
「それじゃお互い納得出来ないでしょう?」
「あのな、そもそも論を言ったら収集付かないだろうが」
「じゃあ‥やっぱ引き分けで‥」
「もうそれでいいよ‥」
という子供の言い争いのようなやり取りをしながら、お互い、今日はとりあえず、て事で其々の塒に帰った
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「ロベリアが咲き乱れるお茶会」への、
不気味な招待状が今年も届き参加をする。
しかしそこへ現れたのは、
「あの方の代わりとして参りました」
二人の少女が雲行き怪しい笑みを浮かべて立っていた。
手にする一通の手紙には、確かにその公爵令嬢がプライベートの中でもこの会でのみ使用する封蝋印が刻まれてある。
中にはただ一言だけ、「これが私の手土産よ」と書かれてあった。
果たしてその手土産として寄越された少女たちが語ることとは。
瑞々しく清純な、選ばれた女性しか参加することの出来ない、特別なお茶会で事件は起きた。
これは「エマ・ケリーの手紙」、赤いシクラメンの咲く場所は~花言葉と純白のレディー、の時間軸で書いております。
短編で御座います。
(エマ・ケリーの手紙もよろしくお願い申し上げます)
1/23 完結致しました!

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◇ ◆ ◇
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※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※

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