八法の拳

篠崎流

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道場破り・①

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10月も終わり頃

安定した、穏やかな日々が続いていた、一般的には、そうでは無いかも知れないが、八陣の家にはその範囲だったろう

一緒に生活することで、お互いのペースが分り、最初の事件の様な事もなく穏やかと言って差し支えない日常が過ぎる

午後4時、一番早く学校を出て、九重の道場に戻って指導を望んだ北条、それに合せて受けたみやび、道場で二人、真ん中で立って正面から抱き合っていた

「あの‥これが練習方法なんですか?‥」
「空察。一番初期にやるやつね」
「う‥」
「貴方がテレると私も恥ずかしいでしょ!」
「そう言われても‥」
「そっちが教えてくれー、て云ったのに」

まあ、仕方無いとも言える。男女胸を顔を付けて合せ、口元を凝視して、「呼吸を読む」のだ

いかに練習と言っても意識するなというのが無理だろう、しかし「自分が望んだ、これも練習」と云われて、北条も心を切り替えた

そして一旦集中するとそこは早い、意識を「呼吸を読む」事に切り替えると、もうそれしか出来なくなる、しばらく、一分程それが続いた

「分る?呼吸、鼓動、空気」
「ええ‥分ります、吸って吐く、心臓の鼓動も」
「じゃ、放して」

とお互い腰に回した手を離し、半歩離れた
そしてまた「読む」

「離れると難しい」
「当然よ、静かな場所ならまだしも試合場とかになったらそれも難しい」
「だがここなら、半歩下がってもどうにか掴める」
「最終的には、空気の振動も掴む、目で、肌で」

そう、空手大会、決勝、最後に陣が見せた「空察」呼吸を読み掴む。それをどうしても教えて欲しい、と頼んでこの様な事になった

本来なら八陣を二流派以上、習得した者が学ぶ最後の技術だが北条はみやびの見立てあって教えを受けられた

一つに、入ったばかりの下っ端、に過ぎないだろうが彼の心、決して後ろ足で砂を掛けて去るような人間で無いという事

二つに、彼の才能、過去に評した通り、天才の中の天才とも言える、みやび、陣、葉月にも劣らぬ才覚の人物であるからだ

三つ、彼、北条が八陣の中にあって、陣に早く追いつく。そこまで行かずとも手を合せられるようにするのは、弟にとっても良かれとおもっての事

好敵手としてコレほどピッタリな人物も居ない
だから、手持ちの武器を増やす、というのは必要であった事だ、故、教えて欲しいを拒否しなかった

本来この技術の総称「与命」は、直接的な武芸ではない。呼吸、空気を読む「空察」 自らの存在、逆に呼吸を消す「気殺」等精神的な技術、気功術や医術、が殆どである

だがそれを用いて、他の「八流派」と複合させる事に寄り全く質の違う「技」に変化する、一つが既に見せた「雷光拳」等である

八陣に置いては「八」に入っていないのはそれだけ表向き出さない術であり一門でしか習わない物だ、だがその一部を既に与えたのである「期待」の高さとも、みやびの独断でもある

「吸って、吐く、この間を突いた、でしたね?」
「ええ、人間はそこに空白の時間があるわ」
「凄い‥」
「と言っても元々剣術の技法ね」
「これ、防ぐには、息を止める?」
「いいえ、呼吸法、座って?」

と両者座る、座禅の様な形である

「分るようにやるわね、見てて」

みやびは「分るように」呼吸法を見せた

鼻から静かに僅かに、「すーー」と吸う、およそ30秒した後、ほんとに小さく長く「ふーー」と口から吐き出す、そしてその「間」も無呼吸なのかどうなのか判断が付かない

「確かにこれは読めない」
「ええ、特別難しくはないわね、ただ、これをずっとやり続けるのは難しいけど。まあ、慣れね」
「つまり戦いの最中も?」
「日常もなるべく、意識しないで出来る様になったら凄いわね」

元々「異次元の技術」という認識はあったが、ここまで異次元だと北条も流石に開いた口が塞がらない

「ただ、空察は相手が居ないと出来ないわね、練習も、気殺、呼吸法は出来るけど」
「そうですね‥でも、防止という意味ではこっちの呼吸法を続けます」
「ええ、じゃ私はアッチに戻るわ」
「有難う御座いました!」

背中越しにそう言われて、思わずみやびも「ビクッ!」となった

(イチイチ土下座して言わなくても‥)という北条のクソマジメさに呆れた

事の起こりは11月に入ってからである

例の「取材」の内容と記事が総合スポーツ雑誌に載ったのである

一ページ、大して宣伝したわけでもない。煽った内容でもない。しかしその神秘性、格闘技、武術としての特殊性

また、そもそもそういう側の読者、しか買わない物だけに、小さな記事から口コミ、噂と成り、この時期にして知られる様になったのである

「それが素晴らしい物なら理解する人は居ます」という峰岸の考えそのままである

当初は「へ~」という程度の認識だったが
更に翌週11月10日頃には第二回のスペース、特集を。という話になって峰岸は九重の家に菓子折りを持って訪問した

陣らも報告を受けて驚いた、まさか外に向けて宣伝、したわけではないが

そういう方向性に八陣が向いたという事。そして八陣の長、雪斎、事じーさんが認めたという事に

無論、じーさんが認める、知らずにこの様な事に成る筈も無い。そこに何かの意図があるのは明確である

ただ、陣や葉月に実害は無い。名前も顔も晒しているのはみやび姉だけ、だからだが

「なんかでも、噂に成ってるな」
「んー、そんな人気ある雑誌でもないけど、注目されてるぽいしな」
「いや、オレは読んでるッスよ!」

と悟はその雑誌記事を見せた、態々学校まで持ってきたらしい

「内容は‥まあ、間違ってないな」
「へーあんときの話そのままだよ?」

と続けて見て、陣と葉月は言った

「しかし意外だな、じじいが許可するとは」
「なんか裏でもあるんじゃない?」
「そーなんスカ?」
「ここに引っ越してきたのもじーさんの指示、だからなぁ」
「ねー」
「でもまあ、身内なんだし、マイナスな事は無いんじゃない?」

と溜り場メンバーも深く考えてなかった

12月、同雑誌で今度は2ページのスペースで特集。表紙にも「神秘の格闘技「八陣拳」と小さく載る

内容はやはり対談形式、峰岸の質問にみやびが答えるという内容、これも別に煽った記事ではない

が、専門誌であり、待望の第二回で、ソッチ関係、つまり、プロ格闘技界の関係者にも注目された事である。住所も電話も晒していない為、本社の編集に連絡が多数来た

そしてここまで来ると、記事を読んで「本物」からの意見も出る、殆どが否定的なものではある

「面白い話ではあるな」とか「話題性はあるけど、戦える物ではないですね」等、表面上、紳士だが皮肉交じりの否定意見が出る

それはそうだろう、まずみやびは23歳の女性。格闘術だが表に出て積極的に戦う訳ではない等、「格闘技だけど勝つ事等大して問題にはしていない」という方向性である。どう考えても強い訳が無い、宣伝の為のウソ話、と思われた

そして12月6日 みやびの携帯が鳴る
相手はむろん「じーさん」である

「あの‥えらい事に成ってますが」
「予想済みじゃ」
「宜しかったのですか?‥」
「うむ、そこで次じゃが」

と「策」を雪斎は伝える

「それって‥かなりマズイのでは‥」
「構わん、精精派手にやってやれ」
「何考えてますの?八陣を潰すつもりですか?」
「いいや、寧ろ八陣を道具にする、そして八陣の為で無くおぬしらの為だ」
「そうかしら‥」
「そうなんじゃよ」

「本心をお願いします」
「ふむ‥やっぱ分るか?」
「当たり前です!」
「‥この時期、時代、お主の父、姉、弟、妹、継ぐに十分な者がこれほど出たのならやっても良かろう、というだけじゃよ」
「はぁ‥そういう事‥まあ、御大のお言葉とあればそれは構いませんけど」
「うむ、頼む」

「で?何時、どこからとかありますか?」
「無い、そこはお主の好きにやれ」
「分りました」

とみやびはやけくそ気味に云って、電話を切った

九重の一家でもこの話、主に第二回会談の記事の話は出た

「じーさん何考えてんだ??」
「ンー、ボクらに害がある訳でもないからいいけどね~」
「みやびさんの方には何かありました?」
「いいえ、特に連絡とも接触とも無いわよ?」
「そっか」
「なら、いんじゃないか?」
「ま、間入ってるのは峰岸さんだ、そうおかしなことにはならないだろう」
「今時、道場破りの類は無いでしょ」
「北条君の例はあるかもしれないけど」
「入門とか?」

「ただ」

と北条は少し不満げだった

「自分としてはプロ連中の言い草は気に入らないがな。実際他流派から来て学んでるオレには分る、八陣の素晴らしさが、それを馬鹿にされるのは面白くはない」

「んー、分らなくはないけど‥」
「まさか言い返す訳にもいかないでしょ」
「そうなんだが‥」
「そもそもボクら一高校生だし、まあ、北条君はプロの大会でも出てるけど」
「なら、自分も八陣の者として出るか?どうせ今までもどこかの道場に所属してたわけじゃない」
「ダメです。一時の感情で物事をきめなさんな」
「う‥」
「ま、その辺はおじい様の指示あるし、わたしに任せない。あなた達は未熟者なんだから、大人しく修練に励む、いいわね?」
「はーい」

と軽く一同も流した

そもそもそこから「あのような事」になるとは思わなかったからでもあるし。別に深刻に考えても居なかったからでもある

12月14日 日曜日

みやびは胴着のまま、と言っても元々巫女服に近いカッコだが、この日は上白、下深い紫、腰に大きい扇子を挿しての事だ。メモ片手に一人街へ出た

繁華街の昼、待ち合わせの喫茶店に入った。既に先に来て待っていた相手の席に座って、挨拶した

「日曜にどうしました?みやびさん」
「どうも、峰岸さん、お願いした件ですが」
「え、ええ、一応機材は持ってきました」
「では今日は一日、お願いします」
「あの‥どういう事でしょう」
「ええ、とりあえず近場に、道場破りに」

峰岸は思いっきりコーヒー噴出した

そして、午後一時、同じ街にあるビルに向った

「ここですね」
「なるほど、では峰岸さんは盗撮を」
「ほんとにやるんですか?」
「スクープには成りますよ?」
「そういう問題では‥」

そしてみやびは結局、その案内されたビルの一階の「ジム」に入った

「御免ください~」とのんきに笑顔で

だが、それを見たジム関係者はギョとした「あ、アナタは‥」と云って固まった。そこでメモを出して

「えー‥と、中垣さん、という方はいらいしゃいますか?キックボクシングミドル級3位の」
「え?‥一応‥はい、あの何の御用で?」
「先日の雑誌で素敵なお言葉を頂きましたので是非面会してお話をと」

そうみやびの記事に対して「実戦で戦える物では無いですね~」とコメントをプロの立場として載せ、言質をコメントした相手である

そこの所属ジムに堂々と乗り込んでこう言い放ったのである、正直唖然ボーゼンであるが一応中に通されて、お茶を出された

そして中垣も控え室から出てきて対面に座ったのである

「始めまして、九重みやび、八陣の師範代です」
「存じております。自分と話したいとの事ですが?」
「はい、先日はわたくしの記事に関して素敵なコメントを頂きまして」

そう笑顔で返された、ここで彼も「しまった」と思った、が

「は‥もしや気にしておいでで?」
「いえ、特に、私個人はなんとも思いません所詮メディアのコメントですし、ただ」
「はい‥」
「実戦で戦える物ではない、とおしゃられた様なので、なら試してみたいと思いこうして来た訳です」
「気に障ったのなら謝ります。不穏当な、その発言でした」

「いえ「私」は気にしてません、ただ、試して見たいのですが」
「しかし、みやびさんは女性ですし‥私闘の類は法的にどの様な物か理解されていますか?」
「ええ、ですから「リングの上で何でもアリ」というのは如何でしょう?」
「は??、あの?アナタが自分と、試合する、という事ですか??」
「ええ、そこにリングもありますし」
「申し訳ありませんが、それは流石に、自分は女性を殴る事は‥」

彼も素では温厚で真摯ではある、メディアのコメント程度で大事に成るとは思わなかったのでそう発し、結果的にこうなっただけだが、そういう意味では軽率ではあったろう

格闘家、というのはキャラ付けでヒール演出もするし、派手な事も言う、が、常人には不可能なほど「努力」をしてきた人間であり大抵皆、彼の様に紳士である

だが、今回、みやびの目的はそこに無い。戦い勝つ、「知る」事である、故に

「そうですね、中垣さんも立場がありますしね、間違って「私に負けたら」大変ですからね。なら門下生の方はどうでしょう?、誰でも構いませんよ「私は」そういう覚悟が常にあります」

と叩き付けた

それでも彼は「なんと言われても‥」と俯いて返したが、そこまで云われては周りの者が黙って居られないのである

「ふ、ふざけるな!」と門下生の一人が立って応接セットの深い椅子に座るみやびの横にツカツカ歩く

座ったままのみやびの襟首を掴んだがその瞬間、座ったままのみやびに「何か」をされて、男は一回転するほど綺麗に投げ飛ばされて床に叩きつけられた

中垣が「止めろ!」と言う暇も無い程の早業である
こうなると「お断りします」ではもう済まない

既に乱闘だ、しかも情けない事に先に手を出したのがジム側である、まして一人で乗り込んできた女性に多勢で如何に煽られたとしてもだ

中垣は立って、一触即発の空気を防ぎ、片手で周りの者を制した

「自分が、リングで試合すればいいんですね?」
「ええ」

こうなると、即興の他流試合、お手合わせにするしかないのである

そして準備が整えられる

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