第三勢力のレオ

篠崎流

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人の敵は人

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シュバイクの君主交代劇から一年に成ろうかという頃。

状況の変化が訪れる、魔物の動きではなく、人間の国同士の事だ

まず、シュバイクの東西の国側では王位の交代があった事を知りつつ、外交は増えたが、若い姫が内戦に近い状況から王座に就いたので「御しやすい」と思ったらしい

それから立て続けに起きた魔物からの攻撃、他所から見ればだが。探りや、圧迫を掛けやすい状況に見えたのだろう。

東西領土境界線にある其々の砦で兵員が増やされ見える牽制を掛けて来たのである

元々東西両国より、シュバイクは軍事力は低く豊かな土地である点、度々起こる、魔物との戦い等状況が良かった試がないのだから当然ではある

決定的だったのが、左右を挟む両国で共闘すべしとなり、実際両国で軍事協力の協定が結ばれた事

そして外交的圧迫を掛けるに至るのに時間は掛からなかった、最初は穏健な物だ、クラルス女王は十八歳に成ったばかり、独身で、前王は老齢でもう自力で歩くのも厳しい程、衰弱している

王位継承権一位の息子、王子が失敗し失踪、今、他所から見ればだがシュバイクは非常に脆い国には見える、勿論、それは誤解だが

そこでまず、クラルス女王に対して他国から婚姻の話しが出る。簡単な事、第三国から男を宛がって婚姻させ内部から崩すか、一族として迎合してやろうという話、勿論、クラルスはキレ者であるのでこんなのには回りに助言を求めるまでもなく穏便に断るが、次に、これが穏健な脅迫に移る

東の王国「ツバル」の王から直接の求婚、正確にはツバルは略称でツバイチェルチという国名である。

で「シュバイクは厳しい状況にあるので、我が王と婚姻を交わしてはどうか?ツバルはシュバイクを最大限援助するだろう」という流れ

これは立場もあるのでクラルスも派手な打ち返し方は出来ない国主同士の話しだから、一応「考えておきます」で流したが、明らかに、シュバイクとクラルスを舐めているやり方だ

そしてこの要請というか、縁談をクラルスが積極的に受けなかった事でシュバイク国内にある、ツバル側の領事館を一時閉鎖するという更なる脅しを掛けた

派手な打ち返しは出来ない、理由も勿論他にもあるが普通に軍事力で東西両国より劣る為だ、即位から一年手前で、彼女もレオや大将の提言を受けて、徐々に国内の政治、軍の強化は進むが数はそんなに急に増えない

こればかりはクラルス女王が幾ら駿才でも、無い袖は振れないので仕方無い事だろう。現状「考えておきます」で話しを延ばすくらいしかない

流石にこの流れは、シュバイクの重臣、閣僚も腕組んで渋い顔に成らざる得ない大将閣下ですらそうだ、元々対立軸はあったが此処へ来ての急な圧迫外交は急過ぎるし意図が不明だ

この情報がレオにも伝わったがレオの第一感想は「間抜けな話しだな」だった、まず、相手国の情報、下調べがいい加減な事、まあ現代の様に情報戦略が無いから事実と誤差があってもそれは仕方無いが

「表面上の数字で言えばシュバイクとクラルス様を舐めて掛かるのはワカランでもないが‥」
「東側で今回の一件を主導してるツバルという国は確かに総兵力ではシュバイクの二倍はありますからね、クラルス女王が十八歳の小娘と見られてもしょうがないですし」
「まあな、内乱に近い事があったのも事実だし魔物に連続で攻められたのも事実だが。クラルス様は優秀だし、失政も無い、まあ軍事の知識に明るいという訳でもないから、強引な脅しや圧迫が通じると思ってるのも仕方無いだろうな」
「にーちゃんの方にはどう言って来てるの?」
「まだ、何も、前後の情報送ってきただけだな、基本的にはシュバイクに行くけど、アッチでも困ってるから話しと資料が来た訳だしな」
「だねぇ」
「何れにしろ、もう少し動き無いと判断は決められないし策も立てようが無いしな、一旦本国にも行こう、二人も来る?」
「そうですね、転移陣で行きますか?」
「その方がいいかな」
「では少し時間をください、姉様達にも声を掛けてくれと云われているので」
「わかった」

そんな流れで、レオ、アル、プリムとエルフ族から三人も転移陣から跳躍、シュバイク王都に向った

南監視砦から、首都に徒歩で移動の後、プリムとエルフっ娘らは先に離れて、プリム主導で観光と案内に向かい、レオとアルは王城に向った

会議という程、仰々しいモノは開かれないがレオ様が来た、と成れば迎えられて王座の間まで案内されるのが定例である

そこで、女王様とブランドン大佐、宰相らと軽い昼食会に案内され、前後の外国との一件を話し合った、尤も、情報の詳細、状況確認の面が強いが

「どう思われます?レオ様」とブランドンが音頭を取って簡易会議に移行する

「東西両国が動いたのは時期としては妥当ではあるね、表面上の情報で言えば、シュバイクが弱体化、若しくは混乱している、と見えてもしょうがないし一連の相手の動きは理屈上は分る」
「ですな」
「ただ、東のが状況は良くないんだよね?」
「ええ、シュバイクより魔物の脅威が多いですし」
「前王からの外交方針は?確かシュバイクは争いは避ける方針でそれをやってきた、とも聞いているが」
「その通りです、東のツバルは兵力は多いですが、我々と本格的に事を構えるというのはありません、ヘタに動いて全面戦争してもあまり得がありませんので、こちらもそれを分っていますので、不戦や融和等。その時々で柔軟に対応して、直接的な戦闘は回避しています」
「実戦闘は?」
「二十年前の鬼との戦の前は、小規模ですがありました。領土の取り合いはありませんが、領土線で何度か攻防がありますそれも、地方戦の側面が強く、本国の本意ではありません」
「ああ、事故的なやつか」
「左様です、領土侵犯を犯したとか、前線で睨み合いから先に手を出した、とか」

「ツバルも本格的な対峙は不味いと分っての事だなぁ、しかし解せないな。そこを分っていながら今回急に強めの圧迫を掛けたというのも。まあ、期を見るに敏と言えなくも無いが事を構えても勝てると踏んだか、或いはそれ以外の要素があるのか謎だ」
「そうですね‥こちらも情報を得ようと動いては居ますが、そこまで深くは、元々敵対国には違いありませんし、両国で移動の監視規制はあるので」
「旅人の類も?」
「はい、身分照会されますので、一部商人くらいしか入れませんね」
「なるほど、その点はオレも気に成るから調べてみよう、まあ、シュバイク側は今の所焦ってやる事もないだろうし派手に動かなくていい」
「はっ」

こうしてレオも、ブランドンからとりあえずの資料を受け取り昼食会の席から退出

城に滞在の客室を充てられたので、これを甘受する、自身でも召喚斥候を用意した

通常の旅人でもツバルは入国審査されるというのであれば、シュバイク側で情報収集、斥候の類は難しいだろうし、レオがやってしまうのが早いし、効率的だ

自身も言った通り「解せない」動きではあるのでまず、これを知りたいというのもある、今のレオはサモンインプも2匹程、保持して置けるので問題ない

アルは私用、というか城内で声を掛けられ騎士団に向った、以前一時、武芸を兵に指導していた事もあるのでその関係だ

夕方にはプリムら、アルも戻って合流、まあ、今の所インプ斥候の結果待ちなのでやる事もないしレオ自身は、今回の一件をそれ程深刻に捉えていなかった事もある

「え?そうなの?」
「今、召喚斥候を放ってるんで、外から見た状況はその内分るだろうがシュバイクは実際、仮に今攻められたとしても簡単に負けるとは思えないしな」
「理由は??」
「簡単ですよ。国内の人材の優秀さ、レオさんが居る事です」
「そう、東西両国は誤解してる、シュバイクは魔物と不戦じゃない実際は略味方だ、公に他国には情報行ってないてだけ」
「あ、そっか。不戦条約と表面上はなってるけど、実際は秋ちゃんはにーちゃんの手下だもんね‥」

「まあ、守り難い地勢には違い無いが、シュバイクてやたら領土広い割りに、兵力足りてないし。単純に、一戦場に集めて決戦するのも不利ではあるしな、最低限の防衛を残してとしても、精精東領土線に持っていけるのも良くて四千くらいだしなぁ、逆に相手はこっちと状況が逆だから二倍は集められるだろう」
「大丈夫じゃなさそう」
「こればっかりはなぁ、歴代君主の問題でもあるし、クラルス女王も急な事は出来んし‥」
「まだ、一年だもんね、その割には成果が上がってる方だし」
「何れにしろ、大した情報出てないから暫く滞在する、国家間の争いの気運も直ぐ動く訳じゃないからあんまり気にするな」
「そですね、で、私的な事で申し訳ないんですが」
「どした?」
「今日連れて来た姉様方ですが、三人ともこちらで生活してみたい、という方なんですが」
「分った、話を通しておく」
「助かります」

そんなこんなで、翌日プリムから聞き、三人のエルフっ娘と面会し人材として、ブランドン大佐に任せた。

人材として、というのも、一人は魔術と神聖術両方操る術士で、最近創設した学校の魔術教員としてそのまま入れられる事、残り二人も女性ながら、魔法剣士というやつなので希望優先で城に入れる

勿論、実技、筆記試験は簡易にやったがこれも問題ない所か、かなり腕利きであった為だ、尤も、魔法剣士と言っても、精霊術士なのでこれもかなりレアではある、そもそも精霊術も人間があまり使えない術だし

こちらは問題なく、贔屓も無く、最初からそれなりの立場で移住の格好に成った

更に三日後には、レオの斥候が集めた「見聞きできる」現地情報をある程度収集し、政府から貰った資料とにらめっこになった

確かに、シュバイクも状況は良くない、数字上だが、兵力は総軍で五千くらいで、ツバルは一万近い、先に言った通りだが、最低限の治安維持とかを領内に配した状態で、特定の場所に全軍を一戦場に集めて戦うとなると街、集落、国境線、領土の広さ、多さから、シュバイクのが不利には成る。

勿論、レオ自身と鬼っ娘の援軍が可能だとして足せばこれは余裕で覆せるだろうが。無しで考えるとだ

人事、政策、軍事の装備やクオリティで言えばシュバイクはかなり高いだろう、それは女王即位からドンドン改善してはいるが、まだ一年満たない訳で、今、直接的な他国との争いとなると明らかに不足するだろう、改革の中途、と言えるので時間が足りてない

これも、前王や王子の問題でもあるが更に言えば、ツバルは西とも何らかの協力がある訳で状況は宜しくない

ただ、レオが集めた情報で言えばツバルも問題が多い。大陸の最東の国でありこちらも魔物との小競り合いが多い

何しろ北から東は海で南は魔物の拠点近い訳だし、元々魔物の被害はある、つい、4,5年前までは精精、逸れが出る程度だったが、近年は大型にも一定間隔で嫌がらせを受けているらしい、これは街とか集落の住民の噂に出るくらい不安の声がある、海から水竜、南東陸地からリザードマンの類で三月に一度は小競り合いになってるそうだ

「解せない」というのはツバルもシュバイクに構ってる状況ではない事もある。陸地で隣接している国はシュバイクしか無いし歴代、どちらも人同士の争いの本格化は望んでないしそういう外交だから

「うーん‥、ツバルも状況が良くないからシュバイクに圧迫掛けてるのだろうか‥、いや間抜け過ぎるな。まあ、無いとも言い切れないが」

「人間が常に、どんな状況でも正しい判断をする訳でもない」のは確かで確定は出来ないだろう、残念ながら、相手側の事情もそこまで深い所までは調べようが無い

ただ、幾つか、今の所明確なのはツバル側で増えた魔物が以前秋が言っていた事とは合致する点だろう

「オレがこの大陸で顔を合わせて知ってるのは二人、ゾルと東拠点に居る竜の姫」という所、水竜と成れば嫌でもその関連性は疑われる

それからツバルも王が代替わりしてまだ五年程度で、あまり優れた王とは言い難い点、年齢は三十丁度だし、小心者と庶民の噂になるくらいだ

内政面で大きな失政はないが、全てに置いて決断力に乏しい、こういう人物は総じて、周りの状況に左右されやすい

情報も不確定な所が多く、状況も難しい、が、行動は難しくはない。こういう時は分ってる所をハッキリさせていく、埋めていけばより事実が分る、パズルと同じだ

そこで、まず鬼拠点の方へ向い秋に東拠点に居るとされている竜の事を聞く

「そういう訳で、東の港に居るとか以前言ってた竜姫て子の事を聞きたい」
「名前は‥ゼノ、人物はまあ、怠け者のクソガキ?」
「ゼノね‥女の子ぽくない名前だな」
「異質、という意味らしいですね」
「人物が怠け者てのは何だ??」
「秋様は端折りすぎですからね間違っては居ませんが」
「とりあえず鳳、補足してくれ」
「ええと、ゼノ様は竜姫と言う通り、竜族の王の一人娘で族のトップではありません。クソガキと秋様が仰る通りですがまだ成人前の子供ですねあくまで竜基準ですが、この種は長命ですが育ち方が不規則なので。数字上の年齢は結構いってますますが、人型の時は見た目も子供です人で言うと十台半ばくらいでしょうか」
「ふむ」
「将来は有望です、というか生まれた時から親の潜在能力を超えると評価されていますので、血統も能力も申し分ないですが、まだ、成体には程遠いので実力の意味では弱いですね、で、これも秋様の仰る通りですが、かなりの怠け者というか無気力です、竜の範囲では珍しくありませんが殆ど寝てばかりで、基本何もしません」
「こっちの基準で聞くと、激しく無能にしか聞こえないな‥」

「竜は魔物の中でも種として最上位ですからねぇ、数も少ないですし同族で争う事も稀ですし、他種族と生存争いにも成りませんし。地位、権力の類も最初から頂点に近い所に居るので大抵「細事はどうでもいい」とかいう人が多いです、自然、物事への興味関心が薄く、いい加減でのん気ですね」
「あー、ワカランでもない」

「ですが、魔物側の中央政府みたいのからすれば非常に使い難いです、基本怠け者なくせに、誰も命令出来ない程実力と血統に秀でているので‥」
「味方からしたら略、地雷みたいな扱いだな」
「そうだと思いますが、○○をしろと命じなくても役に立つ方法もあります、それが今の任地での防衛です、ドラゴンの最上位種なんて居るだけで誰も攻めませんし周囲の野良魔物も崇めて勝手に集まって従いますので」
「なるほどなぁ‥しかし、外交は出来そうだ」
「竜族は大抵頭良いですから交流は問題ないですが交渉が出来るか、という微妙ですけどね‥」
「んだな、アイツ、オレと顔会わせても「おー」とか「んー」とかしか言ってないし」
「頭良さそうな要素が見当たらない‥」
「まあ、何考えてるか判らないというのはあるな。何に興味があるのかも知らんし。レオが会いたいてなら紹介はするが‥」

「いや、まだ後でいい。シュバイク側、ツバル側でもやる事あるしな」
「わかった」
「それと彼女は置かれているだけ、て事でいいのかな?」
「それはワカランなぁ、オレにしても他の指揮官にしても其々の受けた命令とか御願いを共有してる訳じゃないし基本他人の事は知らんな、オレにしろ、ゼノにしろアスタから違う命を出されているかも知れんし」
「ふむ、つまり竜姫がまた別に命令とか御願いとか受けて一応仕事してる、としても不思議はないのか」
「そうなるな」
「分った、何れにしろ、こっちはまだ確認作業の途中だ後で東港にも行くかもしれんが、どっちにしろ後の事だ」

「了解です、私の方で移動手段を用意しておきます」
「そんなんあるの?」
「一応、高速移動出来る乗り物、というか召喚がありますね東港とは転移陣を置いてないので」
「分った頼む」

として、再びシュバイク本国へ行き今度は城の方へ行く。クラルス女王と周囲側近、大将閣下等、特に個人的に親交の深い人物中心で集めて合間に考えたとりあえず策、方針を伝えた

これを伝えられた一同。と言っても、クラルス様、大将閣下ブランドン大佐と、宰相だけだが、驚いた

この一件、レオの秘密を明確に知ってるのはこの中でクラルス様だけだから。正確には見抜かれた、だが

「え?!レオ殿は西で魔軍を討伐したベルグ家の御曹司?!」となった

「しかし宜しいのですか?今ここで明かして」
「まあね、それにこれからやる事、対ツバルへの釣り策には俺の「名前」が必須だ」
「驚きましたな‥」
「ですが、レオ殿の強さと知識、策に秀でて居る事は納得しましたまさか勇者とは」
「まあ、勇者かどうかは知らないけどね結果的に討伐したから勝手にそう呼ばれる様になっただけだし」
「確かに英雄だの勇者だのは他人が勝手に付けるだけですからな結果論的に。」
「大将も迷惑な異名を付けられたりするだろうしな」

「少なからずありますな。ワシは自身を特別だとも思ってませんし元は一兵卒から、偶々生き残り、ここまで来ただけですから」
「して、どの様な作戦を?」
「うん、俺は本名を明らかにし、国内に告知してもらう。シュバイクで起きた防衛戦、魔物を撃退した経緯も明らかにするそれから、俺はシュバイク王家、クラルス様に召抱えて貰う、勿論、表面上の役職でいい、客人でもいいし」
「既にシュバイクの盟友の称号を得ていますので問題ないですね。わたくしと個人的な友人でもある、として構わないでしょう或いは、もっと深い関係でも」
「しかし、それにどういう意味が??」

とブランドンや宰相らが言った所で楽しそうにクラルスが説明した、流石に彼女は分っている様だ

「面白いと思います、釣れるかどうかは分りませんがツバルも近年急に魔物からの攻撃が増えた、そんなタイミングで、且つて、西で魔軍を討伐したとされる勇者がシュバイクに居る、そして我が王国のトップ、わたくしと懇意で、既に何度かこの国でも指揮して、魔物を追い返した」
「成程‥嫌でもコチラの顔色を見て行動しなくてはなりませんな‥正確には「レオ殿」の、ですな」
「少なくとも圧迫外交は出来ますまい」
「それどころか、逆に協力を要請してくる可能性もある、俺という名前の勇者は、向こうからすれば土下座しても協力を仰ぎたい「道具」だからな」

「逆に脅しを掛けてくる可能性は?」
「無いとも言えないが、まず余程の馬鹿じゃない限りしないだろう、クラルス様の機嫌を損ねる、敵する事は同時に俺も敵にする事にも繋がる」
「なるほど」
「で、まだ情報が不確定だが、ツバルが急に反転したのも本当に魔物の攻撃がキツクなって、シュバイクを御しやすいと考えて動いたかも、向こうが明らかにしてくれる魔物に押されてこっちに来たか、或いは誰かに唆されたか或いは、王個人の独断、焦りの判断かもハッキリする」
「では、さっそくやりましょう。とりあえずレオ殿の情報とこれまで二回の戦い鬼と不死兵との戦いの記録ですね」
「はっ、早速文面を用意します」

そうして五日後には早速書面で用意されレオがシュバイクに来てからの事や、西での魔軍討伐、レオはレオーネであり、名前を伏せて姫に協力し幾度も既に自国の危機を回避して来た事等

各地、首都の告知板や、地方領土内の街等にも情報公開され、現在も「クラルス様」と懇意である事も伝えられる、後は、反応待ちでいい

勿論これは凄まじい話題となった、あっという間にこの話しで持ち切りになり国内を駆け巡る

略、正確に事実を詳細に公表された為、アホな明後日方向の噂は少なかったが、やはり

「レオ様が西で魔軍を討伐した勇者だったとは‥」
「俺は鬼に攻められた時、レオ様が三人で撃退したのを遠目で見たぜ事実だ」
「クラルス様と懇意、て何だ?結婚するのか!?」
「だったら最高じゃないか!俺らの国は三十年は安泰だぞ!」
「いやいや、お二人の間の子と成れば聡明に違い無い百年は安心だ」

とか一部「誰もそんな事は言ってないだろ」という無責任な噂、誤解も生じたが、まあ、許容範囲だろう

本題の所は
「レオが西で魔軍を討伐した勇者とされる人物であり今、シュバイク王家と深い関係にある」

という情報なので、これがちゃんと広がればそれ以外は別にいい

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